2005年09月

SONY

22日、1万人の人員削減を発表したSONYです。
"ものづくり"の原点に回帰するのだろうと思いますが、22日の発表はそこまでは踏ん切りがついていません。超巨大企業になってしまったSONYは、おいそれとは過去のしがらみを振り切って再生するには、その過程で発生する痛みが大きすぎるという事でしょうか。まだ、完全に追い込まれていないと言うことでもあります。

一歩前進は、わけの分からない混乱と経費増加を招いた"カンパニー制"を廃止することです。この結果、(1)家電、ものづくりのエレクトロニクス部門、(2)ゲーム、映画、音楽の娯楽部門、(3)その他の部門、という体制になります。

体制の簡略化は世界の趨勢です。インテルも、GEも、マイクロソフトも、多岐に分散した部門数を減らしています。結局、『俺たちのDNAはコレなんだ!』というものを主軸にして、それ以外は"その他"と位置づけられる傾向が今後は流行するような気がします。
それは、"その他"の部門が売却されることを意味します。当然誰かが買うことになりますので、M&Aが盛んになるわけで、証券会社の利益は今後とも上方修正含みでしょう。


SONYの株価ですが、2番目のチャートのような感じです。結構下がっているように見えますが、2003年4月の最初のSONYショックの時よりは株価は上にあります。

SONYの株価の問題は、利益が少なすぎて、普通の株価評価のPERで判定できない企業であるということかもしれません。



3番目の図は、株価とPERが示してあります。家電の会社であれば、しっかり利益を出している巡航速度の状態で、PER=10倍〜30倍の範囲です。現在絶好調で、結構高く買われているアップルは、36倍です。

SONYは、ITバブル崩壊後の株価に関して言えば、PER=20倍〜40倍(図のカラーの線)の範囲まで株価が下落したことは一回もありません。その意味では、これだけ株価が下がっても、以上に割高なのです。
ひとつの理由は家電以外の部門が3割以上あります。これらの部門はPER的には割高に表示される部門です。PERではないもので評価されることが多いのです。やや無理に3割の部門をPER=50倍とし、家電部門をSONYプレミアムで20倍〜40倍とすれば、0.3*50+0.7*(20〜40)=28〜42倍が適当かもしれません。それでも、現在株価は、まだまだ割高です。

現在の株価は、SONYは復活するんだ!
待っていれば、報われるのだ!
そんな投資家の淡い期待が多く残っているように思われます。
最初に書いた、『昨日の発表は踏ん切りがついていません。まだ、完全に追い込まれていないと言うことでもあります』という部分のSONY側の躊躇と符合するように思えてなりません。

===追記===
25日の日経新聞に、ストリンガー氏のコメントとして、『22日に発表されたリストラ策は、不満足である。もっと、抜本的な組織改変・整理整頓が必要である』という内容が掲載されてました。
そうなんです。スピードが必要なんです。巨大だから、ゆっくりが許されるなんてことは無いのです。


健全な相場、不健全な相場

健全な相場、不健全な相場という言い方が適切か否かは別として、満遍なく様々なセクターの株が広く上昇する状態のほうが相場は長持ちします。逆に、一部の株しか上昇しない時は、なにか不均衡が発生していると考えられますので、そんな状態は長持ちしません。

上の図は、NY市場のadvavce_decline_lineと呼ばれるものです。上がっている株の数が多ければグラフは上に向かいます。逆の場合は下がります。

コレで見れば、1998年から1999年末まで、米国株はすさまじい上昇を示したのですが、それは一部の株に限られた減少で、多くの株は下落していたことを示しています。換言すれば、多くの企業の利益は1998年で頭打ちになっていて、一部のIT企業だけがバブルで潤い、IT関連企業は連想でPERが上昇していたということです。



この1年のadvavce_decline_lineを見ますと、05年の3月〜4月と、8月〜9月とラインが下落しています。

8月〜9月に関しては、(1)エネルギー株は上昇するけど、その他の株はエネルギーコスト上昇を製品価格に転嫁できないとか、(2)ガソリン代上昇でそれ以外の消費が割を食うという心配など、という状況を反映しています。

