2010年01月

週末の定点観測 : 全体感

バーナンキは再選された。Google VS Chinaは収束方向に向かっているようだ。
相場の悪材料で残ったのは、
(1)欧州のギリシア : 混乱懸念
(2)新興国引き締め : 世界経済の牽引車失速で世界経済不況へ逆戻り懸念
(3)金融機関(レバレッジ)規制 : ROE低下、世界の信用乗数低下、 世界の流動性低下
というものだ。

(1)、(2)は2010年の問題だ。
(3)は2010年代=Decade Problemだ。
3点ともしばらく継続追跡が必要だ。

valuationだが、日本は予想EPSが上昇した。アメリカは低下した。この動きは重要かもしれない。ただし、年初はアナリストがデータ更新をサボっていることが多いので、2月末までにどういう動きになるかを観察したい。

WEI_20100131_2

世界中が調整した。先進国▼9%、新興国▼15%を大体の目処にしている。目処とは、こkまで下がっても驚かない範囲という意味だ。

飲茶_20100131

長期の日中米

飲茶_長期_20100131

起点を変えると見方も変わる。左のチャートで上にある中国、ブラジルが右では下になる。

世界飲茶_20100131

日本は世界に一週間遅れて調整に入った。
理由ははっきりしない。勢いあまって上がりすぎただけだと思うが・・・

MSCI_20100131

CRB、、、、ガンガン上昇するようには思えない。むしろ、長期の休養期間になるのが普通だ。

CRB_20100131

CPiは結構な戻りを見せている。前年比較で高めに出る時期になるのだろう。日本の相対的なデフレ傾向が目立つ。

日中米CPI_20100131

ドルは明確に反転した。

DXY_20100131

ユーロは反落した。

ユーロ_20100131

人民元は、我関せず、、、中華思想???

人民元(長期)_20100131

これは広義のドル指数

月次Broad_20100131


週末の定点観測 : 日本

海外に一週間遅れて調整の仲間入りをした日本です。
外人が買い上げた大型株が一番下がったのだと思います。

日本株_20100131

とは言え、長期では大型株中型株以外は、過去は惨憺たる有様です。

日本株(長期)_20100131

セクターの動きですが、、、鉄鋼、商社の下げが目立ちますが、新興国(インド、中国)の引き締め=>世界経済の低迷という連想ゲームに、外人買いの急停止が加わったものだと思います。

私が想定する巡航速度経済の時代では鉄鋼はなかなか上がれないと思います。バブル時代になるなら話は別ですが・・・

日本株セクター_20100131

リートも少し下落

Jリート_20100131

小売はユニクロの下げが象徴しています。
円高+生活防衛、、、というStoryは株価的には終わったのでしょう。

日本株(小売)_20100131

サラ金、、、急騰のあとの調整

日本株(サラ金)_20100131

カードは、それほど上がっていないのに、結構な調整

日本株(カード)_20100131

対円、4通貨の動きです、ユーロの下落が大きいです。
ギリシアなど、PIIGS問題は無視できなくなってきたのでしょう。
英国すら完全には安泰ではないといわれ始めました。格下げの懸念が出ています。

対ドル4通貨_20100131

月次の、ユニクロ、ニトリ、任天堂の比較です。
Short:ユニクロ、Long:任天堂のポジションがOKだと思います。

ユニクロ_ニトリ_任天堂_20100131

こっちは趣味で比較している、アップル VS 任天堂
アップル・ファンは一緒にするな!と思うでしょうが・・・・

アップルVS任天堂_20100131

今週も外交分野では質の高い記事が掲載されました。
夏の参議院選挙前に読み返したいです。

1月27日です。

経済教室_20100127

1月29日です。

経済教室_20100129



q

週末の定点観測 : 中国

先週の補欠選挙に負けたオバマ : 株的にも、政治的にも、イライラの2010年)で、「国内政治で苦境に立った為政者の多くは国民の目をそらすために外に向かって強硬姿勢を示して、国民の支持を得ようとする。」と書きましたが台湾への武器輸出が出てきました。

民主党リベラル=人権を重視=中国を嫌悪する傾向=台湾への武器輸出、、、という連鎖なのでしょうか。
G2の姿=呉越同舟=時々喧嘩をするが乗っている船を壊さない、、、という範囲の争いは中間選挙が終わるまで続くのだと思います。
Google VS China問題は、グーグルから出ているニュースを追跡する限りでは収束に向かっていると判断しています。

さて株は調整しました。先進国で▼9%、新興国がその1.5倍を目処にしています。

A_H_Red_20100131

内需もさすがに利益確定売りには勝てません。

中国内需_20100131

上海はPER=31倍です。EPSの伸びがもう少し欲しいですね

上海株_20100131

こっちは月次

上海株_月次_20100131

人民元は動きません。3月の全人代の後なのでしょうか・・・

人民元_201001

アジア株も総じて調整、日本株は上がらない、下がらない、アンカーのような存在でしょうか?

