1:何時、種を捲きましたか?

4月1日の消費税の増税後も、高額商品などハイエンド消費は好調を維持している。
一方、日用雑貨や低価格耐久消費財は7月までは低調だった。

消費は二極化しているように見えるが、この格差は、金融資産への投資の格差に起因する。
これまでに起こっている姿は、下のイメージ図のような状況だ。

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2012年までに、株や不動産に投資していたか、もしくは企業経営者の立場(=企業への投資家、いわゆる投資ポジション)にあったか否かが、これがアベノミクスの恩恵の多寡の違いになっている。

投資ポジションを保有しない場合(=給与生活者の多数)は、給与所得が増えなければ消費を増やせないが、そして給与の増加は景気サイクルの後半に主として実現する。前半は、経済全体の上昇ペースに給与増加ペースは劣後するのが通例である。

富裕層は、従前から株や不動産の投資ポジションを保有しているので、アベノミスクが始まった2012年11月以降、2013年末までの大幅な資産の増加の恩恵を受けている。

反面一般庶民は、株や不動産が上がり始めたニュースを見てから投資を始めた人が多く、特に2014年初から始まったNISA口座による投資が多い。したがって、2012年11月から2013年末までの資産価格の上昇の恩恵を受けていない。

なお、先週のセミナーで聞いた話だが・・NISAの現状は、期待ハズレのようだ。
口座開設:650万件・・・・なかなかの数字だ
資金投入済み:30%、平均投入額66万円・・・・何だこりゃ!?
要するに、義理で口座だけ作った人:70%

多くの一般庶民は、まだまだリスク・テイクをしておらず、株や不動産など資産価格の恩恵を享受する意識が無いのが現状だ。

もっと言えば、現実の格差は、上の図以上に拡大している。それは、下のイメージ図に近い。
富裕層は、リスクテイクに慣れており、そもそも多額の投資ポジションを保有しており、さらにはアベノミスクの開始と同時にそのポジションを増額した人が多い。

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一方一般庶民は、元来臆病で投資リスクを持たないし、その重い腰を上げて投資を始めても、投入する金額は少ない

上図に示したように、資産価格上昇の恩恵の「増えた金額」の格差は天と地ほどの差がある。
50万円増えたか、億円単位で増えたか、そんな違いが生じている。

したがって、増加した金融資産の一部を取り崩して消費に回すような消費行動に関しても、富裕層ほど積極的であり、一般庶民ほど消極的である。
しかも、富裕層が資産の一部を取り崩して1000万円〜2000万円を消費したとしても、それは増加した資産価値のわずか一部に過ぎず、残った保有資産はその後も増大を続ける。


2:4年目に、積極的な態度に変わる

普段リスクテイクをしない一般庶民が投資に前向きになるには、継続した3年間の上昇相場が必要だと言われる。

経済が好転して株式市場が上昇をする1年目から3年目は「まだまだ経済の好転を信ずるわけにいかない」とか、「大幅に上昇した株式市場は既にバブルである」とか「株式市場はもう高すぎる」とか、さまざまな理由をならべて投資に対して消極的な態度を維持する傾向が見られる。

しかし、3年連続で経済と株式市場が好調を見せると、今度は一転強気になり、「まだまだ経済は改善が続く」とか、「持続的な企業業績の上昇を株式市場は十分には織り込んでいない」とか、「株式のPERはもっと高くても良い」などと言いながら、投資を始める人が増える。
2015年は、まさにそういう年に当たる。

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目次:2014年下期から2015年の経済と市場
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