戦後
2012年01月06日
新春番外篇 「今年の干支”辰”が曲名についた流行歌」
新春初投稿なので、本題の「映画主題歌」は一回お休みということにして、「新春番外篇」を組んでみることにした。
この「新春番外篇」では、今年の干支である「辰」のついた曲名を、昭和の流行歌の中から集めてみることにしたい。
過去にこのﾌﾞﾛｸﾞでは、「干支の歌」特集を四回も組んできている。
子（鼠）から始まって、丑（牛）、寅（虎）とつづき、昨年の「卯(兎)」までで四回も続いたので、今年の「辰」は五回目の「干支」曲名特集ということになった。
干支の動物のなかには、流行歌の曲名に向き不向きがあるようだが、さて今年の干支の「辰」はどんなものだろうか?
曲名についた→ 「 辰 」
昭和戦前期 ５曲
戦後２０年代 ２曲
〃 ３０年代 ６曲
〃 ４０年代 ５曲
昭和５０〜５６年 1曲
合計 １９曲
※ 辰年の干支には他に「龍」も使われているが、こちらは流行歌の曲名にざっと１５０曲あまりも使われている。
これでは曲数が多すぎて手に余るので、今回は「龍」はやめにして「辰」のみで進めることにした。
１９曲ある「辰」曲をみると、そのほとんどは人名か土地の名ばかりで、本来の架空の動物そのものを曲名としたものは、僅かしかないようだ。
まあ１２年に１度だけ、それも暮れから正月にだけ人々の目に触れるだけという「辰」では、致し方ないところかも知れない。
-----------------------------
1. 昭和戦前期
「研辰討たれの唄・権藤円立 」（林 柳波詞・小松平五郎曲）ﾋｺｰｷ S5/10月
「研辰・小杉鶴子」（下加茂企画詞・森 義八郎曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S7/10月
☆「松竹 研辰」主題歌
「偽医天辰の唄 ・町田春男」（岡田産太詞・広島太郎曲）ﾃｲﾁｸ S10/1月
「辰巳草紙・藤本二三吉」（高橋掬太郎詞・佐々紅華曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S14/9月
「辰どし・藤本二三吉、甲斐百合子」（平山芦江詞・佐々紅華曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S15/1月
※ ☆「松竹 研辰」（監督；秋山耕作）は木村錦花原作で、昭和７年夏に封切られた無声の時代劇映画。主演は高田浩吉、飯塚敏子だが、元々は歌舞伎の狂言だといわれる「研辰」については、どんな内容なのかはわからない
※ 「辰どし 藤本二三吉、甲斐百合子」は、今回あつめた「辰」曲のなかでは、唯一干支そのものを指す歌と言えそうだ。
歌の内容はわからないが、おそらく三弦にのる小唄調か、舞踊小唄かもしれない。
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２． 昭和２０年代
「どぶろくの辰・東海林太郎」（藤田まさと詞・阿部武雄曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S24/4月
♪「意地がなくなりゃ土方は出来ぬ 人情捨てたらこの夜は闇よ・・・・・・」
☆「大映 どぶろくの辰」主題歌
「辰野音頭・波岡惣一郎、榎本美佐江、喜久丸」（谷川小ゆ芽詞・中山晋平曲） S25年頃
※ ☆「大映 どぶろくの辰」（監督；田坂具隆）は、昭和２４年６月に封切られた作品で、北海道の山間にある工事現場での、飯場生活を描写している。主人公の「どふろくの辰」には、これまた干支に縁のある「辰巳竜太郎」が扮していた。
※ 「辰野音頭」の辰野は蛍で有名な長野県辰野町のことで、この「音頭」は後の昭和５２年に、島倉 千代子が新吹込みした盤を出していた。
-----------------------------
３． 昭和３０年代
「辰巳育ち・照菊」（高橋掬太郎詞・細川潤一曲）ｷﾝｸﾞ S31/5月
♪「思いこんだら命もてらぬ 辰巳育ちのアレワイサノサ・・・・・・・」
「江戸の辰五郎さん・園 希代子」（−詞・−曲）ﾏｰｷｭﾘｰ S34年
「飯場の辰・春日八郎」（上尾美与志詞・真木 陽曲）ｷﾝｸﾞ S35/5月
♪「ダムの飯場の石ころ屋根に 今日もザンザと雨が降る・・・・・・・」
「花の辰五郎・高田夕紀夫」（八反ふじを詞・三島邦夫曲）東芝 S38/6月
「喧嘩辰・北島三郎」（有近朱実詞・関野幾生曲）ｸﾗｳﾝ S39/4月
♪「恋という奴ぁどえらい奴だ 俺を手玉にとりやがる・・・・・・・・」
「戻り龍辰五郎・春日八郎」（山崎 正詞・塩谷純一曲）ｷﾝｸﾞ S39/10月
-----------------------------
4.． 昭和４０年代
「新門辰五郎・真山一郎」（藤間哲郎詞・佐藤勝彦曲）ｷﾝｸﾞ 40/11月
「ハッパの辰・中村富士夫」（−詞・−曲）ﾋﾞｸﾀｰ 42/12月
「梅宮辰夫の東京流れ唄・梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 45/12月
♪「手前生れは東京で 銀座育ちのあばれ者・・・・・・・」
「辰兄いの三度笠・梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 46/7月
♪「白を黒だと言われても 違いますとはいえない・・・・・・」
「辰ちゃんの青春日記・ 梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 46/7月
※ 昭和４０年代はどうやら「梅宮辰夫」が、最盛期の頃だったのかもしれない。
-----------------------------
５． 昭和５０〜５６年
「辰ちゃん音頭・竹内すみ子」（青木かつみ詞・沖之株勝美曲）ﾐﾉﾙﾎﾝ 54/9月
♪「若いドラゴン名前もタツで 雲を呼ぶ呼ぶ名古屋城 ソレ 辰ちゃん・・・・・」
この曲は、プロ野球・中日の応援歌のようだ。
-----------------------------------------------------------------------
３. まとめ
曲名に出てくるのは、人名と土地の名ばかり多い「辰」づくしの中に、江戸の風情を伝える「辰巳」のついた曲が２曲だけあった。
コトバンクを見ると「辰巳」については、こう書いてある。
１ 辰と巳(み)とのの中間。南東。また、南東から吹く強い風。
２ 江戸城の東南方にあたるところから、江戸深川の遊里のこと。
今回載せた「辰巳」のついた曲は、どちらも深川の辰巳芸者を描いたものだろう。
江戸時代に辰巳芸者は、お座敷に出る際にみな黒の羽織を羽織っていたことから「羽織芸者」とも呼ばれ、気っぷのよさで知られていた。
古い唄になるが、昭和５年に出た「深川小唄・小寿々」（内山惣十郎詞・篠原正雄曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ という流行歌の歌詞が、S5/07/13日の報知新聞に載っていた。
♪「荒い潮風身に受けて きかぬ気性は深川の キャンとイナセの辰巳張り かけた羽織も伊達じゃない ﾔﾚ深川粋なとこ」
歌詞の中にでてくる「キャン」は「おきゃん」のことで、気っぷのいいお転婆娘のことを、昔の人は「おきゃんな娘」と呼んでいた。
---------------------------------
さて次回の「昭和流行歌・曲名特集」は、普段は疎遠であっても年に一回だけお正月に、お互いの消息を確かめ合う「年賀はがき」にちなんで、「葉書（はがき）」のついた曲名を集めてみることにした。
一回休んだ本題の「映画主題歌」のほうは、「昭和３３年（その１９）」としてテイチク篇（１）を予定している。
（つづく）
この「新春番外篇」では、今年の干支である「辰」のついた曲名を、昭和の流行歌の中から集めてみることにしたい。
過去にこのﾌﾞﾛｸﾞでは、「干支の歌」特集を四回も組んできている。
子（鼠）から始まって、丑（牛）、寅（虎）とつづき、昨年の「卯(兎)」までで四回も続いたので、今年の「辰」は五回目の「干支」曲名特集ということになった。
干支の動物のなかには、流行歌の曲名に向き不向きがあるようだが、さて今年の干支の「辰」はどんなものだろうか?
曲名についた→ 「 辰 」
昭和戦前期 ５曲
戦後２０年代 ２曲
〃 ３０年代 ６曲
〃 ４０年代 ５曲
昭和５０〜５６年 1曲
合計 １９曲
※ 辰年の干支には他に「龍」も使われているが、こちらは流行歌の曲名にざっと１５０曲あまりも使われている。
これでは曲数が多すぎて手に余るので、今回は「龍」はやめにして「辰」のみで進めることにした。
１９曲ある「辰」曲をみると、そのほとんどは人名か土地の名ばかりで、本来の架空の動物そのものを曲名としたものは、僅かしかないようだ。
まあ１２年に１度だけ、それも暮れから正月にだけ人々の目に触れるだけという「辰」では、致し方ないところかも知れない。
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1. 昭和戦前期
「研辰討たれの唄・権藤円立 」（林 柳波詞・小松平五郎曲）ﾋｺｰｷ S5/10月
「研辰・小杉鶴子」（下加茂企画詞・森 義八郎曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S7/10月
☆「松竹 研辰」主題歌
「偽医天辰の唄 ・町田春男」（岡田産太詞・広島太郎曲）ﾃｲﾁｸ S10/1月
「辰巳草紙・藤本二三吉」（高橋掬太郎詞・佐々紅華曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S14/9月
「辰どし・藤本二三吉、甲斐百合子」（平山芦江詞・佐々紅華曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S15/1月
※ ☆「松竹 研辰」（監督；秋山耕作）は木村錦花原作で、昭和７年夏に封切られた無声の時代劇映画。主演は高田浩吉、飯塚敏子だが、元々は歌舞伎の狂言だといわれる「研辰」については、どんな内容なのかはわからない
※ 「辰どし 藤本二三吉、甲斐百合子」は、今回あつめた「辰」曲のなかでは、唯一干支そのものを指す歌と言えそうだ。
歌の内容はわからないが、おそらく三弦にのる小唄調か、舞踊小唄かもしれない。
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２． 昭和２０年代
「どぶろくの辰・東海林太郎」（藤田まさと詞・阿部武雄曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S24/4月
♪「意地がなくなりゃ土方は出来ぬ 人情捨てたらこの夜は闇よ・・・・・・」
☆「大映 どぶろくの辰」主題歌
「辰野音頭・波岡惣一郎、榎本美佐江、喜久丸」（谷川小ゆ芽詞・中山晋平曲） S25年頃
※ ☆「大映 どぶろくの辰」（監督；田坂具隆）は、昭和２４年６月に封切られた作品で、北海道の山間にある工事現場での、飯場生活を描写している。主人公の「どふろくの辰」には、これまた干支に縁のある「辰巳竜太郎」が扮していた。
※ 「辰野音頭」の辰野は蛍で有名な長野県辰野町のことで、この「音頭」は後の昭和５２年に、島倉 千代子が新吹込みした盤を出していた。
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３． 昭和３０年代
「辰巳育ち・照菊」（高橋掬太郎詞・細川潤一曲）ｷﾝｸﾞ S31/5月
♪「思いこんだら命もてらぬ 辰巳育ちのアレワイサノサ・・・・・・・」
「江戸の辰五郎さん・園 希代子」（−詞・−曲）ﾏｰｷｭﾘｰ S34年
「飯場の辰・春日八郎」（上尾美与志詞・真木 陽曲）ｷﾝｸﾞ S35/5月
♪「ダムの飯場の石ころ屋根に 今日もザンザと雨が降る・・・・・・・」
「花の辰五郎・高田夕紀夫」（八反ふじを詞・三島邦夫曲）東芝 S38/6月
「喧嘩辰・北島三郎」（有近朱実詞・関野幾生曲）ｸﾗｳﾝ S39/4月
♪「恋という奴ぁどえらい奴だ 俺を手玉にとりやがる・・・・・・・・」
「戻り龍辰五郎・春日八郎」（山崎 正詞・塩谷純一曲）ｷﾝｸﾞ S39/10月
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4.． 昭和４０年代
「新門辰五郎・真山一郎」（藤間哲郎詞・佐藤勝彦曲）ｷﾝｸﾞ 40/11月
「ハッパの辰・中村富士夫」（−詞・−曲）ﾋﾞｸﾀｰ 42/12月
「梅宮辰夫の東京流れ唄・梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 45/12月
♪「手前生れは東京で 銀座育ちのあばれ者・・・・・・・」
「辰兄いの三度笠・梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 46/7月
♪「白を黒だと言われても 違いますとはいえない・・・・・・」
「辰ちゃんの青春日記・ 梅宮辰夫」（志賀大介詞・島 豊曲）ﾃｲﾁｸ 46/7月
※ 昭和４０年代はどうやら「梅宮辰夫」が、最盛期の頃だったのかもしれない。
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５． 昭和５０〜５６年
「辰ちゃん音頭・竹内すみ子」（青木かつみ詞・沖之株勝美曲）ﾐﾉﾙﾎﾝ 54/9月
♪「若いドラゴン名前もタツで 雲を呼ぶ呼ぶ名古屋城 ソレ 辰ちゃん・・・・・」
この曲は、プロ野球・中日の応援歌のようだ。
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３. まとめ
曲名に出てくるのは、人名と土地の名ばかり多い「辰」づくしの中に、江戸の風情を伝える「辰巳」のついた曲が２曲だけあった。
コトバンクを見ると「辰巳」については、こう書いてある。
１ 辰と巳(み)とのの中間。南東。また、南東から吹く強い風。
２ 江戸城の東南方にあたるところから、江戸深川の遊里のこと。
今回載せた「辰巳」のついた曲は、どちらも深川の辰巳芸者を描いたものだろう。
江戸時代に辰巳芸者は、お座敷に出る際にみな黒の羽織を羽織っていたことから「羽織芸者」とも呼ばれ、気っぷのよさで知られていた。
古い唄になるが、昭和５年に出た「深川小唄・小寿々」（内山惣十郎詞・篠原正雄曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ という流行歌の歌詞が、S5/07/13日の報知新聞に載っていた。
♪「荒い潮風身に受けて きかぬ気性は深川の キャンとイナセの辰巳張り かけた羽織も伊達じゃない ﾔﾚ深川粋なとこ」
歌詞の中にでてくる「キャン」は「おきゃん」のことで、気っぷのいいお転婆娘のことを、昔の人は「おきゃんな娘」と呼んでいた。
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さて次回の「昭和流行歌・曲名特集」は、普段は疎遠であっても年に一回だけお正月に、お互いの消息を確かめ合う「年賀はがき」にちなんで、「葉書（はがき）」のついた曲名を集めてみることにした。
一回休んだ本題の「映画主題歌」のほうは、「昭和３３年（その１９）」としてテイチク篇（１）を予定している。
（つづく）
2011年12月23日
昭和３３年（その１７）
1． キング篇 （５）
今回は昭和３３年夏の頃出たキングの主題歌を集めたが、邦画はﾋｯﾄ歌謡曲映画が２本、後は洋画が４本となって、相変わらず洋画優位が続いている。
「昭和流行歌・曲名特集」は、年末で帰省する方々が向う先の「田舎」に焦点を当ててみた。
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☆「日活：星は何でも知っている」（監督；吉村 廉） 33/8月封切 現代劇 白黒版
主題歌「星は何でも知っている・平尾昌晃」（水島 哲詞・津々美 洋曲） 33/7月
○歌いだし「星はなんでも知っている ゆうべあの娘が泣いたのも・・・・・・」
ﾛｶﾋﾞﾘｰ歌手・平尾昌明の大ﾋｯﾄ曲をテーマにした映画で、彼はこの映画の中で初めて主役として出ている。
「嵯峨 栞（丘野美子）は、ある日ﾏﾈｰｼﾞｬの目を盗んで独り街にでて、松村五郎（岡田真澄）という青年と知り合った。
二人はｼﾞｬｽﾞ喫茶にはいり、そこで出演していたﾛｶﾋﾞﾘｰ歌手の平戸昌彦（平尾昌晃）と出会った・・・・・・」
他に、菅井一郎、葵 真木子、木戸新太郎、初井言栄、水木京一らが出ていた。
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☆「大映：夜霧の滑走路」（監督；竹谷豊一郎） 33/7月封切 現代劇 白黒版
主題歌「夜霧の滑走路・三船 浩」（横井 弘詞・飯田三郎曲） 33/8月
○歌いだし「いま一度もう一度ただ一度 君に逢いたいそればかり・・・・・・」
Ｂ面曲「東京ブルース・三船 浩」（矢野 亮詞・山口俊郎曲） 同上
○歌いだし「並木にともる街の灯を追って 一人さまよう銀座裏・・・・・・」
「星は何でも知っている 」に続いて「夜霧の滑走路」と、安易なﾋｯﾄ歌謡曲を題材にした映画が多作されているが、テレビに押され始めたこの頃の映画界の手詰まりぶりが、目に見えるようだ。
「羽田空港に降りた三島隆二（石井竜一）には、二世のｽﾁｭﾜｰﾃﾞｽ・美沙子（金田一敦子）という連れがいた。彼女はｱﾒﾘｶに在住する日系一世の養女になっていたが、日本にいる肉親を探しにやって来たのだった。隆三は美沙子の肉親探しを手伝ったが、手掛かりになるのは、山の中の滝の前で一家が写っている写真だけだった・・・・・・」
他に、北原義郎、市川和子、若松和子、三船 浩、穂高のり子らが出ていた。
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★「洋画：河は呼んでいる」（監督；ﾌﾗﾝｿﾜ・ｳﾞｪﾘｪ） 1957年 ﾌﾗﾝｽ
主題歌「河は呼んでいる・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Gﾍﾞｱｰﾄ曲） 33/8月
○歌いだし「デュランス河の流れのように 子鹿のようなその足で・・・・・・」
「ｱﾙﾌﾟｽの山ろくの村では、デュランス河が度々氾濫したため、農民に大きな損害をもたらしていた。そこで、政府は洪水対策のためダムを建設した。このため二つの村が湖底にしずむことになった。 村の少女ｵﾙﾀﾞﾝｽ（ﾊﾟｽｶﾙ・ｵｰﾄﾞﾚ）の父も立ち退きのため大金の補償金を貰ったが、その父が急死したため彼女は父が貰った補償金の在り処が、わからなくなってしまった・・・・・・・」
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★「洋画：野ばら」（監督；ﾏｯｸｽ･ﾉｲﾌｪﾙﾄ） 1957年 西ﾄﾞｲﾂ ﾄﾞﾅｳ社製作
主題歌「陽の輝く日・伊東ゆかり」（音羽たかし詞・Fﾎｽﾄ曲） 33/8月
○歌いだし「取り越し苦労はよしなさい 何処にでもある幸せな・・・・・・・」
映画の中では、ﾎﾞｰｲｿﾌﾟﾗﾉのウィーン少年合唱団による「ウェルナーの野ばら」の美しい歌声が流れてくる。
「ﾊﾝｶﾞﾘｰ動乱の際、ｵｰｽﾄﾘｱに避難してきた孤児のﾄﾆｰ少年（ﾐﾊｴﾙ・ｱﾝﾃﾞ）は、親切な老人ﾌﾞﾘｭｰﾒﾙに引き取られた。やがて少年の音楽的才能が認められてウィーン少年合唱団に入り、アメリカ公演の際に、劇「美しい兄弟」で主役に抜擢される・・・・・・・」
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★「洋画 :バジャマゲーム」（監督；Gｱﾎﾞｯﾄ/Sﾄﾞｰﾈﾝ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾜｰﾅｰ製作
主題歌「ﾍﾙﾅﾝﾄﾞｽ・ﾊｲﾄﾞｱｳｴｲ・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Rｱﾄﾞﾗｰ曲） 33/9月
○歌いだし「誰にも知られぬ愛する二人の 秘密のかくれ家それは・・・・・・・」
大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品。
「パジャマを生産している縫製工場の中で、若き工場長ｼﾄﾞ（ｼﾞｮﾝ･ﾗｲﾄ）と従業員ｷｬｻﾘﾝ（ﾄﾞﾘｽ･ﾃﾞｨ）との恋のお話。
従業員の中でﾘｰﾀﾞｰ的存在だったｷｬｻﾘﾝが先に立って、会社に対して賃上げ闘争を始めたが、工場長のｼﾄﾞに拒否されてしまった、 こうして二人は一時は険悪化したものの、やが親密な間柄になってゆく過程が描かれている・・・・・」
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★「洋画：年頃ですもの」（監督；ﾌﾞﾚｲｸ・ｴﾄﾞﾜｰｽﾞ） 1958年封切 ｱﾒﾘｶ ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ製作
主題歌「年頃ですもの・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Jﾘﾋﾞﾝｸﾞｽﾄﾝ曲） 33/10月
○歌いだし「空の上を歩くような すてきなこの気持・・・・・・・」
「名優ﾌﾟﾚｽﾄﾝ・ﾐｯﾁｪﾙ（ｸﾙﾄ・ﾕﾝｹﾞﾙｽ）は舞台を引退してから、家政婦のｱｰﾘｰ（ｴｽﾃﾙ・ｳｲﾝｳｯﾄﾞ）とコネティカットの引きこもった。
ある雨の夜、若い娘ｼﾞｬﾈｯﾄ・ﾌﾞﾚ-ｸ（D･ﾚｲﾉﾙｽﾞ）が、突然彼の屋敷に飛び込んできた・・・・・・・」
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”田舎”のついた歌」 （上）
昭和時代の童謡、唱歌を見ると、都会よりも殆どが「田舎」へ行けば見られるような、自然の風景を取り上げているようだ。
しかし大人の歌（流行歌）となると、都会への憧れや、ネオン瞬く都会の夜の風俗を唄った歌の方が多くて、「田舎」の歌は割合と少ない。
ところが、戦後の高度成長期にあたる昭和３０年代に入る頃になると、青木光一が唄ったﾋｯﾄ曲「はやく帰ってコ」のように
♪「・・・・・炉端かこんでいつかいつしか東京の お前たち二人の話に 昨夜も更けたよ 早くコ早くコ 田舎へ帰ってコ・・・・・」
と「田舎」に回帰を促する流れが起きてきて、下表のように３０年代４０年代には「田舎」のついた曲名が、他の年代よりも多くなってきた。
曲名についた→ 「田舎」
昭和戦前期 ３曲
戦後昭和２０年代 1曲 （上）篇 今回掲載
〃 昭和３０年代 １０曲
〃 昭和４０年代 １１曲
昭和５０〜５６年 ４曲 （下）篇 次回掲載
合計 ２９曲
それでは今回と次回に分けて、「田舎」のついた曲を年代順に見てゆくことにしたい。
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昭和戦前期
「恋は田舎でするものよ・筑紫国子」（松本英一詞・近藤十九二曲」ｵﾃﾞｵﾝ Ｓ6/1月
♪「その頃は 花の名前も貴方の名さえ 知らずに焦がれていたものを・・・・・・・」
「恋は田舎でするものよ・鈴木令子」（松本栄一詞・男沢靖央曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ6/5月
上記２曲とも ☆「帝キネ・ 恋は田舎でするものよ」主題歌
「田舎娘の真心・井上喜久子」（−詞・岡田利典曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ7/10月
帝国ｷﾈﾏの☆「 恋は田舎でするものよ」（監督；高見貞衛）は、S5/12月に封切られており、杉 狂児と山路ふみ子が主演していた。
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昭和２０年代
「田舎生まれの伊達娘・星野みよ子」（藤浦 洸詞・ｽﾀｲﾝ曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ28/10月
★「洋画；紳士は金髪がお好き」主題歌
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昭和３０年代
まずは年配者ならご存知の方が多いとおもわれる、中村メイ子のﾋｯﾄ曲から・・・
「田舎のバス・中村メイコ」（三木鶏郎詞・三木鶏郎曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ30/3月
♪「田舎のバスはおんぼろ車 タイヤはつぎだらけ窓は閉らない・・・・・・・」
ラジオ歌謡「田舎はいいなあ・−」（石本美由起詞・平川英夫曲）NHK Ｓ31/7月放送
♪「僕が子供の頃に着た兄貴ゆずりの古い服 今じゃ田圃の案山子が着る・・・・・・」
「田舎へ帰ろうよ・藤島桓夫」（藤咲ゆたか詞・島田逸平曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ32/1月
♪「お前の気持は分るけど 考え直してくれないか・・・・・・・」
「田舎の三日・高城丈二」（山本歳一詞・山本歳一曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ34/12月
♪「久しぶりだねっかぁ と お国なまりがとんで出る・・・・・・・」
「田舎の子・美空ひばり」（加藤和枝詞・加藤和枝曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/11月
♪「田んぼのなかの畦道を お手手つないで父さんと あの子どこの子・・・・」
「田舎教師・守屋 浩」（中山淳太朗詞・三和完治曲） ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ38/3月
♪「雲に語ろう眉上げて 愛と理想あの雲に たとえわが身は野の果ての・・・・・・」
「田舎へかえろう・��ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（鈴木一枝詞・関野幾生曲） ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ38/6月
♪「春になったら 田舎へ帰ろう ちいさな駅で乗り換えて・・・・・・・」
「田舎へ帰れよ・北島三郎」（有田めぐむ詞・中村貞男曲）ｸﾗｳﾝ Ｓ39/7月
♪「田舎へ帰れよ それがいい 心配してるぞ母さんが・・・・・・・」
「東京もいいけど田舎もいいよ・山内 賢」（門井ふみを詞・天井 正曲） ﾃｲﾁｸ Ｓ39/1月
「俺ら田舎っぺ・平尾昌晃」（馬場冬樹詞・和田香苗曲）ﾋｸﾀｰ Ｓ39/1月
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３. まとめ
戦後直ぐの昭和２０年代には、田舎の若者や娘たちの間に都会へ強い憧れの風潮が漲り、なかには無計画で家出同然に大都会に走ったりしていた。
またそれを奨励するかのごとき歌も出てきて、識者の顰蹙を買いはじめてもいた。
昭和も３０年1月に♪「・・・・・・・東京へ行こうよ東京へ 思うだけではきりがない 行けば行ったっで何とかなるさ・・・・・・」と唄った
「東京へ行こうよ・真木不二夫」（大久保正弘詞・平川浪竜曲）ﾃｲﾁｸ→ は、放送禁止、発売禁止 になってしまった。
そしてこの頃から次第に、今回載せた「田舎に帰ってこいよ」調の歌が次第に見直されるようになって、「田舎」曲が、増えてきたように思われる。
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さて、本年最後の投稿となる次回は 「”田舎”のついた歌」の（下）篇として、昭和４０年代、５０年代の歌を集めてみるつもりで居る。
本題の映画主題歌は「昭和３３年（その１８）」として、キング篇 （６）を予定している。
（つづく）
今回は昭和３３年夏の頃出たキングの主題歌を集めたが、邦画はﾋｯﾄ歌謡曲映画が２本、後は洋画が４本となって、相変わらず洋画優位が続いている。
「昭和流行歌・曲名特集」は、年末で帰省する方々が向う先の「田舎」に焦点を当ててみた。
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☆「日活：星は何でも知っている」（監督；吉村 廉） 33/8月封切 現代劇 白黒版
主題歌「星は何でも知っている・平尾昌晃」（水島 哲詞・津々美 洋曲） 33/7月
○歌いだし「星はなんでも知っている ゆうべあの娘が泣いたのも・・・・・・」
ﾛｶﾋﾞﾘｰ歌手・平尾昌明の大ﾋｯﾄ曲をテーマにした映画で、彼はこの映画の中で初めて主役として出ている。
「嵯峨 栞（丘野美子）は、ある日ﾏﾈｰｼﾞｬの目を盗んで独り街にでて、松村五郎（岡田真澄）という青年と知り合った。
二人はｼﾞｬｽﾞ喫茶にはいり、そこで出演していたﾛｶﾋﾞﾘｰ歌手の平戸昌彦（平尾昌晃）と出会った・・・・・・」
他に、菅井一郎、葵 真木子、木戸新太郎、初井言栄、水木京一らが出ていた。
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☆「大映：夜霧の滑走路」（監督；竹谷豊一郎） 33/7月封切 現代劇 白黒版
主題歌「夜霧の滑走路・三船 浩」（横井 弘詞・飯田三郎曲） 33/8月
○歌いだし「いま一度もう一度ただ一度 君に逢いたいそればかり・・・・・・」
Ｂ面曲「東京ブルース・三船 浩」（矢野 亮詞・山口俊郎曲） 同上
○歌いだし「並木にともる街の灯を追って 一人さまよう銀座裏・・・・・・」