アジア_20100131

新興国通貨は続落

新興国通貨_20100131

こっちは月次の動き、ブラジルの動きが要観察だと思います。
通貨の調整を、加熱の適正化と投資家が見るか、悲観するか、、分水嶺ですね。

新興国通貨_月次_20100131

商品もやや調整

商品_20100131

金も調整

通貨別ゴールド_20100131

PIIGS株式、、同じように下落、ギリシアは安値横バイ

PIIGS_20100131

東欧株式は、エストニアの急騰が続いています。
ここまで買うか????と思います。

東欧株_20100131

ロシアの外貨準備、、頭打ちです。

ロシア外貨準準備_20100131


今週の一番のニュースは、ギリシャが政府債の購入を中国に要請、最大3兆円強、、、です。
GSが音頭をとって、最大250億ユー ロ(約3兆1600億円)相当の政府債の購入を要請しているが、中国側は今のところ、購入には合意していないようです。見返りなどの条件交渉でしょうね。

次が融資の窓口規制の強化ですね。
上海地区での法人向け新規融資を停止。中国建設銀行の上海支店は個人向け および住宅ローンの審査を厳格化するとともに、各月の割当額に達した時点で新規融資を停止するよう命じられたと報道されています。
1月の1,2週のローンの急増は年が明けて「本格的な規制が始まる前に駆け込みで借りた/貸した」のだと思います。そんな動きにお灸を据えたのでしょう。

こんな動きは毎度のことです。こんな状況ではバブルにはなれません

週末の定点観測 : アメリカ

GDPは、+5.7%と大幅に上昇したが、在庫増加が3.4%も寄与していた。
将来売り上げを強気に見て意図的に増やした在庫なのか、売れ残ってしまって意図せざる在庫が増えたのか、ここが重要な分岐点だ。今日時点では判定できない。

US_GDP_20100131

もっとも重要な指標である新規失業申請件数が増加している。景気回復は急回復が終わって巡航速度へとペースダウン中なのだろう。

新規失業者_20100131

継続失業者は微減

継続失業者_20100131

消費者マインドは改善しているが、レベルは低い。週間小売統計が示しているモメンタム低下と同調だと思われる。

ミシガン大消費者マインド_20100131

株も決算は悪いわけではないが、経営者の発表する将来見通しガイダンスが投資家の期待(=多分、、過大なのだろう)を超えていないことに不満を持っているのかもしれない。
結局、急回復から巡航速度へと低下する景気モメンタムと期を一にしているのだろう。

US株_20100131

金融株は体たらく状態

US株_Fins_20100131

Web2.0関連も冴えません。

0_20100131

病欠

頑張って超長期の相場観 (5) 新しい10年の門出にあたっての見直しを書いて、終わったら気が抜けて、風邪をひいてしまいました。
布団から出られるようになるまで、病欠です。

超長期の相場観 (5) 新しい10年の門出にあたっての見直し

昨年で21世紀の最初の10年が終わった。2010年は次の10年の門出の年だ。

昨年書いた超長期の相場観(4)を読み直してみた。
大きな判断変更は不要だと思ったが、New Decadeが始まるので、観点を変えて書き改めてみたい。

数ヶ月程度の株式市場は大きなファンダメンタルの流れとは無関係に動く傾向があるので、この4部作は短期トレードには役に立たないだろう。むしろトレーディングには邪魔になるので無視したほうが良いと思う。

今回は4つのパートに分解してみた。
1.長期的な経済の流れ
2.長期的な「お金=流動性」の流れ
3.裏切られるバブル期待
4.2010年の位置づけ

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(4)2010年の位置づけ : ゆっくりとリスク・テイクを再開する投資家

