62141005.jpg 今年も沢山の映画を見ましたが、26日に観たクリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」が最高でした。
 最後のところでは、胸が震え、涙が抑えられませんでした。
 この映画は、先の「父親たちの星条旗」と2部作になっているもので、硫黄島の戦争を日本側から撮ったものです。
 クリントだからこそ撮れた近年の傑作の映画です。淡々とした運びのですが、小さな話で全体をつなぎ少しも無駄がありません。
 全体を貫くのは、反戦の思いです。

 日本の最南端にほど近い太平洋に浮かぶ、東京都小笠原村硫黄島。山手線一周ほどもないこの小さな島は、米軍の本土攻撃を食い止める最期の砦として重要な拠点でした。
 米軍は当初、圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいましたが、予想以上の日本軍の抵抗によって激戦は36日間に及びました。
 この硫黄島の戦いを率いた日本軍の栗林中将、若き兵士・西郷ら何人かの人物に焦点を当て、硫黄島での戦いを明らかにしていきます。
 戦後62年が経ち、地中から発見された数百通の手紙。届かぬとわかっていてしたためられた家族への思いが、余りにも悲痛で胸を打ちます。

 主演の栗林忠道中将を演じる渡辺 謙をはじめ脇を固めた人たちの好演も印象的でした。
 ことに、かっては妻と二人で小さなパン屋を営んでいた兵士、西郷を演じたジャニーズの二宮和也の演技が光っています。
 西郷は、妊娠中の妻、花子を残して出征。生まれた娘の顔をまだ知らない。「必ず生きて帰る」と妻に約束し、戦地でもこまめに手紙をしたためています。

 その二宮和也がプログラムのインタビューの中で「今の時代は、むかつくから刺したとか、いけないことをいけないと承知してする人が多いけれど、戦争はそんなものではない。
 戦争中は人を殺すことがいいことって言われるけれど、本気でいいことと思っているはずがないんです。
 だって向こうにも家族がいるんだもの。考えられないほどのストレスです。
 だから、この映画を観た人が戦争はいけないと思ってくれれば、それだけでいいと思う」と。

 この映画は誰よりも日本の政治家の先生方に観てほしい。安部首相をはじめ麻生外務大臣とか、石破前防衛庁長官とか、何故なら、戦争を企画し国民を誘導し、始めるのは、政治家だからです。

 この映画が本年度のアカデミー賞作品賞を取り、沢山の人に観てもらいたいと思います。