「星は何でも知っている 」に続いて「夜霧の滑走路」と、安易なﾋｯﾄ歌謡曲を題材にした映画が多作されているが、テレビに押され始めたこの頃の映画界の手詰まりぶりが、目に見えるようだ。
「羽田空港に降りた三島隆二（石井竜一）には、二世のｽﾁｭﾜｰﾃﾞｽ・美沙子（金田一敦子）という連れがいた。彼女はｱﾒﾘｶに在住する日系一世の養女になっていたが、日本にいる肉親を探しにやって来たのだった。隆三は美沙子の肉親探しを手伝ったが、手掛かりになるのは、山の中の滝の前で一家が写っている写真だけだった・・・・・・」
他に、北原義郎、市川和子、若松和子、三船 浩、穂高のり子らが出ていた。
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★「洋画：河は呼んでいる」（監督；ﾌﾗﾝｿﾜ・ｳﾞｪﾘｪ） 1957年 ﾌﾗﾝｽ
主題歌「河は呼んでいる・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Gﾍﾞｱｰﾄ曲） 33/8月
○歌いだし「デュランス河の流れのように 子鹿のようなその足で・・・・・・」
「ｱﾙﾌﾟｽの山ろくの村では、デュランス河が度々氾濫したため、農民に大きな損害をもたらしていた。そこで、政府は洪水対策のためダムを建設した。このため二つの村が湖底にしずむことになった。 村の少女ｵﾙﾀﾞﾝｽ（ﾊﾟｽｶﾙ・ｵｰﾄﾞﾚ）の父も立ち退きのため大金の補償金を貰ったが、その父が急死したため彼女は父が貰った補償金の在り処が、わからなくなってしまった・・・・・・・」
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★「洋画：野ばら」（監督；ﾏｯｸｽ･ﾉｲﾌｪﾙﾄ） 1957年 西ﾄﾞｲﾂ ﾄﾞﾅｳ社製作
主題歌「陽の輝く日・伊東ゆかり」（音羽たかし詞・Fﾎｽﾄ曲） 33/8月
○歌いだし「取り越し苦労はよしなさい 何処にでもある幸せな・・・・・・・」
映画の中では、ﾎﾞｰｲｿﾌﾟﾗﾉのウィーン少年合唱団による「ウェルナーの野ばら」の美しい歌声が流れてくる。
「ﾊﾝｶﾞﾘｰ動乱の際、ｵｰｽﾄﾘｱに避難してきた孤児のﾄﾆｰ少年（ﾐﾊｴﾙ・ｱﾝﾃﾞ）は、親切な老人ﾌﾞﾘｭｰﾒﾙに引き取られた。やがて少年の音楽的才能が認められてウィーン少年合唱団に入り、アメリカ公演の際に、劇「美しい兄弟」で主役に抜擢される・・・・・・・」
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★「洋画 :バジャマゲーム」（監督；Gｱﾎﾞｯﾄ/Sﾄﾞｰﾈﾝ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾜｰﾅｰ製作
主題歌「ﾍﾙﾅﾝﾄﾞｽ・ﾊｲﾄﾞｱｳｴｲ・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Rｱﾄﾞﾗｰ曲） 33/9月
○歌いだし「誰にも知られぬ愛する二人の 秘密のかくれ家それは・・・・・・・」
大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品。
「パジャマを生産している縫製工場の中で、若き工場長ｼﾄﾞ（ｼﾞｮﾝ･ﾗｲﾄ）と従業員ｷｬｻﾘﾝ（ﾄﾞﾘｽ･ﾃﾞｨ）との恋のお話。
従業員の中でﾘｰﾀﾞｰ的存在だったｷｬｻﾘﾝが先に立って、会社に対して賃上げ闘争を始めたが、工場長のｼﾄﾞに拒否されてしまった、 こうして二人は一時は険悪化したものの、やが親密な間柄になってゆく過程が描かれている・・・・・」
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★「洋画：年頃ですもの」（監督；ﾌﾞﾚｲｸ・ｴﾄﾞﾜｰｽﾞ） 1958年封切 ｱﾒﾘｶ ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ製作
主題歌「年頃ですもの・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Jﾘﾋﾞﾝｸﾞｽﾄﾝ曲） 33/10月
○歌いだし「空の上を歩くような すてきなこの気持・・・・・・・」
「名優ﾌﾟﾚｽﾄﾝ・ﾐｯﾁｪﾙ（ｸﾙﾄ・ﾕﾝｹﾞﾙｽ）は舞台を引退してから、家政婦のｱｰﾘｰ（ｴｽﾃﾙ・ｳｲﾝｳｯﾄﾞ）とコネティカットの引きこもった。
ある雨の夜、若い娘ｼﾞｬﾈｯﾄ・ﾌﾞﾚ-ｸ（D･ﾚｲﾉﾙｽﾞ）が、突然彼の屋敷に飛び込んできた・・・・・・・」
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”田舎”のついた歌」 （上）
昭和時代の童謡、唱歌を見ると、都会よりも殆どが「田舎」へ行けば見られるような、自然の風景を取り上げているようだ。
しかし大人の歌（流行歌）となると、都会への憧れや、ネオン瞬く都会の夜の風俗を唄った歌の方が多くて、「田舎」の歌は割合と少ない。
ところが、戦後の高度成長期にあたる昭和３０年代に入る頃になると、青木光一が唄ったﾋｯﾄ曲「はやく帰ってコ」のように
♪「・・・・・炉端かこんでいつかいつしか東京の お前たち二人の話に 昨夜も更けたよ 早くコ早くコ 田舎へ帰ってコ・・・・・」
と「田舎」に回帰を促する流れが起きてきて、下表のように３０年代４０年代には「田舎」のついた曲名が、他の年代よりも多くなってきた。
曲名についた→ 「田舎」
昭和戦前期 ３曲
戦後昭和２０年代 1曲 （上）篇 今回掲載
〃 昭和３０年代 １０曲
〃 昭和４０年代 １１曲
昭和５０〜５６年 ４曲 （下）篇 次回掲載
合計 ２９曲
それでは今回と次回に分けて、「田舎」のついた曲を年代順に見てゆくことにしたい。
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昭和戦前期
「恋は田舎でするものよ・筑紫国子」（松本英一詞・近藤十九二曲」ｵﾃﾞｵﾝ Ｓ6/1月
♪「その頃は 花の名前も貴方の名さえ 知らずに焦がれていたものを・・・・・・・」
「恋は田舎でするものよ・鈴木令子」（松本栄一詞・男沢靖央曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ6/5月
上記２曲とも ☆「帝キネ・ 恋は田舎でするものよ」主題歌
「田舎娘の真心・井上喜久子」（−詞・岡田利典曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ7/10月
帝国ｷﾈﾏの☆「 恋は田舎でするものよ」（監督；高見貞衛）は、S5/12月に封切られており、杉 狂児と山路ふみ子が主演していた。
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昭和２０年代
「田舎生まれの伊達娘・星野みよ子」（藤浦 洸詞・ｽﾀｲﾝ曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ28/10月
★「洋画；紳士は金髪がお好き」主題歌
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昭和３０年代
まずは年配者ならご存知の方が多いとおもわれる、中村メイ子のﾋｯﾄ曲から・・・
「田舎のバス・中村メイコ」（三木鶏郎詞・三木鶏郎曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ30/3月
♪「田舎のバスはおんぼろ車 タイヤはつぎだらけ窓は閉らない・・・・・・・」
ラジオ歌謡「田舎はいいなあ・−」（石本美由起詞・平川英夫曲）NHK Ｓ31/7月放送
♪「僕が子供の頃に着た兄貴ゆずりの古い服 今じゃ田圃の案山子が着る・・・・・・」
「田舎へ帰ろうよ・藤島桓夫」（藤咲ゆたか詞・島田逸平曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ32/1月
♪「お前の気持は分るけど 考え直してくれないか・・・・・・・」
「田舎の三日・高城丈二」（山本歳一詞・山本歳一曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ34/12月
♪「久しぶりだねっかぁ と お国なまりがとんで出る・・・・・・・」
「田舎の子・美空ひばり」（加藤和枝詞・加藤和枝曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/11月
♪「田んぼのなかの畦道を お手手つないで父さんと あの子どこの子・・・・」
「田舎教師・守屋 浩」（中山淳太朗詞・三和完治曲） ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ38/3月
♪「雲に語ろう眉上げて 愛と理想あの雲に たとえわが身は野の果ての・・・・・・」
「田舎へかえろう・��ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（鈴木一枝詞・関野幾生曲） ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ38/6月
♪「春になったら 田舎へ帰ろう ちいさな駅で乗り換えて・・・・・・・」
「田舎へ帰れよ・北島三郎」（有田めぐむ詞・中村貞男曲）ｸﾗｳﾝ Ｓ39/7月
♪「田舎へ帰れよ それがいい 心配してるぞ母さんが・・・・・・・」
「東京もいいけど田舎もいいよ・山内 賢」（門井ふみを詞・天井 正曲） ﾃｲﾁｸ Ｓ39/1月
「俺ら田舎っぺ・平尾昌晃」（馬場冬樹詞・和田香苗曲）ﾋｸﾀｰ Ｓ39/1月
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３. まとめ
戦後直ぐの昭和２０年代には、田舎の若者や娘たちの間に都会へ強い憧れの風潮が漲り、なかには無計画で家出同然に大都会に走ったりしていた。
またそれを奨励するかのごとき歌も出てきて、識者の顰蹙を買いはじめてもいた。
昭和も３０年1月に♪「・・・・・・・東京へ行こうよ東京へ 思うだけではきりがない 行けば行ったっで何とかなるさ・・・・・・」と唄った
「東京へ行こうよ・真木不二夫」（大久保正弘詞・平川浪竜曲）ﾃｲﾁｸ→ は、放送禁止、発売禁止 になってしまった。
そしてこの頃から次第に、今回載せた「田舎に帰ってこいよ」調の歌が次第に見直されるようになって、「田舎」曲が、増えてきたように思われる。
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さて、本年最後の投稿となる次回は 「”田舎”のついた歌」の（下）篇として、昭和４０年代、５０年代の歌を集めてみるつもりで居る。
本題の映画主題歌は「昭和３３年（その１８）」として、キング篇 （６）を予定している。
（つづく）
2011年12月16日
昭和３３年（その１６）
１． キング篇 （４）
昭和３３年度のキングの映画主題歌には、邦画よりも洋画の方が大変多いことは承知していたが、とうとう今回載せた５本はオール「洋画」になってしまった。
他に昭和流行歌・曲名特集のほうは、冬の季節に合わせて 「”颪（おろし）”のついた歌」 を纏めてみた。
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★「洋画：タミーと独身者」（監督；ｼﾞｮｾﾌ･ﾍﾟｳﾞﾆｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ
主題歌「タミー・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Jﾘﾋﾞﾝｸﾞｽﾄﾝ曲） 33/5月
○歌いだし「ほろほろ小鳩の啼く宵は タミータミー・・・・・・・」
映画の主題歌のTammy(タミー)とは、デビー・レイノルズ演じるヒロインの名前で、彼女の歌う"Tammy" はアメリカでも大ヒット曲したそうだ。
この洋画は日本では未公開だったようで、そのためか内容を含めた資料は見つからなかった。
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★「洋画：武器よさらば」（監督；ﾁｬｰﾙｽ･ｳﾞｯﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ FOX製作
主題歌「愛の調べ・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・ｴﾝｹﾞﾙﾏﾝ曲） 33/6月
○歌いだし「いとしい君よ さようなら はかない夢よさようなら・・・・・・」
第一次世界大戦の最中のイタリアを舞台にして、アメリカ兵とイギリス人看護婦との恋を描いている。
「アメリカの青年ﾌﾚﾃﾞﾘｯｸ･ﾍﾝﾘｰ（ﾛｯｸ･ﾊﾄﾞｿﾝ）は、イタリア軍の志願兵として第一次大戦に参加した。だが、自分の理想とかけ離れた戦争の実態に、彼は失望して武器を捨てる決意をする。そして戦場で知り合った看護婦ｷｬｻﾘﾝ・ﾊﾞｰｸﾚｰ（ｼﾞｪﾆﾌｧｰ・ｼﾞｮｰﾝｽﾞ）と共に、スイスへ逃亡するが、幸せを得たのも束の間、二人には悲しい別れが訪れる・・・・・・・」
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★「洋画：芽ばえ」（監督；ｱﾙﾍﾞﾙﾄ･ﾗｯﾄｩｱｰﾀﾞ） 1957年 ｲﾀﾘｰ・ﾌﾗﾝｽ合作
主題歌「芽ばえ・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Pﾓﾙｶﾞﾝ） 33/6月
○歌いだし「グエンダリーナ 忘れ得ぬその名よ・・・・・・・」
主演のｼﾞｬｸﾘｰﾇ・ｻｻｰﾙはﾌﾗﾝｽの女優で、この「芽ばえ」で映画ﾃﾞﾋﾞｭｰしている。
「イタリアの避暑地のｳﾞｨｱﾚｯｼﾞｮで一夏を過ごすｸﾞｴﾝﾀﾞﾘｰﾅ（ｼﾞｬｸﾘｰﾇ・ｻｻｰﾙ）。両親の不仲に心を痛める彼女は、現地の青年ｵｰﾍﾞﾙﾀﾞﾝ（ﾗﾌ･ﾏｯﾃｨｵｰﾘ）に対して、わがまま放題に振る舞うことで、つらい気持を紛らわそうとするのだった。やがて打ち解け合った２人は、恋の喜びを知ることになる・・・・・」
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★「洋画：戦場に架ける橋」（」監督；ﾃﾞﾋﾞｯﾄ・ﾘｰﾝ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ=ｱﾒﾘｶ（ｺﾛﾑﾋﾞｱ）製作
主題歌「クワイ河マーチ・伊東ゆかり」」（音羽たかし詞・ﾏﾙｺﾑｱｰﾉﾙﾄﾞ曲） 33/6月
○歌いだし「口笛吹き吹き朝露踏めば 明るい希望に今日も胸はふくらむ・・・・・」
映画もその主題歌も共に大ﾋｯﾄしたので、多くの方がご存知のことだろうと思う。
「第二次世界大戦の最中の昭和１８年、タイ国のビルマ国境に近い山中にあるイギリス兵の捕虜収容所が舞台になっている。
日本軍が計画した泰緬鉄道敷設工事のうち、クワイ河に架橋する作業に動員されたのはﾆｺﾙｿﾝ大佐（ｱﾚｯｸｽ・ｷﾞﾈｽ）を代表とする捕虜たちだった
激しい使役労働に怒ったﾆｺﾙｿﾝ大佐は、捕虜使役の国際協約違反だと、工事を監督する日本軍の斉藤大佐（早川雪州）に迫ったが、彼は営倉に監禁されてしまった・・・・・・・・」
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★「洋画：悲しみよ今日は」（監督；ｵｯﾄｰ･ﾌﾞﾚﾐﾝｼﾞｬｰ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ/ｱﾒﾘｶ 共同制作
主題歌「 悲しみよ今日は・中原美紗緒」（音羽たか詞・Gｱｳﾘｯｸ曲） 33/6月
○歌いだし「目覚めの床で 孤独な私は・・・・・・・」
映画の内容は、本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３３年（その４）」コロムビア篇（４）に載っているので省略したい。
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”颪（おろし）”のついた歌」
昭和時代の約半世紀の間に生まれた「颪（おろし）」のついた曲名は、下表のように少ないだけでなく、半数以上の曲が戦前の頃に集中していた。
曲名についた→ 「颪（おろしを含む）」
昭和戦前期 ８曲
戦後昭和２０年代 ０曲
〃 ３０年代 １曲
〃 ４０年代 １曲
〃50〜56 年 ２曲
合計 １２曲
なぜ戦前年代の「颪（おろし）」曲が、それ以後の年代より多く出ていたのだろうか?
私が子供の頃過ごした戦前の冬の頃は、毎年のように手足の指、耳たぼの凍傷に悩まされてきたし、母親はひび、あかぎれのため、黒い薬を塗りながら水仕事をしていたことを思い出す。
つまり当時の人々は、冬の寒さ、特に季節風による寒さに対して、現在とは比較にならないほど強く身に沁みていたから、颪という寒風に対する意識の強さが、そのまま歌の世界にも現れたような気が、私はしている。
さらに気象の厳しさだけでなく戦前は、満州事変から始まり終戦にいたるまで、戦争に明け暮れた歳月が長かっただけに、戦後にくらべれば国際環境からのシベリア颪・大陸颪・アメリカ颪が吹き荒れていた時代だったことも、「颪」曲が多かったことに繋がるのかもしれない。
では年代順に「颪（おろしを含む）」 曲を見てゆきたい。
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「戦前年代」
「赤城颪の子守唄・川島伸二」（伊藤章照詞・野口健一曲）ｺｯｶﾚｺｰﾄﾞ S9年頃
♪「泣くな鉄よねんねしな 赤城山鳥鳴けばとて 坊は泣かぬよ男達・・・・・・・・」
この曲は東海林太郎の大ﾋｯﾄ曲「赤城の子守唄」が出た後を、追うようにﾚｺｰﾄﾞが発売されたので、所謂パクリ盤と言ってよいのだろうが、当時は現在ほど著作権事情はやかましくなかったせいか、他にも真似した「赤城の新子守唄・横田良一」ｼｮｰﾁｸ という盤も出ていた。
なお「 赤城颪の子守唄」は当時のﾏｲﾅｰﾚｺｰﾄﾞ社では人気があったらしく、ｺｯｶ以外にﾎｰﾑﾗﾝ・ｾﾝﾀｰ・ｺｰﾗｲなどのﾚﾍﾞｰﾙ盤も出しており、歌手も 「川島伸二」と同一人とみられる「清川信夫」名で出した盤もあった。
「赤城颪の唄･藤村一郎｣（塚本篤夫詞・片岡志行曲）ﾃｲﾁｸ S9/7月
♪「とがる三日月荒れる風 吹くな颪よ今しばし ぬれて咲くやら咲かぬやら・・・・」
この曲も発売時期から見ると東海林太郎の「赤城の子守唄」に便乗したように見えるが、元々は☆「上州七人旅」の主題歌として「消えて果てよと」の曲名で発売されていたﾚｺｰﾄﾞを、再発売する際に「 赤城颪の唄」に曲名を変えたようだ。
「興安おろし・音丸」（佐藤惣之助詞・江口夜詩曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S11/1月
♪「赤い夕陽に胡弓を抱いて 北に荒野をさまよえば 風もはるかな空で泣く」
「国境おろし・林 伊佐緒む（吉川静雄詞・多紀英二曲）ｷﾝｸﾞ S12/3月
「北山おろし・ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱ」（林 柳波詞・古関裕而曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S13/3月
「国境颪・東海林太郎」（島田磐也詞・飯田三郎曲） ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S13年
♪「離すまじ死すとも このニュース抱きしめ 丘遥か吹雪を衝いて 死線越えゆく・・・・・」
「赤城おろし・原 有明」（清水南海夫詞・佐和輝喜曲）ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ S13/7月
「箱根颪旅の唄・上原 敏」（西原武三詞・江口夜詩曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S15/1月
♪「江戸に下らばこの世では 二度と越すまい箱根山 この街道も見納めと・・・・・・・」
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「戦後年代」
「筑波おろし・中尾 渉」（奥野椰子夫詞・細田義勝曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S37/10月
「比叡おろし・小林啓子」（松岡正剛詞・佐藤充彦曲）ｷﾝｸﾞ S45/5月
♪「風は山から降りてくる レタスのかごをかかえて・・・・・・・」
「シベリア颪・中垣幸雄」（中垣幸雄詞・−曲）ﾏｰｷｭﾘ S54年
♪「所も知らぬ名も知らぬ 遠い異国に囚われて 辛いノルマに明け暮れる・・・・・」
「比叡おろし・岸田智史」（岸田智史詞・岸田智史曲）CBSｿﾆｰ S55/2月
♪「京都の町が淋しくなる 人もまばらな比叡おろしのころ・・・・・・・」
以上の歌を振り返ってみると、やはり山の名のついた颪が多かったが、なかには「「シベリア颪」のように終戦後ソ連に抑留され、俘虜として極寒のシベリアで働かされた兵士たちの思いを唄った歌もあった。
同じ颪と名がついても、内地の颪とは想像を絶する酷寒の地の「シベリア颪」の中で、命を落とし故国に帰れなかった兵士たちの無念を思うと、今でも胸が痛んでくる。
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３. まとめ
「曲名」には「颪(おろし)」はつかなくても「歌詞」の中に「颪(おろし)」がある歌は、なぜかプロ野球の応援歌に多いようだ。
「阪神タイガースの歌・中村鋭一」（佐藤惣之助詞・古関裕而曲）ﾃｲﾁｸ S47/8月
♪「六甲颪に颯爽と 蒼天翔る日輪の 青春の覇気うるわしく 輝く我が名ぞ・・・・・・・」
「ドラゴンズ讃歌・ﾛｲﾔﾙﾅｲﾂ」（九鬼龍兵詞・山本正之曲）東宝ﾚｺｰﾄﾞ S50/5月
♪「伊吹おろしが しゅるると吹けば 秘めた闘魂 天を打つ・・・・・・・」
「阪急ブレーブス団歌・ﾛｲﾔﾙﾅｲﾂ」（内海重典 詞・入江 薫曲）東宝ﾚｺｰﾄﾞ S53/3月
♪「六甲おろしに鍛えたる 我ら熱と力のますらおだ 白球飛ぶ青空に・・・・・」
「天まで昇れドラゴンズ・新間正次」（新間正次詞・伴 良一曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S56/7月
♪「伊吹おろしに吹きさらされて きたえたガッツだド根性・・・・・・・・」
「Let's Go 岡田・田村 優」（詞曲とも中山大三郎）ﾃｲﾁｸ S56/5月
♪「Let's Go! 秘めた闘志のど根性 打て打て岡田 かっとばせ岡田 ﾍﾟﾅﾝﾄﾚｰｽをつっ走れ 六甲おろしで きたえた腕に・・・・・・」
最後の１曲を除いて、後のすべての曲の歌詞が「六甲おろし」「伊吹おろし」から始まっている。
どうやらプロ野球応援歌となると、寒風肌を刺す「おろし」は歌詞にﾊﾟﾝﾁを効かす効果が大きいのかもしれない。
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さて１２月も半ばになって、大震災で明け暮れた今年もいよいよ押し迫ってきた。
今月の末になれば、「都会」に住んでいる大勢の人たちが、生まれ育った懐かしい「田舎」へと帰省して行くことだろう。
このﾌﾞﾛｸﾞのテーマでもある昭和時代（昭和２〜同５６年）の歌の「曲名」から「田舎」を探してみると
「都会」のついた歌は７０曲もあるのに対して、「田舎」のついた歌は２９曲ほどしかなく、意外と少ないように感じた。
そこで「昭和流行歌・曲名特集」では、次回から上篇、下篇の２回に分けて「田舎」曲を見てみることにしたい。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その１７）」としてキング篇 （５）を予定している。
（つづく）
昭和３３年度のキングの映画主題歌には、邦画よりも洋画の方が大変多いことは承知していたが、とうとう今回載せた５本はオール「洋画」になってしまった。
他に昭和流行歌・曲名特集のほうは、冬の季節に合わせて 「”颪（おろし）”のついた歌」 を纏めてみた。
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★「洋画：タミーと独身者」（監督；ｼﾞｮｾﾌ･ﾍﾟｳﾞﾆｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ
主題歌「タミー・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・Jﾘﾋﾞﾝｸﾞｽﾄﾝ曲） 33/5月
○歌いだし「ほろほろ小鳩の啼く宵は タミータミー・・・・・・・」
映画の主題歌のTammy(タミー)とは、デビー・レイノルズ演じるヒロインの名前で、彼女の歌う"Tammy" はアメリカでも大ヒット曲したそうだ。
この洋画は日本では未公開だったようで、そのためか内容を含めた資料は見つからなかった。
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★「洋画：武器よさらば」（監督；ﾁｬｰﾙｽ･ｳﾞｯﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ FOX製作
主題歌「愛の調べ・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・ｴﾝｹﾞﾙﾏﾝ曲） 33/6月
○歌いだし「いとしい君よ さようなら はかない夢よさようなら・・・・・・」
第一次世界大戦の最中のイタリアを舞台にして、アメリカ兵とイギリス人看護婦との恋を描いている。
「アメリカの青年ﾌﾚﾃﾞﾘｯｸ･ﾍﾝﾘｰ（ﾛｯｸ･ﾊﾄﾞｿﾝ）は、イタリア軍の志願兵として第一次大戦に参加した。だが、自分の理想とかけ離れた戦争の実態に、彼は失望して武器を捨てる決意をする。そして戦場で知り合った看護婦ｷｬｻﾘﾝ・ﾊﾞｰｸﾚｰ（ｼﾞｪﾆﾌｧｰ・ｼﾞｮｰﾝｽﾞ）と共に、スイスへ逃亡するが、幸せを得たのも束の間、二人には悲しい別れが訪れる・・・・・・・」
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★「洋画：芽ばえ」（監督；ｱﾙﾍﾞﾙﾄ･ﾗｯﾄｩｱｰﾀﾞ） 1957年 ｲﾀﾘｰ・ﾌﾗﾝｽ合作
主題歌「芽ばえ・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Pﾓﾙｶﾞﾝ） 33/6月
○歌いだし「グエンダリーナ 忘れ得ぬその名よ・・・・・・・」
主演のｼﾞｬｸﾘｰﾇ・ｻｻｰﾙはﾌﾗﾝｽの女優で、この「芽ばえ」で映画ﾃﾞﾋﾞｭｰしている。
「イタリアの避暑地のｳﾞｨｱﾚｯｼﾞｮで一夏を過ごすｸﾞｴﾝﾀﾞﾘｰﾅ（ｼﾞｬｸﾘｰﾇ・ｻｻｰﾙ）。両親の不仲に心を痛める彼女は、現地の青年ｵｰﾍﾞﾙﾀﾞﾝ（ﾗﾌ･ﾏｯﾃｨｵｰﾘ）に対して、わがまま放題に振る舞うことで、つらい気持を紛らわそうとするのだった。やがて打ち解け合った２人は、恋の喜びを知ることになる・・・・・」
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★「洋画：戦場に架ける橋」（」監督；ﾃﾞﾋﾞｯﾄ・ﾘｰﾝ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ=ｱﾒﾘｶ（ｺﾛﾑﾋﾞｱ）製作
主題歌「クワイ河マーチ・伊東ゆかり」」（音羽たかし詞・ﾏﾙｺﾑｱｰﾉﾙﾄﾞ曲） 33/6月
○歌いだし「口笛吹き吹き朝露踏めば 明るい希望に今日も胸はふくらむ・・・・・」
映画もその主題歌も共に大ﾋｯﾄしたので、多くの方がご存知のことだろうと思う。
「第二次世界大戦の最中の昭和１８年、タイ国のビルマ国境に近い山中にあるイギリス兵の捕虜収容所が舞台になっている。
日本軍が計画した泰緬鉄道敷設工事のうち、クワイ河に架橋する作業に動員されたのはﾆｺﾙｿﾝ大佐（ｱﾚｯｸｽ・ｷﾞﾈｽ）を代表とする捕虜たちだった
激しい使役労働に怒ったﾆｺﾙｿﾝ大佐は、捕虜使役の国際協約違反だと、工事を監督する日本軍の斉藤大佐（早川雪州）に迫ったが、彼は営倉に監禁されてしまった・・・・・・・・」
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★「洋画：悲しみよ今日は」（監督；ｵｯﾄｰ･ﾌﾞﾚﾐﾝｼﾞｬｰ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ/ｱﾒﾘｶ 共同制作
主題歌「 悲しみよ今日は・中原美紗緒」（音羽たか詞・Gｱｳﾘｯｸ曲） 33/6月
○歌いだし「目覚めの床で 孤独な私は・・・・・・・」
映画の内容は、本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３３年（その４）」コロムビア篇（４）に載っているので省略したい。
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”颪（おろし）”のついた歌」
昭和時代の約半世紀の間に生まれた「颪（おろし）」のついた曲名は、下表のように少ないだけでなく、半数以上の曲が戦前の頃に集中していた。
曲名についた→ 「颪（おろしを含む）」
昭和戦前期 ８曲
戦後昭和２０年代 ０曲
〃 ３０年代 １曲
〃 ４０年代 １曲
〃50〜56 年 ２曲
合計 １２曲
なぜ戦前年代の「颪（おろし）」曲が、それ以後の年代より多く出ていたのだろうか?
