住居建物の強度は生命を守るという意味では、地震への耐久力は十分だと思った。地震に対して完全無敵である必要はない。壁や天井が多少壊れても、生命を守れるのであればOKだと思う。完全無敵を望むのは一般庶民の財力では無理だ。

しかし、津波に対しては無力だと判明した。対津波対策は個人や建設業者の対応能力の限界を超えている。
対応としては、、、、
(1)100年〜1000年に一回だと考えて、ある程度の被害は仕方が無いと甘受する
(2)絶対に嫌だと考えて、津波危険地域を避ける(移転する)
(3)完全無欠を国家支出で建設する
、、、だが、(3)は対策強化で感情的に言われやすいが、極端に言えば「1000人の人を守るために1000億円を支出する」ことになる。政治的に多少はやってしまう(=不満対策)が、無理だ。
だから(1)か(2)になるだろう。

東北関東大震災の被害を見ていて、被災地域のインフラ破壊の度合いが非常に大きいと思った。そして、この数日、一時的にせよ故郷を捨てる決断をする住民が多い。
緊急援助支出によって、被災地域の一定の復興があっても、人口減少ゆえに、その後の長期間の生活インフラ維持が不可能になるリスクが高まる。住民減少は地域税収を減少させる。

東北新幹線の被害をTVで見た(被害1100か所と報道されていた)が、高架の橋脚など相当な修理と点検が必要だろうし、上下左右にゆがんだ線路を完全に水平に戻のは大変なことだ。高速運転が復活するまでには相当の期間を要するだろう。

東北関東大震災の影響だが、不必要な自粛ムードが経済を低下させ始めている。
景気を良くすることが間接的な被災地域支援になるのだが、極端な同情感情が理性を押しつぶし始めている。1995年の阪神淡路大震災の後は、これが起こり日本経済はデフレに突入した。
素直に考えた外資系証券からは、1995年の経験も踏まえて、日本経済の下方修正レポートが続々届いている。ネガティブを言わない日系証券の正式な経済下方修正は来週以降になるのだろうか?

なお微妙な論点だが・・・・
今後は原発の縮小廃止論議が高まる。世界的な潮流になりつつある。安全な原発(完全無欠ではないにせよ)が生まれるなら、「災い転じて」だが、それはかなり先のことだろう、特に日本では。
これまでの原発は過疎地域への経済援助とセット案件が多く、原発廃止・撤去が実行される場合は、「短期の復興援助」が終わってしまえば、その後は当該地域への毎年の援助資金はむしろ減少して過疎化が進む可能性が高い。

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下は世界の原子力銘柄
白:日立、赤:東芝、黄:GE、緑:アレバ
東芝は、社運をかけて原子力に舵を切った瞬間に、今回の震災となった

原子力銘柄_20110319

福島原発は、沸騰水型原子炉だ。
ウィキペエィアによれば、原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導くため、放射性物質に汚染されることにより、耐用年数終了時に放射性廃棄物が、加圧水型原子炉より多く発生し廃炉コストが嵩むらしい。
北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力は加圧水型


10兆円規模「復興国債」発行へ 全額日銀が引き受け(  )という報道が流れた。
仮に現実化すれば・・・・・日銀の10兆円国債引き受けが日本国債のさらなる格下げを誘発する。
これまでは格下げでも、円はびくともしなかった。日銀引き受けは、日本の国内貯蓄の枯渇の証拠と認識される可能性がある。その場合は長期円安への転換もありうるので、重要観察項目だと思う。

下は1990年春以降のドル円レートの推移だ。
2000年以降は
日本の景気 < 海外の景気 ・・・・・円安
日本の景気 > 海外の景気 ・・・・・円高
と言う関係だった。

2011年3月11日を境に、日本の景気 < 海外の景気、という傾向が明確化するだろう。

1995年は、
阪神淡路大震災:1月17日
円高ピーク:4月19日
2011年は、
東北関東大震災:3月11日
円高ピーク:3月18日(介入直前)???

