こんばんは。高知県大川村の和田将之です。まだまだ梅雨は終わらず、ジメジメした天気が続きます。こんな雨の時期は、たまの晴れ間がチャンスです。先週の木曜日に少し遅めのサツマイモの植え付けを行いました。
植え付けに用意したサツマイモのツルは50本。サル対策のために囲い作の中に植え付けます。前の週に本川ジャガイモを収穫したばかりの畑に鍬を入れ、土を起こしていきます。掘った土の中に堆肥をすきこんでいきます。この堆肥は大川村特産の黒牛のふんから作られています。十分に発酵しているので栄養価が高く、作物がよく育ちます。
堆肥の次に土に入れるのは、特産品の玉緑茶の粉末。新茶が出来たので、昨年の残りは肥料として使います。お茶を土に混ぜるとサツマイモが甘く仕上がると、嫁のおばあちゃんから教わりました。ムダがなく、あるものを再利用する知恵に感心します。
再利用という点で、もう一つ。以前収穫した小麦のワラを土に植え込んだサツマイモのツルに被せます。雨よけや日よけの効果があり、イモがよく育つようです。雑草が生えるのを防ぐ効果もあります。山奥での農業は使えるものが限られます。厳しい環境で暮らしてきた先人たちの知恵は、現在にも生きています。
おばあちゃんの知恵のおかげで無事にイモ植えは終わりました。後は草引きをこまめに行い、収穫を待つのみです。今回作ったサツマイモは「ほしか」にする予定です。ほしかとは、ゆでて乾燥させた芋のことです。僕の生まれ育った群馬県では「干し芋」と呼んでいました。
大川村ではほしかのことを「ひがしやま」と呼ぶ人もいます。おばあちゃんに由来を聞くと、詳しいことは分からないが高知県の西部で使っている呼び名だそうです。戦時中に出征した大川の人が高知県の他地域の人と交流し、そこで「ひがしやま」という呼び名を知ったのではとのこと。大川村の干し芋には興味深い歴史があります。
さて、昨年の冬に作った囲い柵は十分に効果を発揮しています。柵の中にサルが入ったことは一度もなく、安心して作物が作れます。村の補助金をお借りして、時間と労力をかけて作った囲い柵。頑張った甲斐がありました!おばあちゃんを始め、地域の方に色々教わりながら農業に励んでいきます!