私が子供の頃過ごした戦前の冬の頃は、毎年のように手足の指、耳たぼの凍傷に悩まされてきたし、母親はひび、あかぎれのため、黒い薬を塗りながら水仕事をしていたことを思い出す。
つまり当時の人々は、冬の寒さ、特に季節風による寒さに対して、現在とは比較にならないほど強く身に沁みていたから、颪という寒風に対する意識の強さが、そのまま歌の世界にも現れたような気が、私はしている。
さらに気象の厳しさだけでなく戦前は、満州事変から始まり終戦にいたるまで、戦争に明け暮れた歳月が長かっただけに、戦後にくらべれば国際環境からのシベリア颪・大陸颪・アメリカ颪が吹き荒れていた時代だったことも、「颪」曲が多かったことに繋がるのかもしれない。
では年代順に「颪（おろしを含む）」 曲を見てゆきたい。
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「戦前年代」
「赤城颪の子守唄・川島伸二」（伊藤章照詞・野口健一曲）ｺｯｶﾚｺｰﾄﾞ S9年頃
♪「泣くな鉄よねんねしな 赤城山鳥鳴けばとて 坊は泣かぬよ男達・・・・・・・・」
この曲は東海林太郎の大ﾋｯﾄ曲「赤城の子守唄」が出た後を、追うようにﾚｺｰﾄﾞが発売されたので、所謂パクリ盤と言ってよいのだろうが、当時は現在ほど著作権事情はやかましくなかったせいか、他にも真似した「赤城の新子守唄・横田良一」ｼｮｰﾁｸ という盤も出ていた。
なお「 赤城颪の子守唄」は当時のﾏｲﾅｰﾚｺｰﾄﾞ社では人気があったらしく、ｺｯｶ以外にﾎｰﾑﾗﾝ・ｾﾝﾀｰ・ｺｰﾗｲなどのﾚﾍﾞｰﾙ盤も出しており、歌手も 「川島伸二」と同一人とみられる「清川信夫」名で出した盤もあった。
「赤城颪の唄･藤村一郎｣（塚本篤夫詞・片岡志行曲）ﾃｲﾁｸ S9/7月
♪「とがる三日月荒れる風 吹くな颪よ今しばし ぬれて咲くやら咲かぬやら・・・・」
この曲も発売時期から見ると東海林太郎の「赤城の子守唄」に便乗したように見えるが、元々は☆「上州七人旅」の主題歌として「消えて果てよと」の曲名で発売されていたﾚｺｰﾄﾞを、再発売する際に「 赤城颪の唄」に曲名を変えたようだ。
「興安おろし・音丸」（佐藤惣之助詞・江口夜詩曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S11/1月
♪「赤い夕陽に胡弓を抱いて 北に荒野をさまよえば 風もはるかな空で泣く」
「国境おろし・林 伊佐緒む（吉川静雄詞・多紀英二曲）ｷﾝｸﾞ S12/3月
「北山おろし・ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱ」（林 柳波詞・古関裕而曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S13/3月
「国境颪・東海林太郎」（島田磐也詞・飯田三郎曲） ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S13年
♪「離すまじ死すとも このニュース抱きしめ 丘遥か吹雪を衝いて 死線越えゆく・・・・・」
「赤城おろし・原 有明」（清水南海夫詞・佐和輝喜曲）ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ S13/7月
「箱根颪旅の唄・上原 敏」（西原武三詞・江口夜詩曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S15/1月
♪「江戸に下らばこの世では 二度と越すまい箱根山 この街道も見納めと・・・・・・・」
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「戦後年代」
「筑波おろし・中尾 渉」（奥野椰子夫詞・細田義勝曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S37/10月
「比叡おろし・小林啓子」（松岡正剛詞・佐藤充彦曲）ｷﾝｸﾞ S45/5月
♪「風は山から降りてくる レタスのかごをかかえて・・・・・・・」
「シベリア颪・中垣幸雄」（中垣幸雄詞・−曲）ﾏｰｷｭﾘ S54年
♪「所も知らぬ名も知らぬ 遠い異国に囚われて 辛いノルマに明け暮れる・・・・・」
「比叡おろし・岸田智史」（岸田智史詞・岸田智史曲）CBSｿﾆｰ S55/2月
♪「京都の町が淋しくなる 人もまばらな比叡おろしのころ・・・・・・・」
以上の歌を振り返ってみると、やはり山の名のついた颪が多かったが、なかには「「シベリア颪」のように終戦後ソ連に抑留され、俘虜として極寒のシベリアで働かされた兵士たちの思いを唄った歌もあった。
同じ颪と名がついても、内地の颪とは想像を絶する酷寒の地の「シベリア颪」の中で、命を落とし故国に帰れなかった兵士たちの無念を思うと、今でも胸が痛んでくる。
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３. まとめ
「曲名」には「颪(おろし)」はつかなくても「歌詞」の中に「颪(おろし)」がある歌は、なぜかプロ野球の応援歌に多いようだ。
「阪神タイガースの歌・中村鋭一」（佐藤惣之助詞・古関裕而曲）ﾃｲﾁｸ S47/8月
♪「六甲颪に颯爽と 蒼天翔る日輪の 青春の覇気うるわしく 輝く我が名ぞ・・・・・・・」
「ドラゴンズ讃歌・ﾛｲﾔﾙﾅｲﾂ」（九鬼龍兵詞・山本正之曲）東宝ﾚｺｰﾄﾞ S50/5月
♪「伊吹おろしが しゅるると吹けば 秘めた闘魂 天を打つ・・・・・・・」
「阪急ブレーブス団歌・ﾛｲﾔﾙﾅｲﾂ」（内海重典 詞・入江 薫曲）東宝ﾚｺｰﾄﾞ S53/3月
♪「六甲おろしに鍛えたる 我ら熱と力のますらおだ 白球飛ぶ青空に・・・・・」
「天まで昇れドラゴンズ・新間正次」（新間正次詞・伴 良一曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ S56/7月
♪「伊吹おろしに吹きさらされて きたえたガッツだド根性・・・・・・・・」
「Let's Go 岡田・田村 優」（詞曲とも中山大三郎）ﾃｲﾁｸ S56/5月
♪「Let's Go! 秘めた闘志のど根性 打て打て岡田 かっとばせ岡田 ﾍﾟﾅﾝﾄﾚｰｽをつっ走れ 六甲おろしで きたえた腕に・・・・・・」
最後の１曲を除いて、後のすべての曲の歌詞が「六甲おろし」「伊吹おろし」から始まっている。
どうやらプロ野球応援歌となると、寒風肌を刺す「おろし」は歌詞にﾊﾟﾝﾁを効かす効果が大きいのかもしれない。
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さて１２月も半ばになって、大震災で明け暮れた今年もいよいよ押し迫ってきた。
今月の末になれば、「都会」に住んでいる大勢の人たちが、生まれ育った懐かしい「田舎」へと帰省して行くことだろう。
このﾌﾞﾛｸﾞのテーマでもある昭和時代（昭和２〜同５６年）の歌の「曲名」から「田舎」を探してみると
「都会」のついた歌は７０曲もあるのに対して、「田舎」のついた歌は２９曲ほどしかなく、意外と少ないように感じた。
そこで「昭和流行歌・曲名特集」では、次回から上篇、下篇の２回に分けて「田舎」曲を見てみることにしたい。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その１７）」としてキング篇 （５）を予定している。
（つづく）
2011年12月02日
昭和３３年（その１４）
１． キング篇 （２）
この年の３月ごろ出たキングの映画主題歌を纏めてみたが、邦画1本洋画４本ということで、洋画のほうが多い状況が続いている。
他に昭和流行歌・曲名特集のほうは、今の季節に合わせて 「”木枯し”のついた歌」 （上）をまとめてみた。
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★「洋画；白夜」（監督；ﾙﾉｷ･ｳﾞｨｽｺﾝﾃｨ） 1957年 ｲﾀﾘｱ・ﾌﾗﾝｽ合作
主題歌「スクーザミ（許してね）・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Aﾋﾟｱﾛﾈ曲） 33/3月
○歌いだし「許してねといくたび心の中で くりかえしつぶやいたことか・・・・・・・」
この映画の内容は、既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３３年（その３）」コロムビア篇（３）に載せたので、省略したい。
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☆「東映：直八子供旅」（監督；佐々木 康） 33/2月封切 時代劇 白黒版
主題歌「直八子供旅 ・三船 浩」（高橋掬太郎詞・山口俊郎曲） 33/3月
○歌いだし「山の鴉も夕焼け頃は 親が恋しゅて啼くとやら・・・・・・・・・」
Ｂ面曲「涙の紅白粉・照菊」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「逢いたがるのに逢うてもやれぬ これが親かよ籠の鳥・・・・・・・」
原作は股旅もの作家の大御所・長谷川 伸で、ｵﾘｼﾞﾅﾙ作品は戦前の昭和９年に千恵蔵ﾌﾟﾛが作っていた。
この戦前の作品は稲垣 浩が監督して、片岡千恵蔵、高津愛子が主演していた。
戦前の作品の時も次のような主題歌が出ていた。
主題歌「直八子供旅・渡辺はま子」（稲垣 浩詞・松平信博曲）ﾋﾞｸﾀｰ S9/6月
○歌いだし「篭に飼われた小鳥じゃもの 空が恋しと啼くばかり・・・・・・・」
「和泉の直八（片岡千恵蔵）は生れついての喧嘩好きだが、恋女房のおなつ（木暮実千代）から意見されて生涯助人はしないと約束していた。しかし天王の政五郎から助っ人頼まれると直八は、女房のすきを見て駈けつけたたが、相手は昔、おなつを中に争ったことのある黒塚の多九蔵（月形竜之介）だった。・・・・・・・」
他に植木千恵、沢村貞子、伏見扇太郎、桜町弘子、丘 さとみ、加賀邦男、らが出ていた。
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★「洋画：監獄ロック」（監督；ﾘﾁｬｰﾄﾞ・ｿｰﾌﾟ） 1957年 ｱﾒﾘｶ MGM製作
主題歌「監獄ロック・平尾昌晃」（漣 健児詞・Jﾚｲﾊﾞｰ曲） 33/3月
○歌いだし「しゃれた看守のはからいで かんごくでパーティがあったとさ・・・・・・・・」
映画の内容は、既に「昭和３３年（その２）」コロムビア篇（２）に載せているので、省略したい。
-----------------------------------------------------------------------
★「洋画：さまよう青春」（監督；ﾊﾙ・ｶﾝﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作
主題歌「ロンサムカウボーイ・平尾昌晃、ﾄﾘｵﾛｽﾁｶﾛｽ」（音羽たかし詞・Rﾍﾞﾝﾈｯﾄ曲） 33/3月
○歌いだし「おいらはロンサムカウボーイ 広い天地を・・・・・・・・」
この映画はｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾞﾚｽﾘｰ主演映画の第２作目で、既にﾌﾞﾛｸﾞ「昭和３３年（その１０）」ビクター篇（２）で内容は紹介している。
ビクターでは「ﾃﾃﾞｨｰ・ﾍﾞｱ」をこの映画主題歌として載せているが、他にも「Loving You」など幾つかの曲が、この映画のなかで唄われているようだ。
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★「洋画；四月の恋」（監督；ﾍﾝﾘｰ･ﾚﾋﾞﾝ） ｱﾒﾘｶ 1957年 FOX製作
主題歌「 四月の恋・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・ｻﾐｰ･ﾌｪｲﾝ曲） 33/3月
○歌いだし「エープリルラブ 希望の星の空に輝く ふしぎさよ・・・・・・・」
ﾊﾟｯﾄ・ﾌﾞｰﾝの唄った「四月の恋（April Love)」は 、全米で６週間連続ヒットチャートＮｏ．１を獲得して、大ヒット曲になっていた。 そのﾊﾟｯﾄ･ﾌﾞｰﾝが映画のなかでも主役を演じている。
「伯父の農場で働いていたﾆｯｸ（ﾊﾟｯﾄ･ﾌﾞｰﾝ）の前に美しい娘・ﾘｽﾞ（ｼｬｰﾘｰ・ｼﾞｮｰﾝｽﾞ）が現れた。
ﾘｽﾞに心を惹かれたﾆｯｸは、ある夜彼女とともにﾀﾞﾝｽﾊﾟｰﾃｨにでかけた・・・・・・・」
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”木枯し”のついた歌」 （上）
また高齢の年寄りにとっては、辛い寒い季節がやってきた。
東京地方では今年の１０月２６日（木）に、早々と木枯し１号が吹いたとの発表があった。
毎年やってくる冷たい北風の「木枯し」は、昭和時代の歌の世界でも曲名に取り上げられているが、その数は「こがらし」「凩」を入れても、思ったほど多くはない。
曲名についた→ 「木枯し」 （”凩”と”こがらし”も含む ）
昭和戦前期 ０曲
戦後昭和２０年代 ３曲 （上）篇として今回掲載
〃 昭和３０年代 ９曲
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〃 昭和４０年代 ８曲 （下）篇として次回掲載
〃昭和５０〜５６年 １１曲
合計 ３１曲
今回は （上）篇として、昭和のはじめから３０年代までの曲を集めてみた。
現在より冬はずっと寒かったはずなのに、戦前の流行歌の曲名には、なぜか「木枯し」曲は見当たらなかった。
はじめて登場したのは、戦後の昭和２０年代に入ってからになる。
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昭和２０年代
「木枯しの唄・伊藤昭子」（−詞・−曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S21/10月
ﾗｼﾞｵ歌謡「木枯しは窓に吹いても・−」（高槻百合子詞・天津 昇曲）NHK S27/11月放送
♪「優しい君の指先に からむ毛糸は赤と白 あヽ木枯しは木枯しは・・・・・・・」
「木枯しと郵便馬車・丹下キヨ子」（ｻﾄｳﾊﾁﾛｰ詞・三木鶏郎曲） NHK S29年
この曲は、ﾗｼﾞｵ番組「ユーモア劇場」の中で唄っていた。
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昭和３０年代
「木枯しの吹く町・水原 淳」（山崎 正詞・山口俊郎曲）ｷﾝｸﾞ S30/11月
♪「木枯しは木枯しは日暮れの溜息 風にとぶ枯葉の夢だよ・・・・・・・」
「吹けよ木枯らし・石井千恵」（横井 弘詞・山口俊郎曲）ｷﾝｸﾞ S30/10月
♪「私の恋は哀しい落葉 二度と枝には還れない 木枯らし木枯らし吹けよ吹けよ・・・・・」
ﾗｼﾞｵ歌謡「木枯らしの唄・−」(藤浦 洸詞・入江 薫曲)NHK S32/1月
♪「木枯らしのふるさとは ひゅうひゅうひゅうひゅう 北の国の・・・・・・」
「俺は木枯らしさ・小林 旭」（雲村俊一詞・船村 徹曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S33/12月
♪「落葉がだまって散ったのさ ペーブメントに散ったのさ・・・・・・・」
「木枯らし吹けば・平尾昌晃」（音羽たかし詞・津々美 洋曲）ｷﾝｸﾞ S33/12月
♪「ビルの谷間に落葉が舞えば 空は青空日は暮れかかる・・・・・・・・」
「木枯らし子守唄・三橋美智也」（田中ゆきを詞・吉田矢健治曲）ｷﾝｸﾞ S34/1月
♪「何度移ろうと出てみたら 憎や木枯らし北風さん北風さん・・・・・・・・・」
「木枯らし峠・松山恵子」（八反ふじお詞・佐藤晋一曲）東芝 S36/12月
♪「遠い都に旅立つ人を 泣いて見送る木枯らし峠 さようなら・・・・・・・」
「あの娘は春のこがらし・北原謙二」（星野哲郎詞・山崎正清曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S38/7月
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３. まとめ
この「曲名特集」の最初に、冬は現在よりも寒かった戦前時代に、「曲名」に「木枯し」のついた流行歌が、なぜか見当たらないと書いた。
では戦前に出た流行歌の「歌詞」の中ではどうだろうか・・・・・と思って、私の資料の歌詞欄を検索してみたところ、「木枯し」を含む歌詞が１５曲ほど見つかった。
その中の「普通の流行歌」と「戦時歌謡」から、それぞれ２曲つづ選んでみた。
「君恋し・高井ﾙﾋﾞｰ」（佐々紅華詞・佐々紅華曲）ｵﾘｴﾝﾄ S4/6月
♪「木枯し吹きて思いは深し 夕日は沈みて哀れを誘う・・・・・・」
この曲と作曲者は同じであるけれど、大ﾋｯﾄ曲「君恋し・二村定一」とは別曲のようだ。
「いろあかり・川畑文子」（森 岩雄詞・外来曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S8/4月
♪「外は木枯らし時雨空 あせた唇紅そめて どうせ今宵も昨日と同じ・・・・・」
「戦時歌謡」から
「君は北満・音丸」（西条八十詞・植田国境子曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S12/1月
♪「君は北満待つ身は日本 つのる夜寒の木枯し聴けば・・・・・・」
「露営の月・楠木繁夫」（丘 真澄詞・佐渡暁夫曲）ﾃｲﾁｸ S12/12月
♪「夕霞ようやく静まりて 木枯らし寒き草原に 露営の月は照りはえて・・・・」
季節の節目に現れて、日本の風土にすっかり溶け込んだ「木枯し」は、戦前の年代でも歌詞の中では自然の形で唄い込まれていたようだ。
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次回は「木枯し」曲の（下）篇として昭和４０年代、同５０年代の曲を纏めてみたい。
主題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その１５）」として 「キング篇 （３）」を予定している。
（つづく）
この年の３月ごろ出たキングの映画主題歌を纏めてみたが、邦画1本洋画４本ということで、洋画のほうが多い状況が続いている。
他に昭和流行歌・曲名特集のほうは、今の季節に合わせて 「”木枯し”のついた歌」 （上）をまとめてみた。
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★「洋画；白夜」（監督；ﾙﾉｷ･ｳﾞｨｽｺﾝﾃｨ） 1957年 ｲﾀﾘｱ・ﾌﾗﾝｽ合作
主題歌「スクーザミ（許してね）・中原美紗緒」（音羽たかし詞・Aﾋﾟｱﾛﾈ曲） 33/3月
○歌いだし「許してねといくたび心の中で くりかえしつぶやいたことか・・・・・・・」
この映画の内容は、既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３３年（その３）」コロムビア篇（３）に載せたので、省略したい。
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☆「東映：直八子供旅」（監督；佐々木 康） 33/2月封切 時代劇 白黒版
主題歌「直八子供旅 ・三船 浩」（高橋掬太郎詞・山口俊郎曲） 33/3月
○歌いだし「山の鴉も夕焼け頃は 親が恋しゅて啼くとやら・・・・・・・・・」
Ｂ面曲「涙の紅白粉・照菊」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「逢いたがるのに逢うてもやれぬ これが親かよ籠の鳥・・・・・・・」
原作は股旅もの作家の大御所・長谷川 伸で、ｵﾘｼﾞﾅﾙ作品は戦前の昭和９年に千恵蔵ﾌﾟﾛが作っていた。
この戦前の作品は稲垣 浩が監督して、片岡千恵蔵、高津愛子が主演していた。
戦前の作品の時も次のような主題歌が出ていた。
主題歌「直八子供旅・渡辺はま子」（稲垣 浩詞・松平信博曲）ﾋﾞｸﾀｰ S9/6月
○歌いだし「篭に飼われた小鳥じゃもの 空が恋しと啼くばかり・・・・・・・」
「和泉の直八（片岡千恵蔵）は生れついての喧嘩好きだが、恋女房のおなつ（木暮実千代）から意見されて生涯助人はしないと約束していた。しかし天王の政五郎から助っ人頼まれると直八は、女房のすきを見て駈けつけたたが、相手は昔、おなつを中に争ったことのある黒塚の多九蔵（月形竜之介）だった。・・・・・・・」
他に植木千恵、沢村貞子、伏見扇太郎、桜町弘子、丘 さとみ、加賀邦男、らが出ていた。
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★「洋画：監獄ロック」（監督；ﾘﾁｬｰﾄﾞ・ｿｰﾌﾟ） 1957年 ｱﾒﾘｶ MGM製作
主題歌「監獄ロック・平尾昌晃」（漣 健児詞・Jﾚｲﾊﾞｰ曲） 33/3月
○歌いだし「しゃれた看守のはからいで かんごくでパーティがあったとさ・・・・・・・・」
映画の内容は、既に「昭和３３年（その２）」コロムビア篇（２）に載せているので、省略したい。
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★「洋画：さまよう青春」（監督；ﾊﾙ・ｶﾝﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作
主題歌「ロンサムカウボーイ・平尾昌晃、ﾄﾘｵﾛｽﾁｶﾛｽ」（音羽たかし詞・Rﾍﾞﾝﾈｯﾄ曲） 33/3月
○歌いだし「おいらはロンサムカウボーイ 広い天地を・・・・・・・・」
この映画はｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾞﾚｽﾘｰ主演映画の第２作目で、既にﾌﾞﾛｸﾞ「昭和３３年（その１０）」ビクター篇（２）で内容は紹介している。
ビクターでは「ﾃﾃﾞｨｰ・ﾍﾞｱ」をこの映画主題歌として載せているが、他にも「Loving You」など幾つかの曲が、この映画のなかで唄われているようだ。
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★「洋画；四月の恋」（監督；ﾍﾝﾘｰ･ﾚﾋﾞﾝ） ｱﾒﾘｶ 1957年 FOX製作
主題歌「 四月の恋・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詞・ｻﾐｰ･ﾌｪｲﾝ曲） 33/3月
○歌いだし「エープリルラブ 希望の星の空に輝く ふしぎさよ・・・・・・・」
ﾊﾟｯﾄ・ﾌﾞｰﾝの唄った「四月の恋（April Love)」は 、全米で６週間連続ヒットチャートＮｏ．１を獲得して、大ヒット曲になっていた。 そのﾊﾟｯﾄ･ﾌﾞｰﾝが映画のなかでも主役を演じている。
「伯父の農場で働いていたﾆｯｸ（ﾊﾟｯﾄ･ﾌﾞｰﾝ）の前に美しい娘・ﾘｽﾞ（ｼｬｰﾘｰ・ｼﾞｮｰﾝｽﾞ）が現れた。
ﾘｽﾞに心を惹かれたﾆｯｸは、ある夜彼女とともにﾀﾞﾝｽﾊﾟｰﾃｨにでかけた・・・・・・・」
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２. 昭和流行歌・曲名特集 「”木枯し”のついた歌」 （上）
また高齢の年寄りにとっては、辛い寒い季節がやってきた。
東京地方では今年の１０月２６日（木）に、早々と木枯し１号が吹いたとの発表があった。
毎年やってくる冷たい北風の「木枯し」は、昭和時代の歌の世界でも曲名に取り上げられているが、その数は「こがらし」「凩」を入れても、思ったほど多くはない。
曲名についた→ 「木枯し」 （”凩”と”こがらし”も含む ）
昭和戦前期 ０曲
戦後昭和２０年代 ３曲 （上）篇として今回掲載
〃 昭和３０年代 ９曲
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〃 昭和４０年代 ８曲 （下）篇として次回掲載
〃昭和５０〜５６年 １１曲
合計 ３１曲
今回は （上）篇として、昭和のはじめから３０年代までの曲を集めてみた。
現在より冬はずっと寒かったはずなのに、戦前の流行歌の曲名には、なぜか「木枯し」曲は見当たらなかった。
はじめて登場したのは、戦後の昭和２０年代に入ってからになる。
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昭和２０年代
「木枯しの唄・伊藤昭子」（−詞・−曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S21/10月
ﾗｼﾞｵ歌謡「木枯しは窓に吹いても・−」（高槻百合子詞・天津 昇曲）NHK S27/11月放送
♪「優しい君の指先に からむ毛糸は赤と白 あヽ木枯しは木枯しは・・・・・・・」
「木枯しと郵便馬車・丹下キヨ子」（ｻﾄｳﾊﾁﾛｰ詞・三木鶏郎曲） NHK S29年
この曲は、ﾗｼﾞｵ番組「ユーモア劇場」の中で唄っていた。
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昭和３０年代
「木枯しの吹く町・水原 淳」（山崎 正詞・山口俊郎曲）ｷﾝｸﾞ S30/11月
♪「木枯しは木枯しは日暮れの溜息 風にとぶ枯葉の夢だよ・・・・・・・」
「吹けよ木枯らし・石井千恵」（横井 弘詞・山口俊郎曲）ｷﾝｸﾞ S30/10月
♪「私の恋は哀しい落葉 二度と枝には還れない 木枯らし木枯らし吹けよ吹けよ・・・・・」
ﾗｼﾞｵ歌謡「木枯らしの唄・−」(藤浦 洸詞・入江 薫曲)NHK S32/1月
♪「木枯らしのふるさとは ひゅうひゅうひゅうひゅう 北の国の・・・・・・」
「俺は木枯らしさ・小林 旭」（雲村俊一詞・船村 徹曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S33/12月
♪「落葉がだまって散ったのさ ペーブメントに散ったのさ・・・・・・・」
「木枯らし吹けば・平尾昌晃」（音羽たかし詞・津々美 洋曲）ｷﾝｸﾞ S33/12月
♪「ビルの谷間に落葉が舞えば 空は青空日は暮れかかる・・・・・・・・」
「木枯らし子守唄・三橋美智也」（田中ゆきを詞・吉田矢健治曲）ｷﾝｸﾞ S34/1月
♪「何度移ろうと出てみたら 憎や木枯らし北風さん北風さん・・・・・・・・・」
「木枯らし峠・松山恵子」（八反ふじお詞・佐藤晋一曲）東芝 S36/12月
♪「遠い都に旅立つ人を 泣いて見送る木枯らし峠 さようなら・・・・・・・」
「あの娘は春のこがらし・北原謙二」（星野哲郎詞・山崎正清曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S38/7月
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３. まとめ
この「曲名特集」の最初に、冬は現在よりも寒かった戦前時代に、「曲名」に「木枯し」のついた流行歌が、なぜか見当たらないと書いた。
では戦前に出た流行歌の「歌詞」の中ではどうだろうか・・・・・と思って、私の資料の歌詞欄を検索してみたところ、「木枯し」を含む歌詞が１５曲ほど見つかった。
その中の「普通の流行歌」と「戦時歌謡」から、それぞれ２曲つづ選んでみた。
「君恋し・高井ﾙﾋﾞｰ」（佐々紅華詞・佐々紅華曲）ｵﾘｴﾝﾄ S4/6月
♪「木枯し吹きて思いは深し 夕日は沈みて哀れを誘う・・・・・・」
この曲と作曲者は同じであるけれど、大ﾋｯﾄ曲「君恋し・二村定一」とは別曲のようだ。
「いろあかり・川畑文子」（森 岩雄詞・外来曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S8/4月
♪「外は木枯らし時雨空 あせた唇紅そめて どうせ今宵も昨日と同じ・・・・・」
「戦時歌謡」から
「君は北満・音丸」（西条八十詞・植田国境子曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S12/1月
♪「君は北満待つ身は日本 つのる夜寒の木枯し聴けば・・・・・・」
「露営の月・楠木繁夫」（丘 真澄詞・佐渡暁夫曲）ﾃｲﾁｸ S12/12月
♪「夕霞ようやく静まりて 木枯らし寒き草原に 露営の月は照りはえて・・・・」
季節の節目に現れて、日本の風土にすっかり溶け込んだ「木枯し」は、戦前の年代でも歌詞の中では自然の形で唄い込まれていたようだ。
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次回は「木枯し」曲の（下）篇として昭和４０年代、同５０年代の曲を纏めてみたい。
主題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その１５）」として 「キング篇 （３）」を予定している。
（つづく）
2011年11月11日
昭和３３年（その１１）
1. ビクター篇（３）
今回は昭和３３年の６月から９月ごろに出た、ビクターの主題歌を集めてみた。
