2013年03月

緩和と円安 : アベノミクス (The introduction for the next bubble)

緩和によるマネーの増加だけでは円安にならない。
1:消極的でイヤイヤの言い訳付の緩和では、人々の心、投機家の行動は変わらない。
2:日銀の強い意思表示を伴うなら、緩和が小さくても、人々の心、投機家の行動が変化する。

緩和と円安_20130331


2005年〜2007年の円安局面は、
過去の緩和で生み出され累積したマネーが、行先(海外の証券化商品、BRICsの株や債券)を見つけ出して、自分の意志で動き始めた(海外へ流出)ことによって生じたと解釈される

2012年に始まった円安は、
(1)マネーは国内にとどまったままだ
(2)アベノミクス(政府と日銀が二人三脚体制になる強い意思表示)によって、人々の心、投機家の行動が変化したことで発生した。

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 目次 : The introduction for the next bubble
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歴史とは何か 岡田英弘

読書メモ : 歴史とは何か 岡田英弘

普通の人は、歴史に真実を求めない。
情緒的な満足感、心がときめき、ワクワクする壮大な非日常感を求める。

韓国が歴史認識を執拗に繰り返す背景は以下のようなものだ。
朝鮮半島は1000年以上にわたって中国の皇帝に臣下の礼をとってきたが、傲慢な日本は日中は対等だと主張して正式な朝貢を拒否して現代に至った。
だから中国の朝廷(韓国は現代の中国政権をも、そう位置付けている)における席次は韓国が日本より上だと考えており、それを基礎に日韓関係を是正したいという気持ちがある。

歴史とはなにか_岡田英弘


人間にとって「何かを理解する」ということは、それに起承転結ストーリー、物語を与えるという事だ。
正しい歴史では、発生した歴史的事実に対する善悪と言う道徳的価値は無意味だし、役に立つか否かという功利的な価値判断も禁物だ。
歴史家にとって重要な事は、何が本当に起ったかを明らかにするために、資料の矛盾を突き詰め、最も可能性の高い解釈を構築することだ。

歴史の主流は政治史だ。
1689年のアメリカ成立する以前の世界は、君主制と自由都市しか存在しなかった。
君主の支配地域、自由都市の支配地域と言う概念はあったが、それらは地続きではなく飛び地が多く、現代で言う国境はなかった。人々は自由に往来していた。

アメリカ独立革命とは、イングランド王の財産をアメリカ市民が強奪したことを意味する。この財産の相続人を法的に確定するために、市民の集合体=国家という概念が生まれた。

フランス革命では、ルイ王朝をギロチンにかけて消滅させ、その資産を強奪した後の相続人を確定させる作業に数年を要した。
言語も異なり複数の文化が並存する状態に対して「フランス語をつくり、同じの法律が通用するフランス国という概念を創造し、フランス人という同一意識を作り出す」作業が必要だった。
ナポレオンによる徴兵制度とナポレオン法典の公布によって、ようやくフランスが成立した。その意味ではフランス革命は、1787年の王権に対する貴族の反抗に始まり、1804年のナポレオン法典まで17年を費やした政治劇だった。

アメリカとフランスが始めた徴兵制を基礎とする国民国家は、傭兵を主とする君主制に対して、戦争に強かった。戦争に負けずに生き延びるために世界中が一斉に国民国家と言う政治形態に変化した。
君主制が立憲君主制という国民国家に移行したのは、国民国家の利点を君主制が取り入れる為であった事を考えると、自然の流れだった。

国民の最大の財産は領土だ、という概念は徴兵制を精神的に支える大きな力だった。
そして、それが領土を拡張する目的の多くの戦争(自国の概念が支配する地域を拡大する)を引き起こした。

アメリカやフランスが始めた国民国家は民主主義を採用するが、民主主義の前提とする「人間は全員が平等」という概念は「市民革命の必要性から生み出された」概念であり、理論的に正しい訳でもなく、長い歴史の時間と言う裁判を経て選択されたものでもない。
現実の多くの人間は、自分がしている事を自分で理解する頭もなく、自分の生き方を自分で決めるだけの強さも持ってない。しかも、個々人の能力には歴然とした格差が存在している。
つまり現実の社会は民主主義には向かない。
もし民主主義がそんなに理想的であるならば、なぜ人類はそれを実現するために18世紀末まで何千年も待たねばならなかったのだろう。人類の歴の中では君主制の時代の方がはるかに長かった。

