昭和28年(その2)昭和28年(その4)

2009年07月10日

昭和28年(その3)

1.コロムビア篇(3)

今回は、昭和28年4月ごろコロムビアが出した映画主題歌を取り上げた。

他に、「曜日曲名」特集は最終回として、「月曜日」と「水曜日」の曲名で締めくくってる。

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☆「松竹:女性の声」(監督;堀内真直) 28/3月封切 現代劇 白黒版

主題歌「女性の声・並木路子」(西条八十詩・万城目 正曲)  28/4月
○歌いだし「泣けばとて何を嘆くぞ 恨むとて何を恨むぞ・・・・・・」

B面曲「紅いベレー・コロムビアローズ」(詩曲とも同上)      同上
○歌いだし「夢に咲いた 夢に咲いた・・・・・・・」

映画の原作は、小糸のぶの小説からとっている。

「由紀子(水原真知子)には三上達哉(佐田啓二)という恋人がいた。ある日由紀子は妹や三上たちとハイキングに出かけたが、途中休んだホテルのロビーで父(柳 永二郎)が見知らぬ婦人と会っているのを目撃した。
やがてその時の婦人・加藤八重(市川春代)が、由紀子の実の母親であることが判り、彼女はショックをうける・・・・・」

他に、川喜多雄二、東谷暎子、草間百合子、三宅邦子らが出ていた。

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☆「松竹:花吹く風」(監督;川島雄三) 28/2月封切   現代劇 白黒版

主題歌「花吹く風・神楽坂はん子」(木下忠司詩・松尾健三曲)  28/4月
○歌いだし「泣いたわよ 泣いて別れて・・・・・・」

B面曲「君を愛すと・コロムビアローズ」(詩・曲とも木下忠司)        同上 
○歌いだし「吹く風 気ままな恋風よ・・・・・・」

この頃「神楽坂はん子」は人気が急上昇して、色もの歌謡の先輩である「久保幸江」をしのぐ勢いになっていた。
ライバルのビクターは、「市丸」や「榎本美佐江」を当てて対抗したものの、とても「神楽坂はん子」人気には追いつけなかった。

彼女は、北条誠原作のこの映画のなかでも、芸者役として出演している。

「病気の父親(富本民平)を養っている姉妹、姉の紀子(幾野道子)は小唄の師匠、妹の美樹(紙 京子)は事務員として働いている。以前の紀子恋仲だった石狩(竜崎一郎)をめぐって姉妹の心の行き違いが表面化してゆく・・・・・・」

他に大木 実、藤代鮎子、市川春代、夏川大二郎、進藤英太郎、らが出ていた。

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☆「東京映:ママの日記」(監督;春原政久) 29/1月封切 現代劇 白黒版

主題歌「ママの日記・安藤まり子」(寺尾智沙詩・田村しげる曲)  28/4月
○歌いだし「どんな楽しい夢なのか 可愛い寝顔の枕元・・・・・・」
 
B面曲「南のかもめ・鳴海日出夫」(西岡水朗詩・田村しげる曲)   同上
○歌いだし「かもめよかもめよ海のかもめ 南の丘に春はきた・・・」

安藤まり子」は、この主題歌が出たのと同じ月に、よく知られているヒット流行歌も出していた。  
今でも北海道の道央を観光すると、ガイドさんが必ず唄うという「毬藻の歌」(岩瀬ひろし詩・八州秀章曲)である。  
             
♪「水面にわたる風さみし 阿寒の山のみずうみに 浮かぶマリモよなに思う・・・・・・・」
この歌詞は、雑誌「平凡」が募集したなかでの当選歌詞だったそうだが、多分あの頃を知ってる年配者の方々にとっては、懐かしい曲だろうと思う。

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さて映画は、ラジオ東京の連続放送劇を映画化したものとされている。

「大世帯を切り盛りする道代夫人(木暮実千代)は、毎日がてんやわんやで忙しい。  ところが良人・卓夫(佐野周二)の浮気話に振り回されてイライラして、つい気晴らしに土屋(田島義文)という青年と遊んできたため、その晩良人と大喧嘩になった・・・・・・」

