ウクライナ騒動は、世界経済や株式市場にどんな影響をもたらすか?

1:大局的な結論

1:経済合理性よりも、政治的な勢力争い、ベキ論が優先される時代

2:水平分業の縮小、仲間以外との貿易の縮小による二重投資の増加と必要在庫の増加する

3:経済非効率性が広がり、さまざまな価格が上昇する



2:世界の政治経済への影響


ブッシュ政権の最終年である2008年8月に、「2011年にイラクから米軍が撤退する」と発表した。
治安が回復されないままの米軍撤退だ。米軍の撤退は、同地域の治安の不安定が長期的に続くことを意味する。

アジアでもアフリカでも、中東でも、旧ソ連圏でも、軍事的、地政学的な不安定さが増しているが、多くの地域で「世界の警察官US」は関与を減らしている。

このことは、US以外の国が、安全保障&軍事費を増やす事を意味する。
治安は誰かがコストを払って維持するものだ。

治安維持も含めた広義の軍事費は、金に糸目をつけないコスト無視の傾向が強いので、効率性が損なわれる。

軍事費に優先的に人・モノ・金が配分されると、民間に回る資源が減少し、企業のコストが上昇する。

(1)安全保障という言葉は、誰も逆らえない「水戸黄門の印籠」になる。

(2)優秀な人材が奪われた純粋民間の競争力が低下する。


結局
増税になる

(1)軍需産業は、経済への波及効果が小さく、国民が豊かにならず、所得が増えない。

(2)安全保障費用はGDP比で増加するから、その費用は増税でまかなわれる。

自由な世界貿易が縮小し、ブロック化が進む

(1)世界的な分業やアウトソースによって実現していた資源の効率配分が損なわれ、世界各地、各国で重複投資が必要になる。世界経済の効率性低下を意味する。

(2)平和時と比べて、まさかの時の在庫を大量に保有するので、その在庫投資コストが増える。


統制
価格が広がる

(1)統制=独占=既存勢力の温存維持=努力をしなくなる、という悪循環が起こり、魅力的な新製品が減少し、消費者の購買意欲が減少する。

(2)自由や多様性は、統制の邪魔者として排除されるので、経済を発展させる革新的な事象が起こりにくくなる。


いつも
何かにおびえる雰囲気になる

(1)リスクをとって何かをする意欲が低下する。

(2)羽音におびえる相場=投資家は右往左往、ミニ・パニックを起こしやすい。



3:国際政治におけるポイント


ウクライナの問題は、完全に元に戻ることはない。

クリミアが、ウクライナに復帰することはない。


親ロシア派を懐柔するために検討されている「ウクライナの憲法改正と連邦制の採用」は、のっけから連邦制の解釈に関して大幅な意見の隔たりが生じている。

ウクライナの政党・政治グループには、現状では明確に突出した多数派が存在しない。

意見の集約や強力な指導が困難で、政治は常に不安定だ。
また、支持を得るために八方美人的な約束が横行するが、実行されない、という状態が続く。

過激派は常にかく乱要因

安定する事は、過激派の存在意義を否定される事を意味するから、事あるごとにテロや暴動のリスクが高まる。

ウクライナ政府としても、ロシアに対して常に強硬な態度・対決姿勢を維持することが、政権維持の必要条件になる。



4:こっちの水は甘〜いぞ!


経済援助競争
が始まる。

ドッチの陣営に加担した方が、自分たちの生活が改善するのか?

1945年以降の冷戦期間、東西陣営が繰り広げた「水面下の戦いのキーワード」だった。

どちらに加担するか、迷っている国には、多額の「経済援助」が供与された。

その資金を使って、 「福祉の充実」が進んだ。

それは政治的なショーだった。相手陣営よりも自陣営の方が「豊かで明るい生活」ができるという甘美な夢を大衆に見せることが必要だった。

冷戦の終結(1989年)で、この「経済援助競争」&「福祉競争」の”政治的な必要性”は、一旦は終わった。

しかし、ウクライナ問題勃発で「ウクライナ東部地域」が焦点になってきた。

ウクライナ東部地域は、東西どちらの陣営に加担するか、迷っている国に該当する。
ロシア語を母国語とする住民が多く、
ロシアに編入されればロシアから多額の援助が来ると期待が高まっているからだ。

3月18日にロシアに編入されたクリミアも焦点だ。
ロシアに入れば、こんなに生活が改善する。そのショーケースがクリミアになる。
東西冷戦期間の「こっちの水は、甘〜いぞ!」が、再び始まったのだ。


 
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