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<< 目次 >>

(1)テーマ別特集 
(2)毎年の投資戦略を考える  ( 2014年を考える )

(3)ご挨拶   非職業的投資家の皆様へ   投資のウンチク老後の生活資金を考える 
(4)超長期の相場観(Big Picture)    
(5)お役立ちWeb Site
(6)著書の目次
三部作
エントリーの内容は最善 を尽くしておりますが、皆様ご自身で投資の最終的な判断をお願いします。
皆様が何かを考える際にお役に立てればと存じます。

実務能力が高く、世界各地に類が成立するだろう新勢力の予感

シーア派の過激派(武闘派)が建国した「イスラム国」は、パスポートを発券して世界を驚かせたりしたが、その後も様々な行政能力を発揮している。

彼らは、かつてのアルカイーダなどの単純な破壊勢力では無い。
フロント、ミドル、バックという機能の維持能力を備えた政治集団かもしれない。

さすれば、シーア派連合国グループ、スンニ派連合国グループ、という明確な分離が強化されることになる。

その時、アジアのイスラム国たちは、どうするのだろう?

参考ブログ記事
1:http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4712303.html
2: http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4712300.html 

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目次 : 中国政治史

シリーズ:難問に取り組む習近平




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2012年の重慶の薄熙来に関連する事件を機に書いた記事をまとめたもの

2013年11月15日:2014年を考える:2013年は雌伏の習政権だった

2012年12月16日:日本で一番誤解されている「江沢民」

2012年11月6日:中央政治局常務委員の変遷

2012年10月7日:中国政治史の復習

2012年9月28日:人民裁判の恐怖の思い出が、資本流出を引き起こした可能性

2012年9月19日:尖閣諸島の攻防と、大国の興亡

2012年5月13日:追いかける国の悩み

2012年4月8日:中国メモ(2)

2012年4月8日:中国メモ(1)

2012年4月1日:中国政治史

2012年2月26日:毛沢東 と ガンジー


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難問に取り組む習近平 (4)国際関係

習近平政権の中国と、関係各国の国際関係に関して、双方の基本的な姿勢をまとめると、以下のようになる

< 米中の利害は一致する部分が多い >

USの基本的な姿勢
1.中国と喧嘩はしたくない
2.中国アジアの経済成長から恩恵を受けたい
3.軍事的なプレゼンスの急速な後退は避けたいが、中国の台頭という時代の趨勢は認識している

中国の基本的な姿勢
1.USと喧嘩はしたくない
2.米中関係は対等なパートナーシップであるべきだと主張
3.太平洋の勢力圏の範囲に関しては、米中で対等な分割支配を望む
4.当面は実効支配の拡大努力を継続する


< 日中は、政治と経済がネジレ状態 >

日本の経済界は現実重視
1.中国と喧嘩はしたくない
2.中国アジアの経済成長から恩恵を受けたい

安倍首相の基本的な姿勢
1.経済よりも政治を優先
2.戦前から続く保守政治の家系の名誉を守りたい
3.中国に対して侵略戦争をしたとは積極的には認めたくない
4.A級戦犯の名誉を回復したい。(なお、A級戦犯の否定は、USの占領政策の否定を意味するので、USは受け入れないというのが国際政治の専門家の共通認識
5.アジア太平洋地域に関する中国の軍事的なプレゼンス拡大に対抗して、日本の軍事力を拡大させて対中軍事バランスを確保したい。そのために、憲法9条を改正して、普通の国のように、自衛隊を正規軍に格上げしたい。
6.保守政治家の一定割合の人々は、今でも中国を見下し、対等視しない傾向が見られる

中国の対日基本姿勢
1.小康社会の建設、リーマン・ショック対応の4兆元の経済対策の副作用として積みあがった不良債権の処理のために、継続的な経済成長が必要だ
2.経済成長の高度化と環境対策のために、日本の資金と技術は必要
3.第二次世界大戦の日本の中国侵略に関する「反日教育(江沢民が導入した)」は、政治的な安定の確保、負け組の「毛沢東回帰、現政府批判」を防止する観点から、急速な撤回はできない
4.現実的な対日関係改善は、広東省委書記の胡春華(2022年以降の時期国家主席と目されている)が主たる役割を果たすが、安倍首相の靖国参拝などに対する中国国内強硬派を考慮し停滞している