他に「昭和流行歌・曲名特集」では「曲名にコーヒーのついた歌」（前篇）ということで、戦前から戦後の昭和３０年代までに出た「コーヒー〔珈琲〕」曲を纏めてみた。
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☆「松竹：夜の波紋」（監督；内川清一郎）33/5月封切 現代劇 カラー版
主題歌「夜の波紋・フランク永井」（佐伯孝夫詩･大森盛太郎曲） 33/6月
○歌いだし「青い月夜の夢の人 今も忘れずくれるやら･････」
B面曲「舞妓さん今晩は・神楽坂浮子」（薩摩 竜詩･大森盛太郎曲） 同上
○歌いだし「うちは祇園の舞妓さん だらりの帯をゆらゆらと･････」
映画は祇園の芸妓さんたちの物語になっている。
「京都の祇園で芸妓をしている京子（高千穂ちずる）には踊りのﾗｲﾊﾞﾙとして花恵（杉田弘子）と秀勇（福田公子）がいた。負けん気の彼女は、秋本高志（大木 実）という恋人がいるにも拘らず、画家や財界人に積極的に近づいて、媚をばらまいている･･････」
他に、菅佐原英一、浪花千栄子、関 千恵子、富士真奈美、千田是也らが出ていた。
-------------------------------------------------------
☆「日活：明日は明日の風が吹く」（監督；井上梅次） 33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「素肌の女・浜村美智子」（井上梅次詩･吉田 正曲） 33/7月
○歌いだし「青い月の光の中に 黄金色の肌をのぞかせて･･･････」
B面曲「明日は女の風が吹く・浜村美智子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「そぼ降る雨濡れた舗道 黙って彼は去って行く････････」
この映画には、テイチクからも「明日は明日の風が吹く・石原裕次郎」の主題歌が出ており、ビクターとテイチクが競作になっていた。
映画では、石原裕次郎が歓楽街の地盤争いで、地元のヤクザと大喧嘩する。
「親譲りの気風のよさで、周囲の人たちから好感を持たれている健次（石原裕次郎）は、会社勤めのサラリーマン青年である。
ところがある日、彼は街でヤクザの子分たちと喧嘩になり、そのことが会社に知られてクビになってしまった。このため恋人の啓子（北原三枝）との仲も裂かれてしまう･･･････」
他に、浅丘ルリ子、白木マリ、芦川いづみ、浜村美智子、らが出ていた。
-------------------------------------------------------
☆「大映；人肌孔雀」（監督；森 一生） 33/8月封切 時代劇 カラー版
主題歌「人肌孔雀・山本富士子」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/8月
○歌いだし「銀の元結いきりりとしめて 眉は遠山唇元牡丹･････････」
B面曲「月見船・山本富士子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「あなたのわたしと初めから きめてまぶしい月見船････････」
映画は市川雷蔵と山本富士子との顔合わせになるが、なんと山本富士子が「おしの」「染香」「京極若狭介」と一人で三役もやっている。
うち「京極若狭介」は男装の武士役だというから、これはちょっとした驚きだ。
「箱根の宿に泊った勘定奉行土岐安房守（河津清三郎）らの部屋で発見された髑髏の口には、文字の書いた紙がはさんであった。他にこの宿には、鷹司関白家の近習京極若狭之介（山本富士子）と、旗本浪人奈須新八郎（市川雷蔵）とその供である下っ引の三六（堺 駿二）の三人が同宿していたが、髑髏を置いた犯人はなかなか判らない･･････」
他に、梅若正二、近藤恵美子、三田登喜子、小川虎之助、石黒達也らが出ていた。
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☆「日活：海女の岩礁」（監督；森永健次郎） 33/8月封切 現代劇 白黒版
主題歌「海女の岩礁・筑波久子」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/8月
○歌いだし「月の波間で冷やしても 紅い胸の火なぜ消えぬ･･･････」
B面曲「雨に濡れたシガレット・筑波久子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「悲しい雨に濡れたシガレット 誰かが見捨てず火点けてくれる･･････」
官能派女優として話題になった筑波久子が、海女になって魅力的な肢体を存分にみせている。
「都会から海辺の漁村に戻ってきた並木雅枝（筑波久子）は、海女をしている友達のアキ（香月美奈子）を頼って、自らも海女になった。アキには恋人の定男（二谷英明）がいたが、彼はかつて雅枝と交際し別れた男だったので、雅枝の心は揺れ動く･･････」
他に、青山恭二、安部 徹、近藤 宏、木室郁子、清川玉枝らが出ていた。
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☆「日活：哀愁の高速道路（ﾊｲｳｴｲ）」（監督；関 喜誉仁）33/11月封切 現代劇 白黒版
主題歌「哀愁の高速道路(ﾊｲｳｴｲ)・三浦洸一」（宮川哲夫詩･吉田 正曲） 33/9月
○歌いだし「ほほを濡らして夜霧の街で 今日もあの娘は待つだろうか･････」
原作は松浦義教によるアクションもの映画。
「宝石店に押し入った強盗団の片割れの矢口スミ（木城ゆかり）は、逃走の際拳銃で撃たれ傷ついたため、医院に運びこまれた。診察した医師・扇 良一（小高雄二）は、スミが昔彼が学生の頃同棲した事のある女であることに気付き、警察に通報するのを躊躇する･････」
他に、堀 恭子、近藤 宏、佐野浅夫、小泉郁之助、桃山節子、らが出ていた。
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２. ｢昭和流行歌・曲名特集 曲名にコーヒー〔珈琲〕のついた歌｣ 前篇
曲名に「コーヒー」がついた流行歌といえば、戦前なら霧島 昇、ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱの「一杯のコーヒーから」、戦後ならに西田佐知子の「コーヒールンバ」の軽快なリズムが、まず思い出される。
しかし年代別の下表のように、戦前と戦後初期の頃は、意外と「コーヒー（珈琲）」のついた流行歌は少ないのだ。
その後昭和４０年代５０年代に入ると、急に「コーヒー」の歌が増えてきている････････という流れになっていた。
曲名についた→ コーヒー（珈琲）
昭和戦前期 ３曲 ↓
戦後 ２０年代 ２曲 前篇
〃 ３０年代 １０曲 ↑
〃 ４０年代 ２７曲 ↓
昭和５０〜５６年 ２４曲 後篇
都会なら戦前でも旨いコーヒーを淹れる喫茶店はあったけれど、一般の庶民の家庭で毎朝コーヒーを淹れるような慣習は、殆どなかったといってよい。
戦前に家庭でコーヒーを淹れていたのは、一部の裕福な上流階級層だけだったように思う。
それが昭和４０年代以降になると、手軽に朝食にはパン、そしてコーヒーを淹れる家庭が増えてきたから、上の年代別曲数はそうした時代の流れに比例しているようにも見える。
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1. 昭和戦前期
「毎朝コーヒーを・ｽﾘｰｼｽﾀｰｽﾞ」（−詩･−曲）ﾀｲﾍｲ Ｓ10/12月
「朝のコーヒー・−」（丹野 正詩･紙 恭輔曲）NHK Ｓ11年
♪「朝のお目覚めにかかせない ほんのり苦く素敵な香り 召しませよコーヒー････」
この曲は（読売新聞 Ｓ11/1/3日に歌詞掲載）されていたが、放送されただけかもしれない。
「一杯のコーヒーから・霧島昇､ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱ」（藤浦 洸詩･服部良一曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ14/4月
♪「一杯のコーヒーから 夢の花咲くこともある 街のテラスの夕暮れに･･････」
藤浦 洸詩･服部良一曲のコンビによる歌は、昭和１１年８月の「月に踊る・二葉あき子」が最初だった。
そしてこのコンビの６曲目になる「別れのブルース・淡谷のり子」が大ﾋｯﾄしており、更に１８曲目になるこの「一杯のコーヒーから」も、かなり流行ったものだった。
終戦までの間に、このお二人のコンビによる作品は５１曲にものぼるが、厳しい戦時下の間にでも軍国調の強い作品は見当たらないし、明るい歌が多かったようだ。
---------------------------
戦後 昭和２０年代
「陽気なコーヒー娘・前島節子」（大高ひさを詩･福島正二曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ27/6月
♪「とってもとっても楽しくて やりきれないよな･････」
「四十杯のコーヒー・江利チエミ」（音羽たかし詩･Dｵﾘﾊﾞｰ曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ29/6月
♪「これで何杯 飲んだかとおもって･･････」
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戦後 昭和３０年代
まずメロディーは同じだか、邦訳詩の違う「コーヒールンバ」を３曲載せてみよう。
「コーヒールンバ・西田佐知子」（中沢清二詩･Jﾏﾝｿ曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ36/9月
♪「昔アラブの偉いお坊さんが 恋を忘れた哀れな男に･････」
「コーヒールンバ・ｻﾞ・ﾋﾟｰﾅｯﾂ」（荒川ひろし詩･Jﾏﾝｿ曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ36/12月
♪「遠い南の夜空の星に きこえる甘い恋のあの唄･･･････」
「コーヒールンバ・松宮庄一郎」（不詳詩･Jﾏﾝｿ曲）東芝 Ｓ36/10月
あとは発売年順にのせてみることにする。
ラジオ歌謡「花とコーヒーと夢・−」（奥山 靉詩･服部逸郎曲）NHK Ｓ31/1月放送
♪「貴方と今日も待ち合せる 街角の小さな水色の喫茶店･･･････」
「黒コーヒーの夜・水木 襄」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ36/1月
「コーヒーが冷めちゃった・花房錦一、ｻﾞｴｺｰｽﾞ」（詩曲とも米山正夫）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ36/10月
「ブラックコーヒー・宝田 明」（谷川俊太郎詩･船村 徹曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/4月
♪「ブラックコーヒー 白いカップの中によどむ ひとり旅のこころの喘ぎ･･･････」
「コーヒーデイト・伊東ゆかり」（南 かずみ詩･外来曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ37/5月
「コーヒーデイト・飯田久彦」（漣 健児詩･ﾎﾜｲﾄｶｯﾌﾟ曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/7月
♪「君もコーヒー ｲｴｲｴ ｲｴｲｴ 僕もコーヒー ｳｫｳｫ ｳｫｳｫ･･･････」
「黒い珈琲・アイジョージ」（石浜恒夫詩･上原賢六曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ39/10月
♪「きみ待てば アアああ 雨に濡れてる青い花 黙っていても胸から胸へ･･･････」
以上で（前篇）は終りとしたい。
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３. まとめ
この特集を纏めながら、大戦末期のころから終戦後初期にかけて、ほんものの「コーヒー」ならぬ「代用コーヒー」を飲んだ時の、苦い思い出を呼び起こしてしまった。
私が飲んだのは確か大豆を真っ黒に焦がしてから砕いて淹れた「代用コーヒー」だったが、他にもいろいろな植物が使われているようだ。
ネット上にある「代用コーヒー」をテーマにしたサイトを見ると、材料は大豆の他に、大麦、玉蜀黍、ﾀﾝﾎﾟﾎﾟの根、などが使われていたとあった。
砂糖もない時代だったから、私はブラックで飲んだものだが、まぁ色だけ本物のコーヒーに近かったものの、お世辞にも本物のコーヒーに味に似てるとは言えず、不味かった記憶だけが残っている。
今の若い人達から見れば、得体の知れない黒い煎じ薬みたいなもの････と思われそうな「代用コーヒー」だったが、戦時中や戦後の荒廃期には結構飲んだ方々は多かったように思う。
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さて次回の｢昭和流行歌・曲名特集｣は、「曲名にコーヒーのついた歌」の（後篇）を纏めてみたい。
本題の映画主題歌の次回は昭和３３年（その１２）として、ビクター篇（４）を予定している。
〔つづく〕
今回は昭和３３年の６月から９月ごろに出た、ビクターの主題歌を集めてみた。
他に「昭和流行歌・曲名特集」では「曲名にコーヒーのついた歌」（前篇）ということで、戦前から戦後の昭和３０年代までに出た「コーヒー〔珈琲〕」曲を纏めてみた。
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☆「松竹：夜の波紋」（監督；内川清一郎）33/5月封切 現代劇 カラー版
主題歌「夜の波紋・フランク永井」（佐伯孝夫詩･大森盛太郎曲） 33/6月
○歌いだし「青い月夜の夢の人 今も忘れずくれるやら･････」
B面曲「舞妓さん今晩は・神楽坂浮子」（薩摩 竜詩･大森盛太郎曲） 同上
○歌いだし「うちは祇園の舞妓さん だらりの帯をゆらゆらと･････」
映画は祇園の芸妓さんたちの物語になっている。
「京都の祇園で芸妓をしている京子（高千穂ちずる）には踊りのﾗｲﾊﾞﾙとして花恵（杉田弘子）と秀勇（福田公子）がいた。負けん気の彼女は、秋本高志（大木 実）という恋人がいるにも拘らず、画家や財界人に積極的に近づいて、媚をばらまいている･･････」
他に、菅佐原英一、浪花千栄子、関 千恵子、富士真奈美、千田是也らが出ていた。
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☆「日活：明日は明日の風が吹く」（監督；井上梅次） 33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「素肌の女・浜村美智子」（井上梅次詩･吉田 正曲） 33/7月
○歌いだし「青い月の光の中に 黄金色の肌をのぞかせて･･･････」
B面曲「明日は女の風が吹く・浜村美智子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「そぼ降る雨濡れた舗道 黙って彼は去って行く････････」
この映画には、テイチクからも「明日は明日の風が吹く・石原裕次郎」の主題歌が出ており、ビクターとテイチクが競作になっていた。
映画では、石原裕次郎が歓楽街の地盤争いで、地元のヤクザと大喧嘩する。
「親譲りの気風のよさで、周囲の人たちから好感を持たれている健次（石原裕次郎）は、会社勤めのサラリーマン青年である。
ところがある日、彼は街でヤクザの子分たちと喧嘩になり、そのことが会社に知られてクビになってしまった。このため恋人の啓子（北原三枝）との仲も裂かれてしまう･･･････」
他に、浅丘ルリ子、白木マリ、芦川いづみ、浜村美智子、らが出ていた。
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☆「大映；人肌孔雀」（監督；森 一生） 33/8月封切 時代劇 カラー版
主題歌「人肌孔雀・山本富士子」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/8月
○歌いだし「銀の元結いきりりとしめて 眉は遠山唇元牡丹･････････」
B面曲「月見船・山本富士子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「あなたのわたしと初めから きめてまぶしい月見船････････」
映画は市川雷蔵と山本富士子との顔合わせになるが、なんと山本富士子が「おしの」「染香」「京極若狭介」と一人で三役もやっている。
うち「京極若狭介」は男装の武士役だというから、これはちょっとした驚きだ。
「箱根の宿に泊った勘定奉行土岐安房守（河津清三郎）らの部屋で発見された髑髏の口には、文字の書いた紙がはさんであった。他にこの宿には、鷹司関白家の近習京極若狭之介（山本富士子）と、旗本浪人奈須新八郎（市川雷蔵）とその供である下っ引の三六（堺 駿二）の三人が同宿していたが、髑髏を置いた犯人はなかなか判らない･･････」
他に、梅若正二、近藤恵美子、三田登喜子、小川虎之助、石黒達也らが出ていた。
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☆「日活：海女の岩礁」（監督；森永健次郎） 33/8月封切 現代劇 白黒版
主題歌「海女の岩礁・筑波久子」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/8月
○歌いだし「月の波間で冷やしても 紅い胸の火なぜ消えぬ･･･････」
B面曲「雨に濡れたシガレット・筑波久子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「悲しい雨に濡れたシガレット 誰かが見捨てず火点けてくれる･･････」
官能派女優として話題になった筑波久子が、海女になって魅力的な肢体を存分にみせている。
「都会から海辺の漁村に戻ってきた並木雅枝（筑波久子）は、海女をしている友達のアキ（香月美奈子）を頼って、自らも海女になった。アキには恋人の定男（二谷英明）がいたが、彼はかつて雅枝と交際し別れた男だったので、雅枝の心は揺れ動く･･････」
他に、青山恭二、安部 徹、近藤 宏、木室郁子、清川玉枝らが出ていた。
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☆「日活：哀愁の高速道路（ﾊｲｳｴｲ）」（監督；関 喜誉仁）33/11月封切 現代劇 白黒版
主題歌「哀愁の高速道路(ﾊｲｳｴｲ)・三浦洸一」（宮川哲夫詩･吉田 正曲） 33/9月
○歌いだし「ほほを濡らして夜霧の街で 今日もあの娘は待つだろうか･････」
原作は松浦義教によるアクションもの映画。
「宝石店に押し入った強盗団の片割れの矢口スミ（木城ゆかり）は、逃走の際拳銃で撃たれ傷ついたため、医院に運びこまれた。診察した医師・扇 良一（小高雄二）は、スミが昔彼が学生の頃同棲した事のある女であることに気付き、警察に通報するのを躊躇する･････」
他に、堀 恭子、近藤 宏、佐野浅夫、小泉郁之助、桃山節子、らが出ていた。
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２. ｢昭和流行歌・曲名特集 曲名にコーヒー〔珈琲〕のついた歌｣ 前篇
曲名に「コーヒー」がついた流行歌といえば、戦前なら霧島 昇、ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱの「一杯のコーヒーから」、戦後ならに西田佐知子の「コーヒールンバ」の軽快なリズムが、まず思い出される。
しかし年代別の下表のように、戦前と戦後初期の頃は、意外と「コーヒー（珈琲）」のついた流行歌は少ないのだ。
その後昭和４０年代５０年代に入ると、急に「コーヒー」の歌が増えてきている････････という流れになっていた。
曲名についた→ コーヒー（珈琲）
昭和戦前期 ３曲 ↓
戦後 ２０年代 ２曲 前篇
〃 ３０年代 １０曲 ↑
〃 ４０年代 ２７曲 ↓
昭和５０〜５６年 ２４曲 後篇
都会なら戦前でも旨いコーヒーを淹れる喫茶店はあったけれど、一般の庶民の家庭で毎朝コーヒーを淹れるような慣習は、殆どなかったといってよい。
戦前に家庭でコーヒーを淹れていたのは、一部の裕福な上流階級層だけだったように思う。
それが昭和４０年代以降になると、手軽に朝食にはパン、そしてコーヒーを淹れる家庭が増えてきたから、上の年代別曲数はそうした時代の流れに比例しているようにも見える。
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1. 昭和戦前期
「毎朝コーヒーを・ｽﾘｰｼｽﾀｰｽﾞ」（−詩･−曲）ﾀｲﾍｲ Ｓ10/12月
「朝のコーヒー・−」（丹野 正詩･紙 恭輔曲）NHK Ｓ11年
♪「朝のお目覚めにかかせない ほんのり苦く素敵な香り 召しませよコーヒー････」
この曲は（読売新聞 Ｓ11/1/3日に歌詞掲載）されていたが、放送されただけかもしれない。
「一杯のコーヒーから・霧島昇､ﾐｽｺﾛﾑﾋﾞｱ」（藤浦 洸詩･服部良一曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ14/4月
♪「一杯のコーヒーから 夢の花咲くこともある 街のテラスの夕暮れに･･････」
藤浦 洸詩･服部良一曲のコンビによる歌は、昭和１１年８月の「月に踊る・二葉あき子」が最初だった。
そしてこのコンビの６曲目になる「別れのブルース・淡谷のり子」が大ﾋｯﾄしており、更に１８曲目になるこの「一杯のコーヒーから」も、かなり流行ったものだった。
終戦までの間に、このお二人のコンビによる作品は５１曲にものぼるが、厳しい戦時下の間にでも軍国調の強い作品は見当たらないし、明るい歌が多かったようだ。
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戦後 昭和２０年代
「陽気なコーヒー娘・前島節子」（大高ひさを詩･福島正二曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ27/6月
♪「とってもとっても楽しくて やりきれないよな･････」
「四十杯のコーヒー・江利チエミ」（音羽たかし詩･Dｵﾘﾊﾞｰ曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ29/6月
♪「これで何杯 飲んだかとおもって･･････」
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戦後 昭和３０年代
まずメロディーは同じだか、邦訳詩の違う「コーヒールンバ」を３曲載せてみよう。
「コーヒールンバ・西田佐知子」（中沢清二詩･Jﾏﾝｿ曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ36/9月
♪「昔アラブの偉いお坊さんが 恋を忘れた哀れな男に･････」
「コーヒールンバ・ｻﾞ・ﾋﾟｰﾅｯﾂ」（荒川ひろし詩･Jﾏﾝｿ曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ36/12月
♪「遠い南の夜空の星に きこえる甘い恋のあの唄･･･････」
「コーヒールンバ・松宮庄一郎」（不詳詩･Jﾏﾝｿ曲）東芝 Ｓ36/10月
あとは発売年順にのせてみることにする。
ラジオ歌謡「花とコーヒーと夢・−」（奥山 靉詩･服部逸郎曲）NHK Ｓ31/1月放送
♪「貴方と今日も待ち合せる 街角の小さな水色の喫茶店･･･････」
「黒コーヒーの夜・水木 襄」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ36/1月
「コーヒーが冷めちゃった・花房錦一、ｻﾞｴｺｰｽﾞ」（詩曲とも米山正夫）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ36/10月
「ブラックコーヒー・宝田 明」（谷川俊太郎詩･船村 徹曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/4月
♪「ブラックコーヒー 白いカップの中によどむ ひとり旅のこころの喘ぎ･･･････」
「コーヒーデイト・伊東ゆかり」（南 かずみ詩･外来曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ37/5月
「コーヒーデイト・飯田久彦」（漣 健児詩･ﾎﾜｲﾄｶｯﾌﾟ曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ37/7月
♪「君もコーヒー ｲｴｲｴ ｲｴｲｴ 僕もコーヒー ｳｫｳｫ ｳｫｳｫ･･･････」
「黒い珈琲・アイジョージ」（石浜恒夫詩･上原賢六曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ39/10月
♪「きみ待てば アアああ 雨に濡れてる青い花 黙っていても胸から胸へ･･･････」
以上で（前篇）は終りとしたい。
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３. まとめ
この特集を纏めながら、大戦末期のころから終戦後初期にかけて、ほんものの「コーヒー」ならぬ「代用コーヒー」を飲んだ時の、苦い思い出を呼び起こしてしまった。
私が飲んだのは確か大豆を真っ黒に焦がしてから砕いて淹れた「代用コーヒー」だったが、他にもいろいろな植物が使われているようだ。
ネット上にある「代用コーヒー」をテーマにしたサイトを見ると、材料は大豆の他に、大麦、玉蜀黍、ﾀﾝﾎﾟﾎﾟの根、などが使われていたとあった。
砂糖もない時代だったから、私はブラックで飲んだものだが、まぁ色だけ本物のコーヒーに近かったものの、お世辞にも本物のコーヒーに味に似てるとは言えず、不味かった記憶だけが残っている。
今の若い人達から見れば、得体の知れない黒い煎じ薬みたいなもの････と思われそうな「代用コーヒー」だったが、戦時中や戦後の荒廃期には結構飲んだ方々は多かったように思う。
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さて次回の｢昭和流行歌・曲名特集｣は、「曲名にコーヒーのついた歌」の（後篇）を纏めてみたい。
本題の映画主題歌の次回は昭和３３年（その１２）として、ビクター篇（４）を予定している。
〔つづく〕
2011年11月04日
昭和３３年（その１０）
ビクター篇（２）
今回にも「西銀座駅前」や「第三号倉庫」といった歌謡映画が入っている。
日本の映画界で、ﾋｯﾄ歌謡曲に頼るような構図が目立ってきたことは、やがて昭和３５年以降にやってくる邦画自体の衰退の前兆のような気がしないでもない。
他に｢昭和流行歌・曲名特集｣は、「あかつき（暁）」曲ｼﾘｰｽﾞの最終回になる「戦後篇」を纏めてみた。
----------------------------------------------------------
★「洋画：さまよう青春」（監督；ﾊﾙ・ｶﾝﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作 カラー版
主題歌「小熊のテデー・ﾐｯｷｰ･ｶｰﾁｽ」（川路美樹詩･外来曲） 33/2月
（歌詞不詳）
ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰが唄った「Teddy Bear」の邦訳詩盤を、ロカビリー三人男の一人、ﾐｯｷｰ･ｶｰﾁｽが出している。
映画のほうも、ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰが主演していた。
「孤児院で育ったディーク（ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰ）はビール配達をしながらバンドメンバーに加わっていたが、バンド仲間のグレンダ（ﾘｻﾞﾍﾞｽ・ｽｺｯﾄ）は、ディークが女性に人気があることに関心を持っていた･･･････」
----------------------------------------------------------
☆「日活：西銀座駅前」（監督; 今村昌平） 33/7月封切 現代劇 白黒版
主題歌「西銀座駅前・フランク永井」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/4月
○歌いだし「ＡＢＣＤＸＹＺ これが俺らの口ぐせさ 今夜も刺激が欲しくって･･････」
