2007年03月

香港レポート(1) 町の雰囲気など

今週は久しぶりに香港に行きました。
ちょっと書きかけのシリーズ物を中断して、香港で感じた事を忘れないうちにメモしておこうと思う。

空港からタクシーに乗った。
ホテルのホームページをコピーして持参していたので、それを運転手に見せたが、さっぱり分らない様子だ。運転手は、空港のタクシー待ちの整理係にHPコピーの紙を見せて*****????と中国語で聞いて、やっと行き先がわかったようだ。

1980年代後半に初めて香港に行って以来、行くたびにじわじわと英語が通じなくなっているのを感じていたが、この数年は一層ひどくなったようだ。
運転手はどうも香港人ではなく、本土の中国人ではないだろうか???と思った。アメリカでも、欧州でも、タクシー運転手は出稼ぎの人が就く最初の職業の一つだ。香港でも同じなのだろう。
次回からは、中国語のHPをコピーしてこなければと、反省した。


香港の景気は良いようだ。
どこも人で賑わっている。

ちょっとした値の張るレストランでも、あっという間に満席に近い状態になるのは驚きだ。日本よりも確実に好景気だ。(言わずもがな、ですね、、、)


今回初めて感じたことがある。
北京や上海と比べると、香港に無機質な空気を感じるのだ。

香港が機械的という意味では無い、、、

北京や、上海が、人間臭い、ごちゃごちゃ感、、、というか
ハチャメチャな躍動感というか、、、、
そんな生命力を、北京・上海には感じたのだが、、、

香港には、何か整然とした人間のにぎわいを感じるだけなのだ、、、


とはいっても、東京よりは、香港の方が、ごちゃごちゃした躍動感があるのは確かです。

経済の成長というのは、整然としていない部分がたいそうな部分を占めているという事なのかもしれません。


グロース・バブルから、、バリュー・バブルへ、、(3)

[前回のエントリー]を含め、過去数回のエントリーでは、バリュー・バブルに突入する条件がそろってきたことを書きました。

新技術、新成長分野などが無い。
現在の経済環境は、持続的なEPS増加を企業にもたらす環境では無い。

ならば、成熟して新規参入がない産業における市場シェアの高い巨大企業が、正しい投資対象だ。
そして、できれば景気の影響をあまり受けずに、安定した収益構造を持っていればさらに良い。

見れば、それらの企業のPER(または、益利回り)は、理不尽に割安に放置されている。
以前のエントリーで例を示したように、自社株の買い戻しをしたり、買収して財務構造を変化させるだけで、業績など向上しなくても、景気が良くならなくても、株価が上昇するのだ。これは算数の世界であって、公式なのだ。

反対に、企業のビジネスを伸ばすために新規の分野にチャレンジするのは、R&Dのコストもかかるし、成功する確率も低い。つまり、リスクが高いのだ。そして、自社株買いや、買収後の財務構造のリストラは、ノーリスクなのだ。やらない方が馬鹿としか思えない投資行動、企業行動なのだ。
参考1.借金をして株式買い戻しをしなさい!、、株価が上がるから!、、でも麻薬です
参考2.借金をさせて、配当させよう、、、借金は経営に緊張感を生むのだ、、????

こういう市場の状況を冷静に観察すれば、企業経営者、CEOやCFOは、ビジネス自体に手をつける(=設備投資、R&D)リスクを冒すよりは、割安に放置されている企業を買収した方が、簡単に利益を手に入れられるし、しかも買収戦略など経営手腕が優れていると評価されて、株価も上昇するので、どんどん買収が進展する。先日紹介したM&Aの急増のデータなどは、それを裏付けている。

今、バリュー株に進展している状況は、財務レバレッジを高めているということだ。株でいえば、低β状態から、高βに変身しつつあるのだ。調子の良いときには、株価がどんどん上昇する傾向が強まっているのだ。足元の調子が良いのならば、これらのバリュー株企業の株価はますます上昇しやすいということだ。
しかし、景気の鈍化、新製品・新技術の登場による競争条件の悪化、、、こんなイベントに対する抵抗力はどんどん低下しているのだ。財務レバレッジを高めるということは、そういうことだ。現在は、そんなイベントが発生するとは誰も想定していない。