他に岡田茱莉子、小泉 博、沢村貞子、益田順二、伊沢一郎、島 秋子らが出ていた。

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☆「松竹:疾風からす隊」(監督;内出好吉) 28/3月封切  時代劇 白黒版

主題歌「流転侍・高田浩吉」(石本美由起詩・上原げんと曲)  28/4月
○歌いだし「天下御免の旗本育ち それも落日の江戸の春・・・・・・」

B面曲「木曽の旅唄・高田浩吉」(詩曲とも同上)       同上
○歌いだし「江戸で見染めて 木曽路で逢うて・・・・・・」

主題歌「そよ風街道・島 はるみ」(詩曲とも同上)         同上
○歌いだし「山のうぐいす 一声鳴いて・・・・・・」

B面曲「かっぱの金助・島 はるみ」(詩曲とも同上)     同上
○歌いだし「おいら江戸っ子捕物稼業 持った十手は伊達じゃない・・・・・」

映画の原作は村上元三になる。

「幕末の頃、幕府の重臣を次々と襲う「からす組」という黒衣、黒覆面の暗殺団があった。この連中の手により殺された重臣・野添民部の子息・勝馬(高田浩吉)は、妹のさくら(草間百合子)とともに、父の仇討ちのため敢然と「からす組」に立ち向かう・・・・・・」

他に岸 恵子、岩井半四郎、、北上彌太郎、月形竜之介らが出ていた。

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☆「松竹:姉妹」(監督;岩間鶴夫) 28/4月封切  現代劇 白黒版

主題歌「歌がはずめば・美空ひばり」(和田隆夫詩・万城目 正曲)  28/4月
○歌いだし「唄は世につれる 世は唄につれる・・・・・」

B面曲「乙女ごころの唄・美空ひばり」(詩曲とも同上)      同上
○歌いだし「白い雲はどこへ流れる 今日も一人ジッとみつめる・・・・・・・」

主題歌「春のサンバ・美空ひばり」(藤浦 洸詩・万城目 正曲)   28/4月
○歌いだし「ほらほら釣鐘草が 土から首を出したよ・・・・・・」

B面曲「私はシンデレラ・美空ひばり」(詩曲とも同上)      同上
○歌いだし「愛はやさしく幸福は楽しい うつってるゆれている・・・・・・」

「美空ひばり」の主題歌ばかりが4曲も並んでしまったが、映画のなかでも「ひばり」は、三人姉妹の末娘を演じている。

「犬飼夫婦(笠 智衆、沢村貞子)には、三人の美しい娘がいた。長女・鷹子(津島恵子)次女・つぐみ(淡路恵子)そして末娘の美鳩(美空ひばり)。この美鳩が二人の姉の結婚相手を取り持つて奔走する・・・・・・・」

他に若原雅夫、伊沢一郎、、多々良 純、吉川満子、望月優子らが出ていた。

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2.「曜日」曲名特集の最終回

七曜日」のついた流行歌曲名も、今回でとうとう最終回となった。
昭和のはじめから同56年までの間に、「火曜日」と「木曜日」のついた曲名だけはなかったので、今回取り上げた「月曜日」と「水曜日」で終わりということになる。

2−1. 「月曜日」のついた曲名

戦前には「月曜日」曲は無いので、戦後の昭和24年からはじまるが、あまり知られている曲は見当たらない。
特に20年代30年代の3曲は歌詞もわからないので、土日で遊びつかれて後の「ブルーマンデー」らしい雰囲気が表現されているかどうかは判らなかった。

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「昭和20年代」

雨の月曜日・山下智子」(門田ゆたか詩・松井八郎曲)ビクター 24/6月
(歌詞不詳)
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「昭和30年代」

月曜日の男・水原 弘」(持統院丈太郎詩・沢田駿吾曲)東芝 37/2月
(歌詞不詳)     TBSテレビドラマ「月曜日の男」の主題歌

月曜日のデイト・西条由美」(東条寿三郎詩・安部芳明曲)キング  39/12月
(歌詞不詳)

