にゃんこ店長【Phyto logos 】を語る

『Phyto』とは植物 『logos』とは理論・概念 のこと。アロマ・メディカルハーブを扱うセラピスト・スクール講師として、植物を用いた美容・健康法や美学について語ります。 SUITEアロマテラピーサロンやSUITEホリスティックアロマスクールでの出来事についてもお披露目します。 ※【Phyto logos 】とはSUITE店長の造語です。あしからず。。。

2013年08月

最後に

森の香りを調香する~森林の香りを身近に~

小川香料株式会社・知的財産部 作田圭亮氏によれば、森のイメージは二つあり、ひとつは、『枝を覆う無数の葉を通り抜けた、緑色に輝く太陽のシャワーの下で、爽やかな風に吹かれながら過ごす心地よいイメージ』で、もうひとつは、『孤独で薄暗く、じめじめしていて、時には恐怖感すら抱かせるイメージ』であるといっている。

前者のイメージで香りを作成するためには、基本となる香りの骨格は、ヒノキ・スギ・マツの精油を混ぜ合わせた木の香りを主体とし、青葉アルコールやα-ピネンなの特有の香りを加える。しかし、これでは青っぽい木の香りだけにしかならないため、爽やかさや清々しさを加えるために、柑橘や花の香り、場合によってミントを加える。

後者の暗いイメージには、苔の匂いを主体として使い、湿った土のイメージを出すために。ベチバーオイルの根の香り、バルサム調の樹液から取った香りを加える。

これらの精油を用いて、森の香りを調香してみた。森林浴の効果は視覚や聴覚からの影響も大きい。1)しかし、嗅覚が自律神経系に与える影響や、森を想像することだけでも、生体に影響を与えるという報告1)もあることから、森林浴疑似体験も心身をリフレッシュしてくれるものと期待して活用したい。


参考文献

1)森林浴はなぜ体にいいか 宮崎良文著 文藝春秋

2)フィトンチッドってなんだろう? フィトンチッド普及センター編

3)やさしいフィトンチッドのはなし フィトンチッド普及センター編

4)森の不思議 フィトンチッド フィトンチッド普及センター

5)フィトンチッドの語源 フィトンチッド普及センター

6)香りの科学はどこまで解明されたか-アロマテラピー・森林浴・嗜好飲料-

青島 均著 フレグランスジャーナル社

7)森林の不思議 谷田貝光克著 現代書林

8)森林浴がヒトNK細胞を活性化する! 日本医科大学衛生学公衆衛生学 李卿

9)森林セラピーの生理的効果の科学的解明! (独)森林総合研究所 宮崎良文

10)アロマテラピーのための84の精油 ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社

インターネットサイト

11)シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告―第8回~第9回まとめについて

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/02/h0208-3.htm

12)シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告―第6回~第8回まとめhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/0107/h0724-1.html

13)旧厚生省シックハウス問題に関する検討会(第5回)議事録

http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0012/txt/s1215-1_13.txt

14)旧厚生省シックハウス問題に関する検討会(第4回)議事録

http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0009/txt/s0925-1_13.txt


15
)森林セラピーポータル

http://www.forest-therapy.jp/

4.必須VOCリストにおけるテルペン類


これまで、森林浴の効果の正体はフィトンチッドであること、フィトンチッドは植物が光合成の過程で二次的に作り出して発散する揮発性の物質で、主にテルペン類に分類される有機化合物であることを述べてきた。これらの成分は心身をリフレッシュさせる事、抗菌・抗カビ・防虫などのプラスの効果がある事も明らかになってきている。

ここからは、フィトンチッドのマイナスの作用について考察したい。

旧厚生省が「シックハウス問題に関する検討会」の報告書中で、『総揮発性有機化合物(T‐VOC:Total Volatile Organic Compounds)の空気質指針値策定の考え方について』を発表し、VOCリストを公表している。このVOCリストにテルペン類も挙げられている。このことによりフィトンチッドの代表成分であるテルペン類も有害物質であるという、誤解が生じやすい。

「植物成分」「天然物」由来の成分は、一般的には安心感を与えるが、100%安全で無害であるとは必ずしも言えないのも事実である。植物がフィトンチッドを作る理由は、自らの身を守る為であり、人に対して有害なものがあっても当然である。

