一方、大半の債券投資家は「成功するとは思えない」と斜に構えている。
株式投資家、債券投資家、両者ともども自分のアセットに都合のよいことを考えているのが現状だ。
もしアベノミクスが成功するなら、、、それはデフレが終了して経済が正常化することを意味する。
経済が正常化する = 今よりもビジネス・リスクが大幅に低下することになる。
それは、負債(ローン、借金)ビジネスが最大の恩恵を受ける世界への扉を開く。
つまり、下図のように、資金需要が盛り上がる企業に対して、銀行はバンバン融資を拡大するのだ。
それを予見するかのように、自民党政権の可能性が上昇した昨年夏ごろからバブル崩壊から長期間低迷を続けてきた銀行株が急騰している。
まだ市場は半信半疑以下程度しか信用していない。
22年間も経済がボロボロになり、期待が裏切られ続けてきたのだから、信用できないのは当然だ。
銀行ビジネスは信用できなくても、不動産が恩恵を受ける点に関しては、投資家は確信をもっているようだ。
それが証拠に、不動産株はロケットのように上昇を演じている。
3月のJリートは、狂喜乱舞相場
アベノミクスは不動産価格を上昇させる。
しかも黒田日銀総裁の指揮下、大幅な金融緩和が実施されるので、金利は当面は上がらない。
そういう期待感を背景に、個人投資家、機関投資家を問わず、12月以降巨大な資金が加速度的にJリート市場に流入した。
買うから上がる、上がるから買うという一種のブームが起こり、その結果、大きな節目と言われていた1700ポイントを超え、分配金利回りは2%台に突入した
アベノミクス期待で高騰したJリートだが、冷静に将来を見通せば、アベノミクスが成功するなら、消費者物価はデフレを脱して2%に向かって上がっているだろう。
その時、国債金利は日銀の努力で金利上昇が抑制されているだろうが、企業やJリートのローン金利は国債以上に上昇しているだろう。そんな事まだ2年以上も先のことだ。心配は無用だ、というのが足元の雰囲気だ。そうかもしれないが、噴水のようなJリート相場の上昇が今後も継続すると考えるのは甘いだろう。
下図は、アベノミクス相場が始まった11月15日以降の各資産のパフォーマンス推移(円ベース)だ。Jリートの急騰の突出ぶりが顕著だ。
この局面を捉えて、Jリートへの資産配分を削減して、日本株とアメリカ株に移したい。
Jリート:20% → 10%
日本株:10% → 15%
米国株:25% → 30%
( 下図が新配分 )
時価総額との比較
個人投資家の場合は、厳密な時価総額比例をベースとした資産配分は必須ではないが、下記を見れば「小さなJリートの市場に、巨大な資金が短期で流入した」結果として3月のJリート狂喜乱舞相場が出現していると、冷静に判断できると思われる。
現在、私が推薦している資産配分は、1:日本(株+Jリート)、アジアが多く、2:欧米と新興市場が少ないという構成になっている。
なお、東証の時価総額全額ではなく、TOPXを使用しているのは、他の地域に関しても、投資家が通常投資ができる株式総額という点で統一比較しているからだ。
facebookコメントヘ