こんばんは。高知県大川村の和田将之です。先日の記事で紹介した小さな村g7サミット東京会議の様子が、NHKのニュース番組で放送されました。https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2019/10/1021.html
 当日の様子だけでなく、その後の動きについても取り上げられています。東京の調理師学校が、7つの村の食材を使った料理メニューの開発に向けて取り組みをスタートしたそうです。g7サミットの繋がりを活かし、地域の産業や住民の暮らしにプラスになるような活動を広げていきます!



 黒牛やはちきん地鶏、山菜をはじめ、大川村には地域ならでは美味しい食べ物がたくさんあります。5年前に移住した時、地元の食材でこんなに豊かな食生活が送れるのかととても驚きました。その中でも他との味の違いを特に感じるものの一つに、はちみつがあります。自然に生息している日本ミツバチが、多様な種類の花から集めた百花蜜です。添加物や保存料なども一切使っていないので、作られた甘さは一切感じません。


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 大川村には養蜂施設はありませんが、はちみつを集めている住民が数名います。木製の巣箱を山中や道路脇に設置し、野生のハチを招き入れるという手法です。ハチは春先に新しい巣を作る習性があり、木箱に入るとその中に蜜を集めて繁殖します。秋になると箱を開けて蜜を収穫しますが、全部は取りません。ハチが越冬できるように、半分くらい残しておくのです。


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近年、日本ミツバチの生息数が激減しているというニュースを目にしたことがあります。一部の農薬に含まれる成分が原因だという研究もあるようです。森林面積が93パーセントを超え、農地がほとんどない大川村はハチにとっても住みやすい環境なのかもしれません。

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一方で、昔に比べてハチが少なくなっていると話す住民の方もいます。大川村では、スギやヒノキなどの人工林が林業の不振などにより手入れが行き届かなくなりました。間伐のされない放置林は日光が入りづらくなり、ハチが好む草花が育ちにくくなります。その結果、エサ場を失ったハチの生息域が狭まっているのが一因ではないでしょうか。また、気温の上昇や集中豪雨の発生なども要因として考えられます。


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 はっきりとした原因は分かりませんが、人の生活の変化が生き物の暮らしにも影響を与えているのは事実です。今日も私の畑ではミツバチたちが飛び交い、せっせと蜜を集めていました。生き物にとっても人間にとっても暮らしやすい地域を、皆で作り上げていきたいですね。


 

 ちなみに、大川村のはちみつは「村のえき」でお買い求めいただけます。村のえきについてはこちらのページをご参照ください!
https://okawafk.or.jp/space/139/