福西式お灸・指圧blog

狭山養生鍼灸院

2014年08月

 超有名人である豊臣秀吉の書いた自筆の手紙の筆蹟を前回紹介しました。今回は、その内容についてお話をしましょう。文禄3年(1594)に淀殿にあてた手紙です。

◇      ◇

 かへすがえす、やいと、だれなりともめされ候べく候。御ひろいさまへハ、やいと、御むやうにて候。かかさまめされ候ハバ、くせ事にて候。 
                                                        以上。
 ミ事の御いんしん給候。一しほ一しほながめいりまいらせ候。ここもとのふしん申つけ候て、
五三日中二参、つもる御物がたり可申候。又このはないれ、一しゅ進上候。
やがてやがて参候ハんおりふし、いろいろのみやげ進じ可申候。
                                                      かくし
 おかかさまへ
 ◇      ◇

 上記がその全文です。少し説明しましょう。

八分灸と熱い灸が混在?

 やいと(お灸)は誰がしてもよいが、御ひろい様つまり秀頼にはしてはいけませんと言っています。
 
 次に「かかさまめされ候ハバ、くせ事にて候」とはどういうことでしょうか。かかさまとは淀殿を指します。くせ事とは曲事と書き、正しくない事又はけしからぬことという意味です。ですから、淀殿がお灸をすえることもよくない、と言っているのです。

 この一連の内容は、どう解釈すべきでしょうか。秀吉自身は大のお灸の愛好家で、自身でもよくすえ、他の側室、たとえば「松の丸殿(京極高吉の娘の龍子)」宛の手紙では、お灸を強く勧めています。しかるに、秀頼と淀殿にはお灸をすえるなと言っています。この矛盾を、私は次のように解釈しています。

 つまり、平安貴族がすえており、私が常々現代において推奨している「熱くない・アトのつかない〝八分灸〟」と熱くてアトの残るお灸とが、当時上流階級にあっても混在していたものと思われます。

 そこで、こんな熱いお灸をやめておくよう秀吉が命じたものと思われるのです。それに、この時淀殿は27歳であり、女盛りの身体に間違って大きなお灸をすえ、その灸アトが残るのを秀吉が嫌がったのでしょう。

 狭山養生鍼灸院 福西佐元
  【上記は地方紙に掲載されたものです】


豊臣秀吉はお灸の愛好家でした。自身もお灸をよくすえ、他にもお灸をすすめています。そのことを示す手紙をたびたびこの欄でも紹介してきました。今回は、文禄3年(1594)に淀殿にあてた自筆の書状を紹介しましょう。

 普通、大名の手紙は『祐筆(ゆうひつ) 』という書記担当の秘書官が書きますが、家族や親しい友人宛には自分で書きました。

手紙に「やいと」の文字

 文中、矢印で示したとおり2ヶ所にわたり『やいと』の字が見えます。超有名人である秀吉の筆蹟を味わっていただくのも意義のあることと考え、ここに掲載しました。ただ、紙幅の関係で最後のところを少しカットせざるを得なかったのは残念です。
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 宛名は「おかかさまへ」となっております。秀頼からみれば淀殿は母親になるので、このように呼んでいたのでしょう。今でも、中年になると、妻のことを「おかあちゃん」と呼ぶ人がいるのとおなじでしょうか。

 この文の現代語訳は次回にいたします。興味深い内容ですから、ぜひお読み下さい。

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  【上記は地方紙に掲載されたものです】

 いろいろな肺の疾患に、八分灸は大変よく効きます。

 八分灸とは、もぐさが八分くらい燃えた時につまんで消し去る方法で、熱くなく、アトも全く残りません。

 私の所へ来られる肺の疾患名をあげると、がんこな風邪、慢性気管支炎、ぜん息、肺線維症、気管支拡張症、肺気腫、間質性肺炎等です。最近、非結核性抗酸菌症の方が3人続けて来院されました。この病気にも八分灸がよく効きます。そのうちの一人、Aさん(女性、68歳)に体験記を書いてもらいましたので掲げました。随分好転されていることがわかります。
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前面にも八分灸

 
 治療場所として、風邪や慢性気管支炎くらいなら、背部や側胸部のツボを用います。しかし、間質性肺炎や肺線維症等の重度の疾患には、背部や側胸部に加えて、肺の前面にも八分灸をすえます(図参照)。

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こういう所へ八分灸をすえると言うと、えっ!と驚く方がいらっしゃいますが、そこが八分灸のよいところなのです。熱くなく、アトが全く残らないからこんな所にもすえられるのです。

 ところで、イレッサという肺ガンの治療薬は間質性肺炎を起こしやすいことで問題になりましたが、灸をすえながらイレッサを受けるとその予防になります。

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  【上記は地方紙に掲載されたものです】

 いろいろな肺の病気に、八分灸は大変よく効きます。
 
 八分灸とは、もぐさが八分くらい燃えた時に、つまんで取り去る方法で、熱くなく、アトも全く残りません。ですから小学生でも沢山すえています。

 私の所へ来られる疾患名をあげます。がんこな風邪、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、肺線維症、非結核性抗酸菌症等です。病名はさまざまでも、八分灸をすえるべき所は同じです。図の斜線で示した場所に灸点を沢山つけ、それぞれの点に二壮ずつすえます(一壮とは一つの点に一回すえること)。八分灸にあっては、一つ一つの点に対する刺激量は少ないのですが、灸点が沢山あるので八分灸をすえる数は合計すると大変多くなり、従って総刺激量も多くなります。だから大きな効果が得られるのです。つまり、ツボを点として考えずに面として捉えているのです。

側面にもツボ

 もう一つ、世間一般と私の考え方の違いを述べましょう。

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 世間一般では、肺のツボを背中にとります(図1)。
私は背中とともに身体の側面にもとります(図2)。
これが非常に大きな効果をもたらすのです。私も苦心してこの方法をあみ出しました。

 ところで、お灸の一瞬の熱刺激は電気刺激にかわり感覚神経を伝わって脊髄へゆき、上行して脳に達します。途中で電気刺激の一部が肺へ行っている自律神経に洩れて、これが肺の細胞を刺激し、活動を活発にして病気を治すと考えられています。

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  【上記は地方紙に掲載されたものです】


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