つまり、行き着くところまでは、株価の上昇速度は加速度的に速くなるわけだ。そして、現在のM&Aブームの恩恵を受けないグロース株はトコトン置いてけぼりを食らうのだ。

そして、この傾向の最終局面では、1999年にバリュー株が、業績とは無関係に、とんでもないほどボロボロになったように、今度はグロース株が、業績とは無関係に、とんでもないほどボロボロになるのだ。

====続く======



グロース・バブルから、、バリュー・バブルへ、、(2)

[関連したBlog]

相場が、上にオーバーシュートしたり、バブルになったりするのは、景気のモメンタムが低下して、お金が余り気味の時に発生しています。

まさに、足もとの環境は金余りです。

金余りの理由ですが、、、まずは、アメリカ、欧州、日本という順番で金融引き締めを実施してきたので、景気のモメンタムが過熱気味から巡航速度に低下してきました。その景気モメンタムの低下に比例して資金需要も徐々に緩和しています。この資金需要の緩和=金余りなのです。アメリカの2006年の3Q、4Qの設備投資の下方修正はその証左です。
つまり、金融引き締めの効果が出てきた結果としての金余りです

二番目の理由は、世界の企業は景気や好業績の持続性に疑問を持ち続けています。よって、いくら儲かっても、設備投資や事業拡張に非常に慎重です。その結果企業の資金ポジション、余裕資金、流動性は潤沢です。
これは、企業行動の慎重さがもたらす金余りです
最近、幾分か変化が始まっていますが、まさにこの変化(=一見合理的な企業行動)がバリューバブルを作り出しでいるのだと思います。これは、次回以降のエントリーで書きます。


資金があるのに、拡大政策に慎重、、、その背景を考えてみました。

(1) No Growth:90年代のITバブル時代や、80年代の金融不動産バブルの時には、成長の夢を見ました。しかしその後、夢は夢にままであって、利益となって実現しませんでした。ですから、現在はおいそれとは夢をみなくなりました
夢破れて山河あり、、、短期間に二度も、これを体験した経営者や投資家の多くが現役でいるうちは、同じような大胆さで夢をみることは困難です。なにかと慎重になるのは仕方がないこと、または正常なことです。

(2) No New Frontier:いわゆる新領域、新分野と言われる、企業の業績を長期的に上昇させる目玉がみつからないのです。
80年代は、東京が世界の金融の中心になって湾岸エリア(=今のお台場周辺)を中心に飛躍的な発展(未来都市の出現)が来るというテーマが出現しました。
90年には、コンピューター、インターネット、携帯電話と、次から次へと新技術が世界的な普及をみせて、飛躍的な世界同時発展と終わりのない成長をもたらす変革が続くと思われました。
これら二つの時期に比べると現在は、そのような夢を見せてくれる新技術は無く、あってもおいそれと夢を膨らませるような心理状況ではありません。

要するに現在は、(1)や、(2)のような明るい長期成長の未来を主張する人はいないのです
80年代、90年代の壮大なテーマに比べれば、BRICsの発展など、単なる先進国へのキャッチ・アップ・ストーリーに過ぎず、彼らの利益は、我らの損失というゼロサム・ゲームでもあるので、もろ手をあげて喜んでもいられない投資テーマなのです。



前回の大相場の最後(1999年)は、グロース株バブルでした。
したがって、その痛手の記憶が消えない現在の投資家が、グロース株を舞いあがらせる可能性は低いと考えられます。
添付の図は、バリュー株 VS グロース株の勝ち負け相対グラフです。線が上向きだと、バリュー株相場、下向きだとグロース株相場です。97年以降しかデータが無いのですが、97年〜99年はグロース株相場、特に99年はグロース株バブルでしたが、それ以降の7年間は一貫してバリュー株相場です。