人体に有害なものとしては、アルカロイドを含むトリカブト(アコニチン)、毒ニンジン(コニイン)がよく知られている。他にも食品として扱うじゃがいもの芽の部分(ソラニン)は、消化不良や神経麻痺の原因になるため、経験的に調理の際に取り除く習慣がある。図3中の植物から人への「植物性毒素」がこれに当たる。

一方で有毒成分を薬として用いてきた歴史もあり、これらの毒は薬理作用をもたらすこともある。

さてテルペン類に話を戻すと、これらの作用は抗菌、殺菌、抗ウイルス、抗炎症、去痰などさまざまな作用がある。一方で皮膚刺激や粘膜刺激に注意が必要な成分もある。6.10

そこでフィトンチッドの発散量が多いといわれるマツ科精油を用いて芳香浴を行った際に、フィトンチッドの代表成分であるテルペン類が、どの程度拡散されているか成分を採取する実験を試みた。

今回はテルペン類の中でも、VOCリストに挙げられている、α-ピネンとリモネンを分析した。さらにVOCリストに挙げられている他成分についても採取し、比較検討した。



《精油を用いた室内化学物質検査方法》

環境条件:21㎥の環境試験室 26℃ 湿度なりゆき 

使用精油:パインPinus sylvestris (プラナロム社)0,3ml

検査方法:芳香拡散器(図4)を用いて芳香成分を拡散し、開始5分後と38分後に活性炭チューブ(図5・6)を入れ替え、環境試験室内の空気を採取する。比較対照の為、芳香拡散前の環境室内の状態も測定している。

ファン

      




(図4)ファン式芳香拡散器   



ニオイセンサー




(図5)ニオイセンサ   




(図6)化学物質の捕集化学物質の捕集


表2.室内化学物質の検査結果
 芳香拡散開始前開始5分後開始38分後指針値定量下限値
項目μg/㎥ppmv/vμg/㎥ppmv/vμg/m㎥ppmv/vμg/m㎥ppmv/vμg/m㎥ppmv/v
α‐ピネン<5<0.001290.0031600.131000.0850.001
リモネン<10<0.002410.055800.11100.002
トルエン130.003110.00390.0022600.0750.001
キシレン<5<0.001<5<0.001<5<0.0018700.250.001
スチレン<5<0.001<5<0.001<5<0.0012200.0550.001
エチルベンゼン<5<0.001<5<0.001<5<0.00138000.8850.001
パラジクロロ190.003170.003230.0042400.0450.001
ベンゼン
T-VOC710.0214000.117000.2400400.01

この検査結果(表2)によると、芳香成分拡散開始38分で厚生労働省が提示しているT-VOC指針値を超える700という結果であった。このような結果が、テルペン類が有害物質であるという考えを生じる原因の一つであると考える。

合板などの接着剤によく使われ、目、鼻、喉を刺激する室内有害物質の代表である、ホルムアルデヒドの場合、日本の現在の室内濃度の指針値は0.08ppmであるが、アメリカミネソタ州0.4ppmとなっている。作業環境での許容濃度0.5ppmという値を勧告している(日本産業衛生学会)。

一般的には0.5ppmで明らかな臭気を感じ、1~2ppmで鼻や喉に不快感を生じる。

ホルムアルデヒドを用いて臭度検査を行った宮崎らの実験結果では、0.9ppmで「楽に感じる臭い」「やや嫌い」、1,25ppmで「楽に感じる臭い」と「強い臭い」の中間、「かなり嫌い」という評価であり、この事を実証した結果であると言える。1)

今回のα-ピネンおよびリモネンの濃度に関しては、0.1強であり臭度も弱く、刺激性の意味での毒性は低いと考えられる。

さらに、フィトンチッド普及センターの見解によると、VOCリストの中でも天然物はテルペン類のみであり、テルペン類が有する香りは自然感が強く、身近な自然において、容易に接することが出来ること、ホルムアルデヒド除去効果が認められること、他にも抗カビ性や抗ダニ性など抗菌・防虫効果が認められ、多様な生物活性を有することから、VOCリストからテルペン類を削除するべきであるという意見書を提出している。

このことから、『森林浴の効果の成分≒フィトンチッド≒テルペン類』の有害性は深刻な問題ではなく、むしろテルペン類の作用を考えるとプラス面が多いと考えられる。



最後のまとめに続く

1.森林浴の効果の正体『フィトンチッド』とは

フィトンチッドとは、樹木などが発散する揮発性物質である。

由来は1930年ごろ、ボリス・トーキン(旧ソ連)が植物を傷つけると、その周囲にいる細菌が死滅する現象を発見した事にある。ボリス・トーキンはこれを植物が何らかの揮発性物質を放出したためであると考え、この物質を『フィトンチッド』と命名した。

