福西式お灸・指圧blog

狭山養生鍼灸院

2015年05月

 がんの予防に八分灸が大変有力であるという状況証拠がたくさんあります。前回までの話をまとめましょう。

 正常細胞では細胞分裂が一定のところで止まるのに、がん細胞にあってはそれが止まらなくなってしまいます。言わばブレーキのきかない自動車のようになっているのです。この原因は遺伝子(DNA)にキズがつくことによります。しかし我々の身体にも防衛機構があります。それは
 ① 傷ついた遺伝子の修復作用。
 ② 遺伝子損傷が激しい場合、その細胞そのものを自爆させる(アポトーシス)。
 ③ 上記①、②をすりぬけてがん細胞が発生(1日あたり数千個といわれる)しても、免疫システムがそれを処理してしまう。
上記①②③を通り抜けた時、病気としての「がん」が出現するのです。
 ところが、八分灸をすえると上記①②③の「力」が増強されるのです。

お灸で免疫力増強
 
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 関西鍼灸大学の東家一雄氏による研究を見ましょう(全日本鍼灸学会誌53巻5号)。予備知識を一つ。前記がん防衛システムが働くには関係物質間で情報のやりとりをしており、その情報伝達物質をサイトカインといいます。サイトカインの量が増えれば防衛システム(免疫力)が増強したことを示します。

 研究ではラットを用い、人間の「足三里」に相当する所に半米粒大の灸3壮(一点に三回すえる)ずつ毎日すえています。表(一部削除)で、サイトカイン(INF-γ)が20日目には非施灸に比べ約2倍になり、免疫力の増大を示しています。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
  【上記は地方紙に掲載されたものです】 


 八分灸をすえるとがんの予防になるという状況証拠が沢山あります。話を続けます。

 人体は60兆個もの膨大な細胞から成り立っており、細胞の中心に核があります。核の中にはDNA(遺伝子)が沢山つまっています。

 細胞は一定の秩序のもとに分裂をしてゆきますが、その際DNAはそっくりコピーされて次の細胞に受け継がれてゆきます。DNAは放射線や発がん物質によって傷がつくことがあります。その数、一日当り数十万個といわれています。傷ついた遺伝子はそのまま次の細胞に引きつがれます。コピーミスも同じです。一つのDNA損傷でがんになるのは例外で、大多数は何度も細胞分裂を経て累積してゆき、一定の損傷数に達した時、一つのがん細胞の誕生となります(その数一日当り数千個)。でも、まだがんという病気ではありません。人体には、がん細胞抑制機構があるからです(表の左側)。
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老化で機能低下

 まずDNA損傷修復機構があります。損傷が修復できないくらいひどい場合には、その細胞を自爆させます(アポトーシス)。それをくぐり抜けてがん細胞が出現しても、免疫機構(主として白血球)で処理してしまいます。ところが、老化等によりこれらがん発病抑制機構が衰えてくると、がんという病気の発病となります。がんが老化現象と言われるゆえんです。次回に、がん予防としての灸の話をします。

狭山養生鍼灸院 福西佐元

  【上記は地方紙に掲載されたものです】 

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