2019年03月20日

ヤンバルヤツシロラン

*各写真はクリックで拡大表示されます。

3月中旬の森を歩いてきました。沢沿いを歩いているとアオバナハイノキの花が林床に散らばっていました。樹冠の高い所に咲いているので、下から見上げても花は見えません。
201903Bアオバナハイノキ
この日の目的はランの開花です。やんばるの森の林床を写した写真です。この写真に目的のランが写っています。
201903BヤンバルヤツシロランA
ランというと、下の写真のような綺麗な花を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。今回紹介するのはこれもラン??というような、けっして綺麗とは言えないランです。
201903Bコチョウランsp
探していたのはヤンバルヤツシロラン。前回の記事でも少し書いたランです。この日はばっちり咲いている株がありました。先が少し割れるように咲いていました。ヤンバルヤツシロランは2017年に新種として発表されたばかりのランです。
201903BヤンバルヤツシロランB
下から覗き込むと唇弁が見えました。目立たないので探すのが大変なランですが、このように先端が割れてばっちり開花している株に出会える確率はかなり低いのです。
201903BヤンバルヤツシロランE
指と比べてみました。花の長さ2cm弱の大きさです。
201903BヤンバルヤツシロランC
高さも2cmちょっとしかありません。
201903BヤンバルヤツシロランD
このヤンバルヤツシロランは光合成をしない菌従属栄養植物です。
201903BヤンバルヤツシロランF
植物の多くは菌と共生しており、光合成で出来た炭素の一部を菌に与え、窒素やリンを菌から受け取るという共生を行っています。菌従属栄養植物は光合成止めてしまい、菌からもらう栄養で生きていくという進化をしたのです。光合成をしないので葉もいりません。葉緑体も持たないので、色も緑色ではありません。かなり変わった姿をしています。
201903BヤンバルヤツシロランH
ヤンバルヤツシロランは、現在のところはやんばるだけで見つかっています。林床にシダが茂った自然性が高い森を好むようです。光合成をしないランが生きていけるのは、これを養っていけるやんばるの森の豊を示す指標の一つだと思います。
201903BヤンバルヤツシロランG
別の株も見つけましたが、こちらは先端が開いていませんでした。他にもすでに結実した株や、まだ地上に少し出たばかりの株がいくつか見つかりました。なかなかばっちり開花した状態を観察するのが難しいランです。葉も無いので開花する時しか地上部がありません。見つけるのが難しいランですので、沖縄島以外の別の島からも見つかる可能性もあるようです。
201903BヤンバルヤツシロランI
開花しているのを見つけた喜びでしばらく写真を撮っていると、小さな虫が飛んできて止まりました。こういう昆虫が結実に関与してるのかとか、たまたま止まっただけだろうかと、いろいろ知りたいことがいっぱいです。
201903BヤンバルヤツシロランJ
他にはアオジクキヌランが蕾を付けていました。こちらは更に小さな花を咲かせるらんです。
201903Bアオジクキヌラン
川沿いにはイボイモリの卵も産み付けられていました。4月の上旬ぐらいになると、渓流の源流などでイボイモリの幼生が見られるようになります。
201903Bイボイモリ卵
春のやんばるのランというとカクチョウランとかがメジャーですが、そこを撮らずこんな異形のランを必死に追っているのが管理人の天の邪鬼さが表れていますね。

1枚目から7枚目、11枚目から14枚目 Nikon D750 + TAMRON SP 90mm F/2.8 Di (Model F017) ストロボ使用
8枚目 Nikon D750 + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
9枚目、10枚目 Nikon D750 + FIT魚露目8号 ストロボ使用
おきなわカエル商会




okinawakaeru at 23:57|PermalinkComments(1) 花・植物 | ヤンバル

2019年03月18日

アカバシュスランの写真を追加

告知アカバシュスランakabasyusuran-15今週のおきなわカエル商会の更新で、沖縄の動物・植物達の植物にアカバシュスランの写真9枚を追加しました。花の幅が5mmにも満たない小さな花を咲かせるランです。やんばる森では局所的に生育しています。
Web site 「おきなわカエル商会」は下記のリンクよりジャンプできます。ぜひご覧下さい。
沖縄の自然  おきなわカエル商会 
トップページのWhat's New ! で、追加ページを確認できます。
Nine photographs of Cheirostylis liukiuensis were added.


