2012年05月

ギリシアがユーロを離脱する時 VS 1998年のロシア

テクニカルな点、他国への影響という国際政治の点から、可能性は低いが、あった場合のギリシア内部の影響はロシアのデフォルトが参考になるだろう。
(1)1998年1月:ルーブルを千分の1にデノミ
(2)1998年7月:IMFからの資金援助<US、ルービンが国益重視の戦略で救済を遅らせた

(3)1998年8月18日:デフォルトを宣言。約400億米ドル

   99年末までに償還を迎える債権を長期債券に強制転換
   対外債務支払いの停止
   預金封鎖

デノミは、通貨切り下げでは無い
下チャートは、ルーブルの対ドルレートの推移だ。
左側のピンク枠の部分が、98年〜99年の2年間で、右側がその2年間を拡大した図だ。
デノミでは、通貨が劣化していない。

8月18日のデフォルトと同時に実施された35%の通貨切り下げをきっかけに、ルーブルは暴落を始めた。
約2年間で、6分の1(▼80%以上の下落)となった。

RUB_M

なお、1998年のロシア危機は、ソロスのグローバル資本主義の危機に分かりやすく書かれている。

ついでながら、ソ連時代、当初「1ドル=1ルーブル」だった
それが、1995年には、「1ドル=5000ルーブル」まで下落している。
( そして、98年1月に、1000分の1のデノミをした )

1918年〜1995年の78年間で猛烈に通貨が下落している。
これは、年率▼10.35%で下落したことを意味する。

たった、▼10.35%だが、78年間の複利累積効果はスゴイ!

ルーブル

この間の株の動きはどうだったのだろうか?
ロシア企業の民営化(国営企業を株式会社化し、その受け取り権をバウチャーにして国民に配布した)ブームで、ロシア株ブームが起こった。
1997年はそのピークだった。

しかし、債務デフォルトの影が忍び寄ると、奈落の底に向かい始めた
1月の1000分の1デノミが相場暴落の引き金だった。
市場は効率的であり、現実のデフォルトまでに、ほぼすべてを正しく織り込んだ

デフォルト後は、非常に余っくりと回復過程に入った。

rtsi$_2

そして、2000年以降の資源エネルギー価格の大底反転、継続大幅上昇で、ロシア株はすっかり回復、高値更新、バブル化に至った。
その後は、皆様の知る通りの展開となっている。

rtsi$_1


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売りの逡巡、買いの逡巡

ギリシア騒動にスペイン騒動が合算して、今週はパニック相場になっています。

前回のパニック相場は、リーマン・ショックの2008年
あの時は、秋になってズルズルが加速して10月にドスンが来ました。

2008年

過去1年間の推移は、下記のような感じで、ズルズルが始まって来週で3か月になります。
5月になって下げが加速をはじめ、今週がドスン状態です。

now

大きな相場の流れでは、逡巡相場(私の勝手な命名です)という期間があります。
結構な長さです。
下の青い部分が、売りの逡巡、桃色の部分が買いの逡巡です。

どちらも「そうは言っても・・・、そうかもしれないけど・・・」という後ろ髪をひかれている状態、過去のトレンドが反転する事が多数説にならないので、体で納得できない状態です。

ドスンの後は、買いの逡巡相場がくるでしょう。
ゆっくり感がる時間=天与のチャンスです。


逡巡

参考:温故知新
ほんの4年弱前ですが、何が起こっていたかの記録を振り返りながら、色々考えるのが今週だと思います。

2008年10月を振り返る(1)
2008年10月を振り返る(2)
2008年10月を振り返る(3)
2008年10月を振り返る(4)
2008年10月を振り返る(5)

激動の記録(1)
激動の記録(2)
08年9月第3週は、数十年に一回しかない激動の週だったかもしれない

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ランチ・タイムの創作童話 : 材料の出し方を工夫

<< 会議室A >>
田中営業部長:室田様、まだまだリスク・オフ相場が続きます。ここからでも遅くはございません。ポートの中身をオフ仕様に入れ替え売買しましょう。
室田FM:田中さん、もう遅くはないですかね?
田中営業部長:大丈夫です。2月にリスク・オンに入れ替えて、そのままズルズルきて傍観しているFMは結構います。
室田FM:そうですか、じゃあ帰ったら注文を出します。

