2011年06月

「15倍割れ&60億株割れ」で反発した上海市場

どこまで下がるの?
中国って大丈夫?
先週、今週は、こういう質問が増加した。

そして、上海市場の(1)出来高が60億株を割れ、(2)実績PERが15倍を割れた、という事が同時に起こったポイントで反発した。
HK_上海_20110623

下のチャートは、実績PERが前週に15倍を割れた様子

実績PER_上海_20110623


セクター動向だが、テクニカルなリバウンドなので、何でも上がった。
売りこまれていたものほど大幅に上昇した。
sector_上海_20110623

ホイール・ローダーの中国龍工(下の緑線)などは、その好例だ
製造_HK_20110623

中国の温家宝首相が「インフレ抑制策の効果が表れている」と発言したが、これが中国人民銀行に対する「利上げは、そろそろ終わりにしろ」という政治的意向を示したものと好感された。

経済の失速懸念が薄れたことから、損害保険の中国財険は大幅に切り返して年初来高値を更新した
保険_HK_20110623
金利に敏感な不動産セクターの反発も大きかった
不動産_HK_20110623

ヒタヒタ・ペースでの安定成長銘柄の代表である食品セクターは、このような反発にはついていけないのが通常だが、中国食品、康師傅、猛牛、中国旺旺のチャートは魅力的だ
食品_HK_20110623
銀行も金融緩和への期待の恩恵者だ。
これ以上の引き締めの撤回という政治的な圧力は「地方政府が出資をしている投資ファンド」の破たんを防止するという目的もある。破たんは免れても、投資ファンド再建に協力させられる銀行にはそれなりの負担が生じる。
銀行株は好材料と懸念材料の綱引きとなろう

銀行_HK_20110623

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スイス・フランの鐘が鳴っている

今週の為替市場は静かだった、、、、欧州内を除いては

スイスフランが急騰した
ギリシア危機の悪化を受けて、欧州内安全通貨=スイスフランへ、資金逃避が加速した

CCEスイス対ユーロ_20110626

ドル指数は微動だった
DXY_20110626

主要通貨の対ドル・レートだが、過去1年間の動きは、下のような姿だ
一時のドル危機リスクは小康状態にあると言える
対ドル主要通貨_20110626

もう少し通貨を増やして表示すると、、、ゴチャゴチャだが、こうなる
ベトナムの為替は一応落ち着いたようだ。
ここまで下がれば、輸出競争力も増しているので、真面目にやれば将来は明るいと思うが、今後も為替頼みにならなければという条件は残る

対ドル為替_20110626

人民元はマイペースで上昇を継続
6月は上昇ペースがやや鈍い
人民元対ドル_20110626

ユーロは現在のギリシアなどPIIGS危機が収束しないと、高値の更新はできないだろう
PIIGSの救済本格化=ユーロ紙幣の大増刷を意味する。
本格救済するか否か、まだ最終合意はできていない
ユーロ対ドル_20110626

今週の円は、
1、国債を日本人が購入する資金は、まだ十分にある
2、日本人の所得は、世界標準では、まだ高い
3、震災&原発関係は織り込まれた
4、政治は万年こういうガタガタ状況であり、別段悪化したわけではない

という背景を受けて、動かずに終始した

ただし、想定以上に遅れている輸出の回復に関しては評価が分かれている。
(1)企業の東北からの分散(国内であれ、海外であれ、工場新設は数カ月では完成しない)に時間がかかる
(2)工場休止期間中に海外工場(日系&外資系)にシェアを奪われた国内工場のビジネスの取り戻しの困難さ
という事を考えて、貿易黒字の過去レベルへの復帰は相当先だと判断している

JYS_20110626


なお、ドル指数の長期チャートは以下のとおりであり、ドル下落の危機リスクが完全に去ったわけではない。
長期DXY_20110626
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週末の雑感 : QEから抜け出せないアメリカ

下落がここで止まれば、昨年よりも軽微なSell in Mayだったことになる。
そうは問屋が卸さない、、、かもしれない
まだまだ観察が必要だ
US株_20110625

金融がガタガタになってきた。
金融がダメな国では、基本的には株は不調な傾向になる。
( バブル崩壊後の日本の銀行株が何分の一になっているかを見れば明白だ。銀行がダメな時は、経済に血液が循環しない )
その意味でも、米国金融セクターの動きは重要だ。
sector_US株_20110625

アメリカは、日本みたいにはならない!