< 国内政治の安定が必要な中国 >

ウイグル自治区
1.習近平が提唱するシルク・ロード経済圏の中心地域であり、ロシア、および旧ソ連邦各国とのパイプライン接続の拠点として重要な場所であるウイグル自治共和国は何としても中国の支配下でなければならないと考えている。
2.すでに漢民族の移住が大規模に進んでおり、ウイグル族(ムスリム)は少数派になりつつある。

チベット
宗教を否定してきたのが、共産主義の歴史
共産党以外に信じるモノ、共産党の考え方を上回る理念があっては困る

ウイグルもチベットも宗教的な色彩が強い地域である。
宗教を嫌悪する中国共産党だが、彼らの宗教を弾圧すれば、(1)かえって反発を強めたり、(2)外国の反発(特に中東やアフリカのムスリム国家)を招く可能性が高まる


< 米中は海を隔てた補完関係 >

1.米中関係は、経済は補完関係、政治は緊張関係にある。
しかし海を隔てているので、国民同士のいがみ合いは少ない、緊張関係が現実の政治行動としては顕在化しにくい

2.中国人のUSへの留学生は年々増加しており、特に共産党幹部の子弟はほぼ全員US留学
留学目的は、子供にアメリカ国籍取得させること、資産のUSへの移転(実質的なマネロン)にする拠点(ファンド、企業、秘密口座)を確保すること

江沢民の子息がUSに留学したが、アメリカの市民権を得るまで帰国を許されなかった事は、有名な事実である。

< 米中は海を隔てた補完関係、しかしアジアは・・ >

1.中国とその周辺アジア諸国との関係は、手の届く距離の隣国関係
地理的に近いために、政治的な緊張関係が現実の紛争や政治行動(示威行動)として顕在化しやすい
特に、日本との関係においては、第二次世界大戦を経験した生存者には生々しい戦争体験が残っており、様々なキシミが存在する

2.アヘン戦争以降凋落の一途だった中国の再隆盛で、中国人の気持ちは劣等感から優越感へ急速に変化
急速に芽生える優越感は、国際関係での緊張感(特に、海上での実行支配領域の拡大)を生んでいる。

3.大きな経済力を持ったと同時に、USの戦略と同様に「市場の提供は国際戦略を実行する際に活用する重要なツール」という手法を採用
経済的な恩恵の供与を「Give & Take」の手段にして、事実上の圧力外交を様々な分野で実施している

4.日本では、中国で悪いことをしたのは親の世代であって、我々の世代は悪くない、という意識を持つ者が増えている。
被害者意識は、孫子の代まで、持続するが、加害者意識は、違うようだ
なお、ドイツの場合、欧州に対して謝罪したのは「ナチスの罪」、
欧州各国の反応も、「ドイツは許すがナチスは許さず」で一貫しており、いまだにナチスの残党狩りが続いている。

では日本は、何を謝罪するのか?(または、したのか?)
ナチスの対応する当時の軍部、特に陸軍とその利権集団だが、現在の政治家には安倍首相を含め、彼らの子孫が多いのが現実。
そのために、ドイツとナチスの使い分けのような手法が使えない。
これが国際政治面でのネックになっている。

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難問に取り組む習近平 (3)習近平政治の基本姿勢

< 小平が果たせなかった「共富」 >

小平は、「頑張って富を創造したら、その利益を個人が所有できる(先富論」と、「先に富んだ者が、まだ富んでいない者を牽引して、富んでいない者を富ませていき、共に富裕になる“共同富裕”の社会を目指す(共富論」の2論を展開した。