okinawakaeru at 17:00|PermalinkComments(0) サイトの新着情報・更新履歴 | 花・植物

2019年03月15日

イボイモリの産卵とか

*各写真はクリックで拡大表示されます。

三月に入ったばかりのやんばるの森。今年は春が例年より早いようで気持ちは焦りながら、なかなかやんばるへ行けずにおりました。開花が気になるランがあるためです。やっと時間が出来て歩いた日、天気が良くかなり春めいていました。
林道沿いではシャリンバイが咲き、羽化したばかりと思われるアサギマダラが吸蜜していました。
201903Aアサギマダラ
アオバセセリ忙しそうにも飛び回りながら吸蜜していました。幼虫の食草はヤマビワやンバルアワブキなどアワブキ科の樹木です。
201903Aアオバセセリ
森に入るとアカバシュスラン(別名リュウキュウカイロラン)の開花が始まっていました。高さ10cm程しか無い小さなランです。
201903AアカバシュスランA
花と指先を比べると、小ささがわかるかと思います。
201903AアカバシュスランC
甑島、屋久島、種子島、トカラ列島、奄美大島、加計呂麻島、沖永良部島 沖縄島に分布しています。比較的限られた場所に生育しており、あまり多くないランです。このランの花も珍しいのですが、主目的はこれではありません。
201903AアカバシュスランB
這いつくばって主目的の植物を探していると、産卵中のイボイモリが見つかりました。卵は水中ではなく、斜面に積もった落ち葉の下に産み付けられます。孵化した幼生は、降雨により流されて沢の水へ辿り着いたり、あるいは自分で跳ねて水までたどり着くようです。
201903AイボイモリA
白い矢印の先に卵があります。卵はゼリー層に泥や腐葉土が付着していて目立ちません。
201903AイボイモリB
さて目的のヤンバルヤツシロランは開花直前の株が一株だけ。春が早いので全部開花が終わっているかもと半分諦め気分だったのですが、まだこれから楽しめそうです。開花はの確認は次週に持ち越しとなりました。
201903Aヤンバルヤツシロラン
一度森から出てゆいゆい国頭で食事してひと休み。
201903Aゆいゆい
芝生の中にチクシキヌランが生えているのを探したりしながら日暮を待ちます。
201903Aチクシキヌラン
いよいよ日が暮れて夜の部の始まりです。
201903Aやんばる夕景
夜の渓流に入ると、クロバイの花が散っていました。花は高い樹冠部に咲いているので見えませんでしたが、春の代表的な花の一つです。花の写真はこちらでご覧下さい。
201903Aクロバイ
春の代表的な昆虫の一つであるベニボタルの仲間も成虫が出現していました。
201903Aオオシマカクムネベニボタル
この夜は少し乾燥気味でしたが、ヤンバルマイマイがが林床で活動していました。
201903Aヤンバルマイマイ
朽木の幹にはオオカサマイマイも。
201903AオオカサマイマイA
横から撮るとこんな平ぺったい形をしています。樹皮の下などに潜り込みやすい形をしています。
201903AオオカサマイマイB
ハナサキガエルは産卵が終わったばかりのせいか、すっかり痩せ細った姿でした。
201903Aハナサキガエル成体
やや乾燥気味のためか、カエルは少なめ。ナミエガエルは小さな亜成体がいました。
201903Aナミエガエル亜成体
ホルストガエルも小さな亜成体が数個体。
201903Aホルストガエル亜成体
そして繁殖期のオキナワイシカワガエルも亜成体のみ。成体は少数が穴の中で散発的に鳴く程度でした。
201903Aオキナワイシカワガエル
オキナワアオガエルも数個体が鳴いていましたが、あまり活発ではありませんでした。
201903Aオキナワアオガエル