もっとも、世界的に見れば日本はエマージング諸国と同じ性格=景気敏感・バリュー株がほとんどを占める株式市場です。換言すれば、おとなしいBRICS、エマージングというのが日本の株式市場の特性かもしれません。

そもそも、アメリカのようなグロース株が非常に少ないのです。その結果、ダメなバリュー企業(割高バリュー株)がグロース株に分類されて入ってくるのです。
つまり、、バリュー株 VS グロース株というようなコンサルタントが使う分類手法(市場に存在する企業を50:50で二分する)では、本来はバリュー株の性格を有する企業が、日本ではグロース株に分類されてしまいます。そうなれば、バリューVSグロースの勝負は、圧倒的にバリュー陣営に有利な展開になります。

そういうヒズミを考慮しても、過去7年の一貫したバリュー優位は、最終投資家や運用担当者、マーケティング担当者の態度に大きな影響を与えました。ネットの書き込みなどを丹念に観察していると、、、、
(1)ファンド名にバリューとか、高配当とか、つけれ無ければ商売ができない。
(2)グロース株投資家というと、『馬鹿な程高いPER状態の新興市場銘柄にモメンタム投資する』低レベルの投資家。。。計量分析(PER,PBR、キャッシュ・フロー)を軽視するモメンタム投資家、、、老後の資金をゆだねるには、信用できない人。 しかも、近年の成績はダメダメ状態
(3)バリュー株投資家というと、堅実な投資家で、安全確実に投資をする信用できる人。 しかも、近年の成績はブレが無いうえに、良好。
(4)バリュー投資家は、老後資金に大切な配当を重視するが、グロース投資家は無配当企業を好むので、老人が増加する時代には不適格
(5)バリュー投資家は、割安に放置された企業に投資して、それらが買収される恩恵を享受できるが、グロース投資家の保有する企業は割高なので買収の対象にならずダメだ。
という評価が代表的なものだと思います。

したがって、今後もしばらくはバリュー投資こそが、本来の投資であるという評価がますます高まっていくと思います。そして、相場の宿命として、その流れはバブル領域まで到達するのだと思います。
株式投資家としては、この流れをトコトン利用すれば儲けは倍増するでしょう。
利用しないで放置するなら、誰に何を言われても動じないという、それ相応の覚悟が必要だと思います。

======続く========


グロース・バブルから、、バリュー・バブルへ、、(1)

[前回Blog]の五番目のチャートのところで、
『99年の相場ですが、現在と同様に、大型株が突出して上昇しました。これを現在の相場に投射しても良いのかどうか、悩みます。。。』
と書きました。

これを読んで悲観する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、99年相場とは全く違うことが進行中なので、今年は心配無用です。

右のチャートは、97年から足元までの、大型(赤)、中型(黄)、小型(緑)の状況です。
これを見てわかるのは、2000年の高値を抜いていないのは大型100銘柄だけであって、中型、小型は、すでに長期上昇相場に入っているということです。
そして、足元は金融引き締めに十分耐えられる体力・資金余力を備えた大型株が、相対的な出遅れを挽回しつつある局面だと判断できるのです。




少し、過去を振り返っておきましょう。
私は、1999年当時の日本の大型株相場は、世界的な大型グロース株のバブル相場の最終局面に、日本の電機株を中心とする一部のグループだけが、急速にキャッチアップしてバブってしまったのだと理解しています。
なお、当時もてはやされた企業は、『New Japan株』と呼ばれていました。しかし今では、そのNew Japan株やNew Japan部門の多くは、お荷物と化しているケースが多いようです。。。。。

10年先を勝手に織り込んで乱舞してしまった、、これが真相だと思います。
しかし、10年先は、やはり10年先であって、3年先にはまず苦労があるという現実に直面してしまい、舞い上がったPERの縮小・正常化に、減少するEPSの追い打ちもあって、株価は大幅下落に見舞われたわけです。