JYS_20100319

東京電力
自衛隊のヘリコプターが放水する直前が、ボトムだった。
半値八掛け二割引き(=1/3)で止まった

東京電力_20110319_1

下は、06年春からの株価推移
無配になるだろう
問題は、水俣病を引き起こしたチッソのような状況になるのか否かだ。
私も判定できない。( 参考ウィキペディア:チッソ水俣病
チッソのように企業の資本金、キャッシュフローを大幅に上回る莫大な損害補償になれば、
東京電力は事業存続会社賠償のための会社に分割されたり、国営化されたり、
など色々と論議されるだろう

東京電力_20110319_2

( その他、雑感 )
地震後、節電協力のために、オフィスが自然光のみになった。
広い部屋は場所によって明るすぎ暗すぎで、窓際の私はまぶしくてPC画面が見えづらい。しかし、部屋の中心の人は暗くて、、、と、多くの人が何がしか不満。
これまでオフィスは広いことが良い(単に一か所に多くの人間を集合させられる)と認識されたが、これは室内を蛍光灯などで常時照明し、かつ窓のブラインドを降ろして遮光するという条件下の話だ。
自然光で、、となれば、"広すぎる=過ぎたるは及ばざるがごとし"と露呈してしまった。

保安院や東電の会見をLiveで聴いた後に各メディアが発表されるニュースの・ヘッドラインを見ていると非冷静なアイキャッチが目立つ。内容を読まないでヘッドラインだけで判断する人が多いのが現実なので付和雷同の拡大効果が懸念されると感じた。
また、政府・保安院・東電とメディアのQ&Aでは、メディア名・記者名を名乗ってQ&Aしている。 1.どこがシッカリ勉強して質問しているか、2.どこが庶民以下のレベル、もしくは既に決めたシナリオ記事のための誘導質問か、3.どこがダンマリか、、、、これが分かって面白かった。

例えば、金曜日のQ&Aでオイオイと思ったのは(記憶で書いています)・・・・・

東電:現状で得られたデータでは判定が困難です
記者:困難ということでは記事にできない。白黒はっきり言ってくれ。
(春山の感想)正確な情報を伝えるのが使命であって、雰囲気を煽るのが仕事じゃないでしょうに

記者;プロ野球のナイター廃止ですよね
東電:個別の事に関しては・・・・
記者:でも節電効果が大きいから廃止ですよね
東電:それは各人が判断する事であって・・・・
記者:廃止ですよね
(春山の感想:東電の要請にも関わらず、と言ったセンセーショナルなヘッドラインが欲しかったのでしょうが・・・)
こんな記事があった:危険の程度を正確に評価せず、取材もしない日本メディア

皆さま、お気づきのように、日本人の落ち着いた行動に対して、海外からは賞賛の声が多い。
これなどは、その一例だ:秩序は集団や地域社会から、個々の要求を均等化するものとして発生する・これは大地震からの復興に役立つ

今回は、インターネットの有効性が認識された。
参考記事:日本のインターネット・インフラの強さに、海外からは称賛の声http://bit.ly/fW1qlD

USTREAMのNHK動画配信は恩恵を受けた人が多かったと思う。
これは最初はどこかの中学生がiPhoneのカメラで移しながら彼のPCから世界に向けて配信していた。
なお、NHKだが、当初NHKは著作権を盾に違法性を主張していた。日経新聞も「NHK、地震映像のネットへ転載を拒否 http://s.nikkei.com/hEhird #nikkei
」と非難していた。

NHK_20110319

その後どこかの時点で、USTREAMにNHK自信が動画配信を始めたようだ。
私は感じた:誰もNHK放送を見なくてもNHKは視聴料を得られるのだから、こんな非常事態に了見の狭い文句を言うのか!

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(目次)東北関東大震災
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