国民国家+民主主義は、賞味期限切れになってきた。
EUが各々の国民国家の主権を制限して、より大きな何かを目指しているのは、その「もがき」だろう。

「中国の皇帝がなぜ、儀礼を大事にするのか」だが、中国の政治では、どんな局面でも多数派がいない。誰でも、みんな少数派だ。
中国はいつの時代でも多くの政治勢力の寄り合い所帯で圧倒的多数を代表する人はいない。
だから皇帝はそんな状況の中、自分は正当性を持った皇帝であると一般の人民に向かって繰り返しアピールして稔を押さねばならない。
それは外国から中国には無い土産物を持参して中国皇帝に儀礼を尽くす「独立した外国」が必要だったのだ。それが朝貢という制度を中国に根付かせた。

歴史資料は作者や、彼が属している社会の好み(都合のよい、正当化のため)の物語だ。
作者や社会が記録すべきものと選択したものだけが、何かの目的に沿った形で改ざんされて書かれている。
社会、民族、国家を超えて正しい歴史を記述すると、「困る人々、民族、国家」が多いので、正しい歴史は多くのグループから歓迎されない。
しかし正しい歴史ほど、文化の違い、個人の好みを超えて、さらには書かれた時代を離れても、多数の人を説得する力を持つ。
現在の国民国家の賞味期限切れ状況、国家間の「自国にとって都合のよい歴史」の押し付け合い、これらの解消には正しい歴史が必要である。
それが時間はかかっても、お互いの対立を解消する手助けとなるだろう。

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目次 : The introduction for the next bubble

前回バブルが崩壊を始めた2007年、
リーマンショックの2008年、
当時将来を考えるうえで一つの判断(推定)をした。

1:最低でも次の5年間はバブルが始まらない
2:前回バブルの主役は、次回のバブルの主役にならない。

そして5年が経過した。
次のバブルへ向かう基礎固め、ファウンデーション造りが始まる。
次のバブルのテーマのようなモノが芽吹いてくると思う。

まずは、始まりから終わりまで割と冷静に観察し、脱出の対応が出来た前回バブルを振り返って、次のバブルに備える準備体操としたい。


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2013年3月31日:緩和と円安 : アベノミクス 
2013年4月2日:より速く、より高く、より強く
2013年4月2日:前回バブルの主役は、次のバブルの主役にならない
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混乱しない事がバレてしまったら

今回のキプロスのベイル・インが、時間は長引いたとしても、混乱の程度が多少で済めば、「ベイル・インが当然」という時代に移行する可能性がある。

金融危機は国民の税金で救済(=ベイル・アウト)るのが当然、
何故なら「金融機関のベイル・インは、金融システムに大混乱を引き起こす」から絶対に避けるべきだ、
という時代が変わることを意味する。

無分別な金融機関はベイル・インで困窮するが、金融システムは全体としては、多少の混乱はあるものの、無事切り抜けられる、という考え方が主流になるかもしれない。 

( もしかしたら、「キプロスのベイル・インが成功してほしくない」と思っている金融機関があるかもしれない。 )

いずれにしても、非常に重要なベイル・インが始まったのだ。

関連
規制強化の時代
欧州金融危機

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アベノミクス & Jリート狂喜乱舞相場 & 静かに資産配分を変更

アベノミクスが成功する、というストーリーで2011年11月から急騰を演じている日本株だ。
一方、大半の債券投資家は「成功するとは思えない」と斜に構えている。
株式投資家、債券投資家、両者ともども自分のアセットに都合のよいことを考えているのが現状だ。

もしアベノミクスが成功するなら、、、それはデフレが終了して経済が正常化することを意味する。
経済が正常化する = 今よりもビジネス・リスクが大幅に低下することになる。

それは、負債(ローン、借金)ビジネスが最大の恩恵を受ける世界への扉を開く。
つまり、下図のように、資金需要が盛り上がる企業に対して、銀行はバンバン融資を拡大するのだ。

アベノミクス_1

それを予見するかのように、自民党政権の可能性が上昇した昨年夏ごろからバブル崩壊から長期間低迷を続けてきた銀行株が急騰している。
まだ市場は半信半疑以下程度しか信用していない。
22年間も経済がボロボロになり、期待が裏切られ続けてきたのだから、信用できないのは当然だ。

アベノミクス_2

銀行ビジネスは信用できなくても、不動産が恩恵を受ける点に関しては、投資家は確信をもっているようだ。
それが証拠に、不動産株はロケットのように上昇を演じている。

アベノミクス_3

3月のJリートは、狂喜乱舞相場
アベノミクスは不動産価格を上昇させる。
しかも黒田日銀総裁の指揮下、大幅な金融緩和が実施されるので、金利は当面は上がらない。
そういう期待感を背景に、個人投資家、機関投資家を問わず、12月以降
巨大な資金が加速度的にJリート市場に流入した。
買うから上がる、上がるから買うという一種のブームが起こり、その結果、大きな節目と言われていた1700ポイントを超え、分配金利回りは2%台に突入した