フィトンチッドは「植物」を意味する「Phyto」と「殺す」を意味する「cide」から作られた造語である。2.3.4.5.6)



2.樹木の化学成分と作用

植物が光合成により炭水化物(ブドウ糖)を作り、このブドウ糖を元にして、二次的にさまざまな成分を作り出すことは学んできた。

樹木を化学成分で分類すると、主要成分と微量成分(抽出成分)に分けることが出来る。

主要成分は樹体を形成するための成分として、セルロース、ヘミセルロースとリグニンからなる。また、樹体自身の生理作用に関係するものとして、フィトンチッドなどの成分があり、テルペン類、芳香族化合物、脂肪族化合物などからなっている。これらは微量成分(抽出成分)と呼ばれている。(図1)主要成分は全体の90%以上を占めるのに対して、微量成分は全体の10%程度である。2)



F化学成分の分類

図1.フィトンチッドが作られる仕組みと化学成分の分類

フィトンチッドは、森林浴効果をもたらす森林や木の香りとして紹介されることが多い。特にフィトンチッドの主な成分は揮発成分のテルペン類である。

しかし、揮発性物質だけがフィトンチッドではなく、香草や薬草、漢方薬などの成分も名前こそ異なるが、フィトンチッドの一種と考えられる。

身近な食生活で例を挙げれば、寿司をのせる飯台の素材である「ヒノキ」には、カンファー・α‐ピネン・リモネン・カジノールなどのテルペン類の成分が多く含まれ、抗菌作用が働く。ネタをのせる「椹(さわら)の葉」の成分は、強力な酸化防止作用を持つピシフェリン酸であり、寿司にきかせる「ワサビ」はアリルイソチオシアネートで強力な抗菌作用を持つ。また、桜餅の「桜の葉」は塩漬けにすることにより芳香が生れ、クマリンをいう強い抗菌性をもった物質が含まれる。柏餅の「柏の葉」にもやはりオイゲノールという抗菌性物質が含まれている。

広範囲な捉え方をした場合、「フィトンチッドとは植物が二次的に作り出すさまざまな化学成分であり、他の生物の生活や行動に何らかの影響を与えるもの」と言える。(図2)2)



フィトンチッド≒植物の二次代謝成分≒生物活性物質



F種類と働き

図2.フィトンチッドの種類と働き

以下に、森林浴に働く精油(香り)成分ついて記した。7)より引用

 

表1.香りの生理活性 

 

成分

働き

その成分を多く含む植物

α‐カジノール

虫歯予防

ヒノキ

カンファー

局所刺激、清涼

クスノキ

シトラール

血圧降下、抗ヒスタミン作用

バラ

チモール

去痰、殺菌

タチジャコウソウ

テルビン油

去痰、利尿作用

マツ類

ヒノキチオール

抗菌作用、養毛

ヒバ、タイワンヒノキ、ネズコ

ボルネオール

眠気覚まし

トドマツ、エゾマツ

メントール

鎮痛、清涼、局所刺激

ハッカ

リモネン

コレステロール系胆石溶解

みかん類の果皮、ローソンヒノキ


また精油を多く含む量について谷田貝は、樹木によって異なり、針葉樹であるヒノキ科のネズコ、ヒノキ、ニオイヒバにはいずれも4%以上、マツ科のトドマツには8%、スギ科のスギには3,1%含まれ、一方、広葉樹のクスノキ科のクスノキ、タブノキ、ヤブニッケイには2%以上含まれる事を明らかにしている。7)この事から、一般的に針葉樹の方が、精油を多く含むと言える。

先にも述べたように、フィトンチッドは生物活性物質として、樹木自身が生きていくための生理作用として様々な働きをしているが、それだけでなく、攻撃の手段でもある。多くの生き物は、自らの勢力範囲(テリトリー)を広げようとするが、それは植物も同じことである。例えば、空き地に生い茂る「セイタカアワダチソウ」の様子を見かけるが、それは、他の植物に対して成長阻害作用を持つフィトンチッドを分泌して、自らの勢力を拡大した結果である。しかしその「セイタカアワダチソウ」も数年が経つと、ススキなどに取って替られている事がある。これは、自らが分泌したフィトンチッドで自家中毒を起こしたものと考えられている。コーヒーの木やニセアカシヤの木の周りに、雑草がほとんど生えないことも、他の植物の発芽や成長を阻害する働きをしているからを言える。

