古代の覇権国家ローマは、数百年という長い時をかけて、ヨーロッパやアフリカ、中東などを支配下に組み入れ勃興し、やがて衰退した。現代の覇権国家ともいえる米国も長い時間を掛けて、権謀術数を駆使し、テキサスやハワイなどを獲得し、また、2 つの大戦を経て、世界中に同盟国を作りそれらを覇権下に組み入れることで冨を搾取し、勃興してきた。昨今の米国の経済状況からは、一見すると、米国の 覇権の膨張は終わり、衰退期に入ったかのような印象を受ける。しかしながら、これは全くの間違いであり、米国は覇権を拡大する意志、野心、実力、計画を 持ち、虎視眈々と、その時を待っているだけだ。
米国の国策はぶれることはない、覇権≒機軸通貨の拡大である。基軸通貨を有しているということは、世界の貿易が拡大すればするほど、自国通貨の需要は増すということであり、それだけ多くの通貨を発行したり(通貨発行益)、国債を発行することができるということである。世界の輸出入総額は00年の約10兆ドルから10年では約30兆ドルと激増しており、それだけ多くの通貨を発行しても過度なインフレにはならず、国債の発行も可能になったのである。
よく米国の双子の赤字が問題視されることがあるが、あれは国策としてやっていることであって、米国が本気を出せば経常赤字も財政赤字も10 年以内には解決できるだろう。では、なぜ米国は双子の赤字を発生させるのか?それには次のような理由がある。日本と米国のみのモデルを想定する。この時、日本と米国の経常収支(=貿易収支)がトントンだったとする、この場合、日本で生み出された付加価値は、日本国内で蓄積されることになり、日本の国力を増やすことになる。米国にとって覇権下の同盟国の国力が必要以上に高まることは脅威以外のなにものでもない。 米国は自国の経常収支を赤字にすることで、他国で生み出された付加価値(冨)を自国に呼び込んでいるのである。
財政赤字についても同様である。もし、米国が経常赤字の状態で、財政収支が黒字だった場合、貿易不均衡により流入した他国の資本はどこへ向かうだろうか?おそらく株であったり不動産であったり、資源へ向かうことだろう。これはまさしく自国の切り売り、植民地化以外何ものでもない。米国としては何とか避けたいところだろう。では、どうすればこれを避けることができるか?それには流入した外国資本を、株や不動産、資源以外の、実体がなく信用によって成り立ち、国家間の力関係でいかようにもできる資産に向かわせれば良い。そして、そのような資産は何かといえば、国債となるわけである。
米国の双子の赤字とは、経常収支を赤字にすることで、他国で生み出された付加価値(冨)を自国に呼び込み、かつ、財政収支を赤字にすることで、他国の冨を米国債という、信用と軍事力によって成り立つ資産(国家間の力関係でいかようにもなる、紙切れにもなる)へ向かわせることで、実質的に世界の冨を搾取するということである。
米国は、本来なら天安門事件で中国共産党を崩壊させたかったはずである。しかしながら、天安門事件で中国共産党を崩壊させることはできなかった。そのため米国は戦略を変えてきたと思われる。どういう戦略に変えたかというと、戦争による中共の解体である。天安門事件以降、普通に考えれば中国に対する 締め付けを強くしてもおかしくないはずの米国が、人民元の切り下げを容認し、天安門事件直後の1989年12月に は3.7元から4.7元へ、1990年には5.3元へ、1994年には8.8元へと中国の経済成長を後押しするかのような政策を採っている。何でこのようなことをするのであろうか?理由もなく米国が他国の利益になるような政策をやるわけがない。この政策の真意は、一度中国人に豊かさを覚えさせ、それから恐慌なり不況なりを起こして、中国人を貧乏にさせることで中国人の不満を増幅させ、その増幅された不満をもって中国人を戦争へと駆り立たせようとするものである。貧乏人が貧乏のままだったとしても不満を覚えることはない。不満というものは豊かさを味合わったことがなければ感じることのないものである。不満は格差によって生じるものである。では米国は、中国人の不満をどこへ向けようとしているのだろうか?それは日本以外に考えられない。