4回シリーズの最後は長期の経済や株式の流れの中での2010年に焦点を当てます。
年末のレポートでも書きましたが、
経済サイクルは
「中央銀行や政府が経済への波及効果を狙った“一種の見せ金”で人々を鼓舞する」局面から、
「企業経営者や消費者が現実の行動を起こすことが期待される」局面になっています。

経済の主役のバトン・タッチが上手くいくか否かは重要です中央銀行や政府が焦ってバトンを渡そうとしても、企業経営者や消費者がバトンを受け取る準備ができていなければ、バトン(=経済)を落としてしまいます。

バトンを渡すとは、金融緩和や財政支出をやめることです。
バトンを受け取るとは、設備投資や消費を増やすことです。

40_1

シリーズ(2)で書いたように、「過去の傷を癒しつつ、ゆっくりと改善する状態」が2010年です。
昨年のような「悲観への転落から楽観へのジャンプ」という劇的な変化はありません。
しかも、「ハメを外してはしゃぐ=借金を増やす」という状態にはなかなか復帰せず、いわゆる慎重な楽観の時期が続きます。(Cautiously Optimisticという言葉が使われます。)
それでも時間の経過は人々の心を着実に癒していきます。

2009年は3月にかけての株式市場の急落とその後の急騰で、ほとんどの投資家は手足が引っ込んだ達磨さん状態になってしまい、新規投資を出来ずに急騰した株式市場の恩恵に浴していません。
年明け後に徐々に追加資金を投入する意欲が復活してきましたが、投資家の心理状態は「2007年よりは随分安いと思うが、既にこんなに上がってしまった。買った途端の調整が怖い」というものです。

こういう状況で繰り返される典型的な投資行動は次の2枚の図のようなものです。

最初は・・・・「何かに投資したい」という前向きな気持ちと「万が一、ここから下落が始まったら・・」という逡巡の気持ちが妥協して、「出遅れで、割安に見える、安心できる先進国市場」に資金を投じます。

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その後、時間の経過とともに・・・・過去の傷が癒されるにしたがって、「長期的な経済成長を考慮してリスク・テイクしよう」という気持ちが増していきます。

40_3

長期的な経済成長とは、民間部門の活動が決定します。
中央銀行の金融緩和や政府の財政支出は導火線や起爆剤でしかありません。
民間経済が「借金をしてでも事業を拡大しよう」、「住宅ローンを借りてマンションを買おう」とする行動などが増加することが経済成長の中心部分です。

2010年に於いて、このような行動が盛んなのは先進国ではなく依然として新興国でしょう。
今年中に中国のGDPが日本を追い越すとも言われています。

40_4


2010年は様々な懸念を消化しながらのジグザグ相場を経験しながら、「終わってみたら昨年ほどではないが一応上がっていた」だろうと私は想定しています。一本調子の昨年の上昇局面とは違うのです。

40_5

換言すれば焦らずとも何回も投資チャンスがやってくることを意味します。落ち着いた逆張り投資が功を奏するのが2010年です。

(3)裏切られるバブル期待 : 2007年に投資した元本回復へは長い道のり

前2回は経済の長期的な流れを説明しました。
これから2回はそれに対応した株式市場の動きを考えてみようと思います。

昨年の株式市場が意外高を示したことから2011年ごろには「2007年に投資した元本の回復」もあるやという期待が頭をもたげつつありますが、それは困難だと思います。

壮大なバブルと高いvaluationによって形成された株価を回復するには、以下の二つのどちらかが必要です。
(1)    当時を上回る企業利益と、適正な株価valuation=地道な景気回復
(2)    当時と同程度の企業利益と、当時と同様な高い株価valuation =バブルの再来

過去10年間に二度もバブル崩壊を経験した投資家は維持不可能な割高なレベルまで株価を買い上げません。

ですから、当時をかなり上回る企業利益が実現するまで地道な景気回復が続いて初めて2007年の株価を回復できると思います。

つまり、、、下図のように・・・5年という数値に重要な意味はないですが、バブルが起こるには、それほどの長いインターバルが必要だということです。

39_1


また、過去2回のレポートで説明したように、企業も消費者も「安易な業容拡大や消費拡」を控えて節約に走っているのが足元の現状です。雑誌やTVも「上手な節約、賢い節約」といった特集で溢れかえっています。

今はまだ 「がビジネス活動を励まそうと頑張っている」状態です。
バブルが起こるのは「が元気になって、しかもハメを外してしまう」段階です。
それは当分先のことだと思われます。