そう強く言ってきたのがアメリカ人だ。
しかし、実態はジリジリと日本化が進んでいる。

日本化、その1=マネーサプライが増えない。
QE1、QE2、、こんなにFedが「事実上の無制限ドル札印刷」をしているのも関わらず、マネー(ここではM2)は少ししか増えない。
( +5%という数値は、日本よりはるかにマシだが、、、それは日本がトコトンだめという事を意味している )

USマネーサプライ_20110624

日本化、その2=銀行は、ローン残高をどんどん減らしている。

日本では貸しハガシという言葉が週刊誌のタイトルに踊った

アメリカでも、Loan残高は減少を続けている

US銀行_20110624


良いとはいえないアメリカ経済
長期金利は、3%を再び割れた。
US 10y Note_20110625
このままの状態で、QEをやめたら・・・・・

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週末の雑感 : 日本株

Sell in May後の一番つらい時期(先週&今週)を通過したと、私は思う。
ただし昨年同様、上抜けは秋までお預けで、今回の反発はレンジの上限までだろう。

今週感じた特徴は、底値圏で顕著になること、、、
懸念・質問・とりあえず少しは売っておこう(=脱出)
、、これらが続出した事だ。

これが起こらないと反発が来ない

もうひとつ目立ったことは、メイン市場のショート・カバーとマザーズ銘柄の利益確定売りだ。
( 下のチャートで、緑線が下落、その他は上昇 )
ヘッジファンドのLong & Shortのポジション減らしとリンクする売買でもあり、日本ポジションの両肩を減らしたという事になる。

短期_日本株_20110623


大型株を増やそうという動きは6月に入って霧散している。
日本株買いは「大山鳴動、ネズミちょろちょろ」が実態だろう。

week_日本株_20110623



海外だが、欧州が非常に弱かった
理由は明確で、ギリシア問題だ。当座は時間稼ぎの合意をするだろう。

合意をしても、ギリシアが実行することは別問題だし、実行不可能と90%以上の投資家が判定している。
仮に、ギリシアが実行したら、Big Surprise!!だ。
そして、それはPIIGSの景気をもう一段悪化させ、欧風全体のデフレ・リスクを高める。 

飲茶_20110625_1

セクターの動きだが、Jリート、穀物が弱かった。他派反発した

sector_日本株_20110623


ユーロ、豪ドルが軟調だった
対円主要通貨_20110625


Jリートは、久しぶりに、5%台の利回りになった。
預金からJリートへのシフトを考慮していた人にとっては、チャンス到来だ

Jリート_日本株_20110623



小売りは、UAが強い状態が継続している
三菱商事の資金が入ってからのUAは様変わりだ

小売_日本株_20110623



ネットは、循環物色状態、
真中のグループが値を飛ばして上昇した

ネット_日本株_20110623


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途上国に特有の"「意図せざる」国策不況"

経済の発展途上国は、いずこも無理をします
先進国の豊かな生活
が見えているので、早く追いつきたいと焦るのです。
大抵の政権は、選挙で「**までに+*+*します」と大風呂敷を広げる公約をしていることが多いです。

無理をする=何かを優先(エコひいき)する 
調子の良い時(思惑通りに事が運んでいる時)は、政治家・官僚の優秀さが称賛されます。
しかし、経済は一直線に成長しません、紆余曲折があります。

紆余曲折=調子が悪い時、、です。
そういう状況では、無理の裏側であるひずみが露呈します。
無理をする副作用なので、甘受せざるをえません。
無理がたたるわけです。

そして様々な問題を引き起こします。
そのひとつが、金利の必要以上の上昇によって起こってしまう不況です。
不況とは言っても、成長率が少し下がるだけで、先進国のような不況(マイナス成長)とは全然違います。不況と言う言葉だと誤解されるので、別の言葉にしたいのですが、上手な言葉が見つかりません。

