有名な『孟子』に出てくるお灸のお話をしましょう。

 
                                

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      民之帰仁也、猶水之就下。

       (中略)今、天下之君、有好
      仁者、則諸候為之矣。雖欲

      無王、不可得己。今之欲王者、

      猶七年之病、求三年之也。

      苟為不蓄、終身不得。苟不志

      於仁、終身優辱、以陷於死亡。

      (後略)

 


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 右について、今里禎氏の訳文を紹介しましょう。
 
 人民が人徳を慕うのは、ちょうど水が低い方へ流れるように自然なことである。もし、人徳を好む君主があらわれれば、諸候は人民をその君主のもとに追いやることになる。そうなれば、君主は、自分では望まなくても王にされてしまう。

ところで、いまの諸候たちは、王になりたがっているくせに、そうしない。これは、七年ごしの病を治すのに、三年も干したよい「艾」(もぐさ)をさがすようなものだ。ふだんからの用意がなければ、望みがかなわぬままに死んでしまう。平素から仁徳に心がけなければ、死ぬまで苦悩と屈辱がつきまとう。

 以上が『孟子』の原文とその現代語訳です


                                                       よもぎを自然乾燥


  この「七年の病に三年のもぐさを求む」という語は、ここを原典として、これだけが独立してよく使用されたものです。特に我々の仲間うちではよく使われました。

 もぐさは、よもぎの葉の葉脈のうち最も細いところを使用します。そのためには、よもぎを刈りとってきて、軒下に吊るして自然によく乾燥させるのです。それをすりつぶして、太目の茎や太い葉脈を除きます。同時に、葉緑素や葉の裏にある()()()等も除去します。よいもぐさを作るには、大変な時間と労力が必要なのです.

 よいもぐさを使ってお灸をすえると、燃焼温度は高いのに、まったり(・・・・)として熱くなく、それでいて焼アトもつきません。そのため効果も全く違ってきます。本当によいプロが使うもぐさと、素人が薬局などで求めるもぐさでは、その値段において何十倍も開きがあります。だからお灸専門のプロから、譲り受けるのが最良の方法です。


狭山養生鍼灸院 福西佐元
      [上記は地方紙に掲載されたものです]




 




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