JR_20130327_1


アベノミクス期待で高騰したJリートだが、冷静に将来を見通せば、
アベノミクスが成功するなら、消費者物価はデフレを脱して2%に向かって上がっているだろう。
その時、国債金利は日銀の努力で金利上昇が抑制されているだろうが、企業やJリートのローン金利は国債以上に上昇しているだろう。そんな事まだ2年以上も先のことだ。心配は無用だ、というのが足元の雰囲気だ。そうかもしれないが、噴水のようなJリート相場の上昇が今後も継続すると考えるのは甘いだろう。


下図は、アベノミクス相場が始まった11月15日以降の各資産のパフォーマンス推移(円ベース)だ。Jリートの急騰の突出ぶりが顕著だ。

JR_20130327_2


 一方、住宅価格の順調な回復などファンダメンタルが改善している米国円安が一服した日本株は横バイで調整している。
この局面を捉えて、Jリートへの資産配分を削減して、日本株とアメリカ株に移したい。
Jリート:20% → 10%
日本株:10% → 15%
米国株:25% → 30%
( 下図が新配分 )


JR_20130327_3


時価総額との比較
個人投資家の場合は、厳密な時価総額比例をベースとした資産配分は必須ではないが、下記を見れば「小さなJリートの市場に、巨大な資金が短期で流入した」結果として3月のJリート狂喜乱舞相場が出現していると、冷静に判断できると思われる。


現在、私が推薦している資産配分は、
1:日本(株+Jリート)、アジアが多く2:欧米と新興市場が少ないという構成になっている。
なお、東証の時価総額全額ではなく、TOPXを使用しているのは、他の地域に関しても、
投資家が通常投資ができる株式総額という点で統一比較しているからだ。 

 
JR_20130327_4


資金配分の過去の推移は下記の通り

JR_20130327_5

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3分芸術の被害者

3分芸術の続きです。

ネット書籍と3分芸(術は外した方が良さそうだ)の被害者は、週刊誌、月刊誌、タブロイド誌、新書、という「これまで暇つぶしエンターテイメントの世界で生きてきたモノ」だろう。
これらは既に被害を被っており、足元では必死で生き残りを模索している状態だ。

週刊誌、月刊誌、タブロイド誌という被害者を通じて最もダメージを被るのは「編集長によるパッケージング」だと思う。
これまでの雑誌は、表表紙から裏表紙に至るまで何をどういう順序で配置するか、何をカラー刷り(コストをかける)にして、何は白黒にするか、人気作家、新人作家、売り出し中作家、広告、等をどこに配置するかなどに関して綿密な計算・作戦をたててパッケージングしていた。

しかしネットになれば、読者は一番読みたいものを真っ先に見る。3分経過したら他は読まずにポイする人もいるだろう。
そして、バラ売りや定額読み放題が増えてくれば、人気の上位作品だけが突出して読まれ、不人気作家やこれから売り出したい作家の作品は読まれることが少なくなる。
つまり下図のような変化が起こる。

3分芸


このような「Winner Takes All」的な変化は、製造業の世界では1990年代に始まり、現在では当然のビジネス条件になっている。
非製造業の世界が例外であるという希望は消えるだろう。

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3分芸術

ネット書籍が増える時、一番増えるのは「楽しい、面白い、暇つぶし」目的のエンターテイメント分野だろう。
ちょこっと開いた時間を過ごすためのモノだから、PCではなくスマホや小型で軽量のタブレットを使うだろう。

3分間程度で完結する「お手軽さ」が必要だと思う。
長編物を単純に分割するだけでは不十分だ。変な場所で分割すると、面白くない、続きを読もうと思わない、意味不明、という事態になるだろう。
漫画で4コマ漫画という分野があるように、3分小説、3分ブログ、3分*+*・・・いろいろ出てきそうで楽しみだ。

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第三人称になる=岡目八目

持っている株が、グイグイ上がる。。。。。。嬉しくて気分が高揚し、自分が大きく見える。
持っている株が、 ボロボロに下がる。。。。悲しくて自分が馬鹿に見えてくる。

しかし、こういう喜怒哀楽は株の売買判断にはヨロシクナイのである。

冷静な第三者が見れば、良い判断ができる、「岡目八目」という言葉がある。
英語でも・・・
Onlookers can read the game (far) better than the playersthemselves.
・・・と言うらしい。

