2006年10月20日

日本の核兵器保有論について。



 最近、日本も核武装するべきだーという意見をよく耳にします。

 おそらく、そのような意見は北朝鮮のミサイル発射及び核実験に反応しているのだと思います。

 そこで、僕は思うのです。

 もし日本が核保有することで、北朝鮮の核兵器に対する抑止となると考えているのでしたら、それは少し違うのではないかと。

 まず、核の抑止力が有効となる前提として必須の命題がいくつかあると思うのです。

 それは

 ヽ吠軸錣魘式劼抜兇犬詁鵑聴幣綛颪お互いに、

 一つの国が核兵器を発射すれば必ず報復として核兵器を使うとの意思のもと、

 7茲靴銅ら先制して核兵器を発射しないとの合意(黙示の合意を含む)すること

 が条件となるはずです。

 
 さて、果たして北朝鮮は,鯔たすのでしょうか。そもそも北朝鮮はアメリカの原子力潜水艦に搭載された核兵器の脅威のもとにあります。そうすると、いまさら日本が核武装したからといって、脅威に感じるのでしょうか。

 また、北朝鮮という国にの「先制として核兵器を発射しない」と期待できるのでしょうか。

 仮に、北朝鮮が日本の核武装を脅威と感じていることはなく、かつ、いつ核兵器を使うか解らないとしましょう。

 そのとき、日本が核武装することで、北朝鮮の核兵器の使用を抑止できるのでしょうか。

 おそらく、できないでしょう。


 では、日本の核武装をもっとも脅威と感じている国はどこか。

 それはいうまでもなく、中国、ロシア、そしてアメリカでしょう。

 日本が核武装することによって、北東アジアの軍事バランスが崩れることは必至です。中国やロシアは、日本をアメリカとは切り離した独自の脅威と捉えるでしょう。そうして、混乱した北東アジア情勢のなかで、北朝鮮の核武装は既成事実となりかねません。
 日本が核武装すれば、当然、アメリカの「核の傘」を前提とした日米安保体制の見直しの議論も始まります。そのような議論になればアメリカも黙っていられません。自然、北朝鮮の核武装問題に裂く労力が、日本に対して向けられます。

 つまり、日本の核武装は、中国・ロシア・アメリカが珍しく一致している北東アジアの非核化の動きを破壊し、かえって北朝鮮の核武装を事実上容認することになりかねないのです。


 では、日本の核武装をもっとも喜ぶ国はどこか。

 それはいうまでもなく北朝鮮です。

 日本が核武装することによって、国際社会からの非難の矛先を回避することができます。のみならず、日本が核武装すると、もはや日本が北朝鮮の核武装を非難する理由がなくなってしまいます。そうすると核保有国としての日本は北朝鮮の核武装を容認せざるを得ない。

 つまり、日本が核武装することは、北朝鮮の核武装体制の維持を容易にする方向に働くのです。


 以上、縷々述べたとおり、北朝鮮の核武装を抑止するために日本も核武装しようという考えは、浅薄な思慮との批判に耐えられません。


 しかし、実際は、日本核武装論は昔から根強いのも事実です。

 憲法第9条の政府見解によれば、9条は必ずしも核兵器を否定していない。

 もちろん、日本は非核3原則があるが、これは内閣声明にしか過ぎず、法的拘束力がない。いつでも覆すことができる性質のものである。

 さらに、日本は原子力発電所を数多くもち、核兵器の原料となるプルトニウムを大量に保有している。
 ロケット技術も次第に精度と成功率が増してきており、いつでもミサイルに転用可能である。


 日本は気がつくべきです。

 いま、世界は北朝鮮の核武装に強烈な反対を突き付けている。

 しかし、それは北朝鮮だけに向けられたものではなく、潜在的には日本にも(もちろん他の諸国も)向けられているものだということを。


 
 

omosirohannrei100 at 23:50|この記事のURL