しかし、小平を引き継ぎ1990年代を牛耳った江沢民は、保守派長老グループ(筆頭=薄一波、重慶事件の薄煕来の父)に懐柔されて、改革開放を放棄し利権独占の腐敗を蔓延させた。

その結果として出現したのは、「先富論」によって先に富もうと試みた者が、党の特権階級と組み利益を独占する腐敗状態だ。
先富者たちは誰一人として「共富」のために自ら懐に入れた富を手放そうとはしなかった。
先富は成ったが、共富は全く起こらなかった。


< “待った無し”の「負け組対策」 >

競争的な資本主義経済体制では、勝ち組と負け組の格差が明確になる。
1990年代以降の早すぎる経済成長は、格差の拡大を加速させた。
目に見える生活レベルの違い、資産面の豊かさの格差、とんでもない格差が出現した。

毛沢東時代の貧乏平等から、経済発展の時代になり、その恩恵の有無の違いが生み出す猛烈な格差の時代に突入した。

取り残された、負け組が大量に発生したが、極貧困層(日本的に言えば、世帯年収60万円未満)だけでも、1億人と言われる。
市場経済競争に負けて淘汰される現状に不満を持つ負け組の彼らは、貧乏平等の時代(毛沢東時代)の方が、生活が楽だった、金回りが良かったと思っている。

彼らの不満は、年間20万件ものデモとなって顕在化しており、政治的に待ったなしの対応が迫られるポイントに達した。



< 中国の将来を左右する「勝ち組対策」 >

経済発展は、権利意識を目覚めさせる。
経済発展によって生まれた大量の中間層は、現代中国経済にとって健全な成長の源である。
この中間層を減殺しては中国の将来が無い。

権利意識に目覚めた彼らは、環境保護(大気汚染、水質汚染)に立ち上がっている。日本の昭和40年代に公害反対運動が大きなうねりとなったが、まったく同じだ。

彼らの子孫の時代まで「安全に生活できる中国」が維持できるのか?
もしNoと判断したら、中国を脱出する資金を確保した順に海外へと出ていく。既に世界各地には、したたかに生きている大勢の仲間がいる。脱出は、金銭的にも精神的にも、日本人よりもはるかにハードルが低い。

環境破壊は、国営企業の腐敗が大きな原因だ。環境保護に使うべき資金をネコババして、不正蓄財して、海外に送金してマネロンしている。これを是正することは、前回の共産党大会で決定された。

(1)まっとうな企業経営、社会的責任を果たす経営者、それが主流になるには、フェアな企業間競争と、それを促進する広範な情報公開などの改革開放路線の継続強化が必要だ。

(2)現状のアン・フェアな競争や不平等の源泉は、共産党の腐敗と利権構造が根本にある。この根本的な路線矛盾に向き合い、上記(1)を推進すれば、「一党独裁」を放棄することになる。

今の習近平には、共産党の一党独裁を放棄する選択肢は無い。
改革開放路線の強化と一党独裁の維持の同時追及という微妙で困難な「綱渡り」的な政策調整を10年間にわたって継続するのが、習近平政権の最大の特徴だ。


< 習近平が目指す「小康社会」 >

習近平は、小平が果たせなかった「共富」の夢にチャレンジしたいと心では思っている。
しかし、私利私欲に凝り固まった凡人の集合体という中国の現状に鑑み、実行される政策は夢の追求するのではなく、前国家主席胡錦濤が提唱した小康社会の実現に向けた努力だ。小康社会とは、ほどほどに余裕のある生活ができるフェアな社会だ。

実現のための手段は、(あ)やや減速させた経済成長と、(い)腐敗撲滅運動、である。

(あ)やや減速させた経済成長
早すぎる経済成長は、格差の拡大を加速させ負け組の不満を爆発させる。やや減速させることで格差拡大ペースを鈍らせたいようだ。
地方の首長の評価体系(経済成長の数字で判定)も変更する。これまでの成長至上主義から決別し、経済成長を6.9%まで減速させる。6.9%は、経済が失速しない巡航速度の下限であると、胡錦濤時代にレポートされている。