二ヶ月ほど前に、このﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３２年（その１９）」の中で、この地下鉄「西銀座駅」のことに触れていた。
「東京の地下鉄に現在は「西銀座」の駅名はない。かつての「西銀座」駅は今では地下鉄「銀座駅」の構内が拡張されて、丸の内線ホームになっている」
つまり昭和３2年に開業した当時の丸の内線の「西銀座駅」は、有楽町寄りの「数寄屋橋」付近にあって、戦前から走っていた銀座線の「銀座駅」とは別々であった。
当時この両駅の間は、改札口を出てから長い地下通路でむすばれていた。
それが今は「銀座駅」として構内乗換通路で結ばれており、懐かしい「西銀座駅」の名は消えてしまったことになる。
「西銀座駅前にあるさざなみ薬局の気の弱い主人・大山重太郎（柳沢真一）は、いつも理子夫人（山岡久乃）の尻に敷かれている。その彼がどうせ不成功に終わると判る浮気をして、予想通りに失敗した上に、騒動がまきおこることになる････････」
他に、山根恵子、ﾌﾗﾝｸ永井、堀 恭子、西村 晃、初井言栄、小沢昭一らが出ていた。
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☆「日活：第三号倉庫」（監督; 小林桂三郎） 33/10月封切 現代劇 白黒版
主題歌「第三号倉庫・朝倉ユリ」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/4月
○歌いだし「夜霧にまぎれぬけてくる 黒い河岸三号倉庫･･･････」
「長谷 宏（牧 真介）は神戸でﾄﾞﾗﾏｰをやりながら、さすらいの暮らしをしていたが、１年ぶりに横浜に戻ってきた。 彼は恋人の美津（堀 恭子）に、第三号倉庫まですぐ来るように呼び出した。そして駆けつけた美津に一本の写真ﾌﾙｲﾑを手渡すと、またひとりで立ち去っていった･･･････」
他に、香月美奈子、二谷英明、、河野 弘、三原一夫、、朝倉ユリ、らが出ていた。
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★「洋画：さよなら」（監督;ｼﾞｮｼﾞｭｱ・ﾛｰｶﾞﾝ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾜｰﾅｰﾌﾞﾗｻﾞｰｽﾞ 製作
主題歌「サヨナラ・雪村いづみ」（井田誠一詩･外来曲） 33/4月
（歌詞不詳）
朝鮮戦争時の日本が舞台で、当時はタブー視されていた日本人女性と米国軍人との、悲しい恋の物語になっている。、原作はｼﾞｪｰﾑｽ・ﾐｯﾁｪﾅｰの小説による。
日本人女性役にはﾅﾝｼﾞｰ梅木が演じており、この映画でｱｶﾃﾞﾐｰ賞（助演女優賞）を受けていた。
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☆「東宝：太鼓たたいて笛吹いて」（監督;堀江史朗） 33/5月封 現代劇 カラー版
主題歌「太鼓たたいて・宮城まり子」（岩谷時子詩･吉田 正曲） 33/5月
（歌詞不詳）
B面曲「笛吹いて・宮城まり子」（岩谷時子詩･神津善行曲） 同上
（歌詞不詳）
「ドサ廻りの旅芝居、団九郎（三津田 健）一座の下役・おけい（宮城まり子）は、台所仕事。芝居の端役から文字通り“出囃子の太鼓たたいて笛吹いて”までこなして、大忙しの毎日を送っている。そのおけいは、座頭の息子の団之丞（小泉 博）をひそかに慕っていた････････」
他に、千石規子、三木のり平、有島一郎、藤原釜足、久慈あさみ、らが出ていた。
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２. ｢昭和流行歌・曲名特集｣ 「戦後に出た“あかつき（暁）”曲」
２回に分けて載せた「戦前篇」に較べると「戦後」の「あかつき（暁）」曲はぐっと曲数が減ってしまい、（Ｓ21〜Ｓ56年）の間に僅か９曲しかなかった。
「あかつきの歌・岡本敦郎」（門田ゆたか詩･米山正夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ 30年
「あかつきのうた・椿 洋子」（横井 弘詩･斉藤一郎曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ40/1月
「あかつきの歌・若山 彰」（−詩･−曲）ｸﾗｳﾝ Ｓ43/8月
「暁の空中戦・嵯峨たかよし」（−詩･−曲）ﾊｰﾍﾞｽﾄ Ｓ47/8月
「名前は暁子・平 浩二」（千家和也詩･葵まさひこ曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ48/6月
♪「泣いて暮らすと噂に聞いた 逢いに行けぬと心で詫びた･･･････」
「暁に駆ける・牧 美智子」（千家和也詩･菊池俊輔曲）CBS Ｓ51/8月
♪「振りかえらない昨日には 悲しみなんか忘れたい･･･････」
「暁け方そだち・寺田新子」（ちあき哲也詩･杉本真人曲）CBS Ｓ54/7月
「暁に帰る・大久保一久」（喜多條 忠詩･大久保一久曲）ｵﾌﾟﾘｰﾄ Ｓ54/9月
「暁の終列車・甲斐バンド」（詩･曲とも甲斐よしひろ）ｴｷｽﾌﾟﾚｽ Ｓ56/4月
♪「心傷つき疲れ果てた 人が降りるという停車場で･･･････」
以上の曲を振り返ると、私のような老人には馴染のないない曲ばかりのようだ。
それに、前回載せた戦時下の「あかつき（暁）」曲の、曲数の多さと内容の激しさに圧倒されたためか、今回の「戦後篇」をみると･････戦争という嵐が過ぎた後の静けさのようなものを、私は感じている。
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３ .まとめ
「あけぼの（曙）「しののめ（東雲）」からはじまり「あかつき（暁）」までの「夜明け」の三部作も、どうやらこれにて終りにこぎつける事が出来た。
あと「れいめい（黎明）」が残っているが、「夜明け」ｼﾘｰｽﾞの歌はもう沢山といった気分なので、
せめて昭和の時代に、どれだけ「れいめい（黎明）」曲があったのか･･･････年代別表だけでも、載せておくことにしたい。
曲名に付いた→ 「れいめい（黎明）」
戦前期 １７曲
戦後 ２０年代 ０曲
〃 ３０年代 ０曲
〃 ４０年代 １曲
50〜56年 ０曲
戦前期の１７曲のうち１５曲は、昭和12年以降の戦時下に出ているので、どうやら「あかつき（暁）」曲と同じように国策調の強い「お固い歌」が多いようだ。
お固い歌詞の一例として、昭和１4年１月６日にＮＨＫから放送された「国民歌謡」を選んでみた。
「昭和の黎明・−」（北原白秋詩･山田耕筰曲）
♪「東雲来たれり凛たる東雲 げにげに日の御子 光り立せり 万歳万歳万歳」
昭和８年12月23日にお誕生になられた、今の天皇さまを祝う内容のようなので、若しかしたらお誕生当時に作られた歌を、５年後に国民歌謡として放送したのかも知れない。
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次回の.｢昭和流行歌・曲名特集｣は、気分転換のためのコーヒーブレーク・タイムにして、ズバリ「コーヒー」の歌を纏めてみることにしたい。
本題の映画主題歌は「昭和３３年（その１１）」として、ビクター篇（３）を予定している。
（つづく）
今回にも「西銀座駅前」や「第三号倉庫」といった歌謡映画が入っている。
日本の映画界で、ﾋｯﾄ歌謡曲に頼るような構図が目立ってきたことは、やがて昭和３５年以降にやってくる邦画自体の衰退の前兆のような気がしないでもない。
他に｢昭和流行歌・曲名特集｣は、「あかつき（暁）」曲ｼﾘｰｽﾞの最終回になる「戦後篇」を纏めてみた。
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★「洋画：さまよう青春」（監督；ﾊﾙ・ｶﾝﾀｰ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作 カラー版
主題歌「小熊のテデー・ﾐｯｷｰ･ｶｰﾁｽ」（川路美樹詩･外来曲） 33/2月
（歌詞不詳）
ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰが唄った「Teddy Bear」の邦訳詩盤を、ロカビリー三人男の一人、ﾐｯｷｰ･ｶｰﾁｽが出している。
映画のほうも、ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰが主演していた。
「孤児院で育ったディーク（ｴﾙｳﾞｨｽ・ﾌﾟﾚｽﾘｰ）はビール配達をしながらバンドメンバーに加わっていたが、バンド仲間のグレンダ（ﾘｻﾞﾍﾞｽ・ｽｺｯﾄ）は、ディークが女性に人気があることに関心を持っていた･･･････」
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☆「日活：西銀座駅前」（監督; 今村昌平） 33/7月封切 現代劇 白黒版
主題歌「西銀座駅前・フランク永井」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/4月
○歌いだし「ＡＢＣＤＸＹＺ これが俺らの口ぐせさ 今夜も刺激が欲しくって･･････」
二ヶ月ほど前に、このﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３２年（その１９）」の中で、この地下鉄「西銀座駅」のことに触れていた。
「東京の地下鉄に現在は「西銀座」の駅名はない。かつての「西銀座」駅は今では地下鉄「銀座駅」の構内が拡張されて、丸の内線ホームになっている」
つまり昭和３2年に開業した当時の丸の内線の「西銀座駅」は、有楽町寄りの「数寄屋橋」付近にあって、戦前から走っていた銀座線の「銀座駅」とは別々であった。
当時この両駅の間は、改札口を出てから長い地下通路でむすばれていた。
それが今は「銀座駅」として構内乗換通路で結ばれており、懐かしい「西銀座駅」の名は消えてしまったことになる。
「西銀座駅前にあるさざなみ薬局の気の弱い主人・大山重太郎（柳沢真一）は、いつも理子夫人（山岡久乃）の尻に敷かれている。その彼がどうせ不成功に終わると判る浮気をして、予想通りに失敗した上に、騒動がまきおこることになる････････」
他に、山根恵子、ﾌﾗﾝｸ永井、堀 恭子、西村 晃、初井言栄、小沢昭一らが出ていた。
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☆「日活：第三号倉庫」（監督; 小林桂三郎） 33/10月封切 現代劇 白黒版
主題歌「第三号倉庫・朝倉ユリ」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲） 33/4月
○歌いだし「夜霧にまぎれぬけてくる 黒い河岸三号倉庫･･･････」
「長谷 宏（牧 真介）は神戸でﾄﾞﾗﾏｰをやりながら、さすらいの暮らしをしていたが、１年ぶりに横浜に戻ってきた。 彼は恋人の美津（堀 恭子）に、第三号倉庫まですぐ来るように呼び出した。そして駆けつけた美津に一本の写真ﾌﾙｲﾑを手渡すと、またひとりで立ち去っていった･･･････」
他に、香月美奈子、二谷英明、、河野 弘、三原一夫、、朝倉ユリ、らが出ていた。
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★「洋画：さよなら」（監督;ｼﾞｮｼﾞｭｱ・ﾛｰｶﾞﾝ） 1957年 ｱﾒﾘｶ ﾜｰﾅｰﾌﾞﾗｻﾞｰｽﾞ 製作
主題歌「サヨナラ・雪村いづみ」（井田誠一詩･外来曲） 33/4月
（歌詞不詳）
朝鮮戦争時の日本が舞台で、当時はタブー視されていた日本人女性と米国軍人との、悲しい恋の物語になっている。、原作はｼﾞｪｰﾑｽ・ﾐｯﾁｪﾅｰの小説による。
日本人女性役にはﾅﾝｼﾞｰ梅木が演じており、この映画でｱｶﾃﾞﾐｰ賞（助演女優賞）を受けていた。
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☆「東宝：太鼓たたいて笛吹いて」（監督;堀江史朗） 33/5月封 現代劇 カラー版
主題歌「太鼓たたいて・宮城まり子」（岩谷時子詩･吉田 正曲） 33/5月
（歌詞不詳）
B面曲「笛吹いて・宮城まり子」（岩谷時子詩･神津善行曲） 同上
（歌詞不詳）
「ドサ廻りの旅芝居、団九郎（三津田 健）一座の下役・おけい（宮城まり子）は、台所仕事。芝居の端役から文字通り“出囃子の太鼓たたいて笛吹いて”までこなして、大忙しの毎日を送っている。そのおけいは、座頭の息子の団之丞（小泉 博）をひそかに慕っていた････････」
他に、千石規子、三木のり平、有島一郎、藤原釜足、久慈あさみ、らが出ていた。
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２. ｢昭和流行歌・曲名特集｣ 「戦後に出た“あかつき（暁）”曲」
２回に分けて載せた「戦前篇」に較べると「戦後」の「あかつき（暁）」曲はぐっと曲数が減ってしまい、（Ｓ21〜Ｓ56年）の間に僅か９曲しかなかった。
「あかつきの歌・岡本敦郎」（門田ゆたか詩･米山正夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ 30年
「あかつきのうた・椿 洋子」（横井 弘詩･斉藤一郎曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ40/1月
「あかつきの歌・若山 彰」（−詩･−曲）ｸﾗｳﾝ Ｓ43/8月
「暁の空中戦・嵯峨たかよし」（−詩･−曲）ﾊｰﾍﾞｽﾄ Ｓ47/8月
「名前は暁子・平 浩二」（千家和也詩･葵まさひこ曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ48/6月
♪「泣いて暮らすと噂に聞いた 逢いに行けぬと心で詫びた･･･････」
「暁に駆ける・牧 美智子」（千家和也詩･菊池俊輔曲）CBS Ｓ51/8月
♪「振りかえらない昨日には 悲しみなんか忘れたい･･･････」
「暁け方そだち・寺田新子」（ちあき哲也詩･杉本真人曲）CBS Ｓ54/7月
「暁に帰る・大久保一久」（喜多條 忠詩･大久保一久曲）ｵﾌﾟﾘｰﾄ Ｓ54/9月
「暁の終列車・甲斐バンド」（詩･曲とも甲斐よしひろ）ｴｷｽﾌﾟﾚｽ Ｓ56/4月
♪「心傷つき疲れ果てた 人が降りるという停車場で･･･････」
以上の曲を振り返ると、私のような老人には馴染のないない曲ばかりのようだ。
それに、前回載せた戦時下の「あかつき（暁）」曲の、曲数の多さと内容の激しさに圧倒されたためか、今回の「戦後篇」をみると･････戦争という嵐が過ぎた後の静けさのようなものを、私は感じている。
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３ .まとめ
「あけぼの（曙）「しののめ（東雲）」からはじまり「あかつき（暁）」までの「夜明け」の三部作も、どうやらこれにて終りにこぎつける事が出来た。
あと「れいめい（黎明）」が残っているが、「夜明け」ｼﾘｰｽﾞの歌はもう沢山といった気分なので、
せめて昭和の時代に、どれだけ「れいめい（黎明）」曲があったのか･･･････年代別表だけでも、載せておくことにしたい。
曲名に付いた→ 「れいめい（黎明）」
戦前期 １７曲
戦後 ２０年代 ０曲
〃 ３０年代 ０曲
〃 ４０年代 １曲
50〜56年 ０曲
戦前期の１７曲のうち１５曲は、昭和12年以降の戦時下に出ているので、どうやら「あかつき（暁）」曲と同じように国策調の強い「お固い歌」が多いようだ。
お固い歌詞の一例として、昭和１4年１月６日にＮＨＫから放送された「国民歌謡」を選んでみた。
「昭和の黎明・−」（北原白秋詩･山田耕筰曲）
♪「東雲来たれり凛たる東雲 げにげに日の御子 光り立せり 万歳万歳万歳」
昭和８年12月23日にお誕生になられた、今の天皇さまを祝う内容のようなので、若しかしたらお誕生当時に作られた歌を、５年後に国民歌謡として放送したのかも知れない。
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次回の.｢昭和流行歌・曲名特集｣は、気分転換のためのコーヒーブレーク・タイムにして、ズバリ「コーヒー」の歌を纏めてみることにしたい。
本題の映画主題歌は「昭和３３年（その１１）」として、ビクター篇（３）を予定している。
（つづく）
2011年09月23日
昭和３３年（その４）
1. コロムビア篇（４）
今回は昭和３３年４〜５月頃に出た、コロムビアの主題歌を集めてみた。
他に「昭和流行歌・曲名特集」は、「“泥”のついた歌」（前篇）を纏めてみた。
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☆「松竹：花のうず潮」（監督；大庭秀雄）33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「花のうず潮・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（名古屋 宏詩･万城目 正曲） 33/4月
○歌いだし「忘られぬわが初恋の君故に 花咲く朝も月の夜も･････」
B面曲「ふみにじられて・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「乙女心の純情を 胸にいだいて若い日の････････」
「野々宮家では当主が亡き後に、息子の謙作（田村高広）と義理の母静江（宮城千賀子）と義理の妹玲子（岡田茉莉子）が残されていた。玲子の婚約者の槙（佐田啓二）は、野々宮家の女中の三千代（高千穂ひづる）が秘書に騙されて犯されたことを苦にして失踪したことを知り、謙作とともに彼女の行方を探した･･････」
他に、大木 実、小山明子、笠 智衆、青山 宏、桜 むつ子らが出ていた。
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☆「新東宝：女体桟橋」（監督；石井輝男） 33/4月封切 現代劇 白黒版
主題歌「想い出・旗 照夫」（岩谷時子詩･平岡精二曲） 33/5月
○歌いだし「想い出は古いオルゴール 君と会いし日の街のうた･････････」
B面曲「あいつ・旗 照夫」（平岡精二詩･平岡精二曲） 同上
○歌いだし「ゆうべあいつに聞いたけど あれから君はひとりきり･･･････」
「主人公の刑事・吉岡（宇津井 健）が、秘密売春組織に潜入したとき、ボスの情婦ルミ（三原葉子）を見て驚いた。6年前に別れた彼の恋人だったからである。ルミは吉岡と同じ頃組織に入ってきた佐田晴子（筑紫あけみ）の動きに目を光らせていたが、やがて吉岡が秘密組織と対決した際に、ルミは組織側の凶弾に倒れてしまう･･･････」
他に、小倉 繁、浅見比呂志、原 聖二、高松政雄 、国 創典、佐山幸夫、植村謙二郎らが出ていた。
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☆「東映：恋愛自由型」（監督；佐伯 清） 33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「恋愛は自由です・美空ひばり」（西沢 爽詩･小野 満曲） 33/5月
○歌いだし「鳥かご育ちのカナリヤも 軽いキッスを知っている･･･････」
B面曲「愛の星かげ・美空ひばり」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「胸の小箱にいっぱいの 乙女の涙ちりばめた････････」
中野 実の書いた「恋愛百米自由型」を映画化したもの。
「芸者置屋の娘である登紀（美空ひばり）は大学に通っていたが、親しくしていた仙波隆也（高倉 健）の母親から息子と交際しないように言われ憤然とする。そして登紀は芸者の社会的地位を認めさせるために、自ら学生でありながら芸者になって御座敷に出ることになる･･････」
他に、江原真二郎、三条美紀、星 美智子、三浦光子、三島雅夫、沢村貞子、らが出ていた。
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★「洋画；悲しみよこんにちは」（監督；ｵｯﾄｰ･ﾌﾞﾚﾐﾝｼﾞｬｰ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ/ｱﾒﾘｶ 共同制作
「悲しみよこんにちは・旗 照夫」（岩谷時子詩･Gｵｳﾘｯｸ曲） 33/5月
○歌いだし「ひとりめざめる淋しい朝 私はつぶやくのさ ﾎﾞﾝｼﾞｭｰﾙ ﾄﾘｽﾃｽ･･･････」
ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ･ｻｶﾞﾝの同名小説を映画化した作品。
「ｾｼｰﾙ（ｼﾞｰﾝ･ｾﾊﾞｰｸ）は1年前、まだ17歳だった頃の夏を振り返る。彼女がいたのは南仏にある保養地のリビエラ。ｾｼｰﾙは、15年前に妻を失った父親ﾚｲﾓﾝ（ﾃﾞﾋﾞｯﾄ･ﾆｰｳﾞﾝ）とその愛人ｴﾙｻﾞ（ﾐﾚｰﾇ･ﾄﾞﾓﾝｼﾞｮ）と別荘で暮らしていた。そこへｾｼｰﾙの亡くなった母の友人、ｱﾝﾇ（ﾃﾞﾎﾞﾗ･ｶｰ）が訪ねてきた････････」
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☆「東宝；花の慕情」（監督；鈴木英夫） 33/8月封切 現代劇 カラー版
主題歌「花の慕情・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（西条八十詩･上原げんと曲） 33/5月
○歌いだし「花のいのちは短いが 恋の命も短いものよ 泣いたとて泣いたとて･･････」
B面曲「純愛の花・宝田 明」（石本美由起詩･上原げんと曲） 同上
○歌いだし「若い心に咲かせる花は 君に捧げる白い花 街の小雨に打たれても･･････」
吉屋信子の小説「花」を映画化したもの。
「若くして華道の家元を継いだ堂本 梢（司 葉子）には、彼女に惹かれている二人の男性がいた。
一人は華道教室の部屋を貸している花福の店主矢波（千秋 実）、もうひとりは知合いの慎一（宝田 明）だったが、彼女の気持ちは次第に慎一のほうに近寄ってゆく･･･････」
他に、草笛光子、三井美奈、杉村春子、三島 耕、長岡輝子、加藤治子らが出ていた。
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２. 「 昭和流行歌・曲名特集」 「“泥”のついた歌」 （前篇）
「泥くさい」とか「泥まみれ」とか、果ては「泥棒」まで入れると、「泥」のつく曲名の流行歌には、あまり品がよくない感じがしてくるものだ。
それでは昭和の流行歌の中で「泥」のついた曲名は敬遠されてきたのか･･････といえば、必ずしもそうではない。
前回の「どじょう」曲よりも遥かに多い。
曲名についた→ 「 泥 」
昭和戦前期 ６曲 （前篇）
戦後２０年代 ２曲 ↑
〃 ３０年代 ５曲 ↑
〃 ４０年代 １３曲 （後篇、次回に掲載）
昭和50〜56年 １１曲 ↑
合計 ３７曲
これら「泥」のついた曲のうち、今回は「前篇」として昭和のはじめから３０年代まで載せることにして、以後は「後篇」として分けることにした。
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「戦時歌謡一色の戦前期に出た“泥“曲」
戦前に出た「泥」曲をみると、全てが「戦時歌謡」に集中していた。
そしてその殆どは、大陸の戦地で戦っている皇軍兵士の労苦を、「泥」で表現している歌ぱかりだった。
私が少年だった戦時中によく唄い、今でも耳に残っている「父よあなたは強かった」には♪「･････敵の屍とともに寝て 泥水すすり草をかみ･････」とあったり、また「ほんとにほんとにご苦労ね」という歌にも♪「揚柳芽をふくクリークで 泥にまみれた軍服を･･･････」など、支那事変初期の頃の大陸の戦地を描写した歌詞の中に多く見受けられるが、当然同じ流れで「泥」がついた「曲名」が登場することになる。
「涯なき泥濘・小野 巡」（徳土良介詩･能代八郎曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ13/6月
♪「行けども行けども涯てしなく いつまで続くか泥濘（ﾇｶﾙﾐ）よ･･････」
この歌の２番にも♪「昨日も泥濘今日もまた 泥濘膝衝く戦線よ･･･････」とあって、当時見た報道ニュース映画にもよく出てきた、軍馬や砲車とともに泥まみれになって行軍している兵士の姿が浮かんで来る。
「泥濘進軍・岡 晴夫、樋口静雄」（佐藤惣之助詩･上原げんと曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ14/6月
♪「何の漢口広東さえも 千里取持つ特務兵･･････」
「重い泥靴・筑波 高」（坂口 淳詩･三界 稔曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ15/7月
♪「雨に打たれてアカシヤの 花がこぼれる泥濘を 重い泥靴踏みしめて･･････」
この歌の２番に「今日で十日も雨ばかり いつになったら晴れるやら･･････」とあるけれど、晴れている日が続けば黄塵がもうもうと舞い、長雨がつづけば泥まみれということになるから、いずれにしても大変だったに違いない。
「泥靴と共に・東海林太郎」（伊知地 進詩･宇佐不吟曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ15/7月
この曲は、報知新聞懸賞小説の「京漢線突破」よりとったとされている。
「泥濘越えて・塩 まさる」（徳土良介詩･陸奥 明曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ15/6月
「泥まみれの軍歌・小野 巡」（徳土良介詩･能代八郎曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ16/2月
♪「しっかりしなけりゃ駄目だぞと 励まし励ます泥の海･･････」
以上の曲は昭和１３年から同１６年の２月までに出ているので、それ以降日米英が宣戦布告して終戦の年まで戦った３年半の間には「泥」のついた曲名はない。
もうこの最後の３年半の間は「泥まみれ」どころか、生きるか死ぬかの「血みどろ」の戦いになっていたと言えるのだろう。
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「戦後昭和２０年代の“泥“曲」
「泥んこブギ・美空ひばり」（藤浦 洸詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ26/6月
♪「雨の日は雨が 風の日は風が･･･････」
「ヒゲは泥鰌も生えている・宮城まり子」（坂口 淳詩･清水保雄曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ27/10月
（この曲は、前回の「どじょう」曲篇でも載せたので、歌詞は省略したい）
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「昭和３０年代の“泥“曲」
「泥んこ人形の唄・鈴木三重子」（清水みのる詩･久慈ひろし曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ31/2月
♪「泥んこ泥んこ 泥んこ道よ･･･････」
「恋泥棒・島 香太郎」（原 俊雄詩･西脇稔和曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ34/7月
♪「気まぐれな覚えてろい あの娘をだましやがった色男･････」
「泥まみれの男・大橋 実」（松村又一詩･飯田景応曲）東芝 Ｓ38/11月
「泥だらけの純情・吉永小百合」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ38/2月
♪「町を流れる淋しく流れる この泥だらけ汚れた川にも･･･････」
「泥だらけのいのち・山内 賢」（丹野隆二詩･美村 一曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ39/1月
♪「裏ぶれたこの街 俺らの恋人 誰も知らない遠い街･･･････」
昭和４０年以降は、次回に掲載することにしたい。
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３. まとめ
今回の曲名特集では、泥にまみれた歌の数々を載せたが、次回の「後篇」（昭和４０〜５６年）に入ると様相が一転して、なんと「泥」曲２４曲のうち「泥棒」曲が１８曲にも入っているという、意外な内容がうかびあがってきた。
今になって「曲名特集」に「泥」曲を選んだことを後悔したものの、後の祭りになってしまった。
しかし（昭和４０〜５６年）年代に「泥棒｣曲が多いという事実も、昭和の「歌の歴史」のなかの一齣なので、避けては通れないと思い直して、次回に載せることにした。