この状態(エネルギー株の独歩高)のまま株式市場が上昇を継続するのは、維持不可能です。世界中の企業の利益が、エネルギー産業に吸い取られているわけですから、世界経済の多くの部分の疲弊を意味します。

そろそろ原油価格が一旦は下がらないといけない時期かもしれません。意に反して、厳冬予想なので、原油価格が$80〜$90へ上昇するようだと、相場全体のもう一段の崩れを覚悟しなければならないかもしれません。


大きなインテル、小さなインテル

インテルの株価(上のチャート)がさえません。相場が曇り空であることも影響していますが、インテルの活躍分野であるパソコンがさえない状況にあることが基本的な問題点です。

日本でも春までは、PC販売は前年比マイナスの状況でした。
世界的にも+5%〜+15%の範囲に収まるような成熟商品になっています。


1988年〜1996年は、パソコンの時代だったと思います。
私が初めて買ったPCは、東芝ダイナブックというノートPC(1989年、199、800円)で、HDD無し、白黒液晶、MPUはインテルの80086だったような、、いずれにしても今から見れば貧疎なスペックです。

しかし、仕事を効率化するというインパクトは革命的なすごさがありました。ですから、PCは熱狂的に受け入れられ、それがゆえに情熱を持って開発が進み、毎年のように、新型PCのすごさに目を見張りました。
当然、インテルの売り上げも爆発的な伸びを示し、業績もロケットのように上昇しました。あまりのすごさに、株価の上昇は追いつかず、PER(2番目の図)は15倍を中心とした範囲で変動しました。
小さなインテルの時代です。小さなインテルが大きな世界を開拓して大きく成長していった時代です。これは、マイクロソフトのウィンドウズ95の出現でピークを迎えました。



その後は、1999年までITブームとなり、株かも大幅に上昇したのですが、それは、業績の上昇よりもPERの上昇が大きかったです。PERも30倍〜40倍というレンジに上昇しましたが、これは90年代前半の2倍と言えます。

業績の伸びはジリジリ鈍化していたにもかかわらず、PERがぶっ飛んだ結果、株価が暴騰したのです。理由・背景は、ITバブルなのですが、そんなブームが去れば、PERも30倍〜40倍という高いレベルは維持できません。


しかし、PERはバブル崩壊後もすぐには、元のレベル(15倍中心)には戻りません。投資家は、どうしても昔の夢が忘れられず、後ろ髪を引かれるからです

それでも、2000年から5年を経過して、ようやく今日15倍近辺に到達しました。
しかし、今は大きなインテルです。小さなインテルの時代には前途洋洋であったPCは、現在の大きなインテルの時代には前途普通(多難ではありません)の状態です。普通とは、年間+5%〜+15%という状態です。

こうなった状態では、インテルへの投資は、パソコンン・サイクルへの投資という風に割り切る必要があります。それは、みんなが、PCに悲観的になったときに買って、PCが良くなってきたぞ!という時には退散するのです。成熟産業ですから仕方が無いですね。
どうしてPCが成熟商品だと思うかですって?
3年前のPCと今のPCで、仕事を効率化するというインパクトに変化が見られないからです。ちなみに、我が家では99年製(富士通のPC)をOSだけXPにアップグレードして、Office97で立派に活躍してます。


アルコアもエネルギー上昇でマージンが縮小

[関連したBlog(日立電線)、ここに]銅価格の上昇でマージンが圧迫されて、利益の下方修正をした日立電線の記事を掲載しました。

昨夜、アメリカでも世界最大のアルミ精錬企業のアルコアが業績の下方修正をしました。上昇するエネルギーコストでアルミの精錬コストが上昇しているのに、製品価格に転嫁出来ない状態が長期化してマージンが縮小したと言っています。


一歩で調子で上昇を続けてきた原油価格ですが、自分だけがわが世の春を謳歌できるほど、世の中単純じゃ無いと思い始めました。
投資アンケートでも、エネルギーを多くの投資家がlongにしています。普段は投資しないようなgrowth fundがかなりlongにしています。天邪鬼な逆張り投資家としては、longはしたくないと感じています。


アメリカのハリケーン情報サイトはコレ!!