しかし、地方政府を中心に積み上がった2008年11月の「リーマン・ショック対応の4兆元の経済対策」の副作用の軟着陸(=不良債権処理と、非効率部分、鉄鋼、セメントなど素材産業の閉鎖に伴う大量の失業者を吸収する)には、経済のパイを拡大させる高い成長が必要となる。

6.9%近辺の経済成長の長期間の維持は、さまざまな利害関係者からのバラバラの身勝手な要求の嵐の中、難易度の高い目標になるだろう。

(い)腐敗撲滅運動
汚職や不正蓄財など腐敗を撲滅して、フェアな社会を実現する。さもなければ、負け組の不満は一気に大規模な反政府運動のうねりとなる。

1.経済格差を是正して、平等社会を目指す。
そのために、まずは本来なら労働者に期すべき利益を不正に蓄財する悪党を追放する。
毛沢東の貧乏平等時代を懐かしむ負け組への対応であり、ある程度毛沢東路線のフリをする事を意味する。

2.中国の将来を支える虎の子である中間層への対応として、改革開放をすすめ、市場の判断に任せる部分を拡大(=規制緩和)させる。これは小平路線の承継だ。

上記1(毛沢東路線)と2(小平路線)の同時に追及することは、そもそも矛盾する。
今後、言葉として発表される内容と現実に実施される内容に、微妙な政治的な差異が生じることになるだろう。


< 反日デモと、反政府意思表明 >

2012年9月11日の尖閣諸島の国有化後に、中国国内では大規模な反日デモと日本企業(特に小売業)を狙い撃ちする暴動が多発した。

その1年後の2013年12月26日の毛沢東生誕120周年記念日に、安倍首相の靖国参拝が行われた。これに反発する反日デモが起こることが多いに懸念されたが、何も起こらなかった。

中国の専門家に共通する理解では、・・・愛国無罪(愛国、反日を叫びながらデモをしたり、暴徒化して破壊活動をしても許される)というデモ参加者の心は、「現在の政策に対する不満表明=反政府」であり、反日、愛国無罪を叫びながら、表現の自由を奪われ反政府の意思表示を禁止されている負け組層の不満表明のシグナルを意味している

負け組の割合は先進国とあまり変わらないとしても、その絶対数は13億人も人口(=分母)がいると、数億人の負け組という人数に達する。
現在のようにモバイル・インターネット(スマホ)で連絡を取り合って、徒党を組んでデモを起こすと数万人規模のデモは日常茶飯事となる。

2012年の尖閣国有化後の暴動の背景を十分に理解した習近平は、毛沢東の貧乏平等時代への回帰を要求する負け組不満層が、安倍首相の靖国参拝後に大規模デモと毛沢東主義復活(共産党が禁止している個人崇拝と大衆扇動)を防止するために、反日デモを徹底的に鎮圧した。

その変わり、愛国無罪を叫ぶ負け組を考慮して、日本政府に対する抗議は常識以上に激化させた。尖閣諸島への領海侵犯を頻繁に実施し、もめている東シナ海のガス田開発を推進した。


< 共産党が変わるか、追放されるか >

中国の政治史の特徴は、「天命」という考え方だ。
中国人が為政者を為政者と認めるのは「天が、彼をして、為政者たらしめた」と思うからだ。

過去のどんな強大な王朝も、独裁とその副産物である腐敗で滅びてきた。民衆が「天命が尽きた、支配者としての正当性が無くなった」、「次の天命は**に移った」と思うことで、あっという間に現王朝は崩壊した。これは、中国の大地の掟と言われる。

この掟は、中国共産党とて例外では無いことは、習近平をはじめとする7人の指導者全員に留まらず、共産党の上層部全員の認識である。
だから腐敗撲滅作戦を強力に推進し、民衆に「支配の正当性=天命」を訴える必要があるのだ。
天命があるから共産党に従っているだけ、それが中国人のDNAだ。

