1:日銀のお買い上げ

昨年10月31日、
日銀が追加緩和を発表した。

それを合図に、それまで4か月ほど横バイのボックス相場が続いていたJリート指数は急上昇を始めた。そして、12月には2013年の高値を更新し、1800の大台を超えた。

1800ポイント以上のゾーンは、前回の証券化商品バブル時(2006年12月〜2007年5月)以来の事である。


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日銀のJリートの買い入れは、市場に大きな影響を与えている。

10月末に発表された買い入れ規模(年間900億円)は、これまでの買い入れ規模(年間300億円)の3倍であり、Jリートの全体の約1%を日銀が保有するという大規模なものなのだ。


12月の野村国際不動産フォーラムでも、GPIFのJリート投資開始とならんで、日銀のJリートへの継続的な投資が、Jリート市場を加熱領域まで持ち上げてしまうだろう、という意見が多数説を占めていた。

Jリートに関しては、三井住友信託銀行グループが有名だが、下記のようなレポートが出ていた。


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なお、ファンダメンタル的に現状の価格が正当化できるもの、もしくは今後もファンダメンタルが改善するものは、外国人観光客の恩恵を受ける「宿泊系」のリートである、という事がコンセンサスになっている。

オフィス系リートに関しては、東名阪福岡のオフィス・ビル以外は懸念が残っているようだ。最近発表された地価動向調査においても、東京圏の商業地のみが、前年比プラスに転じている。

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Jリートの価格は押しなべて上昇しているが、オフィスに関しては賃料上昇を相当程度に前倒しで織り込んだ価格になっているようだ。

また、ショッピングセンターなどの小売り流通系の不動産だが、東名阪福岡以外の地域では、賃料引き下げ要請があるという内容のプレゼンがあった。

なお、オフィス、流通系ともども、東名阪福岡とそれ以外の地域の二極化は2015年を通じて広がっていくと推定される。



2:2014年に登場したヘルスケア・リートは、普通とはちょっと違うので注意が必要

 昨年から新規に上場が始まり、国土交通省も後押ししている「ヘルスケア・リート」だが、一般のオフィス系のリートとは異なった特徴を持っている。


投資に関しては、

「病院などの賃料は長期安定が重視される契約形態になっている。したがって、オフィスのように景気や需給に合わせて、賃料を引き上げることが困難である。」
という点に留意しておきたい


3:その他、留意すべきこと

 (1)都内の高級物件は、相続対策や富裕層の購買意欲が継続しているが、普及価格帯物件は給与の上昇ペースを大幅に上回る価格上昇により需要は期待以下になってきた。

 (2)銀行の不動産向け融資は急増、1980年代のバブル期以上の集中ぶりである。値下がりしなくなった不動産を担保にできるなら、という理由と、潤沢な現預金を抱える企業の資金需要が思ったほど伸びていないこと、国債の売却をすすめているので代わりの投資先として選択されている等が背景にある。

 (3)年収2000万円以上のビジネスマンの中で、不動産投資熱が上昇してきた。物件を見ずにアパートの一棟買いをする個人投資家も散見されるようになってきた。

簡単に融資が下りるという背景も後押ししている。

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