一旦「世界的なバブル」が崩壊して失敗に懲りた人々が冷静さを取り戻せば、その後しばらくは同様な「世界的なバブル」は起こりません。

現在を生きている人々は、過去10年の間に2回もバブル崩壊を経験したのですから、なおさらです。

39_2


景気回復を願って世界的な規模で金融の緩和と財政の出動が実施されていますが、それを起爆剤として当面発生する可能性のあるバブルは限定的な「局地バブル」的な規模に留まるでしょう。

何故なら規制当局や中央銀行が「バブル再発防止」のために「早すぎる金融緩和の撤廃」と「金融の規制強化」を実施するからです。
それらが「経済のレベレッジが上昇」するのを押さえ込んでしまうのです。
バブルとは経済のレバレッジが相当程度に上昇しなければ起こらないものです。


39_3

また今回のバブル崩壊の犠牲者であり、現在でも苦境にあえいでいる国、産業グループは「いわゆる脱落者」として長期間低迷を余儀なくされるでしょう。
それはバブル時代に提供されていた不当なほどの優遇策や有利なビジネス環境が長期間失われるからです。

先週オバマ政権が発表した銀行業務の分離や制限はそのひとつの実例だと考えられ、銀行ビジネスのvolatility(またはリスクテイクの程度)を「政府の救済が不要な程度まで低下させる」ことになると思われます。
これに関しては別途レポートを予定していますが、底流に流れる考え方は(http://blog.livedoor.jp/okane_koneta/archives/51400944.html)に書きましたので、ご参照ください。

今後数年に関して、可能性の高そうな推移は、
(1)急速な回復の2009年の後、2010年は穏やかな回復にある
(2)うまくいけば2011年ごろから危機状態を完全に脱して普通の経済にもどる
(3)2008年以降に大量に供給された流動性は市場に残っているので、限られた投資ストーリーに向かって資金が集中するが、それは世界的なバブルを引き起こすレベルには到達しない。
という流れだと思われます。

39_4

(2)長期的な「お金=流動性」の流れ : 2008年の緩和開始から、2011年までの大きな流れ

前回は金融緩和が実施されてから実態経済が完全に回復するまでの道のりを金融効果と経済効果という区分けで説明しました。
今回は、2008年以降の各年度がどのような位置づけになるのかを考えて見たいと思います。

サブプライム住宅金融危機による世界経済の崩壊を止めようと世界の協調が始まったのが2008年10月です。ここが全ての起点です。

その後、数多くの銀行が国営化されるなど金融機関へ公的資金が大量に注入されました。
FRBを中心とする欧米の中央銀行は事実上無制限の金融緩和に踏み切りました。

そうしなければ金融システムに崩壊(下の絵の大量出水でバケツが空っぽになる)が起こると危惧されたからです。

それから約半年の間、世界の民間経済は凍りつきました
企業は将来の不透明感に怯えて金を借りて事業を拡大する路線を放棄し縮小均衡(=言葉としては選択と集中)に走り、銀行は怯えてリスクを感じる企業には金を貸さなくなりました。
約6ヶ月間、民間経済は断水状態に陥ったのです。

38_1


2009年春ごろから世界経済の悪化がようやく収まる目処が立ち始めました。
経済が底に達したのです。良くなったのではありませんが、悪化が収まったことは重要です。
何回も書いている「Less Negativeの始まり」です。

少しずつですが、
(1)金融システムからの出水は収まり始め
(2)民間経済のリスクテイク(資金需要)の悪化も止まり始めました。
(3)それでも大規模な金融緩和は継続されています。
2009年は下図にあるように、金融システム内に資金が満杯になった年なのです。

38_2


下の図が、2009年の後半から現在まで続いている状況です。
金融システム内の資金は満杯を通り越してあふれ始めました。

いわゆる「行き場を失った金」は債券や株式、商品市場へと流れ込み始めました。(2000年代前半は不動産市場にも流入しましたが、今回は「羹に懲りて状態」です)これが年末に向かって先進国の株式市場が活況になっていった背景です。

