沖縄・米軍基地データ

沖縄の編集・出版社「沖縄探見社」およびオンライン書店「沖本屋」の代表を務める高橋哲朗が運営。ブラジル、オーストラリア、アメリカと移住を繰り返した筆者が、沖縄の米軍基地にまつわるニュースをお伝えします。「沖本屋」のホームページのアドレスはhttp://okihon.comです。

頭上のオスプレイ 007

 20231130日、米軍横田基地所属の空軍輸送機CV22オスプレイが鹿児島県・屋久島沖で墜落し搭乗員8人が死亡、12月7日に米軍はオスプレイ全機の一時飛行停止を発表する(2月22日現在まで飛行停止が続くが、数週間以内に再会されるとの見方も出ている)など全国的に注目されたが、沖縄では以前からオスプレイの安全性に疑問を持つ声は大きく、実際、普天間基地に配備されたオスプレイでは事故や飛行トラブルが相次いだ。

 

 試作機の段階から2015年までに、死傷者を出した主な事故は次のとおりである。

1991年6月11日 デラウェア州の工場で試作機が初飛行の着陸時、制御不能となり墜落。2人軽傷。原因は飛行制御装置の配線ミスとされる

1992年7月20日 バージニア州のポトマック川に飛行試験中の試作機が墜落。7人死亡。原因は漏れた油がエンジン熱により発火とされる

2000年4月8日 アリゾナ州の空港で兵員輸送の実用試験中に墜落。19人死亡。原因は操縦ミスとされる

20001211日 ノースカロライナ州で訓練を終えて基地に戻る途中に墜落。4人死亡。エンジン部の油圧管が破裂したためとされる

2010年4月9日 アフガニスタンで実戦配備の空軍機が司会不良に陥り墜落。4人死亡。原因は不明とされる

2012年4月11日 モロッコで合同演習中に墜落。2人死亡、2人重傷。原因は操縦ミスとされる

2012年6月14日 フロリダ州で通常飛行訓練中に墜落。5人負傷。原因は不明とされる

201410月1日 ペルシャ湾で訓練中、離陸直後に失速。1人死亡。原因は不明とされる

2015年5月17日 ハワイ州オアフ島で訓練中、着陸に失敗し炎上。2人死亡。原因は不明とされる

 

 沖縄・普天間基地には201210月から、オスプレイが配備されたが、2016年から2017年にかけては次のような事故やトラブルが発生した。

20161228日 普天間基地所属のオスプレイが名護市安部の海岸に墜落

2017年6月6日 普天間基地所属のオスプレイが伊江島補助飛行場に緊急着陸

2017年6月10日 普天間基地所属のオスプレイが奄美空港に緊急着陸

2017年8月5日 普天間基地所属のオスプレイがオーストラリア東部の沖合で墜落、3人が死亡

2017年8月28日 普天間基地所属のオスプレイが岩国基地に白煙を上げながら緊急着陸

2017年8月29日 前日に岩国基地に緊急着陸した普天間基地所属のオスプレイが大分空港に緊急着陸

2017年9月29日 普天間基地所属のオスプレイが石垣空港に緊急着陸

 

地元沖縄が最も危惧するのは、米軍は詳しい事故原因を公表することなく短期間のうちに飛行を再開し、日本政府もこれを追認している点だ。2017年8月5日、オーストラリア沖で普天間基地のオスプレイが3人死亡の事故を起こしたにもかかわらず、2日後の7日には普天間飛行場で飛行を開始した。在日米軍から防衛省には「安全性を確認した上で、運用上必要と判断した」と説明があったという。米軍は「安全を妨げる構造的な欠陥はない」と結論づけ、日本政府防衛局も米軍に要請していた飛行自粛要請を一転させ、「合理的な措置がとられているとみられ」「安全な飛行は可能であると説明していることは理解できる」として、オスプレイの飛行を容認すると発表した。しかし、この事故前後に頻繁に緊急着陸が繰り返されている事実を見れば、俄かに信じがたいところだろう。沖縄から見れば、徹底した原因究明をしているとは思えない米軍の姿勢が、昨年の屋久島沖の事故につながったと考えたくなる。

 

DSC_0151 コロナ禍が収まったので先日、米軍新基地の建設が進められる名護市辺野古を久しぶりに訪ねた。辺野古側は5年前、土砂が盛んに搬入されていたが、この日は護岸が完成しているらしく土砂搬入の機材やトラックの姿はなかった。

新基地反対派らしいカヌーの一団が沖合に向って漕ぐ横で、エンジンのついたゴムボート7,8隻が、威嚇するかのような大きな音をたてながらグルグル回っていた。暴走族が爆音を鳴らしながら示威行動をとる姿が思い浮かんだ。ゴムボートはカヌーに襲いかかるかと思っていると、順次海岸に戻る。どうやら、反対派の取り締まりとは関係なく、米兵の訓練のようだ。


 一方、大浦湾側に回ると、対岸から見る限りは5年前とほとんど変わっていないという印象だ。浮かぶ船の形状や位置は変化しているが、軟弱地盤が見つかり工事があまり進展していないようだ。

辺野古新基地の建設が本格化してまもない時期に現地を訪れたのは2014年8月だから、すでに9年以上が経過している。米軍基地の資材搬入口から道路をはさんで向かい側に、反対派の座り込みスペースがあるが、この日見かけたのは数人程度。9年前と比べるとだいぶ静かだが、手弁当で運動を続けていることを考えれば仕方ない。

一方、基地の資材搬入口には、ほとんど隙間なくという感覚で警備員が十数人立つ。背筋をピンとのばし反対派の侵入を決して許さない雰囲気だ。こちらは9年前と比べると人数はほとんど変わらず、しっかり訓練されている印象だ。金銭的に厳しい民間の活動に比べ、ほとんど打ち出の小槌のような国家予算がバックについているから警備に金を惜しまず費用をかけられるのだろう。反対する勢力は全力で抑え込む国家権力の姿勢ともいえる。民間のビジネスではこのような人やカネの使い方は考えられない。

 加えて、5年前まではこの搬入口しか新基地の工事には使っていなかったが、現在ではここ以外にも何カ所も搬入口として利用するようだ。大浦湾側の埋め立て工事が進められないため、ほかの場所での工事に取り掛かっているようだ。

宜野座上空のオスプレイ 004 米軍輸送機オスプレイが1129日、鹿児島県屋久島沖で墜落事故を起こし、沖縄県はもちろんのこと日本政府も安全が確認されるまでオスプレイの飛行停止を米軍に求めているが、その後も沖縄県内で飛行が続く。今日(12月6日)夕方、那覇市上空を普天間基地に向けてオスプレイが飛ぶ姿を見かけた。報道によれば、米軍側は「公式の飛行停止要請を受けていない」と主張するとともに、「安全性に問題はない」と答えているという。米軍機が日頃から飛び交い米軍の対応を見聞きしている沖縄では、ある程度予想された反応ではあるが、政府の対応には失望を感じないではいられない。

 日本政府は飛行停止を要請したと発表しているが、どの程度本気で「要請」したのか疑わしい。米軍側が「公式の要請」という言葉を使っているところに、政府が及び腰で「要請」したのではないかと思いたくなる。米軍が気分を害することのないように忖度したともいえよう。だが、このような忖度があるとすれば、どの程度の意味があるのだろうか。そもそも、日本国民の声に耳を傾けない米軍が日本の利益を尊重するとは思えず、米国政府高官は、日本を守るために米軍が駐留することも否定している。米軍が日本を守るとは勝手に日本側が抱いている幻想に過ぎない。

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