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難問に取り組む習近平(2)論理矛盾

一党独裁と経済効率性の両立は、論理矛盾

< 独裁による効率化 >

独裁は、長時間の議論や複雑な合意形成プロセスが不要ゆえ、効率的な意思決定システムだ。

国民が独裁を受け入れるには、「あの人だから、あの人なら」というリーダーに対する絶対的な評価が必要である。
それゆえ、リーダーが個人では無くグループの場合であっても、それは少人数であるべきだ。
多数になれば指導グループ内に低モラル人が混入し、それを起点に利権集団化が始まり、腐敗が蔓延し、国民の支持を失う。

開発独裁体制で成功してきたと言われるリー・クアンユー(Lee Kuan Yew)が率いたシンガポールだが、国家規模が小さく、自由競争による国際競争力強化に身をゆだねる「小国開放経済」体制になっている。
シンガポールの国土の大きさ、人口、民族構成だからこそ、少人数の聖人君子的な人物がリーダーとして統治可能なのだ。

一方中国は、広大な国土と多民族、13億人の人口を持つ大国で、しかも閉鎖経済の色彩が色濃く残っている。
少人数の聖人君子では統治が不可能な国家規模だろう。それを可能にするために必要な聖人君子の数だが、中国を統治するには足らない。
政治と経済を担当する多数派は、普通の人間である。聖人君子では無く、安きに流され、利権の魔力に負ける弱い人間である。
聖人君子による「好ましい」独裁体制は、中国には生まれないと考えるのが妥当だろう。


< 国民を食わせていく能力が欠如していた毛沢東>

毛沢東は独裁者だった。
彼の考え方は・・・・・
計画経済を基本とし、社会主義体制に向けて共産党が一党独裁で人民を導く
経済的利益は、個人は所有できず、国家が全てを独占する
共産党(=毛沢東個人)が最善&最良の決定能力を持っている。

現実の姿は・・・付加価値を生む労働に対するインセンティブが存在しなかったので、だれも真面目に働かず、結果として出現したのは「貧乏平等社会」だった。
経済格差の無い平等は達成されたが、それは皮肉と言えよう。

1960年代に、国家経営能力(国民を食わせていく経済運営能力)の欠如により、毛沢東は国家主席から追放された。
しかし、嫉妬の鬼であった毛沢東は、経済運営=資本主義化、格差の出現と非難しつつ、法治主義を否定し、毛沢東個人崇拝(人治政治、王制、帝政)と大衆扇動による暴力運動(=文化大革命という名で正当化した)を展開し、中国国内は大混乱に陥った。

膨大な人的犠牲と11年に及ぶ経済の疲弊で中国はボロボロの崩壊状態になった。
貧乏平等社会主義は破綻した。
毛沢東の目指した社会主義体制は、経済的には非効率な制度であり、国民を食わせていく能力を欠いていた

< 小平のような聖人君子は、彼一人しかいなかった >

小平は現実主義者だった。
「頑張って富を創造したら、その利益を個人が所有できる(先富論)」、「先に富んだ者が、まだ富んでいない者を牽引して、富んでいない者を富ませていき、共に富裕になる“共同富裕”の社会を目指す(共富論)」の2論を展開した。
上記二論をベースにした改革開放政策によって、「特色ある社会主義(社会主義市場経済体制)国家」を建設しようとした。

小平は、法治(集団指導体制)を守る為に、自身による人治(個人崇拝政治)を自ら封印排除したが、同世代の長老保守派は、保身と利権独占に邁進し中国の近代化を妨害した。小平以外の聖人君子はそうはいなかったのだ。

1990年代の中国では、改革開放と市場主義という言葉が舞ったが、競争的な資本主義経済体制が効率的なのは、「自由競争」をベースにし、最も効率的な者が生き残り、他は淘汰されるからである。
しかし、一党独裁で巨大で非効率な国営企業が業界全体の競争を阻害し生き残り続けるなら、資本主義の本質的な部分である「効率的な者が生き残り、他は淘汰される」という機能が働かない。一党独裁による「利権の独占と、他者からの収奪」がはびこってしまう。