なお本題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その５）」として コロムビア篇（５）を予定している。
（つづく）
今回は昭和３３年４〜５月頃に出た、コロムビアの主題歌を集めてみた。
他に「昭和流行歌・曲名特集」は、「“泥”のついた歌」（前篇）を纏めてみた。
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☆「松竹：花のうず潮」（監督；大庭秀雄）33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「花のうず潮・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（名古屋 宏詩･万城目 正曲） 33/4月
○歌いだし「忘られぬわが初恋の君故に 花咲く朝も月の夜も･････」
B面曲「ふみにじられて・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「乙女心の純情を 胸にいだいて若い日の････････」
「野々宮家では当主が亡き後に、息子の謙作（田村高広）と義理の母静江（宮城千賀子）と義理の妹玲子（岡田茉莉子）が残されていた。玲子の婚約者の槙（佐田啓二）は、野々宮家の女中の三千代（高千穂ひづる）が秘書に騙されて犯されたことを苦にして失踪したことを知り、謙作とともに彼女の行方を探した･･････」
他に、大木 実、小山明子、笠 智衆、青山 宏、桜 むつ子らが出ていた。
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☆「新東宝：女体桟橋」（監督；石井輝男） 33/4月封切 現代劇 白黒版
主題歌「想い出・旗 照夫」（岩谷時子詩･平岡精二曲） 33/5月
○歌いだし「想い出は古いオルゴール 君と会いし日の街のうた･････････」
B面曲「あいつ・旗 照夫」（平岡精二詩･平岡精二曲） 同上
○歌いだし「ゆうべあいつに聞いたけど あれから君はひとりきり･･･････」
「主人公の刑事・吉岡（宇津井 健）が、秘密売春組織に潜入したとき、ボスの情婦ルミ（三原葉子）を見て驚いた。6年前に別れた彼の恋人だったからである。ルミは吉岡と同じ頃組織に入ってきた佐田晴子（筑紫あけみ）の動きに目を光らせていたが、やがて吉岡が秘密組織と対決した際に、ルミは組織側の凶弾に倒れてしまう･･･････」
他に、小倉 繁、浅見比呂志、原 聖二、高松政雄 、国 創典、佐山幸夫、植村謙二郎らが出ていた。
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☆「東映：恋愛自由型」（監督；佐伯 清） 33/4月封切 現代劇 カラー版
主題歌「恋愛は自由です・美空ひばり」（西沢 爽詩･小野 満曲） 33/5月
○歌いだし「鳥かご育ちのカナリヤも 軽いキッスを知っている･･･････」
B面曲「愛の星かげ・美空ひばり」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「胸の小箱にいっぱいの 乙女の涙ちりばめた････････」
中野 実の書いた「恋愛百米自由型」を映画化したもの。
「芸者置屋の娘である登紀（美空ひばり）は大学に通っていたが、親しくしていた仙波隆也（高倉 健）の母親から息子と交際しないように言われ憤然とする。そして登紀は芸者の社会的地位を認めさせるために、自ら学生でありながら芸者になって御座敷に出ることになる･･････」
他に、江原真二郎、三条美紀、星 美智子、三浦光子、三島雅夫、沢村貞子、らが出ていた。
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★「洋画；悲しみよこんにちは」（監督；ｵｯﾄｰ･ﾌﾞﾚﾐﾝｼﾞｬｰ） 1957年 ｲｷﾞﾘｽ/ｱﾒﾘｶ 共同制作
「悲しみよこんにちは・旗 照夫」（岩谷時子詩･Gｵｳﾘｯｸ曲） 33/5月
○歌いだし「ひとりめざめる淋しい朝 私はつぶやくのさ ﾎﾞﾝｼﾞｭｰﾙ ﾄﾘｽﾃｽ･･･････」
ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ･ｻｶﾞﾝの同名小説を映画化した作品。
「ｾｼｰﾙ（ｼﾞｰﾝ･ｾﾊﾞｰｸ）は1年前、まだ17歳だった頃の夏を振り返る。彼女がいたのは南仏にある保養地のリビエラ。ｾｼｰﾙは、15年前に妻を失った父親ﾚｲﾓﾝ（ﾃﾞﾋﾞｯﾄ･ﾆｰｳﾞﾝ）とその愛人ｴﾙｻﾞ（ﾐﾚｰﾇ･ﾄﾞﾓﾝｼﾞｮ）と別荘で暮らしていた。そこへｾｼｰﾙの亡くなった母の友人、ｱﾝﾇ（ﾃﾞﾎﾞﾗ･ｶｰ）が訪ねてきた････････」
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☆「東宝；花の慕情」（監督；鈴木英夫） 33/8月封切 現代劇 カラー版
主題歌「花の慕情・ｺﾛﾑﾋﾞｱﾛｰｽﾞ」（西条八十詩･上原げんと曲） 33/5月
○歌いだし「花のいのちは短いが 恋の命も短いものよ 泣いたとて泣いたとて･･････」
B面曲「純愛の花・宝田 明」（石本美由起詩･上原げんと曲） 同上
○歌いだし「若い心に咲かせる花は 君に捧げる白い花 街の小雨に打たれても･･････」
吉屋信子の小説「花」を映画化したもの。
「若くして華道の家元を継いだ堂本 梢（司 葉子）には、彼女に惹かれている二人の男性がいた。
一人は華道教室の部屋を貸している花福の店主矢波（千秋 実）、もうひとりは知合いの慎一（宝田 明）だったが、彼女の気持ちは次第に慎一のほうに近寄ってゆく･･･････」
他に、草笛光子、三井美奈、杉村春子、三島 耕、長岡輝子、加藤治子らが出ていた。
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２. 「 昭和流行歌・曲名特集」 「“泥”のついた歌」 （前篇）
「泥くさい」とか「泥まみれ」とか、果ては「泥棒」まで入れると、「泥」のつく曲名の流行歌には、あまり品がよくない感じがしてくるものだ。
それでは昭和の流行歌の中で「泥」のついた曲名は敬遠されてきたのか･･････といえば、必ずしもそうではない。
前回の「どじょう」曲よりも遥かに多い。
曲名についた→ 「 泥 」
昭和戦前期 ６曲 （前篇）
戦後２０年代 ２曲 ↑
〃 ３０年代 ５曲 ↑
〃 ４０年代 １３曲 （後篇、次回に掲載）
昭和50〜56年 １１曲 ↑
合計 ３７曲
これら「泥」のついた曲のうち、今回は「前篇」として昭和のはじめから３０年代まで載せることにして、以後は「後篇」として分けることにした。
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「戦時歌謡一色の戦前期に出た“泥“曲」
戦前に出た「泥」曲をみると、全てが「戦時歌謡」に集中していた。
そしてその殆どは、大陸の戦地で戦っている皇軍兵士の労苦を、「泥」で表現している歌ぱかりだった。
私が少年だった戦時中によく唄い、今でも耳に残っている「父よあなたは強かった」には♪「･････敵の屍とともに寝て 泥水すすり草をかみ･････」とあったり、また「ほんとにほんとにご苦労ね」という歌にも♪「揚柳芽をふくクリークで 泥にまみれた軍服を･･･････」など、支那事変初期の頃の大陸の戦地を描写した歌詞の中に多く見受けられるが、当然同じ流れで「泥」がついた「曲名」が登場することになる。
「涯なき泥濘・小野 巡」（徳土良介詩･能代八郎曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ13/6月
♪「行けども行けども涯てしなく いつまで続くか泥濘（ﾇｶﾙﾐ）よ･･････」
この歌の２番にも♪「昨日も泥濘今日もまた 泥濘膝衝く戦線よ･･･････」とあって、当時見た報道ニュース映画にもよく出てきた、軍馬や砲車とともに泥まみれになって行軍している兵士の姿が浮かんで来る。
「泥濘進軍・岡 晴夫、樋口静雄」（佐藤惣之助詩･上原げんと曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ14/6月
♪「何の漢口広東さえも 千里取持つ特務兵･･････」
「重い泥靴・筑波 高」（坂口 淳詩･三界 稔曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ15/7月
♪「雨に打たれてアカシヤの 花がこぼれる泥濘を 重い泥靴踏みしめて･･････」
この歌の２番に「今日で十日も雨ばかり いつになったら晴れるやら･･････」とあるけれど、晴れている日が続けば黄塵がもうもうと舞い、長雨がつづけば泥まみれということになるから、いずれにしても大変だったに違いない。
「泥靴と共に・東海林太郎」（伊知地 進詩･宇佐不吟曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ15/7月
この曲は、報知新聞懸賞小説の「京漢線突破」よりとったとされている。
「泥濘越えて・塩 まさる」（徳土良介詩･陸奥 明曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ15/6月
「泥まみれの軍歌・小野 巡」（徳土良介詩･能代八郎曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ16/2月
♪「しっかりしなけりゃ駄目だぞと 励まし励ます泥の海･･････」
以上の曲は昭和１３年から同１６年の２月までに出ているので、それ以降日米英が宣戦布告して終戦の年まで戦った３年半の間には「泥」のついた曲名はない。
もうこの最後の３年半の間は「泥まみれ」どころか、生きるか死ぬかの「血みどろ」の戦いになっていたと言えるのだろう。
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「戦後昭和２０年代の“泥“曲」
「泥んこブギ・美空ひばり」（藤浦 洸詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ26/6月
♪「雨の日は雨が 風の日は風が･･･････」
「ヒゲは泥鰌も生えている・宮城まり子」（坂口 淳詩･清水保雄曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ27/10月
（この曲は、前回の「どじょう」曲篇でも載せたので、歌詞は省略したい）
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「昭和３０年代の“泥“曲」
「泥んこ人形の唄・鈴木三重子」（清水みのる詩･久慈ひろし曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ31/2月
♪「泥んこ泥んこ 泥んこ道よ･･･････」
「恋泥棒・島 香太郎」（原 俊雄詩･西脇稔和曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ34/7月
♪「気まぐれな覚えてろい あの娘をだましやがった色男･････」
「泥まみれの男・大橋 実」（松村又一詩･飯田景応曲）東芝 Ｓ38/11月
「泥だらけの純情・吉永小百合」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ38/2月
♪「町を流れる淋しく流れる この泥だらけ汚れた川にも･･･････」
「泥だらけのいのち・山内 賢」（丹野隆二詩･美村 一曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ39/1月
♪「裏ぶれたこの街 俺らの恋人 誰も知らない遠い街･･･････」
昭和４０年以降は、次回に掲載することにしたい。
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３. まとめ
今回の曲名特集では、泥にまみれた歌の数々を載せたが、次回の「後篇」（昭和４０〜５６年）に入ると様相が一転して、なんと「泥」曲２４曲のうち「泥棒」曲が１８曲にも入っているという、意外な内容がうかびあがってきた。
今になって「曲名特集」に「泥」曲を選んだことを後悔したものの、後の祭りになってしまった。
しかし（昭和４０〜５６年）年代に「泥棒｣曲が多いという事実も、昭和の「歌の歴史」のなかの一齣なので、避けては通れないと思い直して、次回に載せることにした。
なお本題の映画主題歌の次回は、「昭和３３年（その５）」として コロムビア篇（５）を予定している。
（つづく）
2011年07月15日
昭和３２年（その１４）
キング篇（３）
今回もキング主題歌は邦画２本、洋画３本となっており、洋画主題歌の優勢がつづいている。
ほかに.「 昭和流行歌・曲名特集」として「戦後の“花嫁”曲」（その２；昭和３０年代）を纏めてみた。
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★「洋画：追想」（監督；ｱﾅﾄｰﾙ･ﾘﾄｳﾞｧｸ） ｱﾒﾘｶ 1956年 20世紀FOX製作
主題歌「アナスタシア・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詩･Ａﾆｭｰﾏﾝ曲） 32/7月
○歌いだし「アナスタシア 見も知らぬ星から来た人が･･･････」
gooの映画解説によると「ロシア革命の犠牲から奇跡的に逃れ今も生存を伝えられるロマノフ王朝の皇女アナスタシアに絡まる恋と陰謀を描いた話題作」だとある。
問題の皇女「アナスタシア」にはｲﾝｸﾞﾘｯﾄ・ﾊﾞｰｸﾏﾝが扮しており、彼女はこの作品でｱｶﾃﾞﾐｰ賞（主演女優賞）を受けていた。
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☆「東映：青い海原」（監督；小林恒夫） 32/7月封切 現代劇 カラー版
主題歌「青い海原・春日八郎」（藤間哲郎詩･吉田矢健治曲） 32/8月
○歌いだし「生まれ落ちての船乗りならば 船は俺らにゃ生命と同じ･･･････」
B面曲「嘆きなさんなマドロスさん・春日八郎」（東条壽三郎詩･吉田矢健治曲） 同上
○歌いだし「ゆれるデッキに身を投げかけて 浮気かもめがなぜなぜ泣けた･･･････」
ｷﾝｸﾞの春日八郎とｺﾛﾑﾋﾞｱの美空ひばりが、この映画の主題歌で競作になっていた。
そのため映画の内容は、既に「昭和３２年（その７）」コロムビア篇（7）に載せてあるので省略したい
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★「洋画；島の女」（監督；ｼﾞｰﾝ･ﾈｸﾞﾚｽｺ） ｱﾒﾘｶ 二十世紀FOX 1957年製作
主題歌「島の女＊・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詩･ﾓﾗｽｷー/他曲） 32/8月
○歌いだし「海のそこにいくとせ眠る姿 いるかの背なにまたがり･････」
＊（ｲﾙｶに乗った少年）の副題と歌詞は、DJ AJIさんから教えていただきました。
この映画主題歌も、既にコロムビア篇では「旗 照夫」、ビクター篇では「浜村美智子」で紹介されており、今回で3度目になるので映画の内容は、本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３２年（その５）」 のコロムビア篇（５）を参照されたい。
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☆「東映：坊ちゃん大学」（監督；斉藤寅次郎） 32/9月封切 現代劇 白黒版
主題歌「若い翼だ・若原一郎」（横井 弘詩･飯田三郎曲） 32/9月
○歌いだし「燃える心に生まれた夢は 若い翼だ飛べ飛べ空へ･･･････」
B面曲「夢の日よさよなら・音羽美子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「そよ風にポプラポプラに 優しく囁く愛の言葉･･･････」
映画の原作は「淀橋太郎」になっている。
「ｸﾘｰﾆﾝｸﾟ店の二階に間借りしている桂木健太郎（佐原広二）と野茂三平（堺 駿二）は、ともに城北大学に通う大学生。ある日三平は迷子になった男の子・照夫を連れてきて世話をした。そこへ照夫を捜していた母親の文江（三条美紀）が訪ねて来た････････」
ほかに、高木二朗、月村圭子、若原一郎、杉 狂児、音羽美子らが出ていた。
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★「洋画：恋多き女」（監督；ｼﾞｬﾝ・ﾙﾉﾜｰﾙ） ﾌﾗﾝｽ 1956年製作 カラー版
主題歌「かわいいインデアン・中原美紗緒」（音羽たかし詩･M ﾎﾟﾝ曲） 32//10月
○歌いだし「鼻唄うたいカヌーあやつるは 小粋なかわいいインデアン･･･････」
B面曲「ミアルカ・中原美紗緒」（音羽たかし詩･J ｺｽﾏ曲） 同上
○歌いだし「夜よ わたしの髪に まつわりつく夜に･･･････」
「ﾎﾟｰﾗﾝﾄﾞの公爵夫人・ｴﾚﾅ（ｲﾆｸﾟﾘｯﾄﾞ･ﾊﾞｰｸﾏﾝ）は、祖国がロシヤ軍により侵攻されたため、ﾊﾟﾘに亡命してきた。そして彼女は作曲家ﾘｵﾈﾙ、実業家ﾏﾙﾀﾝ、そしてｼｭｳﾞｧﾝｸｰﾙ伯爵（ﾒﾙ･ﾌｩｪﾗｰ）ら男性たちの間を渡り歩いて、次々と交際を深めていった･･･････」
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２．. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 （その２；昭和３０年代）
昭和３０年代の「花嫁」曲の中では、昭和３５年にﾋｯﾄしたこの曲がよく知られている。
「潮来花嫁さん・花村菊江」（柴田よしかず詩･水時富二男曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ35/4月
♪「潮来花嫁さんは 潮来花嫁さんは舟でゆく･････」
この「潮来花嫁さん」が流行ったせいだけではないだろうが、とにかく昭和３０年代には「花嫁」のついた曲が大変多い。
数えてみると全部で５２曲にもあり、前回（昭和２０年代）の１５曲と較べても、３倍以上も多いという数になっていた。
そこでこの中から１０曲程度だけ選んで載せることにしたいと考えた。 曲数を絞る手立てとして、以前にも使ったことのある文字数の多い「長い曲名」から選ぶことにした。
今回は最も長い「１０文字曲名」と次に長い「８文字曲名」だけを載せてみることにした。 （註；「９文字曲名」は無かった ）
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「１０文字曲名」 3曲
「花嫁さんはロバで行く・関 真紀子」（丘 灯至夫詩･古関裕而曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S 33/ 3月
♪「カンナの花咲く峠を ロバにゆられて･･････」
「ソーラン峠の花嫁さん・丘 ひろみ」（門井八郎詩･上原賢六曲）ﾃｲﾁｸ S 34/ 7月
♪「待っていたのに津軽の海を 越えて帰って来ぬ人に･･････」
「花嫁さんが馬車で来る・松田ひろ子」（池田充男詩･上村張夫曲）ﾃｲﾁｸ S 39/ 6月
--------------------------------
「８文字曲名」 6曲
「花嫁はどこにいる・佐田啓二、中村メイコ」（飯沢 匡詩･服部良一曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱS30/ 9月
♪「たとえ頭に靴をのせ 耳から煙草を吸ったとて････」
「王さんの花嫁さん・久寿川映子」（牧 喜代司詩･岩本秀雄曲）ﾏｰｷｭﾘｰ S 31年
♪「たのしい春があの丘越えて わたしの胸に･･････」
「シャンシャン花嫁・斉藤京子」（藤間哲郎詩･中野忠晴曲）ｷﾝｸﾞ S 32/ 1月
♪「春はシャンシャン鈴の音を のせてお山の花三里･･･････」
「コタンの花嫁さん・野村雪子」（吉川静夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ S 32/ 9月
♪「花の阿寒湖マリモの夢を のせて流れる丸木舟･･････」
「南の島の花嫁さん・ﾋﾞｸﾀｰﾜﾝﾜﾝｺｰﾗｽ」（井田誠一詩･外来曲）ﾋﾞｸﾀｰ S 35/ 1月
「南の島の花嫁さん・こまどり姉妹」（石本美由起詩･遠藤 実曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S 38/ 10月
♪「南の島の花嫁さんは 綺麗に咲いたハイビスカス･･･････」
----------------------------
以上で戦前期２回、戦後期２回と続いた、昭和時代中期までの「花嫁」曲特集は終りとしたい。
この「花嫁」曲ｼﾘｰｽﾞを振り返ってみると、やはり国策に振り回された戦時下篇の「花嫁」曲の異常さが、最も胸に焼きついた。
それから昭和の初めから同３０年代末までの４０年間に、「花嫁」曲が合計１１６曲あったのに較べて、「花婿」曲がたった２曲しかなかったことが、男性側にとってはなんとも侘しい思いをさせる結果になってしまった。
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３．まとめ
今回の「花嫁」曲ｼﾘｰｽﾞで、カットしてしまった昭和４０年代から５０年代半ばまでの間には、「花嫁」曲がどれくらいあったのだろうか･･････と思い調べてみると
「昭和４０年代」 ３４曲 「昭和50〜56年」 １８曲 という数字が出た。
これにより年代別では、５２曲もあった「昭和３０年代」がダントツに多い事になり、以後の年代は徐々に下降線を辿っていることも判ってきた。
---------------------
さて次回の.「 昭和流行歌・曲名特集」のテーマは、まだ決まっていない。
今年は例年になく早い梅雨明けのあと連日猛暑が続いており、私の老いた頭脳は茹だってしまったのか･････すっかり思考力、発想力が麻痺してしまったようだ。
まさに「節電」のｽﾛｰｶﾞﾝと「熱中症」に罹る恐怖との「はざま」に身を置いて、右往左往している高齢者の私にとっては、なんとかこの夏を無事に乗り切れるかどうかの方が、目下の最大関心事になっている。
それでもなんとか次回の投稿までには、新しい「テーマ」を探したいものだと頭をひねっているけれど、この猛暑続きではどうなることやら心細い。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３２年（その１５）」としてキング篇の最終回を予定している。
（つづく）
今回もキング主題歌は邦画２本、洋画３本となっており、洋画主題歌の優勢がつづいている。
ほかに.「 昭和流行歌・曲名特集」として「戦後の“花嫁”曲」（その２；昭和３０年代）を纏めてみた。
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★「洋画：追想」（監督；ｱﾅﾄｰﾙ･ﾘﾄｳﾞｧｸ） ｱﾒﾘｶ 1956年 20世紀FOX製作
主題歌「アナスタシア・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詩･Ａﾆｭｰﾏﾝ曲） 32/7月
○歌いだし「アナスタシア 見も知らぬ星から来た人が･･･････」
gooの映画解説によると「ロシア革命の犠牲から奇跡的に逃れ今も生存を伝えられるロマノフ王朝の皇女アナスタシアに絡まる恋と陰謀を描いた話題作」だとある。
問題の皇女「アナスタシア」にはｲﾝｸﾞﾘｯﾄ・ﾊﾞｰｸﾏﾝが扮しており、彼女はこの作品でｱｶﾃﾞﾐｰ賞（主演女優賞）を受けていた。
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☆「東映：青い海原」（監督；小林恒夫） 32/7月封切 現代劇 カラー版
主題歌「青い海原・春日八郎」（藤間哲郎詩･吉田矢健治曲） 32/8月
○歌いだし「生まれ落ちての船乗りならば 船は俺らにゃ生命と同じ･･･････」
B面曲「嘆きなさんなマドロスさん・春日八郎」（東条壽三郎詩･吉田矢健治曲） 同上
○歌いだし「ゆれるデッキに身を投げかけて 浮気かもめがなぜなぜ泣けた･･･････」
ｷﾝｸﾞの春日八郎とｺﾛﾑﾋﾞｱの美空ひばりが、この映画の主題歌で競作になっていた。
そのため映画の内容は、既に「昭和３２年（その７）」コロムビア篇（7）に載せてあるので省略したい
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★「洋画；島の女」（監督；ｼﾞｰﾝ･ﾈｸﾞﾚｽｺ） ｱﾒﾘｶ 二十世紀FOX 1957年製作
主題歌「島の女＊・ﾍﾟｷﾞｰ葉山」（音羽たかし詩･ﾓﾗｽｷー/他曲） 32/8月
○歌いだし「海のそこにいくとせ眠る姿 いるかの背なにまたがり･････」
＊（ｲﾙｶに乗った少年）の副題と歌詞は、DJ AJIさんから教えていただきました。
この映画主題歌も、既にコロムビア篇では「旗 照夫」、ビクター篇では「浜村美智子」で紹介されており、今回で3度目になるので映画の内容は、本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３２年（その５）」 のコロムビア篇（５）を参照されたい。
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☆「東映：坊ちゃん大学」（監督；斉藤寅次郎） 32/9月封切 現代劇 白黒版
主題歌「若い翼だ・若原一郎」（横井 弘詩･飯田三郎曲） 32/9月
○歌いだし「燃える心に生まれた夢は 若い翼だ飛べ飛べ空へ･･･････」
B面曲「夢の日よさよなら・音羽美子」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「そよ風にポプラポプラに 優しく囁く愛の言葉･･･････」
映画の原作は「淀橋太郎」になっている。
「ｸﾘｰﾆﾝｸﾟ店の二階に間借りしている桂木健太郎（佐原広二）と野茂三平（堺 駿二）は、ともに城北大学に通う大学生。ある日三平は迷子になった男の子・照夫を連れてきて世話をした。そこへ照夫を捜していた母親の文江（三条美紀）が訪ねて来た････････」
ほかに、高木二朗、月村圭子、若原一郎、杉 狂児、音羽美子らが出ていた。
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★「洋画：恋多き女」（監督；ｼﾞｬﾝ・ﾙﾉﾜｰﾙ） ﾌﾗﾝｽ 1956年製作 カラー版
主題歌「かわいいインデアン・中原美紗緒」（音羽たかし詩･M ﾎﾟﾝ曲） 32//10月
○歌いだし「鼻唄うたいカヌーあやつるは 小粋なかわいいインデアン･･･････」
B面曲「ミアルカ・中原美紗緒」（音羽たかし詩･J ｺｽﾏ曲） 同上
○歌いだし「夜よ わたしの髪に まつわりつく夜に･･･････」
「ﾎﾟｰﾗﾝﾄﾞの公爵夫人・ｴﾚﾅ（ｲﾆｸﾟﾘｯﾄﾞ･ﾊﾞｰｸﾏﾝ）は、祖国がロシヤ軍により侵攻されたため、ﾊﾟﾘに亡命してきた。そして彼女は作曲家ﾘｵﾈﾙ、実業家ﾏﾙﾀﾝ、そしてｼｭｳﾞｧﾝｸｰﾙ伯爵（ﾒﾙ･ﾌｩｪﾗｰ）ら男性たちの間を渡り歩いて、次々と交際を深めていった･･･････」
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２．. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 （その２；昭和３０年代）
昭和３０年代の「花嫁」曲の中では、昭和３５年にﾋｯﾄしたこの曲がよく知られている。
「潮来花嫁さん・花村菊江」（柴田よしかず詩･水時富二男曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ35/4月
♪「潮来花嫁さんは 潮来花嫁さんは舟でゆく･････」
この「潮来花嫁さん」が流行ったせいだけではないだろうが、とにかく昭和３０年代には「花嫁」のついた曲が大変多い。
数えてみると全部で５２曲にもあり、前回（昭和２０年代）の１５曲と較べても、３倍以上も多いという数になっていた。
そこでこの中から１０曲程度だけ選んで載せることにしたいと考えた。 曲数を絞る手立てとして、以前にも使ったことのある文字数の多い「長い曲名」から選ぶことにした。
今回は最も長い「１０文字曲名」と次に長い「８文字曲名」だけを載せてみることにした。 （註；「９文字曲名」は無かった ）
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「１０文字曲名」 3曲
