831efae6.jpg クリント・イーストウッドは1930年生まれ、小生とおない年である。彼の方が3ヶ月早く生まれている。

 因みに同じ1930年生まれには、007のショーン・コネリー、「フレンチコネクション」などのジーン・ハックマン、亡くなったが、「大脱走」のスティーズ・マックイーンがいる。なお、高倉 健は、1931年の早生まれで、学年は一緒である。

 イーストウッド監督の新作「父親たちの星条旗」を見て来た。圧倒されつづけの2時間だった。
 作品はイーストウッド版「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」とでもいうべき兵士たちへの壮大な鎮魂歌となっている。

 イーストウッドは本作において、壮絶を極めた硫黄島での戦いと3人の帰還兵の苦悩を、細心の注意を払いつつ、いつもながらの淡々としたタッチで描いているが、その2時間12分の本編からは、絶え間なく「反戦」の意志が感じられ、イーストウッドの権力者と戦争そのものに対する怒りや哀しみが如実に表れている。

 プロデューサーであるスピルバーグをして「僕にはうまく映画化出来なかった」と言わしめただけはあり、非常に複雑な要素が絡み合っている作品だが、脚本のウィリアム・ブロイレス・Jr.とポール・ハギス、そしてイーストウッド以下マルパソの職人たちは、ジェームズ・ブラッドリーによる原作ドキュメンタリーを見事に映画として昇華させたといえる。

 クリント・イーストウッドは、この映画の公開前に仏紙ルモンドに自身の戦争感を語っている。
 「ずっと前から、そして今も、人々は、政治家のために殺されている」「硫黄島で戦死した米兵は平均19歳。15歳もいた」「私はイラクへの介入は優先順位ではなかったと考える側だ」とブッシュ政権の対応を批判している。

 「政治家達は最前線にいる者の運命より、自らのちっぽけな権力を行使し、保持することに関心がある」といっている。

 「父親たちの星条旗」、沢山の人に観てほしいと思う。12月9日からは日本側の視点で描いた「硫黄島からの手紙」が公開される。もちろん観にいくつもりである