2007年06月11日

6月10日(日) NYY 13 - PIT 6 5

地力の差が出て、圧勝。ヤンキースが対パイレーツ三連戦のスイープを決めた。
痛恨の落球、39歳のオールドルーキーのメジャー初登板など、イベント盛りだくさん、記憶に残る日曜日の午後になった。

今日も先制したのはヤンキース。昨年7月までヤンキースにいたパイレーツ先発Shawn Chaconの立ち上がりを捉えた。
1回裏一死2塁から3番Bobby Abreuが左中間を破る3塁打、1対0。このAbreuの打席の裏にはちょっとしたドラマがあったのだが、それはまた後ほど。
続くA-Rodが四球で一死1,3塁、ここで今日5番に入った松井が左中間を破るタイムリー2塁打。微妙なタイミングだったが、1塁走者のA-Rodもホームイン、3対0。昨日に続き、ヤンキースが初回に3点を奪った。初回に3点取るとかなり試合を優位に進めることが出来る。松井の2塁打は大きかった。

が、ヤンキース先発Tyler Clipperadはピリッとしなかった。その直後の2回表、先頭のAdam LaRocheへの四球をきっかけに一死2,3塁のピンチを招き、8番Jose Castilloに2点タイムリーヒットを打たれ3対2。
好調ヤンキース打線は3回裏にも無死満塁から2点を上げ、5対2と突き放したが、Clippardは落ち着けない。
その直後の4回表ヒット1本と四球2つで一死満塁のピンチを招くと9番Chris Duffyにライト線への2塁打を浴び、5対4。なおも一死2,3塁から続くJose Bautistaにレフトフェンス直撃の2点タイムリーを浴び、5対6とまさかの逆転を許してしまった。この時、クッションボールを完璧に処理した松井がすばやく2塁に送球し、打者走者のBautistaを刺したのは大きいプレーだった。これで2死ランナー無しとなったのだから。
Clippardはここで降板。3回2/3で被安打6、与四球3、自責点6の散々な内容だった。この投球回数で球数90はいかにも多過ぎた。おかげで今日の試合は随分長引いた。

と、逆転を許したヤンキースだったが、どう考えても打線が相手ブルペンより力が上なので、やはり負ける気はしなかった。
まさにその直後の4回裏、一死1,2塁で先発Chaconが降板し、リリーフに立ったのはJosh Sharpless。防御率はなんと12.57、うーん、本当にSharplessだな~、と思っていたら、A-Rodが高々とレフトスタンドへ運ぶ3ランHR。8対6、ヤンキース逆転に成功。敵ながらひどいブルペンだと思った。これなら桑田もメジャーに昇格出来るだろうな〜という感じ。

だが、ヤンキース2番手Sean Hennもピリッとしなかった。5回表ヒット1本と四球2つで一死満塁。また逆転されてしまうのかな、と思いつつ、ふとパイレーツブルペンを見ると、その桑田がウォーミングアップを開始していた。おっ、これはこの回パイレーツが逆転したら、桑田のメジャー初勝利もあり得るかも、見たいような、見たくないような・・・と考えていたが、Hennは何とか後続を断ち、無失点で5回表終了。そして8対6の5回裏、ついに桑田がメジャー登板。

僕の斜め後ろに座っていた日本人男性が興奮気味に「桑田ですよ、桑田!」と教えてくれたが、“Now pitching for Pirates, number eighteen, Masumi Kuwata.”のBob Sceppardのアナウンスに反応する観客はほとんどいなかった。それでも僕の隣のアメリカ人は、この登板の意味を理解していたらしく、暖かい拍手を送っていた。”He was a great pitcher in Japan. Now he is 35 or 36 years old, came to major…” と言っていたので、”He is 39.”と教えてあげたら、とても感動していた。”It’s fun to see 39 old Japanese rookie pitching against Yankees.”というアメリカ人の言葉に、その通りだと大きくうなづいた。

その桑田、5回裏は7番からの下位打線を簡単に三者凡退に抑えた。ナイスピッチング。一塁ベンチから松井がじっと桑田を見守っていた、ように見えた。
そして続く6回は一番Johnny Damonからの打順。ヤンキースの主軸Damon, Jeter, Abreu, A-Rod, 松井対桑田。結構ドキドキした。
Damonはライトフライ、続くJeterの当たりはジャストミートだったが、ショートのファインプレーで2死。だが、続くAbreuには四球を与え二死1塁、そして四球の後の初球をA-Rodに完璧に捉えられた。ライトへの大きな当たり、2打席連続となる2ランHR。10対6。続く松井には四球、そしてCanoはショートフライで3アウト。2回を投げ、被安打1、与四球2、自責点2。
打たれはしたが、現在のメジャーリーグ最高の打者A-Rodに堂々と立ち向かった桑田の姿に感動した。正直、ちょっと涙が出そうになった。

ヤンキースはその後7回にも桑田の後を受けたJonah Baylisから3点を奪い、ブルペンはその後パイレーツに点を許さず、13対6でYankees win. スイープで6連勝。借金は1となった。本当は今日みたいな試合だと負けるのだろうが、パイレーツが相手で良かったということだろう。とにかく勝ったのは大きい。レッドソックスが敗れたため、ゲーム差は9.5となった。
火曜日からは、そのレッドソックスを破ったArizona D-Backsとのインターリーグ第3ラウンド。この調子で勝ち越しを決めて欲しい。