「花嫁さんはロバで行く・関 真紀子」（丘 灯至夫詩･古関裕而曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S 33/ 3月
♪「カンナの花咲く峠を ロバにゆられて･･････」
「ソーラン峠の花嫁さん・丘 ひろみ」（門井八郎詩･上原賢六曲）ﾃｲﾁｸ S 34/ 7月
♪「待っていたのに津軽の海を 越えて帰って来ぬ人に･･････」
「花嫁さんが馬車で来る・松田ひろ子」（池田充男詩･上村張夫曲）ﾃｲﾁｸ S 39/ 6月
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「８文字曲名」 6曲
「花嫁はどこにいる・佐田啓二、中村メイコ」（飯沢 匡詩･服部良一曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱS30/ 9月
♪「たとえ頭に靴をのせ 耳から煙草を吸ったとて････」
「王さんの花嫁さん・久寿川映子」（牧 喜代司詩･岩本秀雄曲）ﾏｰｷｭﾘｰ S 31年
♪「たのしい春があの丘越えて わたしの胸に･･････」
「シャンシャン花嫁・斉藤京子」（藤間哲郎詩･中野忠晴曲）ｷﾝｸﾞ S 32/ 1月
♪「春はシャンシャン鈴の音を のせてお山の花三里･･･････」
「コタンの花嫁さん・野村雪子」（吉川静夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ S 32/ 9月
♪「花の阿寒湖マリモの夢を のせて流れる丸木舟･･････」
「南の島の花嫁さん・ﾋﾞｸﾀｰﾜﾝﾜﾝｺｰﾗｽ」（井田誠一詩･外来曲）ﾋﾞｸﾀｰ S 35/ 1月
「南の島の花嫁さん・こまどり姉妹」（石本美由起詩･遠藤 実曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S 38/ 10月
♪「南の島の花嫁さんは 綺麗に咲いたハイビスカス･･･････」
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以上で戦前期２回、戦後期２回と続いた、昭和時代中期までの「花嫁」曲特集は終りとしたい。
この「花嫁」曲ｼﾘｰｽﾞを振り返ってみると、やはり国策に振り回された戦時下篇の「花嫁」曲の異常さが、最も胸に焼きついた。
それから昭和の初めから同３０年代末までの４０年間に、「花嫁」曲が合計１１６曲あったのに較べて、「花婿」曲がたった２曲しかなかったことが、男性側にとってはなんとも侘しい思いをさせる結果になってしまった。
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３．まとめ
今回の「花嫁」曲ｼﾘｰｽﾞで、カットしてしまった昭和４０年代から５０年代半ばまでの間には、「花嫁」曲がどれくらいあったのだろうか･･････と思い調べてみると
「昭和４０年代」 ３４曲 「昭和50〜56年」 １８曲 という数字が出た。
これにより年代別では、５２曲もあった「昭和３０年代」がダントツに多い事になり、以後の年代は徐々に下降線を辿っていることも判ってきた。
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さて次回の.「 昭和流行歌・曲名特集」のテーマは、まだ決まっていない。
今年は例年になく早い梅雨明けのあと連日猛暑が続いており、私の老いた頭脳は茹だってしまったのか･････すっかり思考力、発想力が麻痺してしまったようだ。
まさに「節電」のｽﾛｰｶﾞﾝと「熱中症」に罹る恐怖との「はざま」に身を置いて、右往左往している高齢者の私にとっては、なんとかこの夏を無事に乗り切れるかどうかの方が、目下の最大関心事になっている。
それでもなんとか次回の投稿までには、新しい「テーマ」を探したいものだと頭をひねっているけれど、この猛暑続きではどうなることやら心細い。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３２年（その１５）」としてキング篇の最終回を予定している。
（つづく）
2011年07月08日
昭和３２年（その１３）
キング篇（２）
前回の冒頭でキング篇は洋画の主題歌が多いと書いたが、今回も邦画２本に対して洋画３本の組み合わせとなって、洋画主題歌のほうが多かった。
昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 は（その１；昭和２０年代）を纏めてみた。
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★「洋画：首輪のない犬」（監督；ｼﾞｬﾝ・ﾄﾞﾗﾉﾜ） ﾌﾗﾝｽ 1955年製作
主題歌「首輪のない犬・中原美紗緒」（音羽たかし詩･Pﾐｽﾗｷｰ曲） 32/2月
○歌いだし「あの娘をごらん 町から町へと･････」
gooの映画解説によると「“首輪のない犬”とは、親許から離れた寄るべなき子供達のこと。この浮浪児問題に深い関心を持つ新進作家ジルベール・セブロンの小説を映画化した作品」とあった。
「非行に走りがちな不幸な子供たちに、いつも温かい心で接してきたのが、少年刑事事件担当のﾗﾐｲ判事（ｼﾞｬﾝ･ｷﾞｬﾊﾞﾝ）だったが、しかし子供達はそうしたﾗﾐｲ判事の想いを誤解して、この判事を目の仇にしていた･･････」
--------------------------------------------------------------
★「洋画：フルフル」（監督；ｱｳｸﾞｽﾄ･ｼﾞｪﾆｰﾅ） 1955年 ﾌﾗﾝｽ
主題歌「ライライニコラ・中原美紗緒」（音羽たかし詩･Pﾙｲｰｷﾞ曲） 32/2月
○歌いだし「馬が四匹ウラルから 白い四人の騎士のせて･････」
この映画は既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３１年（その５）」コロムビア篇（5）に載っているので省略したい。
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☆「日活：女豹とならず者」（監督；野口博志） 32/4月封切 現代劇 白黒版
主題歌「俺は山の男さ・春日八郎」（矢野 亮詩･鎌多俊与曲） 32/4月
○歌いだし「山に呼ばれて帰ってきたが ともる飯場の灯よなぜ暗い･････」
B面曲「飯場の娘・西村つた江」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「燃ゆる夕陽がお山に沈みゃ 谷にわくわく白い霧････････」
飯野 明の原作によるアクションドラマ。
「ならず者の鉄（水島道太郎）は刑期を終えて、再び古巣の飯場に戻ってきた。しかし若社長・克太郎（葉山良二）とは意見が合わず、いらいらした彼は女豹のようなお美津（左 幸子）に言い寄ったがはねつけられた。その彼を飲み屋のお春（広岡三栄子）は意見して、若社長を補佐するように薦める･･････」
他に河野秋武、小林重四郎、瀬川路三郎、高品 格、宮原徳平らが出ていた。
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★「洋画：幸福への招待」（監督；ｱﾝﾘ･ｳﾞｪﾙﾇｲ） ﾌﾗﾝｽ 1956年製作 ｶﾗｰ版
主題歌「さよならのワルツ・高 英男」（中原淳一詩･Fﾃﾞｭﾗﾝﾄﾞ曲） 32/4月
○歌いだし「また逢いましょう あまい恋のためいき･････････」
「パリを舞台にする愛の物語。クリスマス・イヴの前日のこと。高級ホテルの美容室で働く貧しいﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ（ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ･ｱﾙﾇｰﾙ）にとっては、素敵なクリスマスなどは無縁だった。その彼女が仕事を終えて雨の中帰宅していると、ハンサムな青年・ｼﾞｪﾗｰﾙ（ﾛﾍﾞﾙﾄ･ﾘｯｿ）から高級車で送ってやると呼び止められた。その時ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞは彼に、私はこのホテルに宿泊している富豪の娘だと嘘をついてしまった････････」
--------------------------------------------------------------
☆「松竹：折鶴三度笠」（監督；福田晴一） 32/5月封切 時代劇 白黒版
主題歌「折鶴三度笠・三橋美智也」（高橋掬太郎詩･三橋美智也曲） 32/5月
○歌いだし「利根の川風素肌に吹かせ どこへ行かんす旅人さんよ･･････」
B面曲「利根の夕焼け・三橋美智也」（高橋掬太郎詩･山口俊郎曲） 同上
○歌いだし「船は帆まかせ大利根下る 流れ浮藻は風まかせ･･････」
この映画は、すでに「昭和３２年（その４）」コロムビア篇（４）に内容が載っているので、省略したい。
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２．. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 （その１；昭和２０年代）
戦後初期の昭和２０年代に生まれた「花嫁」曲は１５曲ほどもある。なお同じ年代で「花婿」曲のほうは１曲もなかった。
今回は「花嫁」曲の中から１２曲だけ選んで載せてみることにした。
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まだまだ国民が敗戦の虚脱感と飢えに苦しんでいた昭和２１年１０月に、早くも「花嫁」曲が巷に登場してきた。
「ほんのり花嫁・渡辺はま子」（古川幾郎詩･平野好夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ21/10月
この曲は☆「東宝：婿入り豪華船」の主題歌になってる
「花嫁月夜・鈴木正夫」（吉川静夫詩･東 辰三曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ23/12月
「沙漠の花嫁さん・服部富子」（佐伯孝夫詩･服部良一曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ24/7月
「蕃社の花嫁さん・久保滝江」（石本美由起詩･江口夜詩曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ25//9月
以上の４曲はﾋｯﾄしなかったように思うが、次の「牧場の花嫁さん」はﾋｯﾄして当時盛んに唄われた。
「牧場の花嫁さん・高峰三枝子」（藤浦 洸詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ26/2月
♪「みどりの山の森のかげ 赤いかわらの牧場小舎 窓にもたれて羊飼･･･････」
「チャイナの花嫁さん・服部富子」（哥川欣也詩･利根一郎曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ26/10月
♪「せかす爆竹やるせなや 何故か切ないﾁｬｲﾅの花嫁さん･･･････」
「涙の花嫁人形・服部富子」（坂口 淳詩･清水保雄曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ27/7月
♪「好きな人には添えもせず 知らない人に嫁ぐ身の･･････」
「北京の花嫁さん・胡美芳」（丘 灯至夫詩･竹岡信幸曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ27/12月
♪「としは十七花ならつぼみ わたしは北京の花嫁さんよ･･････」
「瀬戸の花嫁・鶴田六郎」（石原夢久詩･米山正夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ28/4月
♪「越せば麓の段々畑 嫁御はチロリン馬の背に くるりと廻れば エー瀬戸の海･････」
小柳ルミ子のﾋｯﾄ曲「瀬戸の花嫁」が出たのが昭和４７年のことだから、その約２０年ほど前にも同名の歌が出ていたことになる。
「メナドの花嫁さん・宮城まり子」（宮川哲夫詩･高木静夫曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ28/5月
メナドは南方のセレベス島にある港街。
「ブラジルの花嫁さん・美空ひばり」（西条八十詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ29/11月
♪「さくら振袖可愛く振って さよならお別れのお富士様･･････」
この曲は☆「松竹：若き日は悲し」の主題歌
「盗まれた花嫁衣裳・宝 とも子」（井田誠一詩･Dﾏﾝ曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ29/7月
♪「お嫁にゆく時ドレスを盗まれた 白いバラのような大切な着物･･･････」
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３．まとめ
昭和２０年代を見ると「花嫁」曲ばかりで「花婿」曲が１曲もないと言うのは、戦後導入された男女同権思想から見ても片手落ちのようで、どうも気になるものだ。
そこで「花」は付かなくてもいい「婿」だけでもと検索したしたら、昭和２０年代に２曲だけあった。
「よい婿どの・鶴田六郎」（藤浦 洸詩･上原げんと曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S29/5月
♪「私のための よい婿が･･････」 ☆「東宝：よい婿どの」主題歌
「ガマの婿入り・楠木繁夫」（大月美夜詩詩･黒田 進曲）ﾃｲﾁｸ S29年
♪「池が静かな月の夜 ガマが婿入りしたそうじゃ･･･････」
どうやら「婿さん」に「花」がないのは、愛すべき伴侶の「嫁さん」に「「花」を持たせたとでも･･････まあコジツケてみるより仕方がないのかもしれない。
---------------------------
次回の. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」は（その２；昭和３０年代）をまとめてみたい。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３２年（その１４）」として、キング篇（３）を予定している。
（つづく）
前回の冒頭でキング篇は洋画の主題歌が多いと書いたが、今回も邦画２本に対して洋画３本の組み合わせとなって、洋画主題歌のほうが多かった。
昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 は（その１；昭和２０年代）を纏めてみた。
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★「洋画：首輪のない犬」（監督；ｼﾞｬﾝ・ﾄﾞﾗﾉﾜ） ﾌﾗﾝｽ 1955年製作
主題歌「首輪のない犬・中原美紗緒」（音羽たかし詩･Pﾐｽﾗｷｰ曲） 32/2月
○歌いだし「あの娘をごらん 町から町へと･････」
gooの映画解説によると「“首輪のない犬”とは、親許から離れた寄るべなき子供達のこと。この浮浪児問題に深い関心を持つ新進作家ジルベール・セブロンの小説を映画化した作品」とあった。
「非行に走りがちな不幸な子供たちに、いつも温かい心で接してきたのが、少年刑事事件担当のﾗﾐｲ判事（ｼﾞｬﾝ･ｷﾞｬﾊﾞﾝ）だったが、しかし子供達はそうしたﾗﾐｲ判事の想いを誤解して、この判事を目の仇にしていた･･････」
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★「洋画：フルフル」（監督；ｱｳｸﾞｽﾄ･ｼﾞｪﾆｰﾅ） 1955年 ﾌﾗﾝｽ
主題歌「ライライニコラ・中原美紗緒」（音羽たかし詩･Pﾙｲｰｷﾞ曲） 32/2月
○歌いだし「馬が四匹ウラルから 白い四人の騎士のせて･････」
この映画は既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３１年（その５）」コロムビア篇（5）に載っているので省略したい。
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☆「日活：女豹とならず者」（監督；野口博志） 32/4月封切 現代劇 白黒版
主題歌「俺は山の男さ・春日八郎」（矢野 亮詩･鎌多俊与曲） 32/4月
○歌いだし「山に呼ばれて帰ってきたが ともる飯場の灯よなぜ暗い･････」
B面曲「飯場の娘・西村つた江」（詩曲とも同上） 同上
○歌いだし「燃ゆる夕陽がお山に沈みゃ 谷にわくわく白い霧････････」
飯野 明の原作によるアクションドラマ。
「ならず者の鉄（水島道太郎）は刑期を終えて、再び古巣の飯場に戻ってきた。しかし若社長・克太郎（葉山良二）とは意見が合わず、いらいらした彼は女豹のようなお美津（左 幸子）に言い寄ったがはねつけられた。その彼を飲み屋のお春（広岡三栄子）は意見して、若社長を補佐するように薦める･･････」
他に河野秋武、小林重四郎、瀬川路三郎、高品 格、宮原徳平らが出ていた。
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★「洋画：幸福への招待」（監督；ｱﾝﾘ･ｳﾞｪﾙﾇｲ） ﾌﾗﾝｽ 1956年製作 ｶﾗｰ版
主題歌「さよならのワルツ・高 英男」（中原淳一詩･Fﾃﾞｭﾗﾝﾄﾞ曲） 32/4月
○歌いだし「また逢いましょう あまい恋のためいき･････････」
「パリを舞台にする愛の物語。クリスマス・イヴの前日のこと。高級ホテルの美容室で働く貧しいﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ（ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞ･ｱﾙﾇｰﾙ）にとっては、素敵なクリスマスなどは無縁だった。その彼女が仕事を終えて雨の中帰宅していると、ハンサムな青年・ｼﾞｪﾗｰﾙ（ﾛﾍﾞﾙﾄ･ﾘｯｿ）から高級車で送ってやると呼び止められた。その時ﾌﾗﾝｿﾜｰｽﾞは彼に、私はこのホテルに宿泊している富豪の娘だと嘘をついてしまった････････」
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☆「松竹：折鶴三度笠」（監督；福田晴一） 32/5月封切 時代劇 白黒版
主題歌「折鶴三度笠・三橋美智也」（高橋掬太郎詩･三橋美智也曲） 32/5月
○歌いだし「利根の川風素肌に吹かせ どこへ行かんす旅人さんよ･･････」
B面曲「利根の夕焼け・三橋美智也」（高橋掬太郎詩･山口俊郎曲） 同上
○歌いだし「船は帆まかせ大利根下る 流れ浮藻は風まかせ･･････」
この映画は、すでに「昭和３２年（その４）」コロムビア篇（４）に内容が載っているので、省略したい。
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２．. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」 （その１；昭和２０年代）
戦後初期の昭和２０年代に生まれた「花嫁」曲は１５曲ほどもある。なお同じ年代で「花婿」曲のほうは１曲もなかった。
今回は「花嫁」曲の中から１２曲だけ選んで載せてみることにした。
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まだまだ国民が敗戦の虚脱感と飢えに苦しんでいた昭和２１年１０月に、早くも「花嫁」曲が巷に登場してきた。
「ほんのり花嫁・渡辺はま子」（古川幾郎詩･平野好夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ21/10月
この曲は☆「東宝：婿入り豪華船」の主題歌になってる
「花嫁月夜・鈴木正夫」（吉川静夫詩･東 辰三曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ23/12月
「沙漠の花嫁さん・服部富子」（佐伯孝夫詩･服部良一曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ24/7月
「蕃社の花嫁さん・久保滝江」（石本美由起詩･江口夜詩曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ25//9月
以上の４曲はﾋｯﾄしなかったように思うが、次の「牧場の花嫁さん」はﾋｯﾄして当時盛んに唄われた。
「牧場の花嫁さん・高峰三枝子」（藤浦 洸詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ26/2月
♪「みどりの山の森のかげ 赤いかわらの牧場小舎 窓にもたれて羊飼･･･････」
「チャイナの花嫁さん・服部富子」（哥川欣也詩･利根一郎曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ26/10月
♪「せかす爆竹やるせなや 何故か切ないﾁｬｲﾅの花嫁さん･･･････」
「涙の花嫁人形・服部富子」（坂口 淳詩･清水保雄曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ27/7月
♪「好きな人には添えもせず 知らない人に嫁ぐ身の･･････」
「北京の花嫁さん・胡美芳」（丘 灯至夫詩･竹岡信幸曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ27/12月
♪「としは十七花ならつぼみ わたしは北京の花嫁さんよ･･････」
「瀬戸の花嫁・鶴田六郎」（石原夢久詩･米山正夫曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ28/4月
♪「越せば麓の段々畑 嫁御はチロリン馬の背に くるりと廻れば エー瀬戸の海･････」
小柳ルミ子のﾋｯﾄ曲「瀬戸の花嫁」が出たのが昭和４７年のことだから、その約２０年ほど前にも同名の歌が出ていたことになる。
「メナドの花嫁さん・宮城まり子」（宮川哲夫詩･高木静夫曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ28/5月
メナドは南方のセレベス島にある港街。
「ブラジルの花嫁さん・美空ひばり」（西条八十詩･万城目 正曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ29/11月
♪「さくら振袖可愛く振って さよならお別れのお富士様･･････」
この曲は☆「松竹：若き日は悲し」の主題歌
「盗まれた花嫁衣裳・宝 とも子」（井田誠一詩･Dﾏﾝ曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ29/7月
♪「お嫁にゆく時ドレスを盗まれた 白いバラのような大切な着物･･･････」
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３．まとめ
昭和２０年代を見ると「花嫁」曲ばかりで「花婿」曲が１曲もないと言うのは、戦後導入された男女同権思想から見ても片手落ちのようで、どうも気になるものだ。
そこで「花」は付かなくてもいい「婿」だけでもと検索したしたら、昭和２０年代に２曲だけあった。
「よい婿どの・鶴田六郎」（藤浦 洸詩･上原げんと曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ S29/5月
♪「私のための よい婿が･･････」 ☆「東宝：よい婿どの」主題歌
「ガマの婿入り・楠木繁夫」（大月美夜詩詩･黒田 進曲）ﾃｲﾁｸ S29年
♪「池が静かな月の夜 ガマが婿入りしたそうじゃ･･･････」
どうやら「婿さん」に「花」がないのは、愛すべき伴侶の「嫁さん」に「「花」を持たせたとでも･･････まあコジツケてみるより仕方がないのかもしれない。
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次回の. 昭和流行歌・曲名特集「戦後の“花嫁”曲」は（その２；昭和３０年代）をまとめてみたい。
本題の映画主題歌の次回は、「昭和３２年（その１４）」として、キング篇（３）を予定している。
（つづく）
2011年01月28日
昭和３１年（その１５）
ビクター篇（５）
前回と同じく今回のビクターの主題歌は、邦画３本、洋画２本の組合せになった。
他に「ラジオ歌謡」は昭和３４年９〜１０月に放送された曲を纏めてみた。
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★「洋画 誇り高き男」（監督；ﾛﾊﾞｰﾄ･ｳｴｯﾌﾟ） 1956年 ｱﾒﾘｶ 20世紀FOX ｶﾗｰ版
主題歌「誇り高き男・雪村いづみ」（井田誠一詩･Ｌﾆｭｰﾏﾝ曲） 31/10月
○歌いだし「誇り高き男シルバー 暗い曠野を･･････」
この西部劇主題歌は、他にも同じ年にｷﾝｸﾞからは「江利チエミ」、翌32/1月にはｺﾛﾑﾋﾞｱから「小坂一也」の唄う盤が出ている。
三社ともﾗｲｵﾈﾙ･ﾆｭｰﾏﾝの曲に、それぞれ別の邦訳詩をつけて発売していた。
「ｶﾝｻｽ州にある町でのこと、沈着冷静な保安官ｶｽ(ﾛﾊﾞｰﾄ･ﾗｲｱﾝ)と、町の悪ボスであるｼﾞｮﾝ･ﾊﾞﾚｯﾄ(ﾛﾊﾞｰﾄ・ﾐﾄﾞﾙﾄﾝ)とは仇同士の如く対決していた。そこに父の仇と誤解する若者ｻｯﾄﾞ(ｼﾞｪﾌﾘｰ・ﾊﾝﾀｰ)が絡むのだが、結局保安官はこの若者の協力を得て、悪者どもを一掃することになる･･････」
妖艶な美女として名の知られたｳﾞｧｰｼﾞﾆｱ･ﾒｲﾖｰが、この作品では保安官の許婚・ｻﾘｲの役で出ていた。
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☆「東宝：日蝕の夏」（監督；堀川弘通） 31/9月封切 現代劇 白黒版
主題歌「日蝕の夏・ﾋﾞｸﾀｰｵｰﾙｽﾀｰｽﾞ」（−詩･宅 孝二曲） 31/11月
（歌詞不詳）
B面曲「ヌードのブルース・築地容子」（石原慎太郎詩･宅 孝二曲） 同上
○歌いだし「誰も知らない女のこころ 狼のようとみんなが云うが･･････」
映画の原作は石原慎太郎なのだが、目をひくのはあの石原慎太郎御本人が映画に出演しており、しかも堂々と主役を演じていることだろう。
「父（山村 聡）にも母（三宅邦子）にも真実はなく、恋人・杏子（司 葉子）さえ信じられないという動揺期の青年・三島直樹（石原慎太郎）が、虚無感から年上の女性・節子（高峰三枝子）に近づき、その果てに人生に絶望するというお話」
他に、平田昭彦、若山セツ子、伊豆 肇、千石規子、本郷 淳らが出ていた。
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☆「宝塚映：てんてん娘」（監督；青柳信雄） 31/12月封切 時代劇 白黒版
主題歌「てんてん娘・宮城まり子」（詩 曲とも三木鶏郎） 31/11月
○歌いだし「てんてん天気は日本晴れ あの山越えて里越えて･･････」
B面曲「天然現象片想い・宮城まり子」（詩 曲とも三木鶏郎） 同上
○歌いだし「じっとあなたが見つめてる みつめられては恥ずかしい･･････」
「あんみつ姫」の作者としても知られている「倉金章介」が書いた漫画を原作としており、第一部「ﾃﾝﾃﾝ天気は日本晴れ」第二部「ﾃﾝﾃﾝ娘に花が咲く」に分かれて上映された。
「田舎育ちのてんてん娘（宮城まり子）が、江戸で女中奉公をするため街道を旅していた。
それを見た悪のぽんびき二人組（有島一郎、三木のり平）が誘惑するが、逆にてんてん娘にのされてしまう。江戸に着いた彼女は、奉公口を探すため口入れ屋の虎之助（小川虎之助）の店をたずねた･････」
他に柳家金語楼、扇 千景、横山ｴﾝﾀﾂ、堤 三千代、藤間 紫、清川虹子らが出ていた。
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☆「東宝：山と川のある町」（監督；丸山誠治） 32/2月封切 現代劇 白黒版
主題歌「山と川のある町・雪村いづみ」（井田誠一詩･利根一郎曲） 31/11月
○歌いだし「丘の青草素足で踏んで 力いっぱい叫ぼうよ･･････」
B面曲「若き日の涙・山田真二」（詩曲とも同上） 同上
（歌詞不詳）
石坂洋次郎が朝日新聞に連載した小説が、原作になっている。
「青い山脈」と同じように東北の町を舞台にしており、女子高校生をめぐる両親や青年教師、学友たちのふれあいを、深々と描いた作品として興味深い。
「東北地方のある町に、早川佐太郎（志村 喬）妻の豊子（花井蘭子）と、娘ののぶ子（雪村いづみ）が住んでいた。高校生ののぶ子は、父が囲った妾の問題で夫婦のいざこざが絶えないのを苦にして家出して、学校で宿直している教師の八木敬助（宝田 明）のもとを訪ねた･･････」