日本も、60年代〜70年代は、「無理(成長)+歪(不況)」の繰り返しでした。
現在のBRICSも全く同じです。
中国は日本に近いので、沢山の情報が日本に到達します。
今は悪い情報があふれています。

日本もそうでしたが、政権銀行自分の財布としてこき使います。
企業に対して普通(=市場)よりも安い金利で大量のローンを供給するよう努力します。
その犠牲者預金者です。
本来ならもらえるレベルの預金利息以下の利息しかもらえません。

企業に安く貸すので、預金者に払う金利を低くするのです。
そうして、銀行の利鞘(=儲け)を維持するのです。
人民元上海IBOR_20110624

そんな政府・銀行・企業の仲良しグループが基本ですが、銀行間の資金の融通市場は「仲良しとは言っていられない」シビアなビジネス状況になります。

短期の銀行の資金繰り(=数日の需給調整)によって、銀行間金利は激しく上下します。上の一カ月(紺色)、3か月(ピンク)の金利変動の激しさがそれです。貸し出し金利を上回るような調達を強いられる銀行も出ている状況を示しています。

需要が旺盛な企業は「金を貸してくれ!」と悲鳴を上げているでしょう。
物価上昇率以下の預金利息なので、銀行に預金するなどアホらしいので、企業は金を借りて様々な投資&投機活動に手を染めます。これもあって企業の資金需要は必要以上に旺盛です。

高い金利で資金を調達しては、銀行はローンで損をしますので貸せません。
泣く泣く需要があるにもかかわらずローンを絞るしかありません。

預金金利を物価上昇率以上に引き上げれば投機は消えるのですが、それでは最大の目的である「企業に対して普通(=市場)よりも安い金利で大量のローンを供給する」が守れません。

そのために必要以上に長期間金利を高くすることになります。
時々途上国がガタガタするのは、必要以上の長期間の金利上昇に起因するローンの縮小に端を発する経済成長鈍化です。
これが、途上国に特有の"「意図せざる」国策不況"です。
需要自体は旺盛ですから、政策を転換すれば国策不況は消えます。
今の中国もそういう状態です

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アメリカは全く反対の状況です
景気減速が明確になってきて、お金がジャブジャブに余っています。

その結果、下のチャートのように、「銀行間の資金のやり取りに使われる短期金利」は、3月から一貫して下落しています。
つまり、アメリカの景気は3月が一旦のピークだったのです。

ドルLIBOR_20110624
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7枚のUS関連のチャート

長期のPERのレンジを示して、平均以下になるやいなや「買い場到来!」と叫ぶストラテジストがいる。
絶対的なレベルだけで判断するのは二流である。

重要なことは、現在は下げトレンドなのか、上げトレンドなのかの判断だ。
質問しても多くのストラテジストは言葉を濁らせて逃げてしまう。
商売の邪魔をするな、という顔が見える。

私は、今だに下げトレンドにあると判断している。
こういう時は個別株で勝負するのが有効だ。
こういう時は、二極化が起こりやすく、PERの高い株の方がパフォーマンス的に妙味がある時だ。

volatilityで短期トレーディングするのは、それは別の次元の話だ。

US長期PER_20110622

PBRもしかりだ
私は、オレンジ色の時代は、「グリーンスパン・バブル」だったのだと思う
現在では、彼はミスター・バブルと称されている
US_PBR_20110622

10年間のパフォーマンス・チャート・・・これも素人をだます時によく使われるが、単年度の投資戦略にはほとんど役に立たない。

また、10年以上の長期ではと言っても、もしアメリカが日本のようになれば、全く意味をなさない。

US_10y return_20110622

雇用の状態に関して、時間給や労働時間を示す場合がある。
現在は、弱い回復トレンドになるものの、レベルは低い。

人間は一旦上げた生活レベルを下げる時、非常に不幸になったと感じるものだ

US労働時間_20110622


各種不動産の空室率
アパートの堅調さだが、ローンが払えないので、持ち家を手放してアパートに住む人が増えているからだという。
これを、喜んで良いのやら、悲しむべきなのか、
投資家の視点と、政治家の視点では、異なるかも