1990年代以降、現在まで中国に蔓延していることは、「先富論」によって先に富もうと試みた者が、党の特権階級と組み利益を独占している腐敗状態だ。先富者たちは誰一人として「共富」のために自ら懐に入れた富を手放そうとはしない。

小平の目指した特色ある社会主義国家建設は破綻したと言えよう。
先富者の多数派は、小平のような聖人君子ではなく、普通の強欲人間にすぎなかったのだ。


< 一党独裁のままの資本主義化は論理矛盾 >

競争的な資本主義経済体制が効率的なのは、「自由競争&フェアな競争」をベースにし、最も効率的な者が生き残り、他は淘汰されるからだ。

独裁や独占には自由でフェアな競争がない。
1:独裁(誰に何をやらせるかを許認可する)と、
2:自由でフェアな競争(勝ち組が何をどうするかを決めた結果としてのデ・ファクト・スタンダード)とは、相容れない、反発し合う考え方だ。

つまり、一党独裁のままの資本主義は、論理的に矛盾しているのだ。


< 数億人の負け組 >

競争的な資本主義経済体制では、勝ち組と負け組の格差が明確になる。

国の規模が巨大で人口の多い中国では、集められる富の規模もとんでもなく巨額になる。
13億人から薄く広くかき集められる富の合計金額は、1億人の日本では想像がつかないほどの巨大な金額になる。富裕層のレベルは欧米のそれを凌駕するリッチさになっている。

一方、負け組の割合は先進国とあまり変わらないとしても、その絶対数は13億人も人口(=分母)がいると、数億人の負け組という人数に達する。
現在のようにモバイル・インターネット(スマホ)で連絡を取り合って、徒党を組んでデモを起こすと数万人規模のデモは日常茶飯事となる。


< 負け組の不満を政治的に利用した薄煕来事件 >

負け組の不満を政治的に利用しようと言うヤカラも出現する。

2012年2月に、中共最高幹部候補の薄煕来の右腕だった王立軍が、四川省成都の米総領事館に政治亡命を求めて以降、一気に世界の注目を浴びたのが、薄煕来事件(薄煕来自身を毛沢東になぞらえた個人崇拝と大衆扇動(=毛沢東路線の復活騒ぎ)」だ。

薄煕来は重慶の行政、司法、警察を独占し、不正、圧制、アンフェア、やり放題で、彼に組しない富裕層の資産を強奪し、彼らを不当逮捕監禁&不正裁判で死刑にしたり、利権政治や賄賂を通じて1兆円規模の不正蓄財をしたと言われる。

薄煕来の政治手法は、共産党自身が11回党大会で禁止した2大タブーである「個人崇拝」&「大衆運動の扇動」であり、現在の共産党一党支配の根幹である「手段指導体制&法治主義」に違反するものだった。

2012年3月14日の共産党大会閉幕後の記者会見で温家宝首相(当時)は、「中国は苦難の歴史を経て第11回党大会で文化大革命を総括したハズだ。二度とあのような悲劇を中国にもたらしてはならない」と激しい口調で述べ、2008年以降重慶で薄煕来が始めた毛沢東の名をかたりつつ実施した個人崇拝&大衆扇動(人民服+革命歌)&汚職政治を強烈に非難し、その後の薄煕来の追放&訴追を正当化した。
その後の裁判で、薄煕来は無期懲役になっている。

2013年の習金平体制の移行期にあって、胡錦濤・温家宝の第四世代と習近平・李克強の第五世代は、薄煕来事件を「産党支配を崩壊させるもの」と認識して、一致団結して「薄煕来とその賛同者の排除」と「負け組不満の反政府運動化の防止(=毛沢東路線の復活防止)」に邁進する事を決定した。

それが、現在習近平が「虎もハエも叩く」という言葉で進めている反腐敗闘争に結びついている。
虎=利権集団のボス、ハエ=利権集団の下端、その両方を根絶するという政治路線であり、習近平体制の10年間を通じて継続する政策だと思われる。