WWⅠ、WWⅡを通じて、米国は欧州から覇権を奪った。それにより基軸通貨も英ポンドから米ドルへと変わった。WWⅡでは、狡猾にも日本に英蘭仏をア ジアから追い払わせ、植民地を解放させ独立させることで欧州の影響力を排除し、米国は自らの手を出来る限り汚さずにアジアを覇権下に組み入れた。中東もそうである。また、ロシアや中国の共産化の裏にも米国の影響があったのは間違いない。米国が裏で策動したからロシア、中国は共産主義国になったのである。では、なぜ資本主義国の米国がロシアや中国を共産主義国にしたのだろうか? それは、WWⅡ後のすぐの段階で、中国、ロシアが資本主義国であり、内戦もな く経済成長し、現在に至った場合を想像してみれば明白である。おそらく中国のGDPは米国を超え、ロシアにしても現在よりもっと統治機構がしっかりし、それぞれ 米国と同等か米国にとって脅威となるほどの大国になっていたことは間違いないだろう。そこにバブル真っ盛りの日本やドイツ、フランス、イギリスがくっ ついたらどうなるだろうか?下手をすると米国は覇権国家の地位を失うことになりかねない。米国は中国やロシアを共産国にすることで、その国の経済、文化、伝統、科学技術の発展を損なわし、自国の覇権に対する脅威を取り除いていたのである。
しかしながら、1985 年のプラザ合意以降、中国、ロシアの共産化政策はガラッとかわり、ソ連や中共を崩壊させる方向へと流れが変わっていく。その理由の一つとしては、日英 などの覇権下の同盟国の高度成長の終焉、人口減、低成長、間接支配の確立(マイノリティによる、日本なら朝鮮系)、経済構造の変化(貿易赤字・経常赤字基調)が明らかになったことで、中国やロシアを資本主義国として成長させていっても、脅威は相殺されると判断したためと思われる。つまり、今まで餌を与え肥え太った家畜(日英など)は収穫の段階 に入り、今度は別の家畜(中国、インド、ロシアなど)に餌を与え肥え太らす段階に入ったということである。しかしながら、中国という家畜を肥え太らしたとしても、そこに中国共産党いう飼い主がいるため、現段階では家畜を収穫することはできない状態である。そのうちこれを取り除こうとするのは間違いない。いずれにしても明らかなことは、これから日本は徹底的に簒奪されるであろうということである。何としても日本を経常赤字国へ持っていこうとするはずである(橋下の脱原発もこの流れ、脱原発による化石燃料輸入増のほか、尖閣紛争→日中貿易停止で日本を経常赤字国へ持っていこうとしてると思われる。※1)。流れは次のようになるだろう。国債暴落・金利上昇→日銀引き受け・インフレ→冨を勤労者・低所得者へ転嫁→円安で割高になったエネルギー費 や食料費を通じて冨を日本国外へ流出→米国の資本家の懐へ。
もう一つの理由としては、将来予想され得る欧州連合とユーロの存在が大きく影響したということだ。基軸通貨ドルのライバルであるユーロの出現により、覇権地域の拡大を迫られたのである。どういうことかというと、基軸通貨の地位を保つことが出来るかどうかは、所詮、世界の貿易総額のシェアによるが、米国のEU・ユーロ圏以外の同盟国である日本、韓国、東南アジア、豪、加、墨などのみでは世界の貿易総額におけるシェアは弱いということである。ここにもしエネルギー革命などにより化石燃料の消費が激減した場合、世界貿易における決済通貨のシェアはユーロがドルを上回りかねない。そうするとドルの需要も激減し国債発行も困難となり、その強大な軍事力も維持できなくなって、いずれ覇権国家の地位から転落してしまうかもしれない。そこで欧州以上の潜在力を有する中華を覇権下に組み入れることで、機軸通貨ドルの地位を保とうとしていると思われる。それに中国は米国の最大のライバルとなり得る国でもあり、日本の人口減などの衰退基調が明らかになったこともあって、そろそろ解体し覇権下に組み入れたほうがいいと判断したためと思われる。もし中華が米国の覇権下に組み入れられたなら、ユーロが基軸通貨になることはほぼ不可能となるだろう。そして米国に対抗することのできる国家、地域連合、同盟は世界から無くなってしまうだろう。やがてインドも覇権下に組み入れられ 搾取されるであろう。そしてアフリカも覇権下に組み入れられ、経済成長の後に搾取されるであろう。そして米国の世界覇権は完成である。EU・ユーロも最後には解体されるかもしれない。