株式投資に際して、
その株を持っていない人間になりきって、その株を辛辣に論評するのだ。
つまり、大量に持っている株をボロボロにこき下ろすのだ。
反対に、買い損ねて悔しい思いをしている株を、大々的に褒めるのだ。 

信念と単なる思い込みは、ほんの紙一重だし、
昨日までの正しい認識が明日からは白黒逆転することも多々ある
何と何が、そんな割合、ドッチの方向で株価形成ファクターとして働いているか、日々刻々と変わる


他人の金を運用するプロは、他人が監視役だ。
自分の為にする株の売買は、誰からも監視されない。
だから、自分が一人二役するしかない。

だから、一人芝居みたいなことを積み重ねて、自然体で判断ができるようになるしかない。
そうやって少しずつ血の通った冷徹な投資家に近づくのだ。
 
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2月27日の植田和男氏講演会のメモ

デフレ脱却に必要な「セイフティ・マージン」の続きです。

貨幣数量説は破綻したと言わざるを得ない。
過去20年間、マネーは増えても、貨幣数量説が示唆するインフレは起こっていない。
20年間もハズレている貨幣数量説で金融政策を実行する日銀は間違いである。

植田和男


春山感想:
Pricing Mechanizmに参加しないマネーが増加したのだろう。
マネーに対して「参加する/しない」という区分を設ける事が定性的(感覚的)には理解できるが、定量的、現実的には、どのような統計処理をする事になるのだろうか?
文科系の私には即理解できないので、今年いっぱい時間をかけて考えてみたい。
 
タンス預金、地下に埋蔵した大量の現金、これらはPricing Mechanizmに参加しないマネーということだろうか?
民間企業に貸し出されずに、国債の投資され、その資金を国が経済乗数効果の小さな紹介保障にバラ捲くことも、「参加率の小さなマネー」を増やしているのだろうか?


USのFedや、アベノミクスの重要なポイントは、
(1)Forward Guidance(日本では時間軸効果という不思議な言葉を付与している)
少々景気が良くなっても、少々物価が上がっても、緩和を継続しますという将来の金融政策を約束していると、市場に判断させること
これによって、景気の回復&上昇期間が長そうだと民間経済を安心させ、彼らにリスク・テイク(借入、設備投資、雇用増)させることが可能になる。

(2)中央銀行の資産購入
中央銀行が買うのだからという安心感を民間経済に与える。
景気を失速させて中央銀行が自分の資産を悪化させるような金融政策をとることはなさそうだと、民間経済が思って安心して、株や不動産などへ「リスク・、マネー」を供給する

(3)政策のコミット
財政支出と、成長戦略

(4)貿易の赤字化による通貨の下落が、企業の競争力を回復させる。

(5)もっとも重要な事は、「期待を変えた」ことだ。
リスク資産に対する期待リターンを変化させた
デフレ期=マイナス・リターン・・・なら預金がベスト
経済正常化=プラス・リターン・・・預金からリスク資産へ
リスク・テイクにインセンティブを与えることが、今後も増加してほしい。
規制緩和や成長戦略が、それに該当する。

(6)今後、起こる事態
金融政策に対する市場からのテスト
PIIGS危機やUS財政の崖に対して、金融市場が中央銀行のコミットの強さをテストするために証券を売り込んでくるだろう

(7)現状認識
財政政策が変わった。縮小均衡を捨てて拡大再生産へ舵を切った。
金融部門のde-leverageが終わった。
これら二つは非常に良いことだ。

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「3月5日 Jリート → 新興国」の背景

3月5日に、資産の30%を振り向けているJリートを、30%→20%(▼10%の削減)として、減額分を約2年間ゼロ・ポジションにしてきた新興国へ割り当てる決定をした。
その際に考えていたことは以下のような事である。

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2月は世界の株は調整していた。
1月末にフルインベストメントから、現金10%にしたが、その理由はこういう中休みが来そうだと感じたからだった。
想定通りの中休みが発生した。そして、約1か月の調整が終わって新たな上昇フェイズに移行する、と3月5日に判断した。
ならば、株式のウェイトを引き上げるべきである。

ym_1
一方、調整を予想したJリートは、休むどころが加速上昇して日中では1400ポイントを超える場面も見られるほどの急騰を見せた。
デフレ脱出の恩恵は「金貸しと不動産」である。
とは言えいかにスピード違反と感じる。
3月8日現在のリートの利回りは、3.6335%まで低下している。