<< 会議室B >>
山田営業部長:藤原様、そろそろリスク・オフ相場が終わります。ここからは3月にリスク・オフ仕様に変えていただいたポートの中身を利益確定しましょう。
藤原FM:山田さん、まだ早くはないですかね?
山田営業部長:結構なFMがリスク・オン使用のままズルズルきていますが、彼らも5月になって諦めてオフ仕様に変え始めてますよ。
藤原FM:そうですか、じゃあ帰ったら注文を出します。

<< 営業ルーム  >>
岡田新入社員:本橋チーフ、本当にリスク・オンに変わるのですか?
本橋:そんな事わからない。我々は材料を話せば良い。それをどう思うかはお客様。お客様から注文を頂ければそれでよい。材料の出し方を工夫するのは、我々の能力だよ。
岡田新入社員:本橋チーフ、私も工夫できるように研鑽します!


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スペイン銀行株下落の記録:2012年5月29日22:20

欧州金融株指数
bebanks

サバテル銀行
sab

ポピュラーレ・エスパニョル銀行
pop

バンキンテル
bkt

バンキア
不動産貸し付けが焦げ付いた地方銀行を破綻から回避するために、政府資金を投入して、BANKIAに統合した。悪く言えば不良債権集積ゴミ箱銀行

BKIA

バンコ・ビルバオ・ビスカヤ
bbva

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USドルは、健闘してきた

1971年8月15日のニクソンショックは、世界の為替の拠り所であった金本位制(金とドルの固定交換<金1オンス=$35>)を終わらせた。

多くの人は、「アメリカの貿易赤字が膨らんで、ドルを切り下げざるを得なくなった」と理解、もしくは想像しているだろう。

しかし、現実は少し異なっている。
下チャート上段:1946年〜1970年の貿易収支
下チャート上段:1971年〜1998年の貿易収支

チャートを、見れば明らかだが、1970年までは、USは貿易黒字国だった。
下図をクリックして、拡大してご覧ください。

1968年、69年に一瞬赤字になる。
本格的な赤字は、1971年からだ。

しかし、その何年も前から、ドル札と金の交換要求が相次いでいた
特に、フランスは、USを毛嫌いし、USの戦略であるドル・バラマキを嫌悪し、USに一撃をくらわそうと常に考えている国だった。

TR_all

1970年代に発生したドルのズルズル下落で、80ポイント近辺まで下がった。
しかし、その後は長期に渡って、ドルは健闘している。

日本に住んでいると、ドルは下がるだけと感じるだろうが、事実は全く異なっている。
下のチャートを見れば明白だ。

アメリカよりも、ダメな国は世界に沢山あるということだ。
ドルが猛烈に上昇したのは、レーガン政権時代のドル高政策、ボルカーのインフレ殺しのための高金利政策によるものだ。
それは、1985年のプラザ合意で、ドルは元の水準に戻る。
それでも長期間にわたってかなり健闘した動き(=ドルの価値は維持される)が続く

貿易荷重ドル

3番目のチャートは、民間の資金移動だ。
アメリカは長期間にわたって、資本を海外に提供してきた。

海外のお金に依存する経済体質に陥るのは、1982年以降の話だ。

Private Capital Flow

アメリカのたどってきた歴史、もしくはその100年程前からのUKの歴史などを参考にすれば、経済の大きなトレンドが発生して後では、長期トレンドは反転はしないことが分かる。
しかし、トレンド反転はアメリカでも10年程度を要して顕在化している。
UKやUSは、基軸通貨国だから、時間がかかったのかもしれない。
日本に関して、毎日をアタフタしている我々には、経済構造のトレンド変更の認識は難易度の高い投資判断になると思う。

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貿易黒字であっても、通貨は下落する。
通貨の量をドンドン増やすと、基本的に通貨価値が希薄化するので、放っておけば下がる。
それは、 ちょっと真面目に、為替を考えてみる(6)円高/ドル安は、「お札の印刷の量」の違いです に書いた通りだ。

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アメリカが、US$を増やしたのは、国際間の貿易を盛んにするのが目的だった。