反対に、舞い上がらなかった産業(=その多くは、現在トキメイテいる産業)のEPSは、そんなに激減していないのに、PERの低下に関しては『つれ安』的に同時発生したので、非常な割安までたたき売られてしまったのです。
その結果、PBR1倍割れ銘柄の続出というとんでもない事態が発生したのです。多くの企業が倒産するという悲嘆にくれた状況だから発生したのですが、、、現実は、そうは辛くは無かったのです。(普通は、世の中そんなに甘くは無い、、と言うのですけど、、、、)

そんな推移をよく表現しているのが、右のバリュー株(赤線)、グロース株(白線)という比較チャートです。

=====続く========


チャイナ・ショックから、一ヶ月が経過したが (2)

[関連したBlog]

日本株の戻りの鈍さを少し気にしています。

世界の株が大底を打った年である2003年からの長期のチャートを眺めてみます。
東証第一部を分類している指数でみてみます。
白:大型100銘柄
赤:中型400銘柄
黄:それ以外の小型
(参考:緑:マザーズ)

2003年〜2005年は世界の市場と連動して株が上昇してきました。
また、回復上昇相場の定石通り、小型>中型>大型、、という順序になっています。
健全な強気相場の典型的な特徴です。


しかし、2005年末をピークに日本株は全体として調整局面にはいって、その状態がまだ継続していると思われます。(2番目は、2005年末以降のチャートです。)

上昇局面と全く逆のパターンになっています。
大型>中型>小型
安全パイ志向、寄らば大樹の陰、避難行動、、、そんな雰囲気です。

マザーズ(緑色)など、2004年夏と2005年末に大きなダブルトップを形成した後の、大幅下落調整局面です。マザーズには、皆様ご存じのように、別の追加的な下落理由があるので、まあ仕方が無い面がありますが、、、、


しかし、2006年〜2007年の昨日までが、調整局面でさえない相場だと思う人は、あまりいないと思います。何故なら、日経平均(赤線)も、Topix(白線)も、この期間通算で、+8%〜+6%も上昇しているからです。


しかし、4番目のチャートにあるように、圧倒的に多数の企業の株価は下落しているのです。正確な計測をしていませんが、東証一部の1731銘柄で、2005年末以降上昇しているのは、300銘柄ほどで、残りの約1400銘柄は下落しているのだと思います。

このような大型銘柄>>中小型銘柄という状態が出現するのは、
(1)弱気相場か、
(2)相場の最終局面のバブル的な局面、
だと認識しています。
現在は、とても(2)とは思えないので、(1)の弱気相場なのだと思います。

何故、日本株は弱気相場に入っているのか?
最大の理由は、金利の上昇が始まっていて、しかもいつ終わるかわからない状態だからです。世界の株式市場を分析すると、アメリカ株と日本株は世界の他の市場に比べて、ダントツで金利上昇に弱いという特徴(金利感応度が高い)があります。

アメリカ株が先日、Fedの金融政策の方向転換の示唆で、あれほどの上昇を示したのは、金利感応度が世界で一番高い市場だからです。 また、2004年以降2006年夏まで、アメリカ株は2年間で+10%程度しか上昇せず、世界の他市場に大きく出遅れたのも、同様な理由です。

つい先日まで、アメリカ株のパフォーマンスはビリと予想していました。
しかし、Fedの姿勢の軟化+日銀の強硬な姿勢の継続という組み合わせを考えると、アメリカ株のパフォーマンスは改善が期待できます。ただ、ドル高によるパフォーマンスのかさ上げ効果は無くなると思います。
一方、日本株は来年3月の福井総裁の退任後の新総裁の金融政策を織り込むまでは、これまで通り、モヤモヤした状況が継続すると考えた方がよさそうです。過去のアメリカ株のような上がるんだけど、イライラ続きという感じです。