この様にフィトンチッドの働きは、他の植物への成長阻害作用、昆虫や動物に食べられないための摂食阻害作用、昆虫や微生物への忌避・誘引作用、病害菌に感染しないように殺虫・殺菌を行う作用などが挙げられる。

さらに興味深いことに、フィトンチッドは生態系での交流手段としての働きもある。例えば、木は毛虫などに襲われると、毛虫が嫌がる成分を葉に蓄えて食べられないようにするが、それだけではなく、隣の木にもそのことを伝える。この事により、周囲の木も葉を毛虫の嫌がる成分に変質させる。このように警告物質を発散し、激しい生存競争を生き抜く手段としてフィトンチッドが用いられる。他にも様々な交流が行われるが、この交流手段を『アレロパシー(他感作用)』という。



植物相互作用


図3.植物の相互作用


 

さらに続く

今回は、復習を兼ねて
JAMHAハーバルプラクティショナー植物化学科の修了論文を披露いたします



 

森林浴の効果の正体

~フィトンチッドの化学成分について~




はじめに

森林浴を辞書で引くと、『清浄な空気にひたり、また精神的なやすらぎを得るために、森林内に入り散策すること』(大辞林より)また、『健康法として、森林の中に入り、すがすがしい空気にひたること』(大辞泉より)とある。宮崎は『森林浴とは、都会化された人工環境化においてストレス状態にある現代人が、自然環境(要素)と触れ、同調することによって緊張が抑制され、リラックスするというものなのである』1)と述べている。

このことからも、一般的な森林浴に対するイメージは、辞書で定義づけされているように、清浄ですがすがしい空気に触れることでストレスを和らげ、心身をリフレッシュさせるなど健康に役立つ、プラスの効果で認識されていると思われる。

これまで森林浴の効果は、科学的なものより精神的なものが大きいとされてきたが、今日では、森林浴による生理的効果も科学的に証明されつつある。

この森林浴の科学的な効能としては、樹木が発散するフィトンチッドと呼ばれる物質が作用していると言われている。

さらに最近では、このフィトンチッドに抗菌・消臭・防虫などの効果も認められ、上手に利用することにより、私たちの生活をより豊かにしてくれると考えられる。

しかし、フィトンチッドの全てが明らかになった訳ではなく、安全性についても議論がされている。その中でよくとり上げられるのはシックハウスの問題である。

厚生労働省(旧厚生省)が「シックハウス問題に関する検討会」を行い、その報告書『総揮発性有機化合物(TVOC)の空気質指針値策定の考え方について』の中に、『必須VOCリスト』という項目があり、シックハウスの原因と考えられる化学物質が挙げられている。その中にフィトンチッドの代表成分である、テルペン類のピネンやリモネンも含まれている。11121314.)VOCにテルペン類が含まれていることで、フィトンチッドは有害物質であるのかという考えも生じる。

そこで、森林浴の効果の正体であるフィトンチッドの化学成分と作用について調べ、森林浴の有用性や安全性について先行研究をもとに考察する。

さらに、必須VOCリストにおけるテルペン類の解釈について検討を行う。

最後に樹木の香りを用いた芳香浴を行った際に、どの程度の芳香成分が拡散されるのか、室内化学物質の濃度測定を行い、T-VOCの指針値と比較を試みた。



続く


 


 

今回も『免疫系』の続編です

『免疫』について復習をしますと 
免疫とは『自己と非自己を見分け、非自己(異物)を排除したり攻撃をする 、私たちの身体に本来備わったシステム』です。
前回ご紹介した、自己の細胞を間違えて攻撃をする『自己免疫疾患』や、異物に対して過剰に攻撃をする『アレルギー』は、免疫系のシステムエラーです。

近年では様々な『アレルギー』症状にお悩みの方も多いので…
今回のテーマは『アレルギー』と『植物療法』です
アレルギーについて
『アレルギー』と言う言葉は、オーストリアの小児科医により初めて使われました。
ギリシア語で「変化した」を意味する『allos』と「作用・能力」を意味する『ergo』で「変化した反応能力」を意味します。
アレルギーの原因には、遺伝や生活環境、そして抗原に対する過剰反応があると考えられています。
アレルギー症状として、知られているものとしては『花粉症』『アトピー性皮膚炎』『気管支喘息』などがあります。

