沖縄・米軍基地データ

沖縄の編集・出版社「沖縄探見社」およびオンライン書店「沖本屋」の代表を務める高橋哲朗が運営。ブラジル、オーストラリア、アメリカと移住を繰り返した筆者が、沖縄の米軍基地にまつわるニュースをお伝えします。「沖本屋」のホームページのアドレスはhttp://okihon.comです。

2015年09月

県産本フェア

年に1回の本のお祭り「沖縄県産本フェア」が9月16日から101日まで、デパートリウボウ7階(那覇市久茂地1-1-1)のブックセンター・リブロで開催される。店内の中央に、出版社ごとにドーンと県産本が並べられるほか、掘り出し物が見つけられるバーゲン本のコーナーもある。県産本コーナーが一段とパワーアップすることはもちろん、出版社ごとの思いやメッセージも張り出され、ふだんとは違った展示を楽しめる。県産本出版目録やサービス提供品もあるので注目。弊社(沖縄探見社)の本も出品されるので、立ち寄った際にはよろしく。

個性

記憶によれば、大学の卒業を控え、就職活動をしていた1980年代中頃から、盛んに「個性」がもてはやされるようになった。メディアでは、企業は個性的な人材の採用に重点を置くという話をよく聞いた。ちょうど、坂本竜馬ブームだったこともあり、履歴書の「尊敬する人」欄に「坂本竜馬」と書く者が多かった。自分を含めて海外経験を「個性」として押し出そうとうる者も目立った。背景には、大量に安くつくるだけではモノは売れないとか、懸命に長時間働くだけでは成果はあがらないとか、高度経済成長期を終えて新しい価値観を求める動きがあったようだ。

 以上のように、「個性」を自分のセールスポイントぐらいに軽くとらえていた時期とは異なり、土井隆義著『「個性」を煽られる子どもたち 親密圏の変容を考える』(岩波書店 2004年)は、もっと根深い問題となっていることを浮かび上がらせる。同書によれば、現在、子どもたちは小さいころから個性的であることを迫られる。しかも、本来、他人とぶつかり合い、深い関わり合いを重ねることで、自分と他人の違い、つまり個性を練り上げるはずだが、今どきの子どもたちは、自分が傷つくことを恐れ他人との深い接触を避けるため、自分の内側をじっと凝視することで「個性」を発見しようとする。ダイヤモンドの原石のように自分の内側に眠るはずもない「個性」を探して不安と焦りに絶えず襲われることになる。

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