US空室率_20110623


USリートの利回りだが、絶対的な利回りは7%台だ。
US国債が低金利なので、スプレッドは今世紀初頭に近い高水準だ

これは、今後は利回りが低下するとアナリストは主張しているが、、、、
(1)今後、不動産価格が上昇して、利回りが低下する
という主張である。

しかし、、、
(2)今後、家賃が下がって、利回りが低下するかもしれない。
その可能性に関しては、「無い」と考えているようだ

これに関しては、私はわからない

US REIT Yield Gap_20110623


不動産は借金で回っている世界だ。
借金を返せるような状況に改善してはいない。
銀行や投資家は、償還延長に応じているようだ。
だから、デフォルトはない。

担保があるので、ギリシアとは違う

Debt Maturity_20110623


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Google VS Facebook (9)栄枯盛衰の歴史(後編)

Google VS Facebook (8)栄枯盛衰の歴史(前篇)の続きです
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マイクロソフトは、インターネットの隆盛を軽視してしまった。
そんな事が起こると困る
そういう立場の人・企業・地域・国家は、事態の変化を過小評価する


マイクロソフトにも、それが起こった
ビル・ゲイツは「これはマズイ!」と察知したが、超巨大企業は舵を切りきれなかった

PCを普及させることを通じて、素晴らしい変化を作り出したマイクロソフトだが、彼らと同様な情熱で、しかし異なったアプローチで、早くて安くて簡単・便利という効果・インパクトを追求するグループも出現した。

インターネット・ブラウザーを開発して販売を始めたネットスケープ社だ。
ネットスケープは音と絵と文章に満ちたがホームページを一般ユーザーがインターネットで閲覧できるようにして、情報交換の飛躍的向上を目指した。

マイクロソフト「紙と鉛筆と電卓を使った作業」を効率化した。
ネットスケープ「電話、Fax、郵便、新聞・雑誌・TV・ラジオを通じた宣伝広告、情報伝達」をインターネットに置き換える世界の扉を開いた。
今日私たちが当たり前のように使っているメール、ホームページ、チケット予約、ネット・ショッピング、オークション、ブログ、Twitter、facebookやミクシー等のSNSのすべては、ネットスケープが開花させた。

図1


当初はインターネットを『おもちゃ、お遊び』と馬鹿にしていたマイクロソフトも、インターネットの計り知れない重要性を認識した後は、自社のブラウザー(Internet Explorer)を開発して猛追を始めた。

しかし、「電話、Fax、郵便、新聞・雑誌・TV・ラジオを通じた宣伝広告、情報伝達」をインターネットに置き換える分野ではマイクロソフトは赤字を計上し続けた


TV、ラジオ、フリー・ペーパーも、無料ビジネスモデル
インターネット・ビジネスはユーザーからはお金を徴収しない無料モデルが主流であって、これはPCを中心としたテクノロジー帝国の覇者マイクロソフトのビジネス・モデルとは異なる手法だった。

ビジネス・モデルは「企業のDNAや企業カルチャー」であり、新たなDNAやカルチャーを持つ企業への変身は通常は不可能だ。

図2


覇者であればあるほど、それまでに築いた超過利潤や権益など、失うモノを過大評価し、新しく得られモノ(=新たな収益源)を過小評価する。当初マイクロソフトがインターネットを『おもちゃ、お遊び』と馬鹿にしたのも同じだ。

天才ビル・ゲイツが「ITビジネスのパラダイム・シフト」に気づいてインターネットへ向かって舵を切ったが、巨大企業と化したマイクロソフト全体は失うものの大きさにたじろぎ、新たなビジネス(広告収入)へと完全には舵をきれなかった。これがインターネット分野で赤字を計上し続けている原因だ。

マイクロソフトは、ネットスケープが有料で販売していたブラウザーに対抗して、自社のブラウザー(Internet Explore)を無料配布して、ネットスケープを倒産に追い込み、ブラウザー競争に勝利した。
その一点では、インターネット・ビジネスの無料モデルを実践していたが、インターネットにおける「無料の重要性・普遍性」を体で理解していたわけではなかった。

