2005年03月

BRICs相場に、昨年の春の嵐が再来するか? (6)

踏み上げ太郎さんの指摘([関連したBlog])のように、BRICs株の調整は、第二段階に入ってきたと思います。
第一段階は、BRICs相場に、昨年の春の嵐が再来するか? (5)までに書いたような、Carry Trade Positionの解消と、その懸念です。これなら単純に需給だけですから、時間が解決してくれます。

第二段階は、景気減速(または、景気減速懸念)を背景にした株価調整です。昨年の春は、まさにコレでしたし、結局は懸念ですみました。なぜなら、実際は巡航速度の上のレンジまでしか、景気はスピードダウンしなかったからです。これなら、景気減速ではありません。なので、株価は再上昇しました。相場の中身も資源・エネルギー関連が中心で変化が起こりませんでした。

現在のBRICs市場の織り込みつつある懸念ですが、、、
(1)現在は、巡航速度の上のレンジですから、ここからさらに減速するとして、レンジの下程度(巡航速度内の速度変化)で踏みとどまるのか?
(2)巡行速度レンジの下限を下抜けして、景気後退領域まで達するのか?
(3)いやいや、景気は最加速してしまうので、Fedの利上げも最加速してしまい、金利急上昇によって、『Boom&Bust』が発生してしまい、景気急低下が年末に発生する。
というような心配かなと思います。

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確かに、踏み上げ太郎さんが指摘するように、相場と言うものは不思議な生き物です。
あとから、その上昇・下落の理由を我々が思い知るのです。
しかし、それと同時に相場の歴史を読み解くと、大相場は大きな懸念を何度も乗り越えて、最終的にはバブル領域に達します。今回のBRICs相場が、大相場であるなら、今回もこの懸念を乗り越えて、BRICs市場の株価は上昇すると思います。

ただし、今回の調整前と調整後は活躍銘柄が変化するかも知れません。いや、むしろ活躍銘柄が入れ替わっていかなければ、BRICs大相場は成長できないと考えるべきでしょう。
私は、世界の景気は不景気の領域まで下がることはなさそうだと思っています。しかし、資源・エネルギーが逼迫して困ってしまうというレベルは解消される程度には速度を低下させると感じています。それが、踏み上げ太郎さんの本日指摘しているNY市場の大幅下落銘柄の原因であり、私は健全な相場の変遷だと信じています。

台湾と中国の水面下の進展?

昨日、台湾国民党(今は野党)の副主席が中国(広州)を訪問している。明日は北京に行き、中国の台湾政策担当者と会うという。
こんな高い地位の人が中国本土を訪問するのは、1949年以来初めてだそうだ。先日の全人代で、反国家分裂法を採択したことに抗議して、台湾では陳水扁総統、謝長廷行政院長(首相)や李登輝前総統の参加した抗議デモが実施されたというが、水面下では、なにやら交渉があるのだろうか?

"ビジネス"としてのアルカイダ (1)

ブッシュ二期目のアジア政策のところで書いたアメリカの政治分析屋の話で、最近再度気になった言葉があります。

ビジネスのアルカイダ』です。彼曰く、アルカイダというのは世界的なビジネスであって、世界に分散した多数のメンバーの活動・生活を維持するために、毎年資金の流入を必要としている。
資金を得るためには、ちゃんと活動をしているのだというデモンストレーションが必要なので、根絶というのはありえない。

それに関して思ったことは、
(1)キー・メンバー以外の一般メンバーは、テロ以外のまっとうな職が見つかって安定した生活ができるようになれば、組織を離脱する可能性がある。
(2)ここ数年の原油高で、中東諸国はそんな政策を実行できる条件が整ってきたのかもしれない。
という事です。

BRICs相場に、昨年の春の嵐が再来するか? (5)

[関連したBlog]

踏み上げ太郎さんのBLOGへのトラックバックです。
確かに最近軟調です。最初の図は私が見ているBRICs4カ国です。
B:ブラジル、黒、R:ロシア、赤、I:インド、黄、C:中国、緑




軟調さの引き金は、米国金利の上昇です。
昨夜も、ジリッと上昇してます。


金利上昇の背景が、アメリカの堅調な景気だという解釈のもと、US$も上昇しています。
図は、対ユーロですから、下がればドル高/ユーロ安です。円も安くなって、107円台ですね。