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難問に取り組む習近平 (1)近代中国政治史

1990年代に腐敗が蔓延した中国の政治史を振り返る

< 第五世代までの推移 >

習近平は「第五世代」と言われる。そこに至る推移と各世代の特徴は以下の通りだ。
( 表示西暦は、最高権力者(国家主席では無く、中国共産党中央軍事委員会主席)に就任した年 )

第一世代:毛沢東、1949年〜
貧乏平等の共産主義、経済的な利益は個人が所有できず国家が独占する
毛沢東個人の権力維持を最優先、そのためには経済は犠牲にしても構わない
手段は、個人崇拝&大衆扇動政治、秩序の破壊
結果として文化大革命という名の内戦を引き起こし、大量の人的犠牲者と経済を破壊

第二世代:小平、1978年〜
先富論、豊かになる事が先決だ、頑張った者は利益を所有できる
文化大革命の原因となった「個人崇拝&大衆扇動政治」を党規約で禁止
集団指導体制と法治国家を目指した

第三世代:江沢民、1992年〜
経済の大発展期、利権腐敗の12年間、一党独裁の負の側面(=自浄作用の欠如)
経済的負け組の不満を外に向けるための手段としての反日教育強化
共産主義国家から、共産「党」主義国家へ

第四世代:胡錦濤、2004年〜
「小康社会&政治腐敗防止」へと軌道修正を目指した
現実は世界経済の混乱(リーマン・ショック)に巻き込まれる

第五世代;習近平、2013年〜
待ったなしの「論理矛盾(一党独裁を維持したままの経済効率追求&腐敗防止)」への対応
負け組の毛沢東主義回帰(個人崇拝&大衆扇動政治)の防止と、利権腐敗構造の改善
海外との領土関連摩擦に苦慮
 
中国政治史


< 共産党が毛沢東を事実上否定した「第11回共産党大会」 >

第11回党大会で、毛沢東が引き起こした内戦(=文化大革命)を正式に否定し、その要因となった政治手法(個人崇拝&大衆扇動政治)も党規約で否定した。これは事実上、毛沢東を共産党が完全に否定したに等しい。

しかし、現代中国(=共産党独裁国家)の生みの親である毛沢東を、共産党が全面的に否定する事は共産党一党独裁体制の維持を不可能にすることに直結する。そこで、小平は「毛沢東の70%は正しいが、30%(=文化大革命)は誤り」という評価で事態を収拾した。


< 正反対の国家経営スタイル >

毛沢東は、個人崇拝&大衆扇動政治を手段にして、毛沢東個人の権力維持を最優先しつつ、共産主義社会(=利益は個人が所有できず、全て国家に帰属する、結果は貧乏平等)の実現を目指した。

小平は、人民が豊かにならなければ中国の未来は無いと考え、まずは豊かになる事が先決(=先富論)を唱え、頑張った者に対しては「利益を個人が所有できる」という経済的なインセンティブを導入した。
また同時に、毛沢東の個人崇拝&大衆扇動政治を完全に否定し、集団指導体制&法治国家を目指し、江沢民にバトン・タッチしたが、江沢民は、利権腐敗を蔓延させた。

< 江沢民時代に蔓延した腐敗の構図 >
 
小平の提唱した「先富論」は、拝金主義的&エゴイスティックな中国人の利益獲得&独占意欲に火をつけた。
特に経済が大発展を遂げた1990年代、江沢民の時代には、主要産業と行政・司法・警察を独占する共産党上層部の利権獲得競争が激化した。
その結果、以下のような利益独占&腐敗体制が出現した。

巨大な利権構造の頂点は江沢民、その傘下に、鉄道閥、石油閥、通信閥と言われる巨大国営企業を牛耳る利権構造が成立している。

石油利権を牛耳るのは、周永康(親族は既に逮捕され、本人の逮捕も近いと言われる)。
鉄道利権は、劉志軍(習近平の腐敗撲滅運動の結果、死刑判決)。
ふたりとも江沢民派。
通信は、江沢民の長男江綿恒が支配している。