夜の部はいまいち不発でしたが、朝から夜まで春のやんばるを堪能したので良しとしましょう。
1枚目から5枚目、7枚目、8枚目、12枚目から21枚目 Nikon D750 + TAMRON SP 90mm F/2.8 Di (Model F017) ストロボ使用
6枚目 Nikon D750 + FIT魚露目8号 ストロボ使用
11枚目 Nikon D750 + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
9枚目、10枚目 iPhone 8
First photograph is Parantica sita niphonica.
Secound photograph is Choaspes benjaminii.
Third to 5th photographs are Cheirostylis liukiuensis. Japanese name is Akaba-syusuran. Height is about 10cm. The size of the flower is about 5mm. It's endangered orchid. 
  Ministry of the Environment RED LIST;Vulnerable (VU)
  Okinawa Red Data Book;Vulnerable (VU)
6th and 7th photographs are Anderson's crocodile newt ( Echinotriton andersoni ).  It's an endanger newt. It's just laying eggs.
  Ministry of the Environment RED LIST;Vulnerable (VU) 
  Okinawa Red Data Book;Vulnerable (VU) 
  Natural monument of Okinawa prefecture
  National endangered species
8th photograph is Gastrodia nipponicoides. It's endangered mycoheterotrophic plan.
10th photograph is Zeuxine strateumatica f. rupicola. It's common plant.
13th photograph is Lyponia sp. 
14th photograph is Satsuma atrata. It's an endemic species in Yanbaru-forest. 
   Ministry of the Environment RED LIST;Vulnerable (VU)
15th and 16th photographs are Videnoida horiomphala. Japanese name is Ookasamaimai. Diameter of the shell is about 25mm.
  Ministry of the Environment RED LIST;Near Threatened(NT)
17th photograph is Ryukyu tip-nosed frog (Odorrana narina). It's an endemic and endangered frog in Yanbaru.  
 Ministry of the Environment RED LIST;Vulnerable (VU)
 Okinawa Red Data Book;Endangered (EN)
18th photograph is subadult of Namie's frog (Limnonectes namiyei). 
It's an endemic species in Yanbaru, and endangered frog. 
  Ministry of the Environment RED LIST;Vulnerable (VU)
  Okinawa Red Data Book;Endangered (EN)
  Natural monuments of okinawa prefecture
  National Endangered Species
19th photograph is  subadult of Holst's frog ( Babina holsti ).
  Ministry of the Environment RED LIST;Endangered (EN)
  Okinawa Red Data Book;Endangered (EN)
  Natural monuments of okinawa prefecture
  National Endangered Species of Wild Fauna and Flora
20th photograph is subadult of Ishikawa's frog ( Odorrana ishikawae ). It is an endemic and endangered frog in Yanbaru. 
  Ministry of the Environment RED LIST;Endangered (EN)
  Okinawa Red Data Book;Endangered (EN)
  Natural monuments of okinawa prefecture
  National endangered species
21th photograph is Okinawa green tree frog (Rhacophorus viridis viridis ). It's common frog.

おきなわカエル商会




okinawakaeru at 21:29|PermalinkComments(0) 花・植物 | カエル

2019年03月13日

アオミオカタニシ、シュリケマイマイの写真を追加

ブログ告知syurikemaimai-5今週のおきなわカエル商会の更新で、沖縄の動物・植物達の陸産貝類にアオミオカタニシの写真1枚を追加しました。また同じく陸産貝類にシュリケマイマイの写真1枚を追加しました。
Web site 「おきなわカエル商会」は下記のリンクよりジャンプできます。ぜひご覧下さい。
沖縄の自然  おきなわカエル商会 
トップページのWhat's New ! で、追加ページを確認できます。
One photograph of Leptopoma nitidum was added.
One photograph of Aegista elegantissima was added.


okinawakaeru at 07:30|PermalinkComments(0) サイトの新着情報・更新履歴 | 昆虫類・カタツムリなど