狭山養生鍼灸院

福西式お灸・指圧blog

 いくら、金、金、金の世の中とはいえ、多額の保険をかけて海外旅行に連れ出し、その人を殺してしまうという昨今の話を聞くと、癪に障るのは私だけではないでしょう。このように『癪に障る』という言葉は、“腹が立つ”という意味で現在も使われます。

 

 また、西鶴の『日本永代蔵』をはじめとする多くの近世文学に、単に『癪』あるいは『癪持ち』という語がよく出てきます。これは、上腹部の強い痛み――現在言う『胃けいれん』を指していると思われます。

 

 一方、『癪』という字をみると、ヤマイダレに(つも)り、ってつい病気という意味す。しょうか?腹立感情す。そう癪に障るは、腹立感情ってけいれん代表胃腸障害解釈す。

 

健康なお腹は柔らか

 

 さて、東洋医学には『腹診法』といって、お腹を診て、その人の健康状態を診断する方法があります。

 

 これによると、力を抜いた状態でお腹を押したとき、つきたてのお餅のように柔らかく、同時に弾力のあるのがよく、健康な証拠とされています。このような人は人格円満で、少しのことで腹を立てたりしません。

 

 反対に、腹筋が硬く、弾力がなく、まさに腹が立っているという表現がピッタリの人がいますが、こういう人はいつも胃腸の具合が悪く、ちょっとしたことでも“癪に障り”やすいものです。

 

 また、このような人は一般に冷え症で、足に行く血が頭に行き、カッカとして、いわゆる『冷えのぼせ』の状態で、不眠がちです。

 

 これに対する治療法としては、頭とお腹にお灸をすえる必要があります。根気よくすえ続けると、腹筋が柔らかくなり、冷え症の解消、胃腸の調整、イライラの鎮静、安眠といった効果が出てきます。

 

 こうなると、少しのことでは癪に障らなくなり、いわゆる“(はら)”のできた人と言われるようになります。

 

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]

 




   図のお灸器具(3000円)を用いて「熱くない、アトのつかない“八分灸”」のすえ方とツボの取り方をお教えします。肩や腰をはじめ全身に御自分で施灸できます。
 一度来院されるのが最善ですが、無理な方には電話またはLineの動画でお教えします。お気軽にご連絡ください。
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                                     TEL  :   072-367-3792


 正直なところ、初めあまり気のりしなかったこのシリーズの執筆も、回を重ねるにつれて興味が湧き、ついには、毎週土曜日の午後に原稿を書き了えねば、一週間が終わった気がしなくなりました。こんな状態を『(やまい)こうもうに入る』と申すのでしょう

 

 このように、不治の病にかかるという意味から転じて、ある物事に極端に熱中するという意味でこの言葉はよく用いられます。

 

 ところで、この言葉は正しくありません。『病(こう)(もう)に入る』ではなく『病(こう)(こう)に入る』が正しいのです。これはおそらく、(こう)という字が(もう)の字と大変よく似ているため、間違って広まったものと思われます。今回は、この言葉の出典について述べましょう。

 

ハリ・灸と大切な関わり

 

 中国春秋時代の歴史注釈書である『春秋左氏伝』の成公十年(紀元前581年)の頃に、概略次のような文があります。

 

 晋の景公が病の床に着いていよいよ病が(おも)くなる一方なので、隣国の秦に頼み、名医に来てもらうことになりました。景公は病の床で次のような夢をみました。

 

 公の病気が2人の童子となって鼻から出てきて、「秦から名医がやってくるそうだ。われわれも危ないので、の上、膏の下へ逃げこもう。ここなら名医も手出しできないだろう」と相談している夢でした。やがて到着した医師は、診察の結果、「病が進み、肓の上、膏の下の部分に及んでいますので、ここには鍼も届かず、薬も通じません。もはや御本復の見込みはありません」と申しました。しばらくして、名医の言ったとおり、景公は亡くなってしまいました。以上が出典です。

 

 ところで、この場合の(こう)とは横隔膜のことであり、(こう)とは心臓のすぐ下の部分を指すものと解釈されています。

 

 この膏肓がハリ・灸とも重要な関連があるのですが、その件については、次回にお話しましょう。


狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]

 




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 釈迦(ガウタマ・シッダルータ)が、自らお灸をすえている絵がある、というと「え、おしゃかさんが本当にお灸をすえていたのですか」とよく問い返されます。ちょっと考えてみましょう。その前に、その絵とは江戸後期の絵師、葛飾北斎(1760~1849)の描いたものです。

 釈迦の生存年については諸説ありますが、大体、紀元前400年くらいと思われます。およそ同じ年代に中国では孟子が活躍しており、その著『孟子』の中に次の語があります。「七年の病に三年のもぐさを求む」。七年ごしの慢性病には三年も晒したよいもぐさでお灸をすえなければならないという意味です。もちろん、それよりもずっと前から中国にはお灸があったのです。だから、中国からインドへお灸が伝わり、おしゃかさんがすえていても年代的にはおかしくありません。しかし、そんな記録もないので、おしゃかさんが本当にお灸をすえることはなかったのでしょう。


               北斎自身がお灸に感謝?

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 しかるに北斎はこんな絵を残しました。これからは私の推測です。

 北斎自信89歳まで長生きしました。当時としては驚異的な長命です。きっと北斎自身お灸をすえていたから長命だったと思われます。(正確な記録はありませんが)

 また、この絵のおしゃかさんは、何とも柔和な表情をしておられます。厳しい仏像から想像されるインド人の顔ではなく、まさに日本人の顔です。線香をもっている右手も優美です。足にお灸をすえています。これからいえることは、北斎自身、お灸に対し、感謝の気持をもっていたものと思われます。同時に庶民の気持の代弁です。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]

 




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