ここですよ!http://www.nhc.noaa.gov/


似たもの同士、オラクルとベストバイ

昨夜、世界No.2の業務用ソフトウェア企業オラクルが、昨夜引け後に事前予想以下の決算を発表しました。おかげで、今夜は▲7%と株価は大下げしています。
前回の決算発表(6月29日)では、『えっ、そんなに良かったの!』という好決算で株価がぶっ飛んだのですが、今回は逆でした。
期待裏切りは、ガッカリ度合いが大きいので、株価の下落度合いも大きいです。



まったく同じパターンだったのが、家電小売のベストバイです。
ベストバイも、6月の決算発表では、『えっ、そんなに良かったの!』という好決算で株価がぶっ飛んだのですが、今回9月13日は逆でした。

両方とも期待裏切りのnegative surpriseで株価が大下げです。
一般的に良かったときの反応は控えめで、悪かったときの反応は大きくなります。
投資家は良いことは疑うけど、悪いことに対しては素直に恐怖するのです


銅、日立電線、資源、BHP、PD

銅の在庫と銅価格の図が日経新聞に出てました。これを見て、おやっ変だな!と思いました。

資源価格は、在庫が増えれば資源価格が下落し、在庫が減少すれば資源価格が上昇するという関係が通常だからです。
新聞のコメントは、(1)実需が根強いので、多少の在庫増加は問題ない。(2)そもそもBRICsなどの経済成長を考慮すれば、中期的に資源不足は間違いないという考えのファンド筋の資金流入が価格上昇の背景である、などと書かれています。


別のページには、日立電線が収益を下方修正している記事がでています。日立電線は、銅を原材料として電線などを製造販売しています。
原材料である銅価格が上昇したけど、製品価格への転嫁は完全には出来ない。そんな状況にもかかわらず、さらに銅価格は上昇してしまった。マージンが相当下がってしまったというわけです。


日立電線の株価は、高値圏にとどまってます。
今後は、マージンがさがっても数量が増加するので、利益はOKと投資家は考えているようです。


4番目の図は、資源の王様、オーストラリアのBHPの株価です。
原油・資源相場に恵まれて、最高値付近にあります。
これも、資源を買ってくれる企業のマージンが下がっても、最終消費者の需要は減らず、むしろBRICsの国々の需要増加で、売り上げはドンドン上昇するという投資家の期待を背負った株価になっています。

実は、銅のpure playといえば、フェルプス・ドッジ(PD)です。PDの株価チャートも掲載したいのですが、このBLOGは5個までしか掲載できないので、今日は割愛させていただきました。


さて、今日はハリケーン・リタがテキサスに上陸する日です。
勢力がやや弱まったとのことで、原油価格は下げ気味です。(5番目の図)
さて、もし、仮にリタの後一時的にせよ原油価格が下がればアメリカ株は大幅上昇します。

ただ、その後、今年の冬は厳冬だ!
暖房費が昨年の1.5倍もかかる。月3万円強が、5万円になってしまう。これでは、今年のX’masのプレゼント予算は削減必至だ!
そんな悲観予報が待っているかもしれません。
住宅株ともども、ここ(資源・エネルギー)で勝負はしたく無いと感じ始めています。


不動産バブルのチェック (7)

[前回記事]から少し時間が経過しました。今日は1990年ごろからの住宅株の長期のチャートを見て見ましょう。

指数でみると、1990年代初期の100弱から、最近のピークの1300超えまで、15年間で13倍以上の上昇です。毎年+22%上昇したことになります。
一回目のピークが、1993年の終盤から1994年の初めです。
二回目のピークが、1998年です。
そして現在三回目のピークを形成するすさまじい大相場の最中にあります。


2番目のグラフは、1994年初に最初のピークを迎える前後のチャートです。ピークの後に、160から95まで、なんと!約▲40%も下がってます。当時はボトルネック・インフレ(需要に供給が追いつかない)という言葉が業界で流行し、インフレ懸念が台頭し、Fedが1994年のバレンタインディ(私の記憶が正しければ)を皮切りに、予防的措置としての利上げを開始しました。