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「昭和40年代」

月曜日はからっぽ・スパイダース」(阿久 悠詩・中村泰士曲)フイリップス 46/1月
♪「からっぽなのさ みんな燃やして・・・・・・」

月曜日は泣かない・平山三紀」(橋本 淳詩・筒美京平曲)コロムビア 47/10月
♪「降りしきる雨の朝 捨てられた私・・・・・・」

月曜日の朝・八代亜紀」(悠木圭子詩・鈴木 淳曲)テイチク  47/8月
(歌詞不詳)

雨上りの月曜日・結城 大」(林 春生詩・馬飼野俊一曲)キャニオン 48/8月
♪「それはあの花火 月曜日でした・・・・・」

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「昭和50年〜同56年まで」

月曜日にはブルースを・江高マモル」(杉 紀彦詩・猪又公章曲)
(歌詞不詳)

どうして今日は月曜日・けい子とエンディ・ルイス」(岡田冨美子詩・沖田宗丸曲)ミノルフォン 51/7月 
(歌詞不詳)

雨の月曜日・アグネスチャン」(松本 隆詩・加藤和彦曲)ワーナー 52/11月
♪「映画を見た雨の昼下さがり 悲しい ラストシーンに・・・・・」

月曜日のプロローグ・ハイファイセット」(竜 真知子詩・佐藤 健曲)エキスプレス 54/5月
(歌詞不詳)

どうして今日は月曜日・鴎」(岡田冨美子詩・沖田宗丸曲)ラジオシティ  56/10月
(歌詞不詳)

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2−2.「水曜日のついた曲名」

水曜日の恋人・中山恵美子」(中山恵美子詩・中山恵美子曲)? レコード発売は未確認
(歌詞不詳)

水曜日の約束・太田裕美」(松本 隆詩・筒美京平曲)CBSソニー S50/8月
♪「あなたを待っていたの 映画街で一人・・・・・・・」

柿の実色した水曜日・ふきのとう」(山木康世詩・山木康世曲)CBSソニー S54/7月
♪「柿の実色した水曜日 はじめて君をみた・・・・・・・」

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日曜日」から始まって長々と続いた「曜日」曲名も、やっと終ることが出来た。

振り返ってみると当たり前の話かも知れないが、各年代とも「日曜日」曲が圧倒的に多かったことだけが、印象として残ったような気がしている。


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3.まとめ

七曜日の曲名特集はすべて終わったが、他に七曜ではない「曜日」のついた曲名が、私の資料に2曲ほどあったので、おまけに載せておきたい。

恋曜日・広野ひかる」(-詩・-曲)ローヤルレコード  S50年頃  (歌詞不詳)

泣き曜日・和田弘とマヒナスターズ」(浜口庫之助詩・浜口庫之助曲)ビクター 40/6月     
♪「ひとりで飲んでひとりで帰る 夜は僕の泣き曜日・・・・・」

ふっと「寝て曜日」なんて流行歌の曲名も、あってもよさそうな気がしたが、意外と歌の世界というものは、カレンダーの曜日の呪縛から抜け出せないのかも知れない。

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さて、私の住んで居る東京近郊でも、そろそろ梅雨も明けそうな季節になってきた。      
梅雨が明ければ、真夏の太陽がジリジリ照り付けるため、梅雨どきの必需品の「雨傘」から「日傘」へと、「」も模様替えになる。

炎天下の舗道に色とりどりの花を咲かせる「日傘」・・・・・・この「日傘」のついたの曲名となると、果たしてどれくらいあるのだろうか?

調べてみると、昭和のはじめから同56年ころまでに出た流行歌の中に、「日傘」のついた曲名は、私が想像していたよりは少なくて、戦前で10曲、戦後で6曲ほどがあった。    


そこで次回から「戦前篇」と「戦後篇」の2回に分けて「日傘」曲名特集をやってみることにした。

本題の映画主題歌の次回は「昭和28年(その4)」として、コロムビア篇(4)を予定している。
                  (つづく)


oke1609 at 09:16│Comments(0)TrackBack(0) 音楽 | 映画主題歌

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