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そして話は1回裏のAbreuの打席に戻る。2−3のフルカウントからファールで粘るAbreu。その何球目のファールか定かではない、が、とにかくそのファールボールの1球は一直線に三塁側、内野と外野との境目からちょっと外野に入ったあたりの三階席最前列へ。そう、そこは僕の指定席。まさに「取ってください」と言わんばかりの打球に、僕は客席の柵から身を乗り出して手を出した。そして左手で確かにボールを掴んだ!と思った次の瞬間、ボールは僕の手のひらを弾き、一階席に落ちていった・・・痛恨の落球だった。このエラーにスタジアムからは大きなため息とブーイングが・・・うーん、残念・・・。落ち込む僕に周りのアメリカ人からは”You should have glove.”, “It’s OK.”, “Next time”など、次々と声が掛けられた。
うーん、今思っても残念。だがいい思い出になるだろう。少なくともヤンキース仲間には一生言われそうだ。

そして左手には青あざだけが残った・・・

Hand


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コメント一覧

1. Posted by naokop   2007年06月11日 13:05
桑田の初登板に見れるなんて!しかもヤンキーススタジアムで!!!
ちょっと羨ましいですねぇ。
試合もヤンキース勝ったし♪

しかし。。。痛恨のファンブル!!!!
皆さんにからかわれちゃったかな??(笑)
次回はキャッチしたボールを写真にアップして下さい^^
2. Posted by YT   2007年06月11日 13:25
本当に今日の桑田投手の姿には目頭熱くなりました。
甲子園で観た桑田にまさかここで会えるとは、、、
また何年か後にみんなで語りましょう。
只今 再放送で再度感動中。
3. Posted by かわの   2007年06月11日 14:44
いつも拝見しております。落球珍プレーという珍しい記事でしたから、桑田のメジャーデビューの記事から、勝手ながらリンクさせていただきました。こりゃ駄目だよ、ということでしたら、お知らせいただければと思います。ではでは。
4. Posted by mash   2007年06月11日 23:31
自分も高校生のときに、ホームランボール(投手江川、打者は忘れた)が隣に座っていた友人の目の前に来たのですが、前列のおじさんが手を出しファンブル、かつ持っていたジュースをこぼし、周囲は大騒ぎとなりました。その後の人生で、自分のそばにボールが来たことは全くありません。
とりあえず、柵から落ちなくてよかったです。ジュースをこぼしていたら、さらに大大大ブーイングだったことでしょう。(笑)
5. Posted by 飛脚   2007年06月12日 00:22
手を痛めたというから、何事かと思ったら。。。ヤレヤレ
桑田投手が高校生の頃から見ていた者にとっては、異国の地で活躍している姿を見るのも嬉しいですね〜
アザは記念ということで

次回は、グローブ持参で、ついでにサインボールGETしてきてください
6. Posted by オケ   2007年06月12日 02:04
naokopさん、こんにちは。

桑田を見たのは12,3年ぶりかな?あわやノーヒットノーランという芸術的だったあの時のピッチングとは比べようもないのですが、それでもメジャーで投げる彼の姿に感動しました。

そしてファールボール、次はキャッチします。来るなら来い、松井(笑)!
7. Posted by オケ   2007年06月12日 02:06
YTさん、こんにちは。
同年代として、本当に感動しました。
高校時代の桑田を応援していたYTさんはさぞ感慨深かったでしょうね。
8. Posted by オケ   2007年06月12日 02:08
かわのさん、こんにちは。
あんなに立派なサイトを運営されている方がご覧になっているとは知りませんでした。ありがとうございます。
リンクいただき光栄です。全く問題ありません。ではまた。
9. Posted by オケ   2007年06月12日 02:12
mash、コメントありがとう。
いや〜、あれはね〜スピンがかかっていて素手では捕球が難しいんだよね。初めて分かった。右手で抑えようとしたけど、その前にボールは左手をはじいて落ちていってしまった。ま、確かに飲み物を1階にこぼさなかったのはよかったけど。
それにしても12,3年前にmashと一緒に桑田を観たよね。あの時のことを思い出した。野球っていいね。
10. Posted by オケ   2007年06月12日 02:21
飛脚さん、こんにちは。
ははは、お騒がせしてすみませんでした。
桑田、頑張ってほしいですね。パイレーツの投手陣はあまりにも弱体なので、いくらでも登板機会はありそうです。

確かにあざは記念ですね。写真も撮ったし(笑)。
次回はキャッチします。
11. Posted by daispo   2007年06月12日 07:19
クリッパードも悪い投手では無いと思うけど、いかんせんメジャーの打者から三振を取れるだけの決め球がありませんでしたね。
だから2ストライクまでは簡単に追い込めるんだけど、そこから四球出したり痛打されていましたね。


12. Posted by オケ   2007年06月12日 09:27
daispoさん、こんにちは。
確かに締めが決まらなかったです。NYポストを見たら、「それも野球の内だから、しょうがないけど・・・」と言いつつ、判定に対する不満を軽く口にしていました。
同じ記事ではクリッパードに代わる井川のメジャー昇格を支持しているようでしたが、どうなることやら、ですね。

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