今から思えば、住宅株バブル(住宅ではありません!)の第一波動ですから、投資家の自信も大きくなく、利上げに直面して、あれよあれよと株価が下落しました。


3番目のチャートは、緑が10年の長期金利で、黒がFFレートです。
住宅ローンのベースである長期金利(緑線)は1993年終盤に底打ちをして、Fedの利上げ以降金利上昇に拍車がかかっています。

当時は、住宅ローン金利が大幅に上昇したのです。そして、住宅を買おうという意欲も急速に萎えていったのでした。


4番目のチャートは、二回目のピークだった1998年ごろの様子です。
1994年終盤のボトム(約90)から約280まで上り詰めて、ロシア危機、アジア危機、LTCM危機の最中に、175まで▲35%以上も下落して、その後あっという間に275まで戻ったと思いきや、そこから2000年時始めの125まで、▲50%以上もの大幅下落を経験しています。

1996年から住宅ローン金利(=長期金利<緑線>)は順調に下落(2番目のチャート参照)して、クリントン政権下の好景気・所得増加を背景に、住宅需要は大いに盛り上がりました

Fedは、97年に一回金利を引き上げています。その直前に、グリーンスパンが、あの有名な『株式市場は、根拠無き熱狂にある』という言葉を発してます。おそらくは、その熱狂を沈めようと思っていたと判断されますが、1998年の3危機で、世界を救うために、アメリカの犠牲(=アメリカの消費を世界に差し出して、世界の景気を支える=結果としての世界の不均衡が助長されるのを甘受)をいとわず、意に反した利下げを決行します。

この間長期金利はドカンと下落し、3危機のあおりで暴落した住宅株も強力なカンフル剤の注入で一旦は息を吹き返したのでした。(280 =>175 =>275)
しかし、危機が収束するや、99年中盤から、Fedは利上げを再開しました。長期金利・住宅金利は、98年の終盤から、危機の収束を予感し、アメリカの変わらぬ好景気もあって、上昇をはじめていました。






強力なカンフル剤の注入で、175 =>275という強烈なリバウンドをした後の大幅下落は、『何故だ? 業績は絶好調なのに!』という叫びの中で起こりました

5番目のチャートですが、カラーの線は業績(EPS)の推移で、黒線が株価の推移です。
業績は絶好調の最中、株価が大下げを演じたのです。
金利は、2番目のチャートで見れるように上昇中でした。

現在の後講釈的な解説としては、(1)住宅ローン金利が上昇したので、購入需要が低下した。(2)株式バブルで資金が住宅から流出した、などといわれてます。
しかし、この業績の好調さからして、購入需要が低下していたとは思われません。

PERが16倍まで上昇(=住宅株としてはバブル)をしていた時に金利が上昇したので、さすがに住宅株の適正なPERまでの修正を余儀なくされたと考えるのが適当だと思われます。しかし、当時は理解に苦しむ株価の大幅下落でした。PER=4倍まで株価が下落したのです。PER=16倍が、4倍までですよ!!! 信じられますか?

ちなみに、最近はPER=10.5倍まで上昇し、最近の株価下落でPER=8倍弱までの調整をしています。
さて、投資判断として前回BLOGの記事で、勝負をやめて一旦休み宣言をしました。その最大の理由は、1999年と同じような業績絶好調の中のPER低下が発生するのではないか、という疑念がぬぐえないからです。

本日現在も、まだ疑念は残ったままです。個人投資家としては、こんなに上がった株を追いかけるよりは、打ちのめされて人気の無い企業にゆっくり投資する方が、はるかに将来利益が大きいと思っています。とりあえずは、1万人リストラを発表したSONYでも観察を開始しようかなと感じています。




戻ってきた株価、利益確定です (三菱自動車 (10))

[関連したBlog]
前回(上の記事)、ちょっと短期的にはやりすぎじゃない? と書いたのですが、翌週は単にちょっと休んで、さらに一気呵成にモメンタムがついて上昇しました。
1年弱前に、『1年で2倍になる株』という目標を設定しました。理由は、単純なもので、ここを読んでください

今は昨年の悲観が消えてしまいました。みずほ証券、ゴールドマン証券、新光証券のアナリストが8月、9月に業績上方修正をしています。会社から出てくるニュースも明るくなりました。それに、アメリカで裁判に訴えられた記事が出ても(未確認ですが、)ネガティブに反応しなくなりました。

