狭山養生鍼灸院

福西式お灸・指圧blog

 前回にひき続き、肝炎についてお話をします。肝炎にお灸が大変よく効くといいましたが、具体的なツボを示しましょう。

               ◇    ◇

 最も重要なのは『期門(きもん)』というツボです。多くの動物実験によると、肝臓に有害な物質を与え、『期門』にお灸をすえたグループとそうでないグループの肝細胞の破壊具合を調べたところ、両者に大きな差が出ることが報告されています。

 では、ツボの位置を説明しましょう。患者に上向きに()らいす。乳頭を足の方へ真直ぐ下ってきた線と肋軟骨との交点で、押して最も痛みを感じるところが、『期門』です。

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                  “気血”が身体をめぐる


 ところで『期門』とはどん
な意味でしょうか。期は「会う、一周」を意味します。少し古典の物の考え方について述べましょう。古典にあっては、人間の生命の根元にあるものを“気血”といいます。この“気血”が身体中をグルグルまわっていると考えるのです。

 たとえば、大阪の環状線を考えて下さい。電車がレールの上を周るように、“気血”も一定の道を周っているのです。そして駅に相当するのがツボなのです。“気血”はツボから外界と出入りします。
スタートの駅が『中府(ちゆうふ』というツボです。人体には300以上のツボがありますが、その最後のツボが、実はこの『期門』なのです。

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 先ほど、期は「会う、一周」を意味すると申しましたが、以上の説明からおわかりのように、一周して最初 のツボである『中府』に会うという意味になり、『期門』はそのような“気血”の出入りする門にあたることになります。

 ツボの名前の由来を考えるだけでも、古代人の思想の一端にふれることになり、興味の尽きないところです。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]



 




   図のお灸器具(3000円)を用いて「熱くない、アトのつかない“八分灸”」のすえ方とツボの取り方をお教えします。肩や腰をはじめ全身に御自分で施灸できます。
 一度来院されるのが最善ですが、無理な方には電話またはLineの動画でお教えします。お気軽にご連絡ください。
      お灸器具jpg


                                     TEL  :   072-367-3792


 肝臓の病気のうち、肝炎および肝硬変を中心として話をしたいと思います。以前にも本シリーズで肝臓病について述べましたが、もう少し突っ込んで考えてみましょう。

 というのは、第1にお灸が肝炎および肝硬変に大変よく効くものであること。第2に肝炎についての研究は最近になって盛んになったのであり、〝これぞ決定版〟と言えるほどの薬品がまだないこと。以上の理由により、もう一度とり上げた次第です。

 肝炎研究の歴史をちょっと見てみましょう。

 昔からアルコールと肝炎の関係はよく知られていました。しかし、アルコール以外にウィルスによっても肝炎が発症し、しかもこちらの方がずっと多いという事実が知られたのは、そんなに古いことではありません。1941年に発表された北海道大学の研究が先駆的なものといわれています。

 その後、約20年間の停滞の後、1964年になって、アメリカのブランバーグがB型肝炎ウィルスの一部であるオーストラリア抗原を発見しました。これが、ウィルス性肝炎研究の飛躍台になったのです。

               食事療法の方針大きく変化

 このように、東京オリンピックのころからスタートして、たかだか20年しかたっていないのです。こんな若い学問ですから仕方ないとはいえ、病気への対応法、とくに食事法も短期間に大きく変転しました。

 少し前には、低タンパク・やや低カロリーの食事でないといけないとされていました。つまり、ビフテキはいけなかったのです。その後、高タンパク・高カロリー食が唱えられました。ビフテキが奨励されたのです。現在では、高タンパク・やや低カロリー食がよいとされています。脂身抜きのビフテキです。

 もちろん、それぞれには、もっともと思われる理由が述べられてきました。しかし、こうコロコロ変るのであれば、自然に、何でも食べていた方が正解ということになります。あまりに人為的な考え方は排すべきでしょう。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]



 




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 人形浄瑠璃の『新版歌(しんぱんうた)祭文(ざいもん)』から『お染久松野崎村の段』の話を続けましょう。

 

 久松が父・久作の背中をもみ、許嫁(いいなずけ)のおみつが足にお灸をすえている場面です。

◇    ◇

 「はてよいわいの、昼中にうっとうしい、ナウ久松々々、コリャ久松、よそ見ばかりして居ずと、しか/\と揉まぬかいの」

 「サアよそ見はせぬけれど、エエ覗くが悪い折が悪い/\悪い」と目顔の仕方、

 「ヤ悪いの覗くのと足こそすえて居れ、どこもおみつは覗きはせぬ」

 「サアアノ悪いと言ひましたは、(たし)か今日はうんこう日(それ)に灸は悪い/\と云ふたので御在ります」・・・・

◇      ◇

 少し解説しましょう。

 お灸をすえるのですから久作の肌があらわになります。すえるのはまだ娘のおみつですから、久松の方が娘心に気を使っているのです。久作の方は、おみつはどこものぞいたりしないから、よそ見をせずにしっかり揉んでほしいと久松に頼んでいるのです。

 

針灸治療にも“暦”の良し悪し

 

 これに対し久松は、いろいろ悪いと言ったのは、今日は“うんこう日”だから灸に悪いと言ったまでだとごまかしています。ここで、『うんこう日』という語が出てきます。

 

 『うんこう日』とは、日月が運行することから、暦を指します。つまり、お灸をすえてよい日と悪い日が決まっていたのです。これは平安時代にあっては厳格なものでした。このことは、平安貴族の日記によく出てきます。

 

 平安時代の医書である『医心方』から『うんこう日』の記述を引用しましょう。

 

 <華他法云凡諸月朔晦節気上下弦望日、血忌、反支日皆不可針灸治久病滞疾。記在暦日>

 

 これは、月々のついたち、上弦・下弦の月のころ、満月の日、月経の日、反支の日などには、慢性の病気には針灸治療をしてはいけないと言っているのです。

 

 『うんこう日』については面白い話を別にしましょう。

 

 話は変わりますが、私の本『家庭でできるお灸療法』(日東書院)が書店にない場合にはご連絡ください。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]



 




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