だんだん事故の全貌が明らかになってきました。詳細については更なる調査報告等を待ちたいと思います(それにしても,現時点の情報では,どうも運転士に全ての責任を押しつけようとする雰囲気がありますね。この情報だけでそうだと決めつけるのはどうなのかなあ?)。
ところで,この事故ですが,原因が本当に運転士にあるかどうかは別にして,この運転士個人またはJR西日本だけで起こりうるものではなく,実は日本全国全ての鉄道で起こりえる話です。もっと言うと,鉄道のみならずバス等の公共交通機関,宅配業者等の運送業,さらには遊園地や観光地等のアトラクション機器や工場等でも起こりうる話なのです。なぜでしょうか。

リストラという名の下に,安全性を軽視しているからです。

経費削減の名の下に,人減らしや施設投資を減らし,結果赤字削減を進めています。その代償として,社員1人当たりの負担は大幅に増加しています。また,安全装置は高価な割には基本的に儲けに連動しないものであるため,これらに対する投資は当然後回しにされてしまいます。さらに,機材の老朽化も目立ちます。
その結果,次のような問題が現在発生しています。

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1 人不足による過剰労働の発生
人を減らしましたが,別に仕事は減っていません。とすると,当然1人当たりの労働量は増えました。
これ自体,適正な見直しであれば,素敵ななリストラになるのでしょうが,現実には何も考えずにただ人を切っただけのいい加減リストラが大半でしょう。
その結果,当然社員の労働時間が増えることになります。運転士等のローテーションワークの場合,ローテーション間隔が短くなります。当然,休養が取りにくくなります。
デスクワークであれば,机で寝ていても課長に怒られるだけですが,人の命を扱う機器を操作している人が寝てしまったら,大惨事になることは避けられません。
実際にも,例えばここ数年大型トラック車の事故が多発していますが,その背景にはまさに超過酷労働があることが刑事裁判等で指摘されています。
ちなみに,これは噂というレベルでの話ですが,電車の運転士には,「ダイヤに遅れたら1分につき**円の罰金を会社に払う」という慣行があるそうです(真偽不明ですが。)。もし事実だとした場合,運転士には更なる負担をかけてしまい,罰金を払いたくない一心から多少無理な運転をしてしまい,結果運転士の安全に対する認識は減少するでしょう(もっとも,このようなノルマは多くの業界で導入していると思われます。)。
2 安全装置を設置しない。または放置する。
これは,そのまんまです。予算を回さないので整備できないということです。
3 安全装置への過信
逆に安全装置を付けたために人を減らした,という場合もかなり見受けられます。例えば,駅員もだいぶ減ったと思いませんか。これも,線路転落感知装置や監視カメラを設置したたためにホームにいる駅員を削減したと,かつて新大久保駅転落事故の際にJR東日本が説明していました。
確かに,安全装置を設置することにより,事故の危険性は減ります。しかし,安全装置があるから安全である,という発想が根本的に間違っています。
安全装置とは,人間が犯すミスをフォローするためについているにすぎません。人間はどんなに頑張っても絶対ミスをします。その結果,大事故になってしまいますが,それを最小限にするためについているにすぎないわけです。安全装置=人間にはなり得ません。
分かりやすく言えば,自動車に追突防止警報機がついているからといって,眠りながら運転しようという人はいないはずです。
ところが,多くの会社では安全装置のみですべて解決させている場合が多いです。これは,まさに「居眠り運転」でも大丈夫,といっているに他なりません。

以上のように,安全性に対する軽視または過信がある限り,第2第3の「福知山線事故」が起こらないとはいえません。儲けることを考えることが社長の仕事とはいえ,もう一度,安全対策を十分に考えてください。
そして,二度とこのような惨事が発生しないことを心から願いたいです。