Jreit


さらには、昨年後半から増資ラッシュになっているJリートが、勇み足的に高値買いをしている。
日本ビル・ファンドが持ち分を購入したソニーの本社ビルは、利回り4.3%と言われている。
(ディスクロ:http://www.nbf-m.com/nbf/release/files/release650.pdf)
借り入れでレバレッジがあるとは言え、ビルのメンテナンス・コストの諸経費や借入金利、リートマネージャーへの運用報酬などを支払った後に投資家が受け取れる分配金利回りは、お世辞にも高利回りとは言えないだろう。

下は、Bloomberg記事、http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIX41D6JTSEH01.html

Sony_Jreit

日本ビルファンドは、パナソニックのビルの持分権も購入している。
この利回りも、高くはないと推定される。
ディスクロ:http://www.nbf-m.com/nbf/release/files/release654.pdf

下は、Bloomberg記事(http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJ6CUR6S972U01.html)

パナ_Jリート

どうも、不動産市況の改善、賃料値上がりを過度に強気に見ているように思われる。

2月2日の「またホット・マネーに揉みくちゃにされそうなJリート (その2)」に書いたように、
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一般企業の業績(EPS)は、景気変動によって、大きく上下動する。それゆえ、一般企業の株価は大幅に上下動する(=volatilityが高い)。
しかし、家賃は景気の上下動ほどには、増減しない契約期間が満了しないと、家賃の増減が発生しないし、既存テナントに対しては変動幅の緩和策がとられるのが一般的だ。それゆえ、家賃は景気ほどには変動しない。
つまり、Jリートの分配金(家賃収入−支払金利などの経費)は、景気変動に比べてマイルドな動きをする。

====

最近のJリートの行動は、どうも5年後の世界が、あたかも来年実現するように焦って、「過度な期待に基づく勇み足投資」をしているように私は感じるのだ。

1200ポイントから1400ポイントまで一気に駆け上がったJリート相場は、2月2日の「またホット・マネーに揉みくちゃにされそうなJリート (その1)」に書いたように、2005年〜2007年のJリート・バブル時のように、利回り商品として配当金に投資するのではなく、「上がるから買う、買うから上がる」という短期トレーディングの対象として持て囃す投資家が主導権を握っている。
2月末の状態を思うに、ある意味、マネーゲームの要素が増えてしまい、分配金を長期的にエンジョイするという意識は低下してしまったようだ。
それゆえ、Jリートのポジションの一部(30%の内の10%部分)に対して、もう一段の利益確定売りを入れるべきだと判断した。

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資金を振り向けることにした新興国の状況を振り返ってみよう

2007年の4月以降、まず、Jリートが大天井をつけて崩壊を始めた。
次に先進外国がピーク・アウトし、最後に、新興国が大天井を付けた。

2007年初から、保有を継続して投資家に関しては、いまだ
新興国 > 先進外国 > Jリート
というパフォーマンス格差になっている

 em_dm_JR_Long

判断よろしく2007年に売り抜けた投資家は、リーマンショック直後に投資を再開すれば、何に投資しても儲かっている。
反発上昇率の比較をすれば、最高のリバウンドは新興国である、
ついで先進外国、Jリートの反発は弱かった。
この新興国優位は、2010年9月まで続いた。上図のピンクの四角枠がソレである。

2010年10月からは、
先進外国&Jリート > 新興国
という構図が鮮明になる。
3月で、2年6か月が経過する事になる

em_dm_JR

ちなみに、先進外国株と新興国株の相対パフォーマンス・チャートは下のようになる

em_dm

加熱しているJリートから、オイテケボリの新興国へ、10%ほど資金を移動させる。
今週からピン・ポイントで、「Jリート>新興国」が「Jリート<新興国」に変化するかは、絶対の自信はないが、熱狂の資産から懸念の資産に少々移してい置くことは「以後の捨石」ではないが、きっと後から効果が出てくると思う。

下図は、新興国の中のBRICsの2010年10月以降の推移だ。
インドとブラジルの出遅れが顕著だ。
両国に関して、インフレ懸念というフレーズがメディアに頻繁に登場する。

emdm

2010年10月以降の新興国のパフォーマンスの悪化の背景は、インフレ懸念だ。
インフレ退治のために金利を引き上げ、そのために景気が低迷する、政府も景気対策を実行したくてもインフレを上昇させるのでできない、・・・という不安が投資家を新興国から遠ざけたのだ。

しかし、下のインフレの推移を見れば、最悪期はかなり前に過ぎ去っており、インフレは改善基調であることが認識できる。
こういう多少不安の残る状況だから、新興国を安く買えるのだと思う。

インフレ


過去の資金配分の推移は、下記の通りだ。
AA_20130305

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