習近平政権の中国と、関係各国の国際関係に関して、双方の基本的な姿勢をまとめると、以下のようになる

< 米中の利害は一致する部分が多い >

USの基本的な姿勢
1.中国と喧嘩はしたくない
2.中国アジアの経済成長から恩恵を受けたい
3.軍事的なプレゼンスの急速な後退は避けたいが、中国の台頭という時代の趨勢は認識している

中国の基本的な姿勢
1.USと喧嘩はしたくない
2.米中関係は対等なパートナーシップであるべきだと主張
3.太平洋の勢力圏の範囲に関しては、米中で対等な分割支配を望む
4.当面は実効支配の拡大努力を継続する


< 日中は、政治と経済がネジレ状態 >

日本の経済界は現実重視
1.中国と喧嘩はしたくない
2.中国アジアの経済成長から恩恵を受けたい

安倍首相の基本的な姿勢
1.経済よりも政治を優先
2.戦前から続く保守政治の家系の名誉を守りたい
3.中国に対して侵略戦争をしたとは積極的には認めたくない
4.A級戦犯の名誉を回復したい。(なお、A級戦犯の否定は、USの占領政策の否定を意味するので、USは受け入れないというのが国際政治の専門家の共通認識
5.アジア太平洋地域に関する中国の軍事的なプレゼンス拡大に対抗して、日本の軍事力を拡大させて対中軍事バランスを確保したい。そのために、憲法9条を改正して、普通の国のように、自衛隊を正規軍に格上げしたい。
6.保守政治家の一定割合の人々は、今でも中国を見下し、対等視しない傾向が見られる

中国の対日基本姿勢
1.小康社会の建設、リーマン・ショック対応の4兆元の経済対策の副作用として積みあがった不良債権の処理のために、継続的な経済成長が必要だ
2.経済成長の高度化と環境対策のために、日本の資金と技術は必要
3.第二次世界大戦の日本の中国侵略に関する「反日教育(江沢民が導入した)」は、政治的な安定の確保、負け組の「毛沢東回帰、現政府批判」を防止する観点から、急速な撤回はできない
4.現実的な対日関係改善は、広東省委書記の胡春華(2022年以降の時期国家主席と目されている)が主たる役割を果たすが、安倍首相の靖国参拝などに対する中国国内強硬派を考慮し停滞している


< 国内政治の安定が必要な中国 >

ウイグル自治区
1.習近平が提唱するシルク・ロード経済圏の中心地域であり、ロシア、および旧ソ連邦各国とのパイプライン接続の拠点として重要な場所であるウイグル自治共和国は何としても中国の支配下でなければならないと考えている。
2.すでに漢民族の移住が大規模に進んでおり、ウイグル族(ムスリム)は少数派になりつつある。

チベット
宗教を否定してきたのが、共産主義の歴史
共産党以外に信じるモノ、共産党の考え方を上回る理念があっては困る

ウイグルもチベットも宗教的な色彩が強い地域である。
宗教を嫌悪する中国共産党だが、彼らの宗教を弾圧すれば、(1)かえって反発を強めたり、(2)外国の反発(特に中東やアフリカのムスリム国家)を招く可能性が高まる


< 米中は海を隔てた補完関係 >

1.米中関係は、経済は補完関係、政治は緊張関係にある。
しかし海を隔てているので、国民同士のいがみ合いは少ない、緊張関係が現実の政治行動としては顕在化しにくい

2.中国人のUSへの留学生は年々増加しており、特に共産党幹部の子弟はほぼ全員US留学
留学目的は、子供にアメリカ国籍取得させること、資産のUSへの移転(実質的なマネロン)にする拠点(ファンド、企業、秘密口座)を確保すること

江沢民の子息がUSに留学したが、アメリカの市民権を得るまで帰国を許されなかった事は、有名な事実である。

< 米中は海を隔てた補完関係、しかしアジアは・・ >

1.中国とその周辺アジア諸国との関係は、手の届く距離の隣国関係
地理的に近いために、政治的な緊張関係が現実の紛争や政治行動(示威行動)として顕在化しやすい
特に、日本との関係においては、第二次世界大戦を経験した生存者には生々しい戦争体験が残っており、様々なキシミが存在する

2.アヘン戦争以降凋落の一途だった中国の再隆盛で、中国人の気持ちは劣等感から優越感へ急速に変化
急速に芽生える優越感は、国際関係での緊張感(特に、海上での実行支配領域の拡大)を生んでいる。

3.大きな経済力を持ったと同時に、USの戦略と同様に「市場の提供は国際戦略を実行する際に活用する重要なツール」という手法を採用
経済的な恩恵の供与を「Give & Take」の手段にして、事実上の圧力外交を様々な分野で実施している

4.日本では、中国で悪いことをしたのは親の世代であって、我々の世代は悪くない、という意識を持つ者が増えている。
被害者意識は、孫子の代まで、持続するが、加害者意識は、違うようだ
なお、ドイツの場合、欧州に対して謝罪したのは「ナチスの罪」、
欧州各国の反応も、「ドイツは許すがナチスは許さず」で一貫しており、いまだにナチスの残党狩りが続いている。

では日本は、何を謝罪するのか?(または、したのか?)
ナチスの対応する当時の軍部、特に陸軍とその利権集団だが、現在の政治家には安倍首相を含め、彼らの子孫が多いのが現実。
そのために、ドイツとナチスの使い分けのような手法が使えない。
これが国際政治面でのネックになっている。

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