最後のチャートは93年〜2002年の様子を参考に添付します。

99年の相場ですが、現在と同様に、大型株が突出して上昇しました。
これを現在の相場に投射しても良いのかどうか、悩みます。。。



====続く======


チャイナ・ショックから、一ヶ月が経過したが (1)

<< 円高をもってしても、アメリカ以下の戻りの日本株 >>

2月27日のチャイナ・ショックから、ほぼ一ケ月が経過した。
あれから相場はどんな位置関係になったのだろう。

右図は、白:上海、赤:シンセン、黄色:日本、緑:アメリカ、だ。
すべて円ベースに換算してある。

ショック前と現在と比較すれば、
中国(シンセン>上海) > アメリカ >日本
という順位だ(円べース)
以外にもアメリカが頑張っている。

震源地の中国は、ショックを跳ね返して、人民元ベースでは新高値を更新している。今年の相場を象徴しているようだ。 
円高が進んだので、上海は円ベースでは、もう少しだ。

アメリカ、日本は、ショック前の水準に戻っていない。
が、なんとか回復過程にあるようだ。
特に、アメリカはFedの金融政策の変更の宣言効果が大きかった。
日本株は、サブプライム懸念、グリーンスパンのリセッション発言など悪材料の並んだアメリカに、円高のかさ上げ効果を入れても、戻り率で負けている。これには驚いている。


為替の動きだが、白:円、赤:ユーロ、黄色:人民元の、対ドルレートの推移だ。

利上げ継続の円が最強だ。
先日発表の公示地価をみるにつけ、地価上昇を利上げの大きな理由に掲げている日銀福井総裁は、来年3月の任期切れまでに、目標の2%を目指してがむしゃらにひた走るのかもしれない。

ただ、地価動向を見れば、上昇に転じた都心部と、下落の止まらない地方の格差は、さらに広がっている。金利は全国一律に効果が及ぶことを考えれば、地方景気はやや心配だ。地方の有力都市の利便性の高い地区を除けば、地方の地価は相当長期間低迷するように思う。

現在の土地価格の動向は、世界的な都市と田舎の地価格差に、日本が接近しているだけなのだろうと思う。これまで、利便性を考慮した格差が少なかったのだろう。土地価格の推定に収益還元法が導入された現在、利便性の高い土地が景気の上下動により敏感に反応するのは自然な姿だ。そして、利便性の魅力がなければ、景気上昇の恩恵は小さくしか生じないのだ。今後ずーーっと、

為替に話をもどそう。
ユーロも、そこそこ強いが、次回が最後の利上げなどとささやかれるようになり、そろそろ頭が重たいのかもしれない。そうなれば、欧州は金利低下+為替安が来るのかもしれないが、先週の欧州自動車株の強さを見ると。相場は早々にそんな状況を織り込みつつあるのかもしれない。欧州(特にドイツのVW、メルセデス)の自動車株は、ユーロ安を待ち焦がれているのだ。もちろん、金利低下は消費関連株にとって好材料だ。自動車株にとっては、ダブルの好材料だと期待しているのだ。

人民元は、マイペースでゆっくりと上昇している。
北京オリンピック、上海万博が終わるまでは、混乱的な上下動は封印されるのだろう。ただ、1998年のアジア危機、ロシア危機のような事件が発生すれば別だが、、

==続く==


2004年米国雇用創出法の影響・副作用は、やはり出ていると思う

少し前の[関連したBlog]で、2004年終盤に成立した『American Jobs Creation Act of 2004』(2004年米国雇用創出法)の影響について書きました。

その影響の中で相場に対して大きなインパクトとなっているのが、これかなという資料に先日、出くわしました。(右の二つのチャートは、野村証券がBlommbergから抽出したものです)
それは、M&Aに関するデータです。

上のグラフは、
黒線:M&A全体
青線:うち現金決済
赤線:うちPEファンドなど投資会社によるもの
です。

判読できることは、
(1)ITバブルの時も、現在も、M&Aが盛り上がっている
(2)ITバブルの時は、株式交換が多かった。時価総額=買収パワーだった
(3)現在は、現金買収が多い

