1:前回バブル時


2007年のJリートの価格とオフィスの賃料は、「異常値、バブル」だった。

ファンド資金が短期のキャピタル・ゲインを狙って、主としてリートなど証券化された不動産に群がって、短期売買を繰り返した
上がるから買う、買うから上がるというマネーゲームになってしまった。


不動産の売買は手間暇かかるが、証券化されたリートなら、マウスのクリック一発で売買できる。

オフィスでお茶を飲みながら、複数の証券化商品を一日に何度でも回転売買できる。
現実の不動産はそういうわけにはいかない。

農中や銀行、生保を含む日本の金融機関、外資系マネー等が大規模に参加して、トレーディングを繰り返したたバブル期(下図の赤枠内)では、Jリートの価格は急騰した。
バブルが崩壊した時、バブル期に投資をした個人投資家は大きな痛手を受けた。

不動産6_1

オフィスの賃料水準も、世界的な不動産バブル、証券化商品バブルの余波を受けて、企業の利益の伸びをはるかに上回る水準(=ほんの一部の企業しか払えない高値)まで上昇した。

下図の2007年、2008年を見れば、賃料水準が急騰している状況がわかる。

不動産6_2

2:現状

現在は、収益還元法から算出される理論価格との比較では、ほぼ適正価格&適正賃料で推移している。

企業利益は、リーマンショック前を上回るまで回復したが、オフィス賃料は上図に見られるように前回バブル時よりも40%近く下回る水準にとどまっている。

これは、企業の利益の水準に比例して賃料が上がっている状態であり、2007年よりも健全な状態だ。


とは言え、昨年10月31日の日銀の追加緩和の発表(Jリートの購入金額の3倍増、年間300億円から、900億円へ)以降のJリート相場の急騰は、オフィス賃料の3年先までの上昇分を織り込んでしまったとも言われているので、短期的には割高感が残るだろう。

証券市場では過熱感が見られるが、現物市場の価格は健全であるがゆえ、実需の取引量が増加し、2007年レベルを超えてきた。(下図参照)

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証券市場(Jリート相場)の過熱に引っ張られて、今後の賃料動向がどうなるのか、そしてオフィス・ビルの取引金額がどう推移するのか、これらは引き続き要観察項目である。

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