福西式お灸・指圧blog

狭山養生鍼灸院

2015年10月

 今を去ること50年くらい前、大学受験失敗をきっかけとして神経衰弱(今では「うつ病」に分類されている)になった私は、がんこな不眠症に苦しみました。お灸や指圧、それに「森田療法」ですっかり克服した私は、その経験を元に、うつ病や不眠症の治療を長年続けています。

                 二つのポイント

 
不眠治療には二つの要点があります。

 第一、お灸または指圧を頭にすることです。頭へのお灸と聞くと、禿げるのではないか、熱いのではないか、と尻ごみする方がおられます。頭への施灸は人体中、最も熱くないところで気持ちのよいものです。禿げることは絶対にありません。それでも嫌がる人には決して無理強いしません。患者さんがどんな治療を受けるかは、本人の自由であり権利です。人の自由を私は最大限尊重します。自由こそ最高の価値である、というのが私の信念です。そんな方には指圧をお教えします。これもお灸と同じくらい効果があります。図の器具を貸与して、頭頂部を強くひっかくように、ひたいの方へ指圧してゆきます。自分で毎日できます。

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 第二、心のもち方です。不眠症の人は、眠ろう、眠ろう、と努力します。これがいけないのです。眠ろう、とする気持ちにとらわれて、ますます目が冴えてしまいます。

 反対に、「眠らないでおこう」と努力する人がおられますが、これまたいけないのです。ではどうすべきか、次回にお話をします。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
  【上記は地方紙に掲載されたものです】

 近松門左衛門作の浄瑠璃『冥途(めいど)飛脚(ひきゃく)ついしょう
あまりにも有名な話ですから誰でも筋はご存知と思いますが、念のため少し触れておきましょう。



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大和国新口(にのくち)百姓・衛門忠兵衛は、大阪飛脚宿・亀屋の養子になりました。その忠兵衛が、新町遊廓の遊女梅川と恋仲になりました。梅川に身請け話が持ち上り、忠兵衛は向うを張って梅川を請け出そうとして、手を付けてはいけない金に手を出してしまいます。

 

 2人は新口村に落ちてゆき父・孫右衛門によそながら別れを告げて逃げ延びようとしますが、捕えられてしまいます。これから引用する所は、廓内で梅川を身請けする手続きを早くすませ、急いで落ちていこうとあせっている場面です。



「忠兵衛気を()ってってって()も。イヤ身請(みうけ)親方ら。宿(しゅく)(ろう)殿月行事(ふだ)大門っと(ひま)せう。りゃと。一両すおっと三里の灸よりも小判の()る。」



お灸のツボ広い常識に




 簡単に説明しましょう。

 忠兵衛が大変急いでいる様子がわかります。しかし身請けの手続きがいろいろあり、思い通りにゆきません。手続きとは、親方つまり遊女の抱え主の承認を得、宿老つまり町年寄(町役人)の認可を得た後、廓内の行事を扱う月当番(月行事)のもとで大門通過の札をもらってから、やっと遊女が廓を出ることが許されました。



 このような面倒な手続きを急がせるために五兵衛に頼みますが、しぶるところに小判を1両余分に渡すと、三里のツボにお灸をすえるよりも足軽く効果があったと書かれています。  



 “三里の灸”はいろいろな疾患に効果がありますが、足を軽くさせるには一番よいツボとされており、そのことを踏まえて使われています。当時の観客全員がこの事実を常識として知っていることを前提としています。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
  【上記は地方紙に掲載されたものです】
  


 


 


 


 


 


 


 

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