右のチャートを見れば、暴落の始まった2004年5月の水準近くまで戻ってきました。これを株価のお里帰りというのかどうか知らないですが、逆張り(=へそ曲がり)の私としては、一旦頭を冷やすために退却して、様子見をしたいと思います。ただ、まだ赤字なので、株価の上昇余地は大きいと思います。たいていの場合、赤字から黒字になるときが、株価が一番上がるのですから。だから売りたくない気持ちがムラムラしてきます。そこを、シラーッと撤退して見ようと思います。




長期的には、100円=>200円=>600円というシナリオを持っており、またどこかで参加できると考えています。
2番目のチャートは日産自動車です。これを見ても一本調子で上昇したわけではなく、かなりのvolatilityを伴って、楽観したり、悲観したりを繰り返していることがわかります。三菱自動車も同じではないかしら、、、、半年〜9ヶ月経過して、また考えて見ようというのが今日の結論です。


Fedの金利引き上げ終了の後はどうなる? アメリカの銀行株

明日20日は、75%以上の投資家が、+0.25%のFFレートの引き上げを予想している。そして、遅かれ早かれ、明日を入れてあと2〜3回で引き締めが終了すると予想している。

Fedの引き締め終了を契機に、これまで相場に出遅れてきたアメリカの銀行株がキャッチアップ・ラリーを演ずるという意見も出始めた。その主たる理由は、短期金利が下落をはじめ、長期金利はゆっくりとしか下がらないので、銀行の仕入れ(調達金利=預金金利)と企業への貸し出し金利の差(マージン)が拡大するというStoryだ。

少しチェックしてみた。一番目が、1980年以降の長短金利の推移だ。緑が長期金利で、黒が短期金利だ。
確かに1980年〜2000年の間は、金利は趨勢として低下し、しかも短期金利の下げが先行している。結果として銀行のマージンは拡大して、EPS上昇をエンジョイした。


2番目のチャートは、2000年以降の長短金利の推移だ。
ITバブル崩壊後の金利低下局面で、長短金利差は猛烈に拡大した。そして景気悪化が終わったという理由で、Fedは昨年6月から金利の引き上げを始めている。

過去の平均では、金利引き上げが終了してから、次に金利引下げに転じるまでのインターバルは、平均6ヶ月だったそうだ。ということは、10月〜年末に金利引き上げが終わったとして、Fedが金利を下げ始めるのは、2006年4月〜6月からという事になる。

過去の金利引下げの理由は単純明快であった。景気の悪化である。そして多くの場合、景気悪化はボトルネック・インフレなどを背景とした価格上昇(インフレ)と金利の上昇で企業のコストが急上昇し、その結果マージン悪化=>利益急減速となり、投資も急減速し、景気が息の根を止められたのだ。



しかし、2000年の景気悪化はインフレ上昇による企業利益の圧迫ではなかった。
Y2KやITバブルによる需要をはるかに上回る過剰投資の修正が急速になされたことを要因としている。またその状況に、2001年の9・11による消費者心理の冷え込みと、2002年の会計疑惑の後遺症による企業経営者の投資マインド低下が加わった結果、3重の悪材料が需要を押し下げてしまったのだ

1980年以降の景気悪化のパターンと異なる景気悪化からの立ち直りにある現在は、長短金利の推移も過去とは異なっている。つまり、短期金利が上昇しても、長期金利は上昇しないのだ。過去のパターンは、インフレ懸念を背景に短期金利の引き上げで、長期金利も上昇していったのだ。

さて、今回Fedの引き締め終了後の姿に関して、ISIは1960年代のような推移かも知れないと述べている。3番目の図のように、長短金利が接近したまま数年間推移するというものである。
そういう事態が再現されたら銀行はたまったもんじゃない、最悪である。マージンが縮小した状態が長期化して、銀行は疲弊するのである。そしてこれは、日本の銀行が1990年以降こうむった利鞘縮小の長期化と同じことである。

したがって、単純に銀行株を買うわけにはいかない。よく金利の推移を見極めなければならない。


記事検索
最新記事
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
*****
  • ライブドアブログ