経済政策は政治家が決める。
「有権者に選ばれる政治家」は存在するが、「経済家」という制度は存在しない。
「経済が上手か下手か」とは関係なく、政治家に経済がゆだねられている。

2011年12月の欧州の政治状況だが、各国の政治家は国内有権者に縛られて「バラバラの部分最適」を主張している。
投資家が最も関心を持って見ている「欧州全体の最適政策」という点では、にっちもさっちも行かない状況に陥っている。

国益を乗り越える政治家が出るしか無い。
現在の欧州では、その役割の適任者は欧州最強パワー国家ドイツのメルケル以外にいない。
最強でないフランスが何を言っても、ドイツに反対されれば決まらない
メルケルは、時代が求める演目を間違えずに、演じきれるか、それとも出演を拒否するか、21世紀の欧州の分水嶺だ。

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個人でも、企業でも、国でも、ビジネス能力(=金銭獲得能力)には差がある。
同じ条件の畑を耕作しても、農民間で収穫量に差が出る。
運動会、学芸会、何であれ、格差が生じる
しかし、格差を是正しすぎるのは、アン・フェアだ。
社会の健全性の維持に様々な不都合を引き起こす。

民主主義とは、政治であり、政治とは選挙民の感情だ。
格差是正を提唱するのは、選挙民の買収手段としては、最もパワフルな武器だ。
1円でも貰えるなら貰っておくのが人情、
一旦貰ったものは、不当利得であっても、1円でも減らされることには反対する、
こうやって既得権者が累積的に増加する。
既得権者が多数になったら、民主主義では、是正は不可能だ。

社会保障制度を作っても、経済的に持続できるものでなければ、絵に描いた餅、
しかし、一旦作った(有権者に約束した)社会保障制度は、破たんの前日まで絶対に後退できない。

社会保障制度は、当って玉砕する特攻隊では困る。
城に立てこもって長期持久戦を戦って勝ち抜く籠城軍団に似ている。
不相応に過大な人数では城内の食料が尽きてしまう。
規模の最適化は重要事項だ。
社会保障制度も同じだ。
受益者を疲弊させるのは分不相応だ。

社会が負担できる適正な社会保障の規模は、国の経済的な栄枯盛衰ともに変化する
伸び盛りの時に設計された制度は、老大国時代には縮小を余儀なくされる。

だから、民主主義にはインフレが必要だ
分不相応に膨らんだ社会保障(負債、借金と同じ)を縮小するために、適度のインフレを起こして、社会保障を「経済が負担できる適正値まで目減りさせる」のが、民主主義の多数が感情的に受け入れられる手法だ。
名目的な絶対額を減らす方が理論的には正しくても、「民主主義とは、政治であり、政治とは選挙民の感情」という理不尽で非合理的な壁は一人一票の選挙制度では高すぎて乗り越えられない。

日中米インフレ_20111209
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