もちろん過度に悲観的だった企業の見通しも「悲観度の修正=Less Negative」になり、企業活動の復活が期待できると市場関係者が感じたことも大きいです。

この「過去の傷を癒しつつ、ゆっくりと改善する状態」は2010年を通して継続するでしょう。
とは言え、民間経済は2000年以降の10年間で2回ものバブル崩壊の苦労に直面して、ちょっとやそっとでは「ハメを外してはしゃぐ=借金を増やす」状態に復帰しようとしないからです。
いわゆる慎重な楽観の時期が続くのです。
(2010年は、Cautiously Optimisticという言葉が何回も使われると思います。)

38_3


このCautiously Optimisticの状態が継続すれば、徐々に悲観は後退し、前向きに頑張ろうとする人や企業が増え始めます。
世界的な突発事件で世界経済がかき乱されなければ、2011年前後には「民間経済がファイティング・ポーズを復活させる段階」に到達するでしょう。

この時が、金融緩和の影響が経済効果にまで到達する段階です。

38_4


銀行は急増する融資の要請に答えるために残業に追われるでしょう。
待機資金を避難させていた先の国債などを売却して融資の資金を確保することになっているでしょう。

この段階に至って初めて経済は完全に復活したと宣言ができるのです。
ここからどれだけ長期の期間にわたって安定した経済活動を維持できるかが、2回のバブル崩壊を負った傷を世界経済が完治できるか否かの分水嶺となるのです。

*** (3)に続く ***

(1)長期的な経済の流れ : 金融緩和から資金需要増大までの長い道のり

世界の中央銀行による前代未聞の金融緩和が実施されて、2009年の世界経済は下げ止まりを見せてくれました。先進国の株式も+20%〜+30%という大幅な反発を見せ投資家も一安心です。

これから数年先までを考えるに当たって、まずは金融緩和が実施されてから実態経済が完全に回復するまでの道のりを考えて見たいと思います。

金融や経済に問題が生じたときに最初に発動されるのは「金融緩和」です。
財政出動は予算とか議会の承認とか財源論とかで時間がかかるので実際に現金が発動されるまでに数ヶ月〜半年を要します。

金融緩和が実施されると、ほぼ同時に債券や株式が好感します。
好感とは値上がりを意味します。この値上がりを資産効果と呼びます。

37_1

資産効果が発生してからしばらくすると消費設備投資が増加する(=実態経済が活性化する)状態が訪れます。
これは経済効果です。

しかし、資産効果が発生してから経済効果が得られるまでには、半年〜2年の期間を要します。
過去の経済レポートでも書きましたが、金融が量的に緩和されてから、民間セクターが元気になって資金を借り入れて経済活動を活性化するまでにはタイム・ラグがあるのです。
企業が設備投資計画を積み増したり、家計が自動車・住宅の購入を決断することは、大きな支出するという重大決定です。

バブルが崩壊して不況が訪れた後などは少々景気が改善しても「まだまだ心配だ」などと、羹に懲りて膾を吹く状態が長いものです。

37_2

なお、、、、、
景気が回復しないのに株だけが上昇する。金融緩和は金持ち優遇策だ。金利が下がると預金の利息を当てにしている引退世代は困る。だから景気回復のためには金融緩和ではなく貧者への財政出動、富の再配分をすべきだ。
。。。という論調もあると思いますが、、、、資産効果が起こらないと経営者や消費者は前向き(=拡大行動)になりません。財政出動と富の再配分では、おそらく縮小均衡になる確率が高いと思います。


経済効果が発生する局面になると、消費者も企業経営者も借金を増やします
銀行はローンの貸し出しに忙しくなります。

銀行には自己資本規制があります。融資の増加に対応する十分な資本金が必要です。
もし不足が心配されるなら、融資が拡大する経済効果の局面の手前で銀行の増資が完了していなければなりません。

37_3


海外でも日本でも2009年は金融機関が大量の増資を実施しました。
一部は過去の失敗で毀損した資本金を回復させるためです。
また一部は金融機関に対する規制の強化に対応するためです。
しかし、一部は将来の経済活動の活発化に備える資本の増強です。

2009年から2010年にかけて金融機関の大量増資が行われているということは、経済効果の時代への備えだと考えることができるのです。

37_4


株式市場では銀行の大量増資を契機に金融株の上昇が見られてきました。
02〜03年も多額の増資、資本増強が実施されました。

37_5

上のBloombergチャート
上部:絶対株価(白:銀行株、橙:TOPIX)、
下部:相対株価(上向きは銀行株がTOPIXよりも大きく上昇していることを示す)

*** (2)へ続く ***
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