ドル高は、資源価格の下落につながります。4番目の図は、ゴールドマンの資源指数です。実は、そんなに下落したわけではありません。現在は、『羽音におびえて、株の売りが出ている』状況に過ぎません。


こうなると、アメリカで資金を調達して、それをBRICsに投資するというようなCarry Tradeのコストが上昇し、リターンは下落します。一部資金は、追証の発生で泣く泣くポジションを縮小する事を余儀なくされている(=株売り)と思います。これが、BRICsの軟調さに拍車を掛けていると思います。足の速いお金の不可避な投資行動だと思っています。

しかし、一番上のチャートにあるとおり、BRICsの相場の調整にしては中途半端です。
通常はもう少し下がって、嫌な思いをする人が増える時がボトムです。ここで大幅反発をするためには、ドル下落、金利低下が一週間ほど続くとかいった好材料が必要です。
何となく月内は無理かなと感じております。

雨がやむまで、チャンスを待ちたいですね。
その後は、またまた、Good Performanceだと思ってます。


現実に目覚めたか? 古い欧州 (3)

現実に目覚めたか? 古い欧州 (2)の続報です。

EUは憲法を作ろうとしています。このEU憲法は、国境をなくそうという思想の延長線上にあります。国境とは、政治・経済・文化の境界でもありますから、経済だけでなく、民族的な文化・社会システム、既得権がガラガラポンされることをも意味します。
当然、既得権を失う側に大反発が起こります。フランスなどはその最たる側です。フランスは、フランス社会に影響が大きすぎるとして、EU憲法の批准を事実上拒否しています。
EUの官僚たるブラッセルは、数々の妥協を試みています。この辺が欧州的なやり方です。直線的に進まず、ジグザグ(=ちんたら?)に事を進めます。
最初の妥協は、財政規律に目をつぶることでした。
次は、サービスセクター(第三次産業)の自由化を白紙化しつつあります。サービスセクターは、最大の雇用を有しており、彼らが反発すれば次回選挙で負けるからです。

5月9日にフランスでは国民投票が実施されます。世論調査では、EU憲法反対が多数かもしれないと報じています。『全体がよくなっても、我々が割を食うのなら、EUなんかいらない。』という偽らざる本音が噴出しています。ドイツのネオナチのような国粋主義者(極右のル・ペンなど)が増長するかもしれません。
フランスの政治的本音は、『新規加盟国はフランスの国力に資するのでなければならない』でもあります。これを『欧州の歴史的・文化的・社会的重要性』などという言葉にすりかえています。

不安の壁を登っている日本株

前回のフォローアップです。

前回の2月14日以降、海外はガタガタしておりますが、日本は比較的耐えております。前回よりも上昇しております。


長期的に見ると、TOPIXの1200という昨年の四月の高値と同じレベルで、もみ合っています。これを抜けるには、何か材料が欲しいところです。


3番目の図は、大型、中型、小型ですが、この一年間のパフォーマンスは、小型>中型>大型となっています。景気回復初期(特に反転期)は、小型株が良いパフォーマンスを示します。このことからも、日本の景気は決してダメになっているわけでは無いと思われます。私は強気に構えて良いと考えています。


株式投資で生活する

株式投資で一生の生活をまかなうには資金がいくら必要だろう?
家族4人で30年間生活し、その後夫婦で30年間生活するという前提で、計算をしてみることにした。

まず、家族4人の30年間に関する生活費を想定する。この期間は、多くの出費を必要とする期間である。毎月の生活費をやや多めに計算してみると、年間で612万円(税金・年金保険料控除後の手取り)の生活資金が必要になります。

子供が独立後、夫婦だけの30年間の生活費は、年間で360万円になります。
計算の想定は、下のほうに記載しました。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
運用パフォーマンスは、年10%とします。
相場が悪い時もあるので、3年程度の生活費は別途準備して、元本リスクの無い預金を準備することにします。

家族4人の30年間の612万円を生み出すのに必要な元本は、6120万円です。
3年間の耐乏資金は、1836万円です。
病気・事故などの予備費を200万円とします。
合計で、8156万円です。
普通は、20台前半でコレだけの現金を持つことは困難ですが、親からの資金があったり、宝くじが当たったりで、8156万円があれば、趣味的な仕事を楽しみながら、株式投資で、普通レベルの生活を維持できるかもしれません。

