2008年01月07日
予防接種
2007.05.28 03:24 | 肥満.健診.予防接種.禁煙 | Tai-chan | 推薦数 : 6
米国の予防接種事情
米国の予防接種に関して以下の1から3の記事を紹介します(2は私が書いています)。麻疹の流行で日本の予防接種も再考の時期に来ています。少し長くなりますが、読んで頂ければ幸いです。
アメリカ政府はバイオテロ対策の一環で予防接種は重要視しています。保険所で受ければ無料の州が多いと思います。ただBCGがありません。これは移民の国であるのに矛盾しているかな?といつも思います。ツ反陽性が当たり前の外国人には昔から悩ましい問題です。
アメリカ国内で予防接種を受けていないのはアーミッシュの子くらいだと言われましたが、現在州によってアーミッシュも現代の医療の恩恵を受ける傾向にありますから、以前と事情は変わってきています。
1.シアトル子育てネットワーク 日米子育て事情の違いより
http://www.junglecity.com/kids/column/difference/4.htm
■ 日本の事情
日本で子供を対象に接種が義務付けられているのは下記のとおりです。
BCG、ポリオ、三種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア)
麻疹、風疹、日本脳炎
その他に任意で接種できるものは次のとおりです。
水疱瘡、おたふく、インフルエンザ
■ アメリカ・ワシントン州の事情
アメリカは州によって決まりが異なりますので、ここでは便宜上ワシントン州についてお話します。現在接種が行われているのは、下記のとおりです。
HepB(B型肝炎)
DTaP(三種混合)
Hib(インフルエンザ桿菌タイプBワクチン。Flu ショットとはまったく別)
IPV(ポリオ)
MMR(麻疹・おたふく・風疹混合)
Varicella (水疱瘡)
PCV (肺炎球菌ワクチン)
HepA(A型肝炎)
Influenza (インフルエンザ)
日本にないものがいくつかありますね。
ちなみに、上記のうちキンダーに入学する際に必要とされているのは、HepB、DTaP、IVP、MMRです。それより以前のデイケアなどでは、この他にHibも要求されます。キンダーの入学申し込みの際に予防接種証明フォームの提出が州法により義務付けられています。
日本では綿密に予防接種のスケジュールが組まれ、1回につき1つの接種というのは大前提です。そこで日本人が一番驚くのが、アメリカの複数同時接種。一度に3本も4本も接種することもあります。子供にしてみれば、痛いのがどっと一度に来る方がいいのでしょうが・・・。
また、接種前の問診も検温もなし。一度は看護婦さんが「念のためにね〜」と接種前にタイレノール(痛み止め薬)を飲ませようとしましたが、なんだか無茶苦茶のような気がして、もちろんお断りしました。
また、日本では2回のポリオがアメリカでは3〜4回(ポリオに関しては接種方法も異なります)、麻疹も2回と、接種回数が異なるため、日本の事情を知っていると混乱します。就学に予防接種証明を必要とするのはとてもアメリカらしいと思うのですが、署名をすれば接種しないことを認めてくれるのもまたアメリカらしい一面ですね。(2004年3月)
2.マイアミ大学日本人会childcare Vaccination予防接種より
2歳10ヶ月の娘のプレスクール入園前に近くの小児科医を受診しました。予防接種は3種(polio、MMR、hepatitis B)を大腿に筋注されました。母子手帳のコピー、日本の小児科医の診断書を持参していったため、これに追加しての接種でした。驚いたのは鉛中毒についてしつこく問診されたことです。小児科医からは2才の娘に予防接種をしないと学校に行けないことをよく説明するように言われましたが、泣き叫ぶ子供に説明しても納得できるはずがありません。結局4人でベッドに押さえつけて接種してもらいました。診察室を出る時に、泣きながら先生にthank you と言って娘が皆を和ませてくれました。
日本の専門家に聞いてみました。以下
ポリオは通常どおりにやっていれば日本では既に終了です(3ヶ月と10ヶ月前後)。アメリカでもOPV(経口生ワクチン)とIPV(不活化ワクチン)を使っていた時期がありましたが、OPVによるポリオ発生のリスクが、OPVを使うメリットを上回るとの理由で、現在はIPVのみ4回の接種に変わっています。
今までに受けられたのが日本でのOPV2回のみであれば、IPVを1〜2回追加されるのは普通だと思います(アメリカでの基準からは)。
MMRも、国際的には日本で問題になった無菌性髄膜炎のインパクトは大きくありません。measlesは日本では1歳、WHO勧告は9ヶ月です。特に、日本の子供が米国に持ち込むということで警戒されています。
B型肝炎は日本、英国、北欧の数カ国を除いてはuiniversal vaccination(特に母親がハイリスクでなくても全児接種)の方向です。中には「危険を承知なら打たなくても入学を認める」学校、州もありますが、これは打っておいて損のないワクチンですので3回打ってよいと思います。chicken poxも検討していいのではないでしょうか?
小児科クリニックでは有料になりますが保険所では無料です。なお日本での予防接種歴は英訳してもっていけば黄色のVaccination Recordに記載してくれます。私は医学キャンパスに近いHealth Centerへ子供を連れていきました。あ?両大腿、腕にもか?痛そう、でも子供の為。http://wiki.livedoor.jp/univ_miami/d/Childcare (2005年3月)
3.こばやしクリニックのHPより
http://www.kobayashi-naika.com/