発端となったのは某2chまとめサイトの記事でした。

『ベルセルク』連載終了で、信者が阿鼻叫喚でスレが崩壊wwwwww
http://blog.livedoor.jp/shonenmanga/archives/30868454.html
 


その記事にはヤングアニマル編集部からのお知らせという体裁で、「ベルセルク」の連載が不本意な形で終了するという情報が書き込まれていました。以下がその文面です。

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当然スレは荒れます。

住民の反応は


もう読まんよ。再開してもアニマルでベルセルクは読まない 
 

旅 の 目 的 な ん か も う 忘 れ た よ 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?(;゜д゜) 

と阿鼻叫喚です。

そしてこの情報は、まとめサイト経由でtwitterにも拡散します。

「ベルセルク連載終了」の報に触れて、twitter住民も沸き返ります。

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まぁ、当然です。

20年以上連載を続け、2400万部も売れている超人気漫画が、ストーリーに全くオチをつける終了なんてことになったら誰でもびっくりします。ファンならなおさらです。

正直な話、最初にこの報に触れたときは僕も死ぬほどびっくりしました。

たしかに「ベルセルク」は現在7ヶ月ほど休載が続いており、ストーリーも重厚長大で、「完結できるのか?」とさんざん囁かれた漫画です。

さらに近年は「グイン・サーガ」の栗本薫先生や、「ゼロの使い魔」のヤマグチノボル先生が作品を完結させぬまま相次いで他界しており、「作家は永遠ではない」ということを否が応でも意識せざるを得ない状況でした。


しかし、同時にかすかな違和感もありました。

7ヶ月も連載を中断してケロリとしてる漫画が、

いまさら作者の体調不良ごときで「連載中断」、ましてや「完結」などという措置を採るだろうか?


出版界の常識からすればありえません。

「FSS」や「ガラスの仮面」のように、数年に1度しか単行本が出ない漫画も数多くありますし、人気作である以上それが許されるのが漫画出版の世界です。週刊連載ならまだしも、「ベルセルク」のような超人気タイトルに限って「体調不良が原因での連載終了」はありえないように思われました。

というわけでネタ元を調べてみると

デマであることが明白な、あまりにもお粗末なソースからこの情報が拡散しているがわかりました。

ネタ元の記事をよーく読んでみてください。

まず第1に

・情報ソースが皆無であること。

「ヤングアニマル編集部」より「愛読者の皆様へのお知らせ」という体裁で書かれていますが、それを示すようなURLや雑誌のスキャンなどは皆無です。どこの誰ともわからない人間が「こういうお知らせがあった」と言っているに過ぎません。

第2に

・投稿日が古すぎること

投稿日が2013年7月26日となっています。今日の日付が8月19日なわけですから、20日以上も前の情報です。ベルセルクほどの人気作の打ち切り情報が20日以上もネットで無視されることがありうるでしょうか?あり得ません。

この時点で僕は、ベルセルク打ち切りの報は何者かが流したデマであると確信しました。

しかしTLの「ベルセルク打ち切り」の報は止まりません。もう少しでトレンドに入るんじゃねえか?というくらい拡散に次ぐ拡散で、勢いが衰える気配はありません。そこで、あえてデマにカウンターデマをぶつけることで、どんな反応が帰ってくるのかを見てみよう、と思い立ちました。

という名目で情弱を馬鹿にして遊ぶことにしました

僕の作ったデマがこれです。

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・情報ソースが皆無であること
・投稿時間(日曜深夜)が明らかにおかしいこと


という点で、拡散された「連載終了」のデマと情報の信ぴょう性は全く変わりません。

僕の作ったデマツイートにも雑誌のスキャンや信頼出来るサイトのURLはありませんし、日曜日の深夜に電話で問い合わせをするというのも普通に考えれば無理そうです。 

さてどうなるかな、と放流したところ。

50分で400RTを超えるほど拡散してしまいました 
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RTしたひとの中にはまとめブログのデマに憤る方インターネットリテラシーについて高らかに語っている方なども多く散見されたことは記録に残しておきたいと思います。

はっきり言いますが、あなたたちの情報リテラシーは
まとめブログのデマに踊っている人たちと何も変わりません。

いい加減ヤバイと思ったのですぐに釣り宣言をしたのですが、虚偽の情報に踊った自分よりも虚偽の情報を流した僕に噛み付く人間が多かったのは残念だなと思います。

もちろん、僕はみなさんに感謝してもらおうなどとはこれっぽっちも考えていません。

ですが、僕に腹を立てるのと同時に僕に騙された自分自身にも腹を立ててほしいと思います。

偽情報というのは今回のように「悪意ある人間が意図的に流す」というものよりも「善意から間違った情報を流す」「意図せぬミスで間違った情報を流してしまう」というパターンの方が圧倒的に多いです。

そしてそんなデマは時に多くの人間の命を奪う蛮行の引き金にもなりえます。

あなたはそんな時でも「情報を流した側」に全ての責任を押し付け、自分のリテラシーについては全く顧みないのでしょうか?

今回の事件があなたの情報リテラシーについて、ほんの少しでも省みる機会をになればと願っています。