子供が独立後、夫婦だけの30年間の360万円の場合は現実性が高くなります。
必要な元本は、3600万円です。
3年間の耐乏資金は、1080万円です。
病気・事故などの予備費は多めにして300万円とします。
合計で、4980万円です。
50台前半でコレだけの現金を持つことは、若い時から準備すれば、可能です。

なお、投資の成功のためには、知識のメンテナンスが維持できる事と、心身ともに健康である必要があります。そのためには、年金をもらう65歳からではなく、50歳前半からコンスタントに運用パフォーマンスを出し続ける必要があります。子供が独立した瞬間に、会社から独立する気概で準備をしておくことが肝要でしょう。

さらには、全部を株式投資というのも考え物という一般的なリスク許容度の人に関しては、4980万円+2000万円(国債)=約7000万円を準備して、投資生活に変身するというのが、現実的な姿でしょう。
それに、老後も介護保険など出費は増加するでしょうし、ここでの計算+1000万円かもしれません。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生活費計算
<< 家族4人の30年間 >>
(1)電気、ガス、上下水道の合計が、3万円
(2)インターネット、携帯・固定の電話、テレビ(NHK&衛星など)、新聞などの通信費合計が、4万円
(3)損害・生命保険の合計が、5万円
<< 夫、終身1000万円+入院1万円、妻、終身1000万円+入院1万円、6
>>
(4)子供の教育費(ここを参照しました)、1人は全て公立、1人は高校・大学が私立文科系で、2人合計で、1500万円を30年で月割りすると、4万円
(5)4人の食費が7万円
(6)被服費が2万円
(7)交際費が2万円
(8)住居費(家賃またはローン)が、16万円
(9)30年間で5台の車を買い、一台250万円とし、点検修理・車検・自動車保険を年間15万円、ガソリン代を月1万円とすると月額では、6万円
(10)その他遊興費を年間24万円とすると、月に2万円
合計金額は、なんと月額51万円になります。

<< 子供が独立後、夫婦だけの30年間 >>
(1)電気、ガス、上下水道の合計が、2万円
(2)インターネット、携帯・固定の電話、テレビ(NHK&衛星など)、新聞などの通信費合計が、3万円
(3)損害・生命保険の合計が、3万円
<< 夫4000万円終身1000万円+入院1万円、妻終身1000万円+入院1万円、ともに終身保険は60歳までで払い込み終了、以後は入院保険のみ >>
(4)子供・孫への補助、2万円
(5)2人の食費が3万円
(6)被服費が2万円
(7)交際費が3万円
(8)住居費(税金+維持修繕費のみ)が、3万円
(9)30年間で5台の車を買い、一台250万円とし、点検修理・車検・自動車保険を年間15万円、ガソリン代を月1万円とすると月額では、6万円
(10)その他遊興費を年間36万円とすると、月に3万円
合計金額は、なんと月額30万円になります。


大変なことになってきた、為替問題 (2)

大変なことになってきた、為替問題 (1)で、昨年、中国が貿易黒字の増加分に見合った金額のUS$(実際は短期のUS$政府証券)を買わなかったという記事を掲載しました。
このときはリーマンの記事が報道されていたのですが、先週日本を代表する野村證券も統計を分析した記事を発表していました。こういうしっかりとした分析に関しては、野村證券は立派です。(なお、傘下のアナリストの売り買いの推薦は統計的に当たっていないという自己分析も発表していて、ある意味関心(???)しました???)

一番の図の赤い線が中国の外貨準備の増加額で、青い線が米国債権購入額です。
確かに昨年は、中国は米国債権を少なくしか買っていません。しかし、売ってはいません。


2番目の図は、ロシアです。
ロシアは、そもそもドル債をあまり買っていなかったようです。むしろ最近は結構買ったなという感想を持ちました。アメリカに原油を輸出する構想を持っており、アメリカからの投資を期待しているからでしょうね。