以下は『クームス分類』によるアレルギーの種類です。

Ⅰ型アレルギー
:アナフィラキシー反応(蕁麻疹・花粉症・気管支喘息など)
この反応は抗原が体内に侵入してから10分前後で現れることから、『即時型アレルギー』と呼ばれ、免疫グロブリン(IgE)がマスト細胞や好塩基球と結合することで、ヒスタミンなどの生理活性物質を放出し浮腫・かゆみ・血管拡張のような不快なアレルギー症状引き起こします。また急激な血圧低下などのショック状態に陥ることもあります。

Ⅱ型アレルギー:細胞障害反応(B型/C型肝炎・リウマチ熱・ペニシリンアレルギーなど)
免疫グロブリン(IgG)が抗原を持つ自己の細胞と結合し、白血球が自己の細胞を破壊することで起こる反応です。

Ⅲ型アレルギー:免疫複合反応(全身性エリテマトーデス・関節リウマチなど)
このタイプは免疫反応により、抗原・抗体が結合した免疫複合体が血液循環により周辺の組織を損傷するします。全身にわたる症状を『血清病』と言います。

Ⅳ型アレルギー:細胞性免疫反応(接触性皮膚炎・ツベルクリン反応など)
この反応は24~48時間後に発赤などの反応が現れることから遅延型アレルギーと呼ばれます。
抗原とT細胞が特異的に結合することで、マクロファージを活性化する生理活性物質を放出し、周辺の組織が損傷することで起こります。

アレルギーの代表的なものには、現代の日本人の5人に1人が悩むという『花粉症』や、4人に1人は自覚症状がみられる『アトピー性皮膚炎』があります。
特に『花粉症』症状が出てくる年明けから春先にかけてと、夏の終わりから秋に対処法を相談にこられる方が多いですね。
しかし、アレルギー疾患の『植物療法』は、体質改善や血液浄化を目的として用いますので、辛い時だけではなく、今の季節のような時も継続して行うことが重要です。

 【メディカルハーブ】
ネトル:Urtica dioica
和名は「セイヨウイラクサ」です。
葉や茎には棘があり、これにはヒスタミンを含んでおり、触れると強い痒みや痛みを生じます。
ハーブティーには葉部を用い、濃い緑色の物ほどクロロフィルを含み高品質と言われます。
また、ビタミンやミネラルが豊富で、特に造血や細胞分裂に必要な「葉酸」を含み、血液浄化や造血作用が有名です。
ネトルの効能効果は、体内の老廃物を排泄する利尿作用によるもので、ヨーロッパでは古くから、アレルギーやニキビの改善に用いてきました。

エルダーフラワー:Sambucus nigra
和名は「西洋ニワトコ」です。
ヨーロッパでは魔除けに使われた、ポピュラーな針葉樹です。ハリーポッターのダンブルドア校長先生が持っていた杖もニワトコの木なんですよ。
このエルダーフラワーは、小さな小花をハーブとして用います。
ティーはキレイな黄色で「フラボノイドハーブ」の代表格と言われ、利尿•発汗•抗アレルギー作用が期待できます。
ドイツでは春季療法として『ネトル』や『ダンディライオン』とのブレンドティーを飲用します。

【精油】
ジャーマン・カモミール:Matricaria chamomilla 
キク科の一年草で、このジャーマン•カモミールはハーブティとしてもポピュラーなハーブです。

精油では、青リンゴのような甘い香りのローマン•カモミール(Anthemis nobilisが有名です。
カモミールの抗アレルギー作用•抗炎症作用は、セスキテルペン類の「カマズレン」によるもので、ジャーマンの方がこのカマズレンを多く含んでいます。
ジャーマン•カモミールの精油が濃いブルーなのは、このカマズレンの成分によるものです。

今や国民病とも言われる『アレルギー疾患』ですが、上記のようなメディカルハーブや精油を活用することで、予防や軽減が期待できます。SUITE でも、もちろんお取り扱いしております。
ブレンドハーブでは
フォーアレルギーネオ
コールドアウトレッド
スロートコートプラス
などがお勧めです 。
そして、くどいようですが
アレルギー対策は、辛い時だけではなく、年間を通じて気長に取り組む体質改善が必要です。
秋〜春のアレルギー予防に、今から体内浄化を始めませんか 

このページのトップヘ