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 2014年9月1日発行kikiの会」第13号(おもて)001

          第13
 kikiの会 2014. 91

          おかとん@kikiのお医者さんとまわるかい

   福島原発事故から3年半、

        忘れてはいけない、事故は収束していません。

     現実に向き合い、対策し、共に生きよう。



                  16回福島県県民健康調査検討委員会

                     2014824日開催

                  ( 集計〆切2014630日)資料より



                     悪性ないし悪性疑い104


            手術済58人:良性結節1人、乳頭癌55人、低分化癌2


           男性:女性  36人:68

           平均年齢 17.1±2.7歳(821歳)

           震災当時 14.8±2.6歳(618歳)

           平均腫瘍径 14.2±7.5mm(5.140.5mm)


            手術待ち46



 福島県当局は、この調査結果について「事故による被曝の影響は考えにくい」と強調しています。「これまでの罹患者発生率に比べて多いのは、大規模に検査を行うことによって自覚症状のない人たちまで異常所見が明らかになった」、いわゆる『スクリーニング効果』だと説明しています。その根拠の一つとして、「青森・山梨・長崎3県で4365人を検査したところ、一人の甲状腺癌が見つかった。福島県における約3000人に一人というのも特別に高い数字ではない。」と話しています。

また、「今回発表の福島県内の地域別発生率からも、放射能汚染濃度と相関関係が無いと考えられる。」としています。

しかし、検討委員会でも議論になったように、より厳密に、検査実施時期や年齢構成などをみていく必要があると思います。


結節・のう胞の人数・割合(A2およびB判定)            2014630日現在

 

結果確定数(人)

 

アに対する

    結

結節・のう胞の


人数(割合%)

のう胞

 

 

 

   ア

5.1mm以上[B]

イ(イ/ア)

5.0mm以下[A2]

ウ(ウ/ア)

20.1mm以上[B

エ(エ/ア)

20.0mm以下[A

オ(オ/ア)

2011年度

実施対象市町村

 41813

219

0.5

232

0.6

  1

0.0

15141

36.2

2012年度

実施対象市町村

 139093

971

0.7

728

0.5

  9

0.0

62129

44.7

2013年度

実施対象市町村

 114783

1028

0.9

710

0.6

  2

0.0

64117

55.9

合計

295689

2218

0.8

1670

0.6

12

0.0

141387

47.8

 

上の表は、この第16回検討委員会に提出された資料ですが、注意すべきは、「2013年度」実施の会津地方において、A2およびB判定の割合が大きくなっていることです。
  

2011年度」に浜通り、「2012年度」に中通りという順番で対象市町村を巡って時間経過してきたことから、むしろ早急に「2011年度」のA1,A2判定者の再検査を行うべきだと思います。


 流布されている「甲状腺癌は成長速度が遅い」という治験は、放射線被曝を前提にしない、しかも成人の場合の一般的傾向です。

 甲状腺専門の医師(隈病院:宮内昭院長)は、85日の『第9回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議』(環境省所管)で「小児甲状腺の乳頭癌については、リンパ節転移の頻度が高い。遠隔転移、特に肺への転移の頻度が高い。」と話されていました。その上で、宮内医師は「小児甲状腺癌の場合、非手術での経過観察データはありません。」とも述べられていました。


この間、『専門家会議』座長の長滝重信・長崎大学名誉教授(この人の教え子が、「福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」を務めた山下俊一・長崎大学教授=前福島県立医大副学長です)は、「福島原発事故による健康影響は、ほとんど無い。甲状腺検査も、過剰診療によって住民に負担・不利益をかける。放射線による小さなリスクにおびえる状態を続けるより、こころの健康を育むべきだ。」という方向へ議論をねじ曲げようとしてきました。
福島県県民健康調査検討委員会においても、610日の『第3回甲状腺検査評価部会』で過剰診療論が展開されましたが、


鈴木眞一・福島県立医大教授は「手術をした子どもの多くは、すでにリンパ節転移をしていたり、声のかすれなどの症状がみられたりした。過剰診療にはあたらない。」と発言されていました。



 
国や県が、まずもっての結論ありき「福島原発事故の被曝による健康被害は無い」から施策する健康管理は、現実を直視しないものです。
「甲状腺癌の罹患者数が、反原発の世論を刺激してしまうから、健診を制限しよう。」という政治的意図は許せません。
そもそも、健康調査がひとりひとりの命を守るためのものとしてより、専門家がデータ収集して研究することが目的になってしまっています。棄民政策の裏で医学データを隠匿・利用するのは、広島・長崎のABCC(原爆傷害調査委員会)=放射線影響研究所が犯してきたように、人々を実験モルモット化するものだと思います




きちんと検査し、その結果を当事者が判断するのが当たり前であって、

過剰診断論など無責任きわまりありません。




 825日に行われた東京電力・白井功・原子力立地本部長代理の記者会見では、「地下水の流入によって、海へ流れ出ている放射性物質は、ストロンチウム9050億ベクレル、セシウム13720億ベクレル、トリチウムが10億ベクレル、これらが1日量として出ていると推計されます。」と述べられました。ところが、さらにこの日の福島県漁連への説明文書では「トリチウムは150億ベクレル」と表記されていました!

「福島第一原発13号機からは、大気中に毎時1000万ベクレル、1日量で24000万ベクレルのセシウムが放出され続けている」ことも、東京電力は認めています。



 
日本政府・安倍内閣は、あたかも「原発事故などなかった」かのように

安全キャンペーンして、東京オリンピック招致を行い、原発輸出を推進していますが、全くのペテンです。



   経済成長路線自体が、虚構の豊かさを追い求めるものにすぎないでしょう。

 政治家や役人や学者に任せていては、未来は拓けないと思います。


                          2014年9月1日発行「kikiの会」第13号(うら)002




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