人に言えないことをね、してきたはずなのに、何ばれたってもう平気になってしまった。白の光線を避けて、漠然と悪いこととエロいことを夢みていた私が、今更真っ当に抱いたゆめのひとつひとつを、ニヤニヤした巨神兵がすくってくれるのを、ぼうっと見上げる。最初から音楽やってればよかったのに。うるせえよ。
お願いです毎日、東京まで、私の前髪の1ミリのズレを確認しにきてくださいなんて言えないけど、そんなに暇で大森靖子の記号利用して言いたいこともそんなにあるんなら、あんたもなんかやればいいのに。うるせえか。
自転車に乗っていたころ、世界は変わらなかったけど、イヤホンから流れる音楽で、いつもとおんなじ地獄が少し違う色にみえていた、愛せるかもっておもった奇跡を、現実をちょっとだけマシにする魔法を、私が、どんな思いして手に入れたかなんて誰にも言いたくない。
生で殴り合わないと確かめあえない私に、CDという時空を超える円盤にちっちゃいおばさん状態にした大森靖子を冷凍保存してぶち込む術を、たくさんのミュージシャンが耳打ちしてくれる。必然とか奇跡とかついそうやって仰々しく呼びたくなるような出会いが沢山あったよ、音楽をあまり聴かないから、私の音楽を進化させているのは音楽人との巡り会いばかりで、そんな人たちと、
ライブとかメジャーデビューとか結婚とか卒業とか夏フェスとかミスiDとか炎上とか色々あったけど、その間もとにかくずっと録音をしていた。
色々ありすぎるとゼロになっちゃう自分とか、そのくせ強くなるためにわざと逆境をつくっちゃう癖とか、そういうの全部そのまんまぶちこみすぎて、なんかはじめて芸術は爆発かもしんないって少しだけ思った。その爆弾には念密な打算とどうしようもない羨望が詰まっている。でもね私達は飽きられないためなんかにモノをつくっているわけではないよ。一日に一万人に嫌われて百人くらいに会いにいく感覚、音楽でこんにちはした後の、さようならに香りはない、振り返りさえしなければと、無理矢理大丈夫にしていくための洗脳。はやく殺されたいのに私を殺せる能力のある敵がいない。何回もペチャンコになりながら、きみが通ってきた全部の自動ドアを私がぜーんぶ手動であけてきたよ。全部おもいどおり、お決まりのパターンをちょっと変則的にしただけで君が空っぽになってくれるのなら、
そこに私の音楽をぶちこみたいっていう洗脳。
脳みそ洗い流してすこしだけ待っていてね、大森靖子メジャー1stアルバム「洗脳」12/3発売です。