ネットスケープの遺志を継いでインターネット・ビジネス・モデルを完成させたのがグーグルだ。
ありとあらゆるインターネット・サービスを提供しているが、メール、検索、ブログ、オフィス用ソフト、クラウド・ストーレッジ(ネット空間でのデータ保存)など、その多くのサービスを私たちは無料で利用している。

( グーグルHPで提供される無料サービス例 : Google.co.jpより )
図3


そのGoogleだが、最近は株価が冴えない。
相対株価のピークは、2009年末だ。それ以降は、インデックスに負けている。

図4



何が、王者Googleを痛めつけたのか?
facebookの登場、SNSの台頭だ。
図5



欲望は、「知りたい」から「つながりたい」へ = Web1.0 VS Web2.0

2004年ごろから、「Web2.0企業」という概念が登場した。
マイクロソフトインテルシスコ・システムズなど偉大なIT企業であっても、新しい業界パラダイム(インターネット利用のサービス提供をビジネスの中心とするWeb2.0の概念)に合致しない企業は「Web1.0企業(=古い体質の企業)」と揶揄されるようになった。

下図は、2005年末を起点とする月次パフォーマンスで、左がWeb2.0企業、右がWeb1.0企業だ。
確かにWeb1.0に分類された企業はIBMオラクル以外は冴えない。
反面、Web2.0企業の多くは素晴らしいパフォーマンスを示している。
しかし、Web2.0の旗手と見なされたGoogleの株価(ピンク色)は冴えない

図6

最盛期のグーグルCEO、シュミットの言葉 :検索されないモノは、存在しないのと同じ

2006年はグーグルと巨大メディア企業が真っ向から対立した年だった。
メディア企業は、自社サイトに掲載した取材記事の一部分であっても、グーグルが検索結果として表示することは著作権の侵害だと強力に主張した。
これに対して、グーグルは、「検索で表示されない事は、この世に存在しないのと同義語だ。」とラディカルに反論した。

長期間の論争を経て翌年、フランスの巨大メディア企業、AFPとGoogleは、Revenue Sharingで合意した。
情報をネットで入手することが主流になった現在、いかに多くのユーザーに自分を認知してもらうかがメディア企業にとっては生命線なので、グーグルと和解してビジネスを拡大することに専念する決定をしたのだった。

グーグルの検索経由で自社サイトを閲覧してもらい、そこに掲載される広告もクリックしてもらおうという商売を優先した。メディア企業の主たる収入は広告収入である。


最盛期に次の主役が頭をもたげている : 欲求の主役は、「見つける」から「つながる」へ
マイクロソフトは「Stand Alone」の状態で使うPCの時代における覇権者だった。
Googleは、PCを「インターネットで相互接続」して使う時代の覇権を握った。
それは、ユーザーの「知りたい」という欲望を支持基盤にしていた。

Googleは人類の英知を解放して世界中の誰にでも利用できるようにするという目標を打ち立てて企業した。
Googleが果たした役割は大きい。金と暇のある富裕層が独占していた知識を一般庶民に開放した。数十万円の百科事典を買いたくても買えなかった人は多かったと思う。私もそうだった。それが今では事実上無料になったのだ。

図7


しかし、時代は加速的に変化した。
相互に接続されたPCは「全ユーザーが発言」する時代を生んだ。
ブログ、チャット、Twitter、ミクシー、facebook、様々なモノが雨後のタケノコのごとく出現した。

自分の知りたいことを「見つけた人々」は、あっと言う間に「つながる欲望」を表明した。
世界中で井戸端会議が無秩序に始まった
「知ったことを他人に話す」ことは人間の自然な欲求だから止められない。

つながりの場を提供したSNS

企業は広告予算を新聞・雑誌・TV・ラジオからインターネットにシフトさせている。人々がインターネットで過ごす時間が着実に増えているからだ。

メディア間における予算シフトは、人々がどのメディアに滞在する時間が長いかに対応している。CMを流している時間に、人々がそのメディアに滞在(=見る)しなければ、CMは伝わらない。
メディアごとの滞在時間の長短は、CM提供企業にとっては費用対効果を測定する重要な基準になっている。