という特徴です。


下のチャートですが、現金決済のM&Aを地域別に分解しています。
赤:欧州企業によるM&A
青:米国企業によるM&A
これを見ていると、2006年の後半から、米国企業が急速にM$Aに傾斜したことがわかります。


American Jobs Creation Act of 2004』(2004年米国雇用創出法)が成立した時に、何に使って良く、何はダメという議論がありました。

雇用の創出になれば良いという趣旨にマッチしていればOKだったのですが、他企業の買収もOKだと言われて、絶句しました。

何故なら、企業買収のあとには必ずリストラによる雇用削減が発生するからです。それにも関らず、企業買収に使っても良いとなったのは、どこからかは知りませんが、結構な圧力・根回しがあったと聞いたように記憶しています。

さて、2005年末までに海外から米国内に還流した巨額のお金が、どういう使途に消えたのか? これは後年Fedが収集したデータを発表するのを待つしかありません。

しかし、
(1)ここの掲載した2個のグラフを見てわかる事実と、
(2)設備投資自体は2006年3Q〜4Qと冴えない展開であること
を考慮すれば、この際だから買収に使っちゃえ!(または、買収に使いましょうよ!という強力な勧誘)があったと判断しても良さそうだと思います。

であれば、2007年の後半あたりからは、意外とM&Aはじり貧かもしれません。
だからこそ、PEファンド会社がIPO・公開でEXITに走っているのかも知れません。


グーグル版、ワード&エクセル

GoogleのDocs & Spreadsheetsを使い始めました。

これまでにも、サンマイクロのStarsuiteを試してみたことがあります。
でも、一回使ってやめました。

理由は無料とは言え、PCにインストールして使うもので、マイクロソフトのワード、エクセルの世界と何も変わらないのです。同じ土俵で相撲をとるのなら、相手(=マイクロソフト)よりも優れている必要があります。単純に低価格であるというのは、乗り換えの決断のトリガーにはなりません。



GoogleのDocs & Spreadsheetsを使い始めて、『これか!』と思ったのは、マイクロソフトの価値観とは別の次元で勝負する(=価値観を持つ)ものだと実感したからです。

最大の価値は、保存先が、ネットワーク・ドライブ(正確には、グーグルのサーバー内)だということです。
(1)インターネットにさえ接続する環境があれば、世界中どこにいても、自分の作成した文書やシートが呼び出せます。新規の文書やシートをちょこちょこ作成して保存できます。
(2)自分のPCでなくても、パスワードさえ管理していれば作業ができます。
(3)自分のPCが壊れても、買い替えても、OSが変わっても、継続的に使えます。

マイクロソフトが同じことをやろうとしても無理です。ワード、エクセルはPCにインストールして使うことを前提として構築された作品であり、ネット経由で使うなんて全く考慮されていないからです。
ただ、ネットワークに保存先を提供することは可能です。しかし、そういう戦略はマイクロソフトにとっては、グーグルの土俵で戦うことになるので、不利が否めません。ですから、そういう戦略は採用しないと思います。



たぶん、EM ONE(右のコピペ)のようなマシーンで、軽薄短小的に使うのが、最も適した使い方だと思います。

なぜなら、プログラムがネットワークで使うために、小さく軽量になっている反面、机にドッカリと腰を落ち着けて、細かい修飾文字やデザインを加えるといった出版デザインの用途は考慮されていないからです。


いろいろニュースは出ていても、株価的には冴えないのがグーグルです。

最大の理由は、超高値で買収したYouTubeと、既存メディア企業との話し合いが暗礁に乗り上げているからです。この状況はアップルも同様です。

著作権を主張するけど、『それって、あんたが本当に作り出した付加価値なの??』と疑問が付されると思うのですが、とにもかくにも
(1)法的なバリアーが存在することは確かで、
(2)消費者が現状の著作権を無視した行動(特に、YouTube)をとっているのも明らかなので、
(3)しかも、既存メディアにとっては、本丸での戦いなので、
関ヶ原の戦いの様相を呈しているのです。

