福西式お灸・指圧blog

狭山養生鍼灸院

2016年11月

肘の外側が痛いのを『テニス肘』といい、内側が痛いのを『野球肘』といいます。これら肘の痛みに、お灸はよく効きます。

 肘の外側が痛いときによく用いられるのに『曲池(きょくち』というツボがあります。

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読んで字のごとく、肘を曲げたときに外にできるくぼみにあります(『池』とはくぼみをさします)。実際には、肘を深く曲げたときに皮膚上にできるスジの外端に取ります。ここに八分灸を5壮ぐらいすえるとよいのです。
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 ところで、仏教とともにわが国に伝来した灸療法は、またたく間に庶民の間に普及しました。鎌倉時代以後になると、軍記物語などの中で身体の部位を示すのにツボの名前を用いるということがよくみられるようになりました。『曲池』がそのように用いられている例を『備前老人物語』からご紹介しましょう。

 これは江戸時代初期の本で戦国時代に活躍した武将たちのエピソード集です。引用するのは、小田原の北条攻めの際、久世という家康の旗本と野中という相手方とが交した(いくさ

)

のもようです。

             身体の部位をツボで表わす

 
<小田原陣の時、久世三四郎、左の手に(きず)(こう)(やりを左の曲池にかかえ、
敵野中某にわたしあう。野中つよく鑓をうちはねければ、三四郎左の手かなわずして右の方へ

)

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鑓をうちやられながら、又最前(さいせんのごとく左の手の曲池にかかえんとせられける処を、
野中、鑓にて三四郎鼻柱を横につき候時、・・・・・・>

)

)
 読者のうち大部分の方は、もし曲池についての筆者の説明がなければ、右の文の描写を充分にご理解できないでしょう。ところが当時の人々は何の説明もなしに、現場に居合わせたごとく、リアルに理解できたのです。このことは当時の人々が多くのツボを常識として知っていたことを示しています。

 現代文の中にもツボの名前が自然に用いられるくらいにお灸が普及することを切望する次第です。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]

  

 


   一度の来院で「熱くない、アトのつかない“八分灸”」のすえ方とツボの取り方をお教えします。図のお灸器具(3,000円)を用いますので、肩や腰をはじめ全身に御自分で施灸できます。予約の上お越し下さい。
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                                 TEL   072-367-7329
                    MAIL  okyumeijin1@gmail.com


 頭痛・頭重・不眠・イライラなどに、頭へのお灸は大変効果があります。また、高血圧や中風にもお灸はよいのです。頭にもたくさんのツボがありますが、何といっても、頭頂部の中央にある『百会(ひゃくえ)』というツボがよく用いられます。

 『百会(ひゃくえ)』に対するお灸の話は歴史上たくさんありますが、最も有名なものの一つである松永久秀の例をご紹介しましょう。

 

◇     ◇

 

 戦国時代の武将であった(まつ)永久(ながひさ)(ひで)は、当時風潮であった下剋上代表人物す。り、裏切主人、あ権威徹底実行人物す。

 

 具体的に述べると①主君である三好氏を殺し、② 将軍・足利義輝を殺害、③東大寺大仏殿を焼き払い、④織田信長に仕えていながら裏切って武田氏に通じ、一度は許されましたが、再度毛利氏と通じて謀反を起こし、逆に信長によって滅ぼされました。

 

切腹にそなえ灸をする

 

 この久秀、信貴山城が落ち、いよいよ切腹という時に頭に灸をすえろと言い出し、周囲の人を驚かせます。これに対する久秀の答えを『備前老人物語』という江戸時代初期の書から引用しましょう。

 

 「これを見る人いつのための養生ぞや、とさこそおかしく思うべけれど、我常に中風をうれえぬ。死にのぞみて、もし中風発して、五体心にまかさずば、臆したりとやわらわれなん。さあらんには我いままでの武勇ことごとくいたずらごとなりぬべし。百会は中風の神灸なれば、当分その病をふせぎて、心よく自害すべきとのためなり。」

 

 右の文は解説するまでもありませんが、あえて一言すれば「中風が起こって見事な切腹ができなければ、死を恐れる臆病者として後々笑い者になるから、『百会』に灸をしてこれを防ぎたい」と言っているのです。

 

 久秀の面目を示す話をもう一つあげると、信長が欲しがっていた『(ひら)蜘蛛(ぐも)というを、信長口惜しい切腹ったというす。

 

 この話を聞くとき、戦国の世に生きる人物の強烈な執念を思い知らされ、慄然となるのは筆者一人ではないでしょう。

狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]

  

 


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