1:高度成長期から安定成長期、そして円高デフレ期と軌を一にしてきた

経済成長と人口の増加に歩調を合わせるように、ショッピングモールが全国に広がっていった。

1994年頃を境に、その流れが変わった。
出せば儲かるショッピングモール(小売業者&モール開発業者)の時代が終わったのだ。

その後約20年間、新規のショッピングモールの成功確率は50%まで低下した。

それが今後は2030%に低下すると危惧されている。

その背景は、
(1)
ネット・ショッピングに侵食され、モールに足を運んでくれる人が減少したこと、
(2)地方の
過疎化で、そもそもの購買人口が減少したこと、
が大きい。

これらの悪材料は、長期トレンドと認識されており、既存のビジネス手法の継続では挽回が不可能というのがコンセンサスだ。


2:「物を売る」から、「場を提供する」へ

最近のこの二大被害要因を跳ね返して成功するショッピングモールが散見されるようになってきた。

成功しているショッピングモールが実施している工夫は・・・

来てくれた人が、いかに心地良いと感じる場を作れるか

その場所に行きたいと思わせる・・・また行く
その
ついでに、ショッピングしてもらう、・・・という好循環を創り上げている

つまり、ショッピングの「ついで化」である。
モールに来る人々の目的のメインは、楽しい時間を過ごす事(=非ショッピング)である。

だから、楽しんでもらうという非商売スペースが重要になってきたのだ。

一昨年来、変身大成功がメディアで取り上げられている
新宿伊勢丹も、意図的にモノを売るスペースを縮小させて、来店客が「楽しく過ごせる場所」を各階に設けている。
これによって、顧客の店内滞在時間が増え、また再来店頻度も向上し、結果的に以前よりも売り上げが伸びている。
まさに
ショッピングの「ついで化」が成功している事例だ。 


2:一極集中は全国規模と地方規模の双方で進行中

コンパクト・シティ構想が国や地方自治体の政策として打ち出され、新聞、TVなどメディアでも取り上げられている。

東名阪などの大都市以外では、広大な地域を、少ない人材限られた税収で、公共サービスを提供することが不可能になってきた。

公共サービスは民主主義国家の義務だから放棄するわけにはいかない。それを維持するために、住民側もサービス提供の維持存続が可能なように(=少ない人材と限られた税収でカバーできるように)、中心部の近辺に「まとまって住んでほしい」というのがコンパクト・シティの本質である。

ただし、駅近くの住宅の新規購入費用、転居費用、これらは基本的には自己負担なので、行政が期待するスピードでは進展しない。

転居が予定通りに進もうが進まないが、行政サービスの劣化は着実に進行する。

それを感じる住民、資金的に余裕のある住民から順番に、行政サービスを受けられる便利な場所への移動が始まっている。


東京への人口流入は継続中だ。アベノミクスと東京オリンピック決定をキッカケとして、東京のマンションへの需要は階段を上ったような活況へと変化した。

2014年以降、従来の「ファミリー層を前提とした3LDK、70〜100屐廚茲蠅眈さな「50〜70屐■押腺蛙裕鐔擦鯀按鵑箸靴織泪鵐轡腑鷏設」が増えてきた。

これは、公共サービスが充実し、車が無くてもショッピングや文化施設、病院に行ける便利な都心を選択する高齢者の需要が増えていることを反映している。一極集中は全国的な規模でも、地方内部でも、同時に進んでいる。

 

2:物流は冷徹に対応している

下図は、首都圏で新規に計画されている物流倉庫の予定図だ。


不動産10_1



現在でも、物流倉庫の70%が首都圏に存在している。
首都圏への人口集中が進行しているので、今後の新設倉庫は首都圏が中心となるだろう。

人と物が集まる東京、首都圏、そこに展開される新型のショッピングモール(
心地良い場を提供する
)は、賃料もシッカリしているだろう。そこに商品を供給する物流倉庫もしかりだろう。

一方、首都圏、東名阪以外のショッピングモールに対しては、小売店から「値下げ要求」が出ていると聞こえてくる。首都圏でも旧来型のショッピングモールは苦戦していると言われている。

流通系リートは、
どこのモールを保有しているか、どこの倉庫を保有しているかを、これまで以上に精査する必要がある。


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