大川村の下剋上! ~日本一小さな村からの挑戦状~

離島を除いて日本一人口の少ない自治体・大川村で暮らす住民のブログです。大川村を盛り上げるための「下克上」を目指しています!日々の暮らし・農業・地域おこしのための活動などを取り上げます。

こんばんは。高知県大川村の和田将之です。昨日の日中から夕方にかけて大川村に台風18号が接近し、激しい暴風雨に見舞われました。家の中にいても山の木々を揺らす風の音や、屋根を打ち付ける雨音が耳に入ります。「田んぼや畑は大丈夫だろうか」「道路がつえる(崩れる)ことはないだろうか」と不安でいっぱいでした。田んぼには先週設置した、イノシシ対策のためのトタン板の柵があります。強風が吹いたら飛ばされかねません。


一晩明けて外に出てみると、吹き上げられた木の葉や小枝が家の周りに散乱していました。イネにも被害が出ているかもしれない―。慌てて車に飛び乗り田んぼに向かう道中、大きな木が倒れかかって通行できない状況に。車内に積んであるノコギリで枝を切り落とし、急いで現地へ向かいます。


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田んぼに到着すると、一部のトタン板が倒れ込んで稲をなぎ倒している光景が目に飛び込んできました。トタンは竹の支柱に針金で括っていましたが、強風に耐え切れなかったようです。針金が切れたり、支柱ごと吹き飛ばされたりしている箇所もありました。自然の力は圧倒的です。


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しかし、そんな状況でも多くのイネは倒れることなく、天に向かって真っ直ぐに背を伸ばしていました。大地にしっかり根を張り、茎を太らせた丈夫なイネが育ったという証拠です。穂の実り具合から手応えを感じていましたが、改めて今年のコメ作りが上手くいっているという実感を得ました。


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倒れたトタン板は妻と二人で立て直し、田んぼは元通りの姿になりました。収穫するのは1ヶ月ほど先の予定です。台風という大きな強敵を乗り越え、実りの秋はもうすぐそこまで近づいています。

 こんばんは。高知県大川村の和田将之です。まとまった雨が降らない大川村ではダムの水位がみるみる下がり、ついに旧村役場の天井が見え始めました。村の中心地に広がる早明浦ダムの底には、昔の役場庁舎が今なお沈んでいます。ダム建設反対の意味を込めて40年以上前に建たられた旧庁舎。大川村と村民の苦難の歴史が刻まれた建物は、当時を知らない私たちにも様々なメッセージを投げかけます。


 さて、大川村の山奥にある私の田んぼが実りの秋を迎えました。初年度だった昨年は、病気の影響もあって少ない収穫でした。今年はいもち病の防除薬を有効に利用し、黄金の稲穂が豊かに実りました。水路を利用して谷水の温度調整が出来たことも豊作の要因です。ところが、田んぼに良からぬ来客がやって来ました。田んぼを荒らすイノシシです。


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 イノシシは田畑を掘り返して、草の根っこや昆虫、ミミズなどを食べます。ミミズやサワガニなどの小動物が生息している田んぼは格好のエサ場です。田んぼの脇に作った水路にイノシシが侵入し、エサ探しをすることで水の流れが寸断される被害がありました。その際にイネを踏み荒らしたり、コメを食べたりします。田にイノシシが入ると獣臭がイネに付き、そのコメは食べられないと地域の人から聞きました。


 そこで設置したのがトタン板で作った防護柵です。田んぼの周囲の約200メートルをトタンで囲い、イノシシが入れないようにしました。鼻先で進路を探りながら移動するイノシシは、障害物を避ける習性があります。昨年もトタンで田んぼを囲いましたが、一匹の侵入もありませんでした。


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 効果抜群の囲い柵ですが、トタンは重い上にかさ張って作業がなかなか進みません。先日の休みを利用して、ようやく半面の設置が完了しました。残りの半分の場所にもトタンを配置し、もう一日あれば柵が完成する見込みです。狩猟を行って獣害を減らすのも大切ですが、野生動物の侵入を妨げることで田畑の被害を減らすという方策もあります。安定した農作物の収穫、人と自然の共生を目指して努力を続けていきたいものです。

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 こんばんは。高知県大川村の和田将之です。9月に入って風が涼しくなり、酷暑も和らいできました。今日は大川村に来ているインターン生を連れて平家平へ登山。曇り空で山頂は少し肌寒いような気候でした。季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、リフレッシュしながら快適に過ごしていきたいですね。


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 先週末、狩猟試験を受けて第一種猟銃免許を取得しました。狩猟免許にはわな猟、第一種猟銃免許、第二種猟銃免許、網猟免許の四種類があります。第一種は散弾銃やライフルなどの装薬銃、第二種は空気銃の免許です。私は既にわな猟免許を持っていますが、猟銃免許も受験しました。


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 大川村に来た時から狩猟に興味があり、冬場には妻の父のイノシシ猟に同行させてもらうこともあります。猟犬を使って獲物を追い詰め、鉄砲で止めを刺すイノシシ猟は迫力満点!見るだけでもワクワクしますが、自分も参加したいという気持ちが強くなりました。義父や猟仲間の勧めもあり、今回の受験に繋がったのでした。


 大川村では古くから狩猟が行われてきたといいます。牛肉や豚肉が手に入りにくかった時代には、イノシシが貴重なタンパク源として重宝されていました。肉が簡単に手に入る現代でも、寒さが厳しい冬場に食べるシシ汁は格別です。義父に狩猟を学んで一人前のハンターになり、大川村の狩猟文化を受け継いでいきたいと思います。


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 大川をはじめ中山間地域では、イノシシやシカ、サルによる田畑の被害が深刻です。その一因に、狩猟者の減少があるとの指摘もあります。ハンターが減ったことで個体数が増加し、山で食物が不足した野生動物が田畑を荒らす―。田畑で食料を得た動物が繁殖すれば、その数はますます増えていきます。負のスパイラルは拡大し、一部の地域では都市部に出没する大型獣まで現れました。


 かつて日本の里山では、人間と野生動物が共存していたそうです。当時の人々は「動物愛護」精神の持ち主だったのでしょうか。実際はその反対で、林業で木を伐り、焼き畑農業を行い、野生動物を食料としました。しかしその一方で、植樹や育苗のための山の手入れは環境保全に繋がり、適度な狩猟は野生動物の増加を抑制したのです。その後、時代が進むと人々は里山を離れ、経済的に豊かな都市部に人口が集中しました。人間の手が入らなくなった里山はバランスを失い、「緑の砂漠」と化しています。


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 人間の都合で手を加え、人間の都合で手を離した日本の自然環境。一度崩れてしまった共存関係を取り戻すには、一筋縄ではいかないでしょう。今私たちがなすべきことは、現実から目を逸らさずに自然と向き合うことです。狩猟はそのきっかけの一つになります。山を歩き、命と向かい合い、人と自然の将来を考える―。大川村で生きることの意義を、改めて感じています。

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