インターネットというメディアの内部でも、滞在時間をめぐって熾烈な争いが続いている。
まずはYahoo!が先行した。人々に「何がどこにあるか」をポータルという道案内画面にして教えた。それはあっと言う間にGoogleに取って代わられた。人海戦術による道案内作成は急激に膨張する世界中のサイトをカバーするには不適当で、コンピュータが自動的に世界中のサイトを巡回検索するGoogle方式に敗れたのだ。

しかし人々の興味が、「知りたい」から「つながりたい」へシフトした瞬間、「つながりの場」を提供するSNSが勝ち組になった。
Googleは人々が「つながりの場」を求めていることの重要性をビジネスとして理解できず、「つながりの場」の提供をしないまま今日に至っている。それはマイクロソフトがインターネットの重要性をビジネスとして理解できなかったのと同じだ。

ちなにみ、創業年度だが、Twitter:2006年、facebook:2004年、ミクシー:2004年、そしてGoogle:1998年だ。
SNSはWeb2.0が概念として花開いた時期に操業している。GoogleよりもWeb2.0のDNAや血が濃いと思われる。


滞在時間と同質性で劣後したGoogle
人々がつながりの場に滞在する時間が猛烈な勢いで増加している。それに対応して、企業はネット広告の予算配分を、急速にSNSに移している。そこには「SNS滞在時間が長い」という要素に加えて、もうひとつ重要な要素がある。

図8



SNSは、小さなコミュニティの集合体だ。
個々のコミュニティに集う仲間は同じような思考、趣味、生活パターンを持つ傾向がある。

CMを打つ企業が昔から悩んできた問題が、「CMが効果的にターゲットに届いているか?」だ。
CM企業は、どんな人がそのTV番組、雑誌の視聴者・購読者であるかを分析して、自社のCMにふさわしいか否かを判定してきた。

SNSはCM企業に対して、その解を示した。
個々のSNSコミュニティは、似たような思考、趣味、生活パターンを持つ(=同質性)のだから、企業にとってはCMターゲットの判定を効果的にできる。
これが、現在のSNSブームを支えている重要な要因になっている。

図9


Securityと仕事の効率 : Before Internet VS After Internet
SNSの隆盛は、困った問題も引き起こしている。
インターネット以前のPCは、Stand Aloneで使われるのが通常だった。機械化という言葉が流行したように、既存の定型業務を効率化する目的でPCが使われた。( 下図左側参照 )
ワード、エクセルなどが、ノート、鉛筆、電卓に取って代わった。

図10


インターネット以後は、PCの使い方が変わった。( 上図右参照 )
他人のアイディア、意見、アドバイスなどをより多く取り入れて、正しい判断をしたり、より良い人生を送るための選択・決断のサポート目的で利用されるようになった。

インターネット以前の時代ではPCを使わなかった人々、企業経営者など判断業務従事者ほど、インターネットによる恩恵が大きい時代になった。

直接会話する、電話で話すのと同列でメール、チャット、SNSが使われている。PCである必要はない。他人とコミュニケーションができれば目的が達成される。スマートフォンや、iPadなどのタブレットが隆盛を見せている理由もこれだ。

パワフルすぎる道具と、セキュリティ対策
SNSを含めた多種多様なインターネット・ツールの利用に対して、企業は困惑している。
その本質は、インターネット経由で社外と意見交換すると、悪意の外部者が社内ネットにアクセスして企業秘密漏えいが生じるリスクがあることだ。

最近のSONYに対するハッカーの攻撃を見ると企業システムの安全性は完璧とは程遠いと判断できる。

紙の書類の場合は、金庫、鍵付きロッカー、机の引き出しと使い分けている。
金庫室には門番が配備され、ロッカーは別室にある。

しかし、デジタルデータの場合は、同じネットワークに接続されている場合が多い。
金庫、ロッカー、机が同じ部屋の中にある状態だ。
パスワードさえ得れば、社長や部長になり済ますことも可能だ。
金庫番(=人間)なら別人だと見分けるだろうが、システムは見分けられない。