これが一定の決着をし、少しでも前進すれば、株価は+30%、、、逆に、バイアコムとの裁判に負ければ、▼30%といったところに来ているのかもしれません。


サブプライム住宅ローンの資金使途の多くは、住宅購入じゃ無かった、(2)

[前回の記事]を書きながら、クレジットカード・ローンの歴史を思い出していました。

アメリカでは、クレジットカードは文字通り、クレジット(=信用)を利用する(=支払いを延期して借金にする)ためのものです。
代表的なカードローンは、リボ払です。

(1)カードローンは、自動車ローンや、住宅ローンのように面倒な手続きはない
(2)自動車ローンや、住宅ローンは、それらを担保とする貸付だが、カードローンは無担保貸付である
(3)カードローンは、無担保なので、金利は高い

一番目の図は、カードローン金利の推移です。




実は、カードの金利は、表面に見える数値では結構なばらつきがあります。さまざまな条件や、手数料、隠れ金利を設定して、消費者が横並びで比較しにくいように工夫しているからです。

2番目は、本日ネットで見つけた平均的な金利です。
年利率で、13%台です。


上記カードローンと比較すると、不動産担保貸し付けである、Home Equity Loanの金利は低いのです。
3番目の図は、ネットに出ている昨日の金利です。

Home Equity 6.88% となっています。

何を言いたいかというと、
カードローン金利:13%、(サブプライム向けは+2%〜+3%かな)
Home Equity金利: 6.88%(サブプライム向けは+2%〜+3%かな)
こんなに金利の差があるのを無視できない。
借りた金に色はついていない。
どうせ生活費のねん出に金を借りるのなら、金利の低いHome Equity Loanで借りよう!
という動きが怒涛のごとく発生したのです。

事実2000年以降の統計を見れば、カード会社のローン残高は低迷しています。美味しいお客様、収奪先が、Home Equity Loanに流れてしまったからです。おかげでクレジットカード会社の収益、株価は低迷しました。

この流れを加速したのが、借り手・消費者保護『カードローンの最低支払金額が引きあげられた』という法規制の変化でした。
具体的には、払っても払っても残高が増えるような状態を許さないことになったのです。年間金利よりも少ない金額しか支払わないと、未返済金利が元本に追加されて、借金が雪だるま式に増えていきます。実はこれが、過去のカード会社のウハウハ利益の源泉だったのです。しかし、こんな状態は維持不可能で、行き着く先は生活破たんです。ですから、上述のように、残高が減るような支払いを当局が義務付けたのです。

しかし、この最低支払金額の規制強化は、住宅ローンには及びませんでした。
ローンで儲けようと思ったら、カードは美味しい領域ではなくなったわけです。結果として、貸付業社は不動産担保ローン(=モーゲージ、Home Equity Loan)に殺到したのです。
そして、Option ARMだの、Interest Onlyだの、挙句の果ては、金利以下の支払いしかしない"ネガティブ・アモチ・ローン"までと、行き着くところまで行き着いたのです。

つまり、今回の問題発生は、前回のクレジット・カード・ローン規制の際に、不動産貸付までは規制(払っても払っても残高が増えるような状態を許さない)をかけなかったことに由来するのです。


さて、現在は乱痴気騒ぎが終わって、後始末の鐘が鳴ってしまったのです。

4番目の図のように、サブプライムの焦げ付きは急増しています。


焦げ付きが急増すると、金を貸す方は一気に貸さなくなります
5番目は、貸出態度の推移です。上向きは、厳格化、下向きはユリユル化です。

さて、現在発生しているのは、不動産で金が借りられなくなった人々が、またカード・ローンで金を借り始めたのです
そうです、あの高い金利で、、、無担保なので仕方が無いですが、、、