第二次世界大戦後の経済復興を目指して、欧州や日本の産業基盤を再構築する必要があった。
しかし、欧州や日本は経済復興のための資材を購入する資金が無い。
この時代、資金とはUS$だった。
何故なら、資材を供給できるのは、産業基盤が破壊されていないアメリカしかなかった。

アメリカは、ドルを欧州や日本に低利で貸したり、無償で与えたりした。
欧州や日本の輸入する商品は大幅に増加したが、供給されるUS$の量も増えた。


その後、1960年代後半には、ベトナム戦争の戦費を賄うために、国債が増発された。
これも副次的に市場に出回るUSドルの量を増加させた。

投資家がUS国債を購入し、これを担保に借金をすると、US政府も投資家も「商品」を購入できる。
経済は、こういう経路で拡大するという効果もあった。

こうして、US$は世界中に蔓延していった。

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久米郁夫 : 住専処理から竹中プランまで

犯意なき過ちの抜粋+小泉・竹中まで
コンパクトにカバーした良い資料


久米郁夫_住専処理から竹中プランまで

下記URLからダウンロードして、お読みください。
 http://www.esri.go.jp/jp/others/kanko_sbubble/analysis_04_07.pdf 

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2%の積み重ね

頭の体操

A社:100円の株価が、毎日▼2%下落する
B社:10円の株価が、毎日+2%上昇する

何日後に、両社の株価は逆転するか?

1.40日後
2.60日後
3.80日後
4.90日後
5.100日後
6.110日後
7.120日後
8.150日後




答えは、下図
2%の罪重ね

人間の直感は、直線に伸ばすことが基本
複利計算は、一般人の脳の思考回路になじまない
選択肢が、1〜8まであると、中心にとらわれてしまう

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表:ドル高、裏:貿易の縮小

ユーロが、サポート・ラインを下に切って落ち始めた。
長期のユーロ安になるだろうと、多くの投資家が覚悟している。

ユーロ・システムの混乱は、政治で始まったモノは、政治で解決するで書いたように、政治家が指導力を発揮するしかない。
黙っていても「神の手に導かれて、落ち着くところに落ち着く」というのは、100年後だろうし、それまでにもたらさせる経済的政治的混乱による被害は甚大だろう。

1

為替の世界を見れば、あたり一面のドル高だ。

何故、ドル高?
1:ドルを資金調達として求める人が多いにもかかららず、ドルが潤沢に供給されない
2:様々な理由から、ドルが海外から、USに向かって還流している
3:安全資産のドルを選好する人が増加
など、色々言われる。
2

世界経済の産業貿易に関連する事で言えば、 大半の貿易は、US$で決済が行われている。 
ゴールドで決済されてはない。


ドルが高い時、世界の景気が思わしくなく、貿易が縮小していることが多い。
現在も世界の景気は思わしくない。

今後、景気が回復する段階で、貿易決済の媒体としてもUSドルが潤沢に供給されないと、貿易決済に際してのファンディング・コストが高騰して、景気回復に支障をきたす。

ドル以外の貿易決済媒体がユーロに期待されたが、今はその地位が後退している。
人民元が、その一部を果たすには、まだ相当な時間がかかるので、2010年代には間に合わない。

貿易決済の媒体としても通貨の供給は、貿易赤字、または資金供与を通じて供給が実行される。

バーナンキのQE3が、その役割を演ずるのだろうか?

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facebook 上場

facebookの上場は、色々なニュースを世界中に振りまいてくれた。

(1)上場価格から▼18.6%(今週の安値$30.94で計算)の下落を演じた
(2)初値が1時間遅れになって問題化している
Facebook Investor Sues Nasdaq Over Delays In Offering
(3)予想業績の引き下げ事件
Facebookの業績見通し引き下げ、同社幹部が指示か
Morgan Stanley cut Facebook view pre-IPO: report
(4)NASDAQからNYSEに鞍替え?
Facebook Said To Have Talked With NYSE About Exchange Switch

2,3,4は時間の経過が「そうだったのか・・」を教えてくれる。
1、に関して、私が思う事を書くと

facebookは2年以上も前から、そろそろIPOと言われていた。
世界中の投資家がIPO前に株を欲しがった。
上場前のOTC市場で結構な売買が行われていた。


IPO前にfacebookのことをジックリ考えて分析する投資家が非常に多かったという事実がある。
これは、他のIPO銘柄との際立った差だ。
普通は非常に少数の投資家しか、IPOされる会社の事を知らない。直前にニワカ勉強するのが関の山だ。