この状態で従業員全員が自由に社外のネットワークと接続すると、悪意を持ったハッカーのような人間の罠にハマってしまう可能性がある。
通信回線が向上した現在では数秒で膨大な企業秘密がハッカーに持ち去られてしまう。内部者とて悪意者になる。のんきに性善説で対応してはならない。

だからといって、インターネット・コミュニケーションに背を向けることは、ライバルに劣後する可能性を高める。紙の書類の時代に講じたと安全対策と同様に、インターネットに対するセキュリティを構築する必要がある。

仕事か?遊びか?
インターネットで様々な調査をすること、Yahoo!やGoogleを使うことは仕事の一環だと考えられている。
しかし、インターネットを通じて、「社外の人と意見交換」する事に関しては、メールはOKだが、SNSは不可という判断の企業が多い。

他人と効率的なコミュニケーションをするツールとしてはメールよりもSNSの方が優れているのだが、SNS利用は「遊んでいる」、「情報漏えいの可能性が高い」と感じているようだ。

事前に決められたプロセスを処理する従業員には選択・判断のためのサポートツール(コミュニケーション・ツール)は不要だ。

しかし、「解」のない世界で選択をすることによって付加価値を創造する業務を担当する者には必要だ。
同じ企業に所属していても担当する業務によって、使う道具・ツールが異なる。つまり、適材適所の考え方と同様に、適切なコミュニケーションの道具・ツールを適切な人に与えなければならない。

SNSの出現は「単純に全員に同じものを与える」のでは、他企業に付加価値創造で負ける可能性を出現させたと言える。今後の対応は、企業ごとにかなり異なってくるだろう。

新しいコミュニケーション・ツールが続々と出てくる時代では、企業も素早い真剣な対応が必要だ。情報処理・判断こそが企業の付加価値創造の源泉なのだから。

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目次 : Web2.0第二フェイズ:Google VS Facebook
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(目次) テーマ別に取りまとめたエントリー、特集など
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輸出に対するアナリストの自信が揺らいでいる

短期で輸出が盛り返して好調な経済に戻る、、、震災後にほとんどのエコノミスト、アナリスとが「判で押した念仏」のように唱えていた。

しかし、今朝の貿易収支を見て、念仏だけでは改善しないとトーンを下げている。
(1)輸出するには生産設備が震災前の状態に復旧する必要がある。
(2)奪われたシェアを取り戻す必要がある。
(3)今後の地震に備えて海外に分散した生産を埋め合わせる工場の増加が必要だ

これらの全てが達成されるという期待は「念仏」では成就しない

貿易収支May2011

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何も特筆すべきことが浮かばない週末の雑感

毎週末に多数のデータをダウンロード&チャート化して眺める。
その数は約60種類だと思う。

それを一つ一つ眺めながら作業をしていると、何かを感じる。
あー、こっちだと思っていたけど、あっちに向かい始めた。。。
うーーん、意外に早く底打ちしそうだ、、、、、
あちゃー、思惑が外れて調整が長引きそうだ・・・・

そんな感覚の積み重ねを、定点観測的に土日に書いてきた。
毎週、何か「これ!」というものがある。

しかし、今週は無かった。
思っていたこと(Sell in Mayで調整して、ウダウダしてしまう)が、その通り展開している。
昨年に続いて、絵に書いたような「Sell in May」が来ている。

なにか違う方向に変化する萌芽があるのかもしれない。
私の感受性が低下しているだけかもしれない。

しかし、今週末は何も無い・・・
来週は、
1.ウダウダ〜
2.値幅の出る下落〜
3.ボックスの上までvolatilityを伴いながら上がる〜
4.またウダウダ
という推移の2.の後半だと思っている。
うまく行けば、3への萌芽が始まる。

そういう気持ちで明日の朝から観察したい。

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お知らせ

定点観測シリーズで書いていた内容は、facebookに引っ越しました。
各チャートに短いコメントを付しています。
しばらくこの形式でやってみます。

なお、更新は家の用事の合間を見て作業していますので、徐々に五月雨式になります。
よろしくお願いします。

こちらをご覧ください。


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春山昇華

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