米国が、911後、アフガニスタンやイラクに対して戦争を起こしたのには様々な理由があり、おそらく最大の理由は石油価格を高騰させることで米ドル機軸通貨体制を強固なものにするためだが、中国と中東(石油)との間に楔を打ち込むということも大きな理由の一つである。米国がアフガニスタンに駐留軍を置き、パキスタンに難癖をつけて影響力を行使しようとするのは、アフガニスタンやパキスタンを通じて中東の石油を中国へ渡すことを防ぐためである。これらのことから、将来、米国は中国に対して、経済制裁、海上封鎖を行い(台湾有事?チベット暴動?)、エネルギー資源の輸入を滞らせ、中国の暴発を誘発させることで大義名分を得、それを口実に中国に対して戦争を仕掛け、中共を解体しようとしているのではないかと思われる。ただ、中国を暴発させるまでに、中国包囲網を確固なものにするため、まだいくつかの仕込みが必要だと思われる。どういう仕込みかというと、①朝鮮半島の統一、②ロシアの反中親米路線への転向(プーチンの失脚)、③日本の憲法改正、核武装、などである。大体これらの仕込みを達成させるために10年-20年弱は必要だろう。
日本の憲法改正・核武装については、尖閣で紛争を引き起こすかもしれない、あるいは、朝鮮半島有事の際に北朝鮮にテポドンを日本に打ち込ませるかもしれないし、南シナ海の領土問題に日本を介入させ、日中間で紛争を引き起こさせるかもしれない。とりあえず何らかの事件を引き起こし、世論を煽って、それらを実現しようとしてると思われる。そして、これら事件は、おそらく、改憲派が衆参で3分の2の議席を取れそうな段階以降、かつ、TPPを日本が批准した以降に引き起こされるであろう。
第二次世界大戦で日本は米国から原爆を二発も落とされた。国土の多くも爆撃され主要な都市は焼け野原にされた。軍民合わせて数百万人もの日本人が亡くなった。それにも関わらず戦後数十年で日本は奇跡の復活を遂げ、世界で米国に継ぐほどの経済大国になった。しかしながら、このような勤勉で優秀 な国民性を持つ日本人を米国の資本家やパワーエリート達はどう思うだろうか?おそらくライバルというよりは脅威・敵としてとしか見ることはないだろう。
その一方、将来、中共が解体された場合、米国の覇権の下、中華はウイグル、チベットの独立は当然として、そのほかに2つか3つの国に分割されたとしても(南 北で2つ、もしかしたら東北地方も分割されるかもしれない)、あの広大な地域に10億もの人間が暮らし、さらなる発展をしていくことになるわけだ。もしかしたら米国の意に反して、東アジア地域は欧州のように統合してしまうかもしれない。統合とまではいかなくても経済面や軍事面で同盟を結び団結してしまうかもしれない。そのような状況下(最終的には米国の資本家に簒奪されるまでの間)で、中華と一緒に日本も発展させることは、米国の支配者層達にとって 望ましいことではない。中華が発展していけば行くほど、それに反比例して、出来る限り日本の国力は小さくなった方がいいわけである(もちろん限 度はあるが)。首相公選制や道州制、参院廃止、国会議員定数削減もこの流れだと思われる(→日本の政治をコントロールしやすくする)。