つまり、証券会社の営業戦略もあって普通のIPOは、IPO価格がフェアバリューのかなり下で決まるのに対して、facebookはフェア・バリューに近い所で決まったということになる。

上場後の値動きは以下のような状態だった。

FB_20110526

facebookのコメントに書いたように、私は以下のように考えていた。
IPO直前は$42で取引があった。
これは需給ひっ迫の中でプレミアムが付いている状態なので、広く株が出回れば▼20%程度が妥当だろう。
そして、業績下方修正がなされたようなので、それを▼10%程度と考える。

その結果、$42 × 0.8 × 0.9 = 30.24

これをベースに、30〜33の間なら、長期投資としては良いだろう、というコメントを書いた。

なお、初日の取引後に、以下のようにfacebookに投稿した。

初日、ネームを隠してチャート(左)だけ眺めれば、ダメ株である

右側は、グーグルの上場(04年8月18日)以降の推移
最初は、110(?)の予定だったが、playboy誌に規則違反のインタビュー記事が掲載されて、不況を囲って、$85に下げたと記憶している。 

FB_20120519

今後も豊富な話題を提供して、我々を楽しませてくれるだろう。

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政治で始まったモノは、政治で解決する

5月21日は、欧州の政治が動いたと思う。
ギリシア問題を解決すためには、「無理が通れば、道理が引っ込む」的な経済合理性を排した政治的な措置が発動されるしかないという雰囲気が急速に高まっている。

アルゼンチンの元中央銀行総裁がFTに寄稿(下記事の左側)しているように、
ユーロシステムは、政治的な通貨だ。
最初から経済的合理性という視点からは問題があるにも拘わらず、政治的に見切り発車した通貨だ。

当初の想定(=心配)通りに、PIIGS危機が起こっている。
政治的な通貨に発生した問題は、政治的に解決しなければならない
経済合理性では解決できない性質だからだ。

ゆえに、何でもありの決着へ向かっているのだろうし、それしか落としどころは無いのだと思う。

アルゼンチン_ギリシア_20120522

一方、英国人は、経済合理性に合わないのだから、混乱を防止しつつ、ユーロ・システムを解体すべきだと主張している。
上のFT記事右側

いずれにしても、 5月23日の欧州首脳非公式会議、これが天王山です 

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本日のfacebookへの参考投稿

(1)事態はここまできてしまった。
何でもありと、独仏が合意するしかなかった。


Most Greek banks are currently cut off from the usual ECB lines of credit. They no longer have sufficient collateral. A number of banks are even currently operating without sufficient capital as a risk buffer for their activities.
These zombie banks are being kept alive with help from the so-called Emergency Liquidity Assistance (ELA) -- a rescue aid program managed by Provopoulos.
The central bankers are caught in a moral conflict. Cutting off the flow of money would have disastrous consequences: Greece would quickly run out of money. The population would soon not even have enough cash to pay for its daily purchases.
http://www.spiegel.de/international/europe/analysis-of-european-central-bank-s-assistance-to-greek-banks-a-834156.html 

(2)G8で決めた。
この発言は、IMFから欧州に、さらなる救済資金を出すことに、USがOKしたという意味だろう

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120522/fnc12052208300004-n1.htm 

(3)これらの人々が口うるさくなったのは、
政治が急転直下して、救済条約の実質条件変更を決断したから。
メルケルは、「行くしかない!」と、ルビコンを超えたのです
歴史的に重要な事が起こっているのが、今週です

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK814905720120521 

(4)金融危機解決よりも、物価を優先する。。。どうしようもない人
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4D66H6JIK1X01.html 

(5)素晴らしい!
何でもあり!!!
実質、棒引き、形式は23日に決める、、、という事でしょう
5月21日(ブルームバーグ):ドイツのショイブレ財務相は21日、
ベルリンで開いたフランスのモスコビシ財務相との会談後、ギリシャを
ユーロ圏にとどめるために「必要なあらゆる措置」を講じることで両国
が合意したと明らかにした。
  ショイブレ財務相は、ギリシャをユーロ圏に残留させる取り組みが
「成功するようあらゆる措置を取る方針だ」と述べた。



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