1:要介護者、独居老人の増加

高齢化する日本という言葉は新聞、TVなどのメディアに溢れているが、高齢化に対応すべき社会インフラとしての「高齢者向けの住宅」の現状は、やっと緒に就いたばかりだ。

今年は、要介護者が600万人に達する年と言われているが、供給されている施設は30万室に過ぎない。

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高齢者世帯の特徴だが、
夫婦など
複数で居住している場合は、比較的健康もしくは自立可能な生活を送っている場合が多いが、
配偶者の死亡などを機に単身(
独居老人、と呼ばれる)の生活になると、急速に要介護化する割合が増える
と言われている。


2:不足する自立可能高齢者向け住宅
高齢者に対する重要な点は、要介護にならないように、つまり自立生活が可能な期間を可能な限り長期化することだ。

高齢者の生活に適したように
自宅を改造して「永久のすみか」にすることも選択肢の一つだが、自立可能高齢者向けの軽度な医療サービス付の集合住宅が望まれている。


集合して住む事により、
要介護にならないための軽度な医療サービスが安価に効率的に受けることが可能だからだ。

病気になり、
介護が急増するのは85歳からだ。健康なうちから、高齢者向けのバリヤ・フリーの住宅(特に、普段の生活に車を必要としない住宅)に住みたいという需要は着実に増加しているが、現状は、図に示されたように、非常に少ない。

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3:参入業者の現状

高齢者向け住宅、シニア・リビングに参入している業者の特徴だが、地域密着型ゆえに地元の地主の土地に高齢者向け住宅を建設するパターンが多く、その結果中小業者が多い。

7400社が乱立する市場であるが、最近は、
高齢者住宅は、BMWが席巻中とも業界では言われているが、B:ベネッセ、M:メッセージ、W:ワタミ、この三社が急速にシェアを伸ばしている。

しかし、現状は下図に示されたように、上位50社を合計しても、全体の30%以下のシェアにしかならない。なお、これは日本だけでなく、世界的な傾向だ。

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現在供給されている高齢者向け住宅は、要介護者向け(約30万室)、自立可能高齢者向け(約4万室)と、要介護者向けに偏っている。

この背景だが、老人ホーム(=自立可能高齢者むけ住宅)は金持ちのための物というイメージが強いこと、および要介護者向けの
料金の支払者が国の予算という「誰が支払うか」という「支払い側の事情」によるものが大きい。

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7:将来像

住宅という国家インフラという視点から見れば、高齢者は大事なユーザーである。

しかし、高齢者向けの住宅には健常者とは
異なった仕様・作り・構造や付随サービスが必要だ。

適切なシニア・リビング環境を創り上げ、
要介護者にならない社会にするには、下図に示されたような、地域が一体となった、「健康増進、高齢者保護、介護体制充実」という流れ必要になるだろう。


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