ではどうすれば日本の国力を落とすことが出来るだろうか?原爆を落とされ、都市を焼け野原にされても復活した日本だ、並のことでは恒久的にその国力を低下させるとこはできない。国家の国力を低下させるのに最も手っ取り早い方法は何かと考えた場合、それはその国を分割するのが一番手っ取り早い方法だと思われる。では、政治的に日本を分割することはできるだろうか?例えば、現在の朝鮮半島のようにである。できないこともないが、時間がかかりすぎるだろう(道州制の導入、大量の移民の受け入れ、天皇家の根絶などが必要)。では、物理的に日本を分割することはできるだろうか?物理的かつ恒久的に日本を分割させる方法は何かと考えた場合、3つの方法がある。①火山を爆発させ大量の火山灰を日本の国 土にばら撒くこと、②日本の人口を何らかの方法で減少させること、③大量の放射性物質を日本の国土にばら撒くことだ。福島の事故(攻撃)からも放射性物 質がばら撒かれることで経済的・人的な影響が甚大になることは明らかになった。この中で比較的簡単でしかも短期に実現可能なものとなると③になる。
とはいっても日本の国力をある程度低下させるには、相当な量の放射性物質をばら撒くことが必要となるわけだ。確かに原子力発電所にも発電用燃料や使用済み 燃料として多量の放射性物質はあり、原子力発電所を破壊爆発させることで十分大量の放射性物質を撒き散らすことは出来る。だが、原発は圧力容器、 格納容器、建屋とかなりの防御が施されているため、仮に核弾道ミサイルで攻撃されたとしてもどの程度の放射性物質が撒き散らされるかは未知数である。ところが六ヶ所村にある再処理工場に蓄えられている放射性物質は、ものによっては分厚いコンクリートに囲われてはいるが、圧力容器や格納容器に守られているわけではなく、しかも量が桁違いに多いときてる。ここを破壊爆発させて放射性物質を放出させるのが最も効率的かつ効果的に日本の国土に放射性物質を撒き散らす方法となるだろう。
日本の資源は何かと言えば、人、農地、漁場、山林だ。米は東北・北海道・関東で全国の半分程度を生産している。米以外の農産物、漁業、畜産業 にとっても北海道・東北に占めるウェートは大きい。将来、エネルギー革命が起こり、人類が化石燃料をそれほど使わなくなった場合、どのような品物を日本へ輸出することで冨を搾取できるだろうか?おそらく食料が主要な品目の一つになるに違いない。そして日本へ大量の食料を輸出するためには、日本の国土に大量の放射性物質をばら撒き、農業、漁業、畜産業を壊滅させることが一番手っ取り早い方法である。さすがに全ての国土を放射能まみれにす るのは不可能なので、比較的に効率的な農業・畜産ができ豊かな漁場を持つ東北・北海道を放射能まみれにするのが効率的かつ効果的でないだろうか。
米国が中国を解体させようとしていることは間違いない。そして、
①米国製品が中国市場を取り込むため、中国人に反米感情を抱かせない
②戦争になった場合でも戦後を見据え、中国人に罪の意識を植え付けさせる
③アジア地域を団結させない
以上のことを考慮すると、中国の日本への先制核攻撃がベストの策である。そしてその報復として日本にも核攻撃をおこなわせ、それを機に国連軍など を組織し、一気に中共を解体する流れに持って行こうとしている。日中間で数発から十数発程度の核の打ち合いをさせたとしても、米や欧州にそれほど甚大な影響は与えることはない。そして、もしそのような事態が発生した場合、標的になるのは、在日米軍基地と東京、六ヶ所村の 再処理工場になるだろう。東京への核攻撃は、日本の統治機 構(官僚組織)を破壊することができる(オウムの地下鉄サリン事件も一連の流れ、真のバックは駄目理科)、天皇家も根絶できるかもしれない(天皇家が存続する限り 日本の政治的な分割はできない、天皇家が中共軍の攻撃でその家系が絶たれてしまったならば、日本人の中国へ対する恨みは相当なものになるはず)。また、日本のブランド力も低下させることもできるだろう。米国の真の支配者達にとっては一石二鳥、三鳥である。六ヶ所村の再処理工場は三沢基地に近く攻撃の口実を与えやすく、周辺に放射性物質を大量にばら撒くことにより基地機能も損なわせることもできる。また、ここへの攻撃は日本の農業、漁業、畜産業へ大打撃となる。六ヶ所村の再処理工場が攻撃されて東日本が放射能まみれになり、東京をも核で破壊されたとしたら、おのずと次の首都になる場所は決まってくる。大阪都構想はその時のための布石である。
実は、今起こっている一つ一つの事象は全てシナリオに基づいて実行されているに過ぎないのである。