さあ、この状況で、アメリカの不動産価格が下落したら、どんなに悲惨な状況になるか、、、想像してください。

以前、元日銀政策委員の話を書きました。
ポイントは、世界の中央銀行は住宅・不動産価格の動向で金利を動かしているという部分です。
日銀は、昨年来不動産価格(+株価)の上昇を利上げの理由にしています。英国は、不動産価格の上昇とともに利上げをし、上昇ペースが5%以下になった時に利上げをいったん休止しましたが、最近の不動産価格の再上昇で利上げの再開をしています。
アメリカも同じだろうと、その方は話してました。

ここの最後のパラグラフに書いたように今後のアメリカの経済運営方針が、90年代初頭の日本のように不動産価格の抑制方向なのか、逆に金融緩和的な方向なのかが、アメリカ経済がデフレに陥らずに復活するか否かの試金石になるのだと、本当に思ってます。

最後に、株価は『知ったら終わり』なので、Fedが効果がでるまで金利を下げるという信任が投資家の間に確立されれば、大崩れはないと思います。

反対に、90年代の日銀のような態度であれば、一環の終わりです。
ドルは▼20%でしょう。


サブプライム住宅ローンの資金使途の多くは、住宅購入じゃ無かった、(1)

[関連したBlog]

アメリカの住宅関連は過4年以上にわたって継続的に追跡しています。
バブル前、バブル中、バブル崩壊後、、、いろんな投資判断をしてきましたが、これほど自分の感覚と相場がフィットしてきた分野も少なかったと思います。ならば、最後まで追跡しようと思って、今もちょこちょこ調べています。

踏み上げ太郎さんが、Predatory Lendingという言葉うぃブログに書かれた瞬間、これは根が深いぞ!と感じて、いろいろグーグルしました。

そしたら、右のDepart of House and Urben Development(HUD)のHPに掲載されているレポートを発見しました。



グーグルで出てきたページ(http://www.hud.gov/offices/hsg/sfh/pred/predlend.cfm)

Since the Spring of 1999, HUD has been actively involved in combating predatory lending through research, regulation, consumer education and enforcement actions against lenders, appraisers, real estate brokers, and other companies and individuals that have victimized homebuyers. Read HUD-Treasury Joint Report on predatory lending.
というフレーズを見つけて、これは読まなきゃ!と、ビビッと感じました。

120ページもあるので、サマリーしか読んでいませんが、P3に書かれていた
A majority of mortgages in the subprime market are used for consumer debt rather than housing purposes.
というフレーズを見てがく然としました。

要は、生活費をねん出するために、値上がりした不動産の価値を担保に金を借りて、束の間の浪費を楽しんだということなのです。
しかも、浪費のためのサブプライム・ローンの手数料や金利は、日本のサラ金と同様に劣悪なのです。

無理して住宅を買って、それを手放すなら、『ちょっと、無理して背伸びしちゃったかな』と、諦めもできます。
しかし、生活費ねん出のために長年住み慣れた家を担保に、高金利の闇金に手を出して、その悪質貸金業者に、いいようにむしり取られたというのが実態であれば、今後問題になる悪質ローン(Predatory Lending)なのです。

これは、社会問題化、政治問題化する可能性が高いです。
すでに大統領選挙戦が始まっているのです。

しかも、この問題は今に始まったことではなく、1998年ごろから問題化している長いアメリカの暗部なのです。全く日本のサラ金問題と同根だと思います。

アメリカの問題化しているサブプライム・ローンは、アメリカ版サラ金なのです。

日本のサラ金関連株が破裂したように、アメリカ版サラ金会社は、まだまだ破裂する運命だと思います。日本では、その破裂を後押ししたのが政治・裁判だったのですが、アメリカでも、社会運動、地方政治、裁判、、、、なのでしょう。

=================考慮するべき問題==============================
住宅が回復しても、サブプライム問題は別の観点から残る
住宅価格が回復しなければ、貧困層は犯罪など深刻な社会問題化する
今後の規制は、日本のサラ金が参考になるかもしれない

=============================================================


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