なお、電力は元国務院総理李鵬の娘李小琳が5大電力会社を支配している。

< 不正蓄財のマネーロンダリング >
上記のような利権構造を通じて獲得した資金は、不正な手段で海外に流出している。
年間40兆円もの巨額資金が海外に持ち出され、さまざまな手法でマネーロンダリングされた後、投機資金となって世界中を駆け巡っていると言われている。

この40兆円という金額は、日本の国家予算の半分近く、日本の税収全体にほぼ等しい。

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日本のサービス産業は、猛烈な勢いで生産性が向上する

良い事が起こり始めた。

人手不足 → 高度IT化の促進

これまでは人件費が安すぎた。
安価な使い捨ての労働力が掃いて捨てるほど転がっていた。
高度なシステム化を推進するよりも、低コストでビジネスの拡大が可能だった。

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人件費が上がり始めた。
これまでの常識が通用しなくなる。

現在起こっている変化は、2つの点で重要だ。

第一に・・・
これまでのIT化はバイトでも即使えるレベルのIT化だった。
今後の高度IT化は、高度なITスキルの教育訓練と同時進行で導入されていく。
バイトでは無く、正社員、準正社員(高レベル・パート)が中心になって使いこなすモノになる。

第二に・・・・
これまでのIT化は、A社が導入したものを、後からソックリ同じことを安価に短時間にコピー導入できるものだった。
しかし今後の高度IT化は、各企業の特徴に応じた創意工夫が「付加価値」の中心部分になるだろう。
だから、後からソックリ同じことを安価に短時間にコピー導入できない。

つまり、今後のIT化は参入障壁として大きく立ちはだかるモノとなるだろう。

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中国地方政府の苦境は2015年から本番

下記は、ほとんど織り込み済みだろうが、ニュースが出た時は「確認の売りが出る」と思う。

中国の地方政府は、万年歳入不足。
一番の理由は、もともとは地方の財源だったものを、前回の税制改革で北京政府に召し上げられたからだ。

歳入が減っても支出は減らない。
減らないどころが、北京政府の計画する経済対策の多くの結構な部分は、地方政府がその財源を確保する事になっている。

だから、土地の使用権の売却に依存する体質から脱却できない。
それどろか、昨今の不動産価格の上げどまり&若干の低下に際しては、地方政府の財政破たんが叫ばれる

それは下図を見れば明らかだ。
予定通り(例:200)を下回る売却代金(例:105)しか得られなければ、大変なことになる。

地方政府の土地売却代金_1_20140619


しかし、実態はもう少し悪化している。
毎年の不足を補うだけではなく、2008年11月のリーマンショック対応の4兆元の経済対策に際して、地方政府および地方政府傘下の投資企業(LGFV)が調達した資金の返済や利払い費用も加わっているからだ。

それを工面するために、将来の土地使用権売却代金を担保に借金をしている例も増えているらしい。
将来を先食いしているのだが、不動産価格の低迷が長期化すれば、先食いのツケは大きな悪影響となって地方政府に降りかかるだろう。

地方政府の土地売却代金_2_20140619


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投資家の焦点は、ウクライナから「中国と周辺アジア諸国」にシフト

(1)ロシア軍はウクライナ国境地帯から撤収した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140531/erp14053121400008-n1.htm
 2014_0601_2

 
(2)ウクライナは、対ロシアのガス代金滞納分の3割を払った。
http://www.cnn.co.jp/business/35048753.html
2014_0601_1

(3)ウクライナ新大統領ポロシェンコの東部親ロシア地域に対する強硬な軍事作戦をロシアは黙認した。


全ては、ロシアとドイツが合意した線に沿って動いていると判断している。

ウクライナは、「軍事的、暴力的、過激な実力行使」のフェイズから、「国際政治の鍔迫り合い」のフェイズに移行した。

株式相場に悪さをするフェイズが去ったのだ。

この週末、世界の投資家の焦点は、中国と周辺アジア諸国にシフトした。

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