US$に対するドル安懸念は、『赤字(経常収支の赤字)を、外国が埋め合わせてくれるのか?』という不安です。

3番目図の赤線がアメリカの経常収支赤字です。青(社債)、水色(株式)、黄色(直接投資)の3つの棒グラフは民間資金のアメリカへの流入です。
数年前までは、民間資金はアメリカの赤字を上回る流入をしていました。つまり、充分にアメリカの赤字を埋め合わせていたのです。しかし、この数年は足りていません。この民間で埋めきれなかった分が、外国政府(日本政府など)のアメリカの政府短期証券の大量購入として報道されているのです。

今後の株と直接投資の動向が"かぎ"のようです。


地価の上昇

今月のもう一つのハイライトは、地価の上昇です。
昨年は、都心の三区で上昇に転じた地点が見られたと記憶してます。
今回の調査では、地価上昇に転じた地点がさらに増えていました。千代田、中央、港、新宿、渋谷の5区の地価が15年ぶりに統計的に上昇しました。二子多摩川も上昇などと書かれてました。
住宅地では、武蔵野市、浦安市、千葉市美浜区が上昇しています。また、全国上昇率上位のうち4箇所が、千葉県にあります。しかし、地方都市はまだ下落してます。

地価が上昇する時も、最初に東京が上昇して、その後数年で地方に波及したわけですから、下げ止まりに関しても同様なラグがあるはずですから、地方が上昇に転ずるのは2007年ごろではないでしょうか。それより早く上昇に転ずるのであれば、結構リバウンドが強いと考えられます。

しかし、人口の東京、大阪、名古屋への集中と、それ以外の過疎化はさらに格差を拡大する傾向が見られるわけですから、地方の地価の上昇はかなり鈍いと想定しています。賃金格差も日本一律平等は終焉しており、三大都市圏とそれ以外の都市での格差が広がったわけですから、生活費用の最大項目である地価・家賃も地方は低廉であるべきなのです。
それが、生活に根ざした地価の新秩序だと思います。

アメリカでは、車の価格の10倍の家に住んでいるという感じだと思います。
(これは平均ですから、趣味で高い車に乗るひともいますし、いくら地価が低くても車の値段はほぼ全国一律ですから、都会の人が高価な車に乗っていると断じているのではありません。)



現実に目覚めたか? 古い欧州 (2)

企業のリストラと労働環境の悪化は、世界的なトレンドになっています。
欧州でもドイツ、フランス、イタリアのような労働コストが高く、企業課税が厳しい国から、賃金水準が低く、これから国を挙げて発展するために企業誘致に熱心で、企業課税が低い国に、企業はドンドン引越しをしています。

特に、地続きで、100年ほど前までは同じ国の住民だった人々が多くいる状態の欧州では、そのトレンドは激しいものがあります。国と国との企業誘致をめぐっての経済戦争状態といっても過言ではありません。

欧州連合を拡大させてアメリカの影響から離脱することを目標にしていたのですから、こんな時に隣の国を声高に非難できません。

結局、中心欧州(ドイツ、フランス、イタリア)はジリ貧状態が続き、中欧、東欧、スペイン、アイルランドなどが反映する形が定着しました。
右の図は、ポーランド(白)、ハンガリー(黄)、オーストリア(緑)、チェコ(赤)の株価です。これらの国は古い欧州から企業を吸い込んで発展しているのです。

アメリカの企業のリストラは、1970年代から徐々に本格化し、アメリカの労働者の自己責任意識は世界でも高いものがあります。
日本は、バブルの崩壊と中国・アジアとの競争を通じて、時代・環境が変わったことを、1990年以来、約15年掛けて消化をしつつあります。
欧州に関しては、過去の帝国主義・植民地支配時代の資産を食いつなぎながら、しのいで来ましたが、欧州連合の拡大でついに『無い袖は振れない』状態に達し、ついに労働者の豊かな生活水準の低下の甘受が始まったのです。

これからは、欧州内での非難合戦が激化する気配を感じます。
規制の強化に逆戻りすることを脅しに使う国も見られるでしょうし、実質的な輸入制限を実施したりする傾向も強まるでしょうし、移民に対する嫌がらせも増加するように思われます。しかし、これは解決策ではなく、一時的な時間稼ぎでかえって逆効果であることは、先に苦しみを味わっている日本人が一番理解しているように思います。

その先にある、更なる欧州企業、国の再編成は投資テーマとして面白いかも知れません。2010年代のテーマだと思っています。それまでは、エマージングの方が儲かるでしょう。


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