「メンヘラ神」なるメンヘラが自殺した。

メンヘラ神氏は自分の病気をネタにしたブログやtwitterで人気だった人物で、死亡時はだいたい2000人くらいのフォロワーがいたと記憶している(現在は「自殺効果」で7000人近くに増えている)。

彼女は典型的な例だ。

何が典型的かと言うと「メンヘラ(精神病患者)」であることをネタにして、ウリにして、コンテンツにして、人気者になった結果、「メンヘラ」であることをやめられなくなった人間の典型だ。

これは本当に多い。

例えばリストカットをする、OD(オーバードース。向精神薬の過剰摂取)をする、他人に暴力を振るう、そういうマイナス以外の何物でもない行為を楽しげな文章やイラストで粉飾し「ネタ」に昇華してインターネットで公開する。

すると同じような境遇の人間から共感や尊敬が集められ、ブログのアクセスカウンターが回り、twitterのフォロワーが増え、ある種の「有名人」になる。

有名人になるとチヤホヤされて嬉しいので、行為はエスカレートする。

周囲も黙っていない。未来の有名人を目指してもっとヤバいリストカットを、もっとヤバいODを、もっとヤバい暴力沙汰を起こし、もっとじっくり練った文書やイラストや企画を盛り込みトップの座を狙っていく。

すると何が起こるか。メンヘラのインフレーションである。

暴走族のチキンレースに似ている、といえば理解しやすいだろうか。クズ行為で人気者になった人間は、周りから飽きられないためにライバルに打ち勝つためにもっとすごいクズ行為を繰り返さねばならず、結果としてセンセーショナルな自殺や予期せぬ事故死(死ぬつもりがなかった自殺なのに死んでしまうなど)に辿り着くのである。

「ブログのアクセス数やtwitterのフォロワーが増えてそれで何になるの?」と思われる読者もいるだろう。まともな視点であり、大事にしてほしい。

なぜメンヘラたちがこのクズ行為のチキンレースに熱中するかと言うと、こういったクズ行為を褒めてくれる「メンヘラ仲間」以外の人間関係が希薄だからだ。

小学校では足が速いことが、中学校では喧嘩に強いことがステータスになったりするがあれと同じである。狭く閉ざされたコミュニティの中では特殊な価値観が生まれやすい。現在のタコツボ化したインターネットでもそれは同様である。メンヘラたちは「メンヘラクラスタ」というタコツボの中で、狂気を競う。

その結果、こういった糞以下のパーティーが催されたりもする。



>>狭いカラオケボックス内に詰め込まれたメンヘラたち――境界性人格障害、鬱、躁鬱、不安障害、統合失調症、アスペ、離人症、解離性健忘など、「まるで精神疾患のバーゲンセールだな」という状況だった。

>>全員がカラオケボックスに出揃うと満面の笑みで人数分のカミソリを配布する主催者

>>ブロンをキメてから来たという黒髪ロングがカラオケボックス内でスパスパ切り始め

>>「私今度彼氏と練炭自殺するんですよー!」「おめでとー!」などの会話を聞いて面白がったりしていた。


はっきり言うが、もうこうなったら終わりである。

精神病は治る病気だ。しかし本人の「治りたい」という意欲がなければ絶対に良くならない。メンヘラクラスタの中では「病んでいること」「狂っていること」がステータスになってしまっている。こんな状況で「治りたい」という意欲を人は果たして持ち続けられるだろうか?

もし君が心の病の患者で、それを治したいと思っているなら忠告する。

こういった狂人の集団に関わるな。

病人と付き合うなとまでは言わない。デイケアや外来で意気投合することもあるだろう。

だけど「病人であることをステータスにしている病人」には絶対関わってはいけない。

彼らはその集団に居る限り永遠に狂気に囚われ続ける。そして少なくない数が自殺や事故で死んでいく。
笑い話じゃなく「本当に」「死ぬ」。

病気は治る。君が治したいと思っている限り、絶対に良くなる。
だから「病気をネタにインターネットの人気者を目指す」ことだけはやめておけ。