2007年06月27日

街には歌が欲しい。

2bc12b5b.jpg真夜中ロボットが路地を歩いていく音がする。
ここではないどこかへ、ここではないどこかへ。

酔っぱらい集団が今夜だけは許してと大声をあげながら路地を練り歩いていく。

さっきペトラクラークのレコードが終わった。ドントスリープインザサブウェイはかわいい曲だ。ダウンタウンのすばらしさ。

今は音楽も止んで静かな真夜中がある。腹が鳴る。外では猫が悪魔みたいな声で泣いている。この庭にいる猫たちは愛想が悪い、いつも警戒して走り回ってる。
筋書き通りにはいかないよ。

この時期にスーツを着るのはつらい気がする。モテスリムじゃない、ぶかぶかのスーツ。ボタンダウンのワイシャツにネクタイを巻く。巻き方は覚えている、高校時代はブレザーだったから。
靴擦れする革靴をカパカパ鳴らしながら、駅までの長い一本道を歩く。
社会人ぽい手持ちカバンの中にCDプレイヤーを入れてブロンドレッドヘッドをイヤフォンで聴いているが、イヤフォンの長さが微妙に足りなくて、手持ちカバンを手持ちで持つことができない。胸で抱えてみる。
カバンを覗く、メモ帳とペンとCDケースとプレイヤー。何しにスーツ着て外を歩いているのか。


冷えた部屋の中できれいなOLさんの話を聞いていると、意識はわやわやとさまよう。開いたメモ帳に羅列されていくのは、この会社の企業理念や採用方法などではなく、パラダイスのことや音楽のことや人のことや彼女のことや、なんやらかんやら。さまよう頭の中は将来設計などではなく、せっかく池袋来たから帰りにジュンク堂書店寄っていこうというわくわくとどこのラーメン屋にいこうかという悩み。
ぼーっと机の上を眺めていたら、白い机の上にペンで「生活」と書いてあるのを見つけ、これが小説なんだよな、と、思って早く何かをしたくなった。

あいさつだけをしてすれ違って、ちょっとの時間だけ関係して、すれ違った後にはもうたぶんずっとさようなら。ということも、前ほど考えないようになった。
雲に覆われた灰色の下、スーツでそれとなく歩いてみる、さまになってるだろうか。まだまだまったく甘いよ。

ジュンク堂で森達也の放送禁止歌を買い、HMVの裏にあるばんからラーメンで替え玉頼んで、ディスクユニオンでペトラクラークとアラベスクとポップグループのレコード買ったら早く家に帰りたくなって、だから早く家に帰ってしまった。



久しぶりに会った父はそれほど変わってなどいなく、ただ奄美大島帰りの日焼けでしっかりと黒くなっていた。
駅から家まで歩いていくとりとめもない会話。住みやすそうな街だにゃーなんて言われて嬉しくなって。似てない親を部屋に招く。なんとなくいろいろなことが他人事ではなくなっていくような気がして、平日の曇りの午後、親父のタバコの煙の向こうに昨日買ったばかりのトーキングヘッズのレコードのジャケットが黙ってある。変な家に転がってきたなと、赤くペイントされた四人の目がむいている。
探される会話と、あやふやな十年後。


下の部屋の男女のセックスが真夜中に始まるといろいろなことに気を取られてしまう。ウィーアータイムの曲間に喘ぎ声が聞こえ二人は果てたようだ。
天井板一枚挟んでこんなことが起きてしまっている。僕はぼーっと床透けないかなーなんて思う。透けるはずなんてないんだけれども、ずっと考えているとなんで透けていないのかとても腹が立ってくる、だからだいたい寝てしまう。


いったいなんなんだろう、本気じゃないけど疑問はつきない。

新宿東南口で久しぶりに会った友達は二年前とは全然違うくて彼なりに確実に生活というものを自分の方にたぐりよせてた。目の前で演奏するパラダイスを見てかっこいいなと言って僕は嬉しくなってそれを見ている。出るとこ出れば見る人が見ればいい曲をやってるこのバンドが賞賛されるのなんてわかってたからわかってたけども、あんなに知らないたくさんの人が夜の新宿で立ち止まり、笑ったり話したり体揺らしたり拍手をしたりする光景を見たらもうニヤニヤしてたまらなかった。そうでしょそうなんだよかっこいいんだよこのバンド。
路上においてパラダイス至上最長時間のライブになりまだ人がいるのにやる曲がなくなってしまった。昨日の渋谷と高円寺の国家権力な人とロックだかなんだかただ酒に酔って意味不明な罵声を浴びせてきた親父に聞かせてやりたい。ごめんなさいすばらしいでしょう、でもまだ途中だ、今夜も深く深くふけたあとは太陽が昇って晴れるから、たまっていた洗濯物をする。ぐるぐると回る洗濯機と山手線、人間レコードラーメンメール携帯電話人間関係、会定常離。そうやってたまに気づいたときにもどっかで流れていて欲しい。

恥ずかしい言葉を言って恥ずかしくなることもあるけど、それをいつか言っておいてよかったと誇りたい。なんて思うおっぱい。

「明日世界が終わるのよ。」
なんて、僕らはなんでこんなにも世界の終わりに惹かれるのだろうか、終わらないこの世に。


まだまだまだまだだ


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この記事へのコメント
言ってることちがうじゃん、かなり失望した。
嘘じゃんか。かっこつけじゃんか。なんだよ結局就活するのかよ。
Posted by 前からみてる人 at 2007年06月27日 07:16
このコメントをもらったときも見ながら変化っていうものに対してにやけてみたものの、今やマフラーを首に巻いて白い息、就活ってなに?へぇ?ふぁっ?ですよ。
このどっちがいいのかわかないけれども、今んとこ行動を止めたことは、行き先のよどみ具合を激しくするだけです。当たり前のことだけれども、別に寝てばかりいても生きていれば春は来る。状況は状況だけれども、春よ来るなっていう気分でもない。いずれこのままじゃ立ち行かなくなるけどね、今でも十分立ち行かなくなって嫌われてしまいそうなのだけれども。別に、自分に覚悟があったのであれば、このコメントなんて簡単に裏切るべきだったのだけど、今は自分はこんなですよ。
Posted by ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆうすけ at 2008年02月15日 03:08