ほかに小泉 博、津島恵子、山田真二、峯 京子、らが出ていた。
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（追加曲）本来は３１年の前半に入れるべきこの曲が抜けていたので、追加しておきたい。
★「洋画 ばらの刺青」（監督；ﾀﾞﾆｴﾙ･ﾏﾝ） 米国 1955年 ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作 白黒版
主題歌「ばらの刺青・フランク永井」（佐伯孝夫詩･Hﾜｰﾚﾝ曲） 31/4月
○歌いだし「男心は変りやすく 泣くにも泣けない 女のいとしさ･････」
この「ばらの刺青」は、フランク永井としては初めての「映画主題歌」である。
その後昭和３９年までに、彼は１５曲も映画主題歌を唄っているが、うち洋画の主題歌は２曲しかなかった。
ﾃﾞﾋﾞｭｰ前に進駐軍ｷｬﾝﾌﾟのｸﾗﾌﾞで唄ってきた経歴からすると、もっと洋画主題歌を唄ってもいいような気がしないでもない。
映画の内容は、既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３１年（その２）」コロムビア篇（２）で、旗 照夫の主題歌とともに紹介しているので省略したい。
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２．「昭和３４年９〜１０月に放送されたラジオ歌謡」
今回は上記二ヶ月間に放送された「ラジオ歌謡」から８曲を載せたが、季節が丁度秋なので゛「秋」のついた曲名が３曲もあった。
（ ）内は、放送時の歌手
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２−１ ３４年 ９月 放送曲
◆７１３曲目 「泣虫太郎の唄・（−）」（島田磬也詩･原 六朗曲）
♪「吹けよそよ風希望の丘に 立てば青空いつも春 寂しがりやの泣き虫太郎･････」
◆７１４曲目 「てのひらの思い出・（ﾍﾟｷﾞｰ葉山）」（宮沢章二詩･高橋 半曲）
♪「てのひらよてのひらよ お前はふるえてたよ お花畑の花の中･････」
◆７１５曲目 「今は秋・（柴 玲子）」（若谷和子詩･富田 勲曲）
♪「垣根のはしごのブランコは 種だけのこした朝顔が･･･････」
◆７１６曲目 「東京に太陽がのぼる時・（古後信二）」（西条八十詩･古関裕而曲）
♪「ああ東京に太陽がのぼる時 あの窓この窓に雛鳥が飛び立つように･･･････」
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２−２ ３４年１０月 放送曲
◆７１７曲目 「すすきの穂・（藤山一郎）」（宮沢章二詩･上原げんと曲）
♪「すすきの穂が出た ﾎｰｲﾎｲﾎｲﾎｰｲﾎｲ ほそい手を振り呼びかけて･･････」
◆７１８曲目 「海が鳴る・（−）」（松坂直美詩･倉若晴生曲）
♪「月の光に身を濡らし ひとり静かに空を見る 流れる星さえ･･････」
◆７１９曲目 「秋草のうた・（ｽﾘｰｸﾞﾚｲｾｽ）」（安西冬樹詩･石川皓也曲）
♪「秋草よ星のしずくか 霧の玉清らかに 人知れず開く･･････」
◆７２０曲目 「秋の思い出・（−）」（斉藤 央詩･大中 恩曲）
♪「山のあの蒼さも消え 海のあの広さも消えて 秋が深まる街に･･････」」
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３.まとめ
昭和流行歌・曲名特集 「心に住みつく二つの虫」
流行歌の曲名のなかには、昆虫ではないが人の心に住みつく「二つの虫」が、時々登場してくる。
子供の頃はこの虫のいる子も多いようだが、大人になれば目立たなくなってくるようだ。
ではその虫は何か？と言えば･･･････一つは「泣き虫」であり、もう一つは「弱虫」ということになる。
童謡の世界ならご愛嬌と言ってもよいこの「二つの虫」も、大人の歌の曲名となると頭に思い浮かべようとしても、なかなか浮かんでこない。
そこで手持ち歌資料で「泣き虫」と「弱虫」を検索してみると、まず「戦前時代」の流行歌の曲名には、どちらの虫も無いことが判った。
どうやら「戦前の時代」では、こんな曲名は童謡ならとにかく、流行歌としては幼稚っぽくて、無視されていたのかもしれない。
では「戦後の時代」はどうかと見ると、「泣き虫」曲だけが昭和３０年代から４０年代にかけて、急増していたことが判った。
これは前回の「昭和流行歌・曲名特集」で取上げた「小僧」曲の場合と、ほぼ似たようなパターンだと言うことになる。
一方で「戦後時代」の「弱虫」曲は僅か４曲しかないので、まさに「泣き虫」曲の一人勝ち、独壇場という結果になっていた。
曲名についた→ 泣き虫（泣虫も含む） 弱虫
昭和戦前期 ０曲 ０曲
戦後昭和２０年代 １曲 ０曲
〃 昭和３０年代 ３０曲 ３曲
〃 昭和４０年代 １７曲 １曲
〃 昭和50〜56年 ３曲 ０曲
合計 ５１曲 ４曲
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珍曲「三つの虫が入った曲名」
この「曲名特集」を調べているうちに、なんと一つの曲名の中にご丁寧にも「三つの虫」を入れた歌があったので、まず紹介してみたい。
「泣き虫，弱虫，恋の虫・渡 京子」(詩 曲とも石坂まさを)RCA S46/9月
♪「泣き虫，弱虫，恋の虫 つの消せやり消せ未練消せ あいつ一人が男じゃないと･････」
「泣き虫」や「弱虫」は判るけど、「恋の虫」って、どんな虫なのだろうか？と思っていたら、実は同じ４０年代に「恋の虫」のついた流行歌が、もう１曲あった。
「飛んで火に入る恋の虫・畠山みどり」(石本美由起詩･市川昭介曲)ｺﾛﾑﾋﾞｱ S40/3月
この曲の歌詞は判らないがこの曲名を見ただけでも、なんとなく「恋の虫」の意味が想像できそうな気もしてくる。
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さて今回のテーマに戻って、多数派の「泣き虫」曲と少数派の「弱虫」曲を年代別に見てみることにしたいが、昭和３０年代以降の「泣き虫」曲は大変数が多いので、一部の曲のみ選んで載せることにした。
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「昭和２０年代」 「泣き虫」１曲のみ
「港の泣き虫娘・石田千芳」(−詩･−曲)？ Ｓ29年
この曲は「報知新聞」のＳ29/7/17日に、ｺﾛﾑﾋﾞｱの歌手の歌として載ってたいたのだが、当時のｺﾛﾑﾋﾞｱの新譜月報には無いので、ﾚｺｰﾄﾞ化はされていないようだ。
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「昭和３０年代」 「泣き虫」 ３０曲 「弱虫」 ３曲
まずは数の少ない「弱虫」曲から
「弱虫小僧・春日八郎」（横井 弘詩･吉田矢健治曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ32/5月
♪「呼んでくれるな 俺は日暮れにや･････」
「弱虫やくざ・藤島恒夫」（松村又一詩･飯田景応曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ32/10月
♪「喧嘩沙汰なら御免だよ ドスはとっくに捨てたのさ･･･････」
３曲目は、「静岡新聞」のＳ32/10/10日に載っていたのだが、新人歌手の歌として紹介されていただけで、ﾚｺｰﾄﾞが出ているかどうかは不明である。
「泣く子は弱虫カラスの子・原田雅子」（−詩･−曲）？ Ｓ32年頃
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次は３０曲もある「泣き虫」曲からは、人気の高い歌手を中心に８曲だけ選んでみた。
「泣き虫人生・春日八郎」（高野公男詩･船村 徹曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ30/8月
♪「駄目駄目 駄目なんだよ 渡り歩いて刹那の恋に･･････」
「泣き虫ルンバ・美空ひばり」（石本美由起詩･上原げんと曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ31/9月
♪「悲しい時は唄いましょう 唄えば心が晴れてくる･･･････」
「泣き虫酒場・石原裕次郎」（門井八郎詩･上条たけし曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ33/7月
♪「元気を出せよとなだめた奴が かげで睫毛をぬらしてる･･････」
「港の泣き虫さん・若原一郎」（山崎 正詩･桜田誠一曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ33/12月
♪「さよならと風に別れの言葉を流し 錨まき揚げゆく人を送る･･････」
「パパは泣き虫・菅原都々子」（下沢白秋詩･陸奥 明曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ35/8月
♪「オレンジ色のちぎれ雲 はるかにはるかに眺めて･･････」
「泣き虫坊や・佐川ミツオ」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ35/12月
♪「何かものいえ 銀座の灯り 淋しい俺をまぎらしとくれ･･･････」
「泣き虫姉さん・田端義夫」（葉山浩二郎詩･妹尾敏夫曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ38/5月
♪「眠れねんころ子守の唄が 聞えてきそうな日暮れ空･･･････」
「さよなら泣き虫さん・岡 晴夫」（矢野 亮詩･桜田誠一曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ39/3月
♪「暗いホームの片隅で すねてうつむく 泣き虫さんよ･･････」
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「昭和４０年代」 「泣き虫」 １７曲 「弱虫」 １曲
まず１曲しかない「弱虫」曲は、既に珍曲名として挙げた「「泣き虫，弱虫，恋の虫・渡 京子」だけしかない。
１７曲ある「泣き虫」曲からは、３曲だけ選んで載せてみることにした。
「泣き虫艶歌・原 耕二」（佐々木みつぐ詩･中島 孝曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ42/1月
♪「涙かくしの淋しい酒だ ねおちゃん一杯うけとくれ･･････」
「泣き虫ポポロ・ザ・ムッシュ」（山本雄二詩･土橋広市 曲）ｾﾌﾞﾝｼｰｽﾞ Ｓ48/3月
♪「いつだってしもビリばかり 恋人も出来ないポポロ･･････」
「泣き虫列車・石川さゆり」（冬野 卓詩･林 あきら曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ49/6月
♪「あの人が摘んできた なでしこを抱きしめて･･････」
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「昭和５０〜５６年」 「泣き虫」 ３曲 「弱虫」 ０曲
最近何かとﾃﾚﾋﾞで騒がれた、この歌手の歌１曲だけでを載せて、締めくくりとしたい。
「泣き虫・清水健太郎」（詩曲とも、つのだひろ）CBSｿﾆｰ Ｓ52/12月
♪「笑ってごらんよ 涙がこぼれて 止まらないなら･･･････」
以上、数の多い「泣き虫」曲は大部分を割愛してしまい残念だけれども、大方の傾向は掴めそうな気がしている。
それにしてもなぜ「戦前時代」の流行歌には「泣き虫」曲も「弱虫」曲もなかったのに、「戦後時代」になってどっと「泣き虫」曲だけが出てきたのだろうか･･････思えば思うほど不思議な気がしてくる。
あの軍国時代といわれた戦前の頃の世相、そして民主主義に変わった戦後の頃の世相を思い浮かべてみると、「泣き虫」曲の変遷一つ取ってみても、いろいろと考えさせられるものがあるようだ。
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次回の「ラジオ歌謡」は昭和３４年１１〜１２月に放送した曲なるが、昭和２７年から続いたこの「ラジオ歌謡」も、次回でもって終了することにしたい。
本題の映画主題歌はもう暫く頑張る積もりでいるので、次回は昭和３１年（その１６）として、ビクター篇の最終回を予定している。
（つづく）
前回と同じく今回のビクターの主題歌は、邦画３本、洋画２本の組合せになった。
他に「ラジオ歌謡」は昭和３４年９〜１０月に放送された曲を纏めてみた。
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★「洋画 誇り高き男」（監督；ﾛﾊﾞｰﾄ･ｳｴｯﾌﾟ） 1956年 ｱﾒﾘｶ 20世紀FOX ｶﾗｰ版
主題歌「誇り高き男・雪村いづみ」（井田誠一詩･Ｌﾆｭｰﾏﾝ曲） 31/10月
○歌いだし「誇り高き男シルバー 暗い曠野を･･････」
この西部劇主題歌は、他にも同じ年にｷﾝｸﾞからは「江利チエミ」、翌32/1月にはｺﾛﾑﾋﾞｱから「小坂一也」の唄う盤が出ている。
三社ともﾗｲｵﾈﾙ･ﾆｭｰﾏﾝの曲に、それぞれ別の邦訳詩をつけて発売していた。
「ｶﾝｻｽ州にある町でのこと、沈着冷静な保安官ｶｽ(ﾛﾊﾞｰﾄ･ﾗｲｱﾝ)と、町の悪ボスであるｼﾞｮﾝ･ﾊﾞﾚｯﾄ(ﾛﾊﾞｰﾄ・ﾐﾄﾞﾙﾄﾝ)とは仇同士の如く対決していた。そこに父の仇と誤解する若者ｻｯﾄﾞ(ｼﾞｪﾌﾘｰ・ﾊﾝﾀｰ)が絡むのだが、結局保安官はこの若者の協力を得て、悪者どもを一掃することになる･･････」
妖艶な美女として名の知られたｳﾞｧｰｼﾞﾆｱ･ﾒｲﾖｰが、この作品では保安官の許婚・ｻﾘｲの役で出ていた。
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☆「東宝：日蝕の夏」（監督；堀川弘通） 31/9月封切 現代劇 白黒版
主題歌「日蝕の夏・ﾋﾞｸﾀｰｵｰﾙｽﾀｰｽﾞ」（−詩･宅 孝二曲） 31/11月
（歌詞不詳）
B面曲「ヌードのブルース・築地容子」（石原慎太郎詩･宅 孝二曲） 同上
○歌いだし「誰も知らない女のこころ 狼のようとみんなが云うが･･････」
映画の原作は石原慎太郎なのだが、目をひくのはあの石原慎太郎御本人が映画に出演しており、しかも堂々と主役を演じていることだろう。
「父（山村 聡）にも母（三宅邦子）にも真実はなく、恋人・杏子（司 葉子）さえ信じられないという動揺期の青年・三島直樹（石原慎太郎）が、虚無感から年上の女性・節子（高峰三枝子）に近づき、その果てに人生に絶望するというお話」
他に、平田昭彦、若山セツ子、伊豆 肇、千石規子、本郷 淳らが出ていた。
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☆「宝塚映：てんてん娘」（監督；青柳信雄） 31/12月封切 時代劇 白黒版
主題歌「てんてん娘・宮城まり子」（詩 曲とも三木鶏郎） 31/11月
○歌いだし「てんてん天気は日本晴れ あの山越えて里越えて･･････」
B面曲「天然現象片想い・宮城まり子」（詩 曲とも三木鶏郎） 同上
○歌いだし「じっとあなたが見つめてる みつめられては恥ずかしい･･････」
「あんみつ姫」の作者としても知られている「倉金章介」が書いた漫画を原作としており、第一部「ﾃﾝﾃﾝ天気は日本晴れ」第二部「ﾃﾝﾃﾝ娘に花が咲く」に分かれて上映された。
「田舎育ちのてんてん娘（宮城まり子）が、江戸で女中奉公をするため街道を旅していた。
それを見た悪のぽんびき二人組（有島一郎、三木のり平）が誘惑するが、逆にてんてん娘にのされてしまう。江戸に着いた彼女は、奉公口を探すため口入れ屋の虎之助（小川虎之助）の店をたずねた･････」
他に柳家金語楼、扇 千景、横山ｴﾝﾀﾂ、堤 三千代、藤間 紫、清川虹子らが出ていた。
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☆「東宝：山と川のある町」（監督；丸山誠治） 32/2月封切 現代劇 白黒版
主題歌「山と川のある町・雪村いづみ」（井田誠一詩･利根一郎曲） 31/11月
○歌いだし「丘の青草素足で踏んで 力いっぱい叫ぼうよ･･････」
B面曲「若き日の涙・山田真二」（詩曲とも同上） 同上
（歌詞不詳）
石坂洋次郎が朝日新聞に連載した小説が、原作になっている。
「青い山脈」と同じように東北の町を舞台にしており、女子高校生をめぐる両親や青年教師、学友たちのふれあいを、深々と描いた作品として興味深い。
「東北地方のある町に、早川佐太郎（志村 喬）妻の豊子（花井蘭子）と、娘ののぶ子（雪村いづみ）が住んでいた。高校生ののぶ子は、父が囲った妾の問題で夫婦のいざこざが絶えないのを苦にして家出して、学校で宿直している教師の八木敬助（宝田 明）のもとを訪ねた･･････」
ほかに小泉 博、津島恵子、山田真二、峯 京子、らが出ていた。
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（追加曲）本来は３１年の前半に入れるべきこの曲が抜けていたので、追加しておきたい。
★「洋画 ばらの刺青」（監督；ﾀﾞﾆｴﾙ･ﾏﾝ） 米国 1955年 ﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄ製作 白黒版
主題歌「ばらの刺青・フランク永井」（佐伯孝夫詩･Hﾜｰﾚﾝ曲） 31/4月
○歌いだし「男心は変りやすく 泣くにも泣けない 女のいとしさ･････」
この「ばらの刺青」は、フランク永井としては初めての「映画主題歌」である。
その後昭和３９年までに、彼は１５曲も映画主題歌を唄っているが、うち洋画の主題歌は２曲しかなかった。
ﾃﾞﾋﾞｭｰ前に進駐軍ｷｬﾝﾌﾟのｸﾗﾌﾞで唄ってきた経歴からすると、もっと洋画主題歌を唄ってもいいような気がしないでもない。
映画の内容は、既に本ﾌﾞﾛｸﾞの「昭和３１年（その２）」コロムビア篇（２）で、旗 照夫の主題歌とともに紹介しているので省略したい。
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２．「昭和３４年９〜１０月に放送されたラジオ歌謡」
今回は上記二ヶ月間に放送された「ラジオ歌謡」から８曲を載せたが、季節が丁度秋なので゛「秋」のついた曲名が３曲もあった。
（ ）内は、放送時の歌手
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２−１ ３４年 ９月 放送曲
◆７１３曲目 「泣虫太郎の唄・（−）」（島田磬也詩･原 六朗曲）
♪「吹けよそよ風希望の丘に 立てば青空いつも春 寂しがりやの泣き虫太郎･････」
◆７１４曲目 「てのひらの思い出・（ﾍﾟｷﾞｰ葉山）」（宮沢章二詩･高橋 半曲）
♪「てのひらよてのひらよ お前はふるえてたよ お花畑の花の中･････」
◆７１５曲目 「今は秋・（柴 玲子）」（若谷和子詩･富田 勲曲）
♪「垣根のはしごのブランコは 種だけのこした朝顔が･･･････」
◆７１６曲目 「東京に太陽がのぼる時・（古後信二）」（西条八十詩･古関裕而曲）
♪「ああ東京に太陽がのぼる時 あの窓この窓に雛鳥が飛び立つように･･･････」
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２−２ ３４年１０月 放送曲
◆７１７曲目 「すすきの穂・（藤山一郎）」（宮沢章二詩･上原げんと曲）
♪「すすきの穂が出た ﾎｰｲﾎｲﾎｲﾎｰｲﾎｲ ほそい手を振り呼びかけて･･････」
◆７１８曲目 「海が鳴る・（−）」（松坂直美詩･倉若晴生曲）
♪「月の光に身を濡らし ひとり静かに空を見る 流れる星さえ･･････」
◆７１９曲目 「秋草のうた・（ｽﾘｰｸﾞﾚｲｾｽ）」（安西冬樹詩･石川皓也曲）
♪「秋草よ星のしずくか 霧の玉清らかに 人知れず開く･･････」
◆７２０曲目 「秋の思い出・（−）」（斉藤 央詩･大中 恩曲）
♪「山のあの蒼さも消え 海のあの広さも消えて 秋が深まる街に･･････」」
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３.まとめ
昭和流行歌・曲名特集 「心に住みつく二つの虫」
流行歌の曲名のなかには、昆虫ではないが人の心に住みつく「二つの虫」が、時々登場してくる。
子供の頃はこの虫のいる子も多いようだが、大人になれば目立たなくなってくるようだ。
ではその虫は何か？と言えば･･･････一つは「泣き虫」であり、もう一つは「弱虫」ということになる。
童謡の世界ならご愛嬌と言ってもよいこの「二つの虫」も、大人の歌の曲名となると頭に思い浮かべようとしても、なかなか浮かんでこない。
そこで手持ち歌資料で「泣き虫」と「弱虫」を検索してみると、まず「戦前時代」の流行歌の曲名には、どちらの虫も無いことが判った。
どうやら「戦前の時代」では、こんな曲名は童謡ならとにかく、流行歌としては幼稚っぽくて、無視されていたのかもしれない。
では「戦後の時代」はどうかと見ると、「泣き虫」曲だけが昭和３０年代から４０年代にかけて、急増していたことが判った。
これは前回の「昭和流行歌・曲名特集」で取上げた「小僧」曲の場合と、ほぼ似たようなパターンだと言うことになる。
一方で「戦後時代」の「弱虫」曲は僅か４曲しかないので、まさに「泣き虫」曲の一人勝ち、独壇場という結果になっていた。
曲名についた→ 泣き虫（泣虫も含む） 弱虫
昭和戦前期 ０曲 ０曲
戦後昭和２０年代 １曲 ０曲
〃 昭和３０年代 ３０曲 ３曲
〃 昭和４０年代 １７曲 １曲
〃 昭和50〜56年 ３曲 ０曲
合計 ５１曲 ４曲
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珍曲「三つの虫が入った曲名」
この「曲名特集」を調べているうちに、なんと一つの曲名の中にご丁寧にも「三つの虫」を入れた歌があったので、まず紹介してみたい。
「泣き虫，弱虫，恋の虫・渡 京子」(詩 曲とも石坂まさを)RCA S46/9月
♪「泣き虫，弱虫，恋の虫 つの消せやり消せ未練消せ あいつ一人が男じゃないと･････」
「泣き虫」や「弱虫」は判るけど、「恋の虫」って、どんな虫なのだろうか？と思っていたら、実は同じ４０年代に「恋の虫」のついた流行歌が、もう１曲あった。
「飛んで火に入る恋の虫・畠山みどり」(石本美由起詩･市川昭介曲)ｺﾛﾑﾋﾞｱ S40/3月
この曲の歌詞は判らないがこの曲名を見ただけでも、なんとなく「恋の虫」の意味が想像できそうな気もしてくる。
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さて今回のテーマに戻って、多数派の「泣き虫」曲と少数派の「弱虫」曲を年代別に見てみることにしたいが、昭和３０年代以降の「泣き虫」曲は大変数が多いので、一部の曲のみ選んで載せることにした。
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「昭和２０年代」 「泣き虫」１曲のみ
「港の泣き虫娘・石田千芳」(−詩･−曲)？ Ｓ29年
この曲は「報知新聞」のＳ29/7/17日に、ｺﾛﾑﾋﾞｱの歌手の歌として載ってたいたのだが、当時のｺﾛﾑﾋﾞｱの新譜月報には無いので、ﾚｺｰﾄﾞ化はされていないようだ。
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「昭和３０年代」 「泣き虫」 ３０曲 「弱虫」 ３曲
まずは数の少ない「弱虫」曲から
「弱虫小僧・春日八郎」（横井 弘詩･吉田矢健治曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ32/5月
♪「呼んでくれるな 俺は日暮れにや･････」
「弱虫やくざ・藤島恒夫」（松村又一詩･飯田景応曲）ﾏｰｷｭﾘｰ Ｓ32/10月
♪「喧嘩沙汰なら御免だよ ドスはとっくに捨てたのさ･･･････」
３曲目は、「静岡新聞」のＳ32/10/10日に載っていたのだが、新人歌手の歌として紹介されていただけで、ﾚｺｰﾄﾞが出ているかどうかは不明である。
「泣く子は弱虫カラスの子・原田雅子」（−詩･−曲）？ Ｓ32年頃
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次は３０曲もある「泣き虫」曲からは、人気の高い歌手を中心に８曲だけ選んでみた。
「泣き虫人生・春日八郎」（高野公男詩･船村 徹曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ30/8月
♪「駄目駄目 駄目なんだよ 渡り歩いて刹那の恋に･･････」
「泣き虫ルンバ・美空ひばり」（石本美由起詩･上原げんと曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ31/9月
♪「悲しい時は唄いましょう 唄えば心が晴れてくる･･･････」
「泣き虫酒場・石原裕次郎」（門井八郎詩･上条たけし曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ33/7月
♪「元気を出せよとなだめた奴が かげで睫毛をぬらしてる･･････」
「港の泣き虫さん・若原一郎」（山崎 正詩･桜田誠一曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ33/12月
♪「さよならと風に別れの言葉を流し 錨まき揚げゆく人を送る･･････」
「パパは泣き虫・菅原都々子」（下沢白秋詩･陸奥 明曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ35/8月
♪「オレンジ色のちぎれ雲 はるかにはるかに眺めて･･････」
「泣き虫坊や・佐川ミツオ」（佐伯孝夫詩･吉田 正曲）ﾋﾞｸﾀｰ Ｓ35/12月
♪「何かものいえ 銀座の灯り 淋しい俺をまぎらしとくれ･･･････」
「泣き虫姉さん・田端義夫」（葉山浩二郎詩･妹尾敏夫曲）ﾃｲﾁｸ Ｓ38/5月
♪「眠れねんころ子守の唄が 聞えてきそうな日暮れ空･･･････」
「さよなら泣き虫さん・岡 晴夫」（矢野 亮詩･桜田誠一曲）ｷﾝｸﾞ Ｓ39/3月
♪「暗いホームの片隅で すねてうつむく 泣き虫さんよ･･････」
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「昭和４０年代」 「泣き虫」 １７曲 「弱虫」 １曲
まず１曲しかない「弱虫」曲は、既に珍曲名として挙げた「「泣き虫，弱虫，恋の虫・渡 京子」だけしかない。
１７曲ある「泣き虫」曲からは、３曲だけ選んで載せてみることにした。
「泣き虫艶歌・原 耕二」（佐々木みつぐ詩･中島 孝曲）ﾎﾟﾘﾄﾞｰﾙ Ｓ42/1月
♪「涙かくしの淋しい酒だ ねおちゃん一杯うけとくれ･･････」
「泣き虫ポポロ・ザ・ムッシュ」（山本雄二詩･土橋広市 曲）ｾﾌﾞﾝｼｰｽﾞ Ｓ48/3月
♪「いつだってしもビリばかり 恋人も出来ないポポロ･･････」
「泣き虫列車・石川さゆり」（冬野 卓詩･林 あきら曲）ｺﾛﾑﾋﾞｱ Ｓ49/6月
♪「あの人が摘んできた なでしこを抱きしめて･･････」
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「昭和５０〜５６年」 「泣き虫」 ３曲 「弱虫」 ０曲
最近何かとﾃﾚﾋﾞで騒がれた、この歌手の歌１曲だけでを載せて、締めくくりとしたい。
「泣き虫・清水健太郎」（詩曲とも、つのだひろ）CBSｿﾆｰ Ｓ52/12月
♪「笑ってごらんよ 涙がこぼれて 止まらないなら･･･････」
以上、数の多い「泣き虫」曲は大部分を割愛してしまい残念だけれども、大方の傾向は掴めそうな気がしている。
それにしてもなぜ「戦前時代」の流行歌には「泣き虫」曲も「弱虫」曲もなかったのに、「戦後時代」になってどっと「泣き虫」曲だけが出てきたのだろうか･･････思えば思うほど不思議な気がしてくる。
あの軍国時代といわれた戦前の頃の世相、そして民主主義に変わった戦後の頃の世相を思い浮かべてみると、「泣き虫」曲の変遷一つ取ってみても、いろいろと考えさせられるものがあるようだ。
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次回の「ラジオ歌謡」は昭和３４年１１〜１２月に放送した曲なるが、昭和２７年から続いたこの「ラジオ歌謡」も、次回でもって終了することにしたい。
本題の映画主題歌はもう暫く頑張る積もりでいるので、次回は昭和３１年（その１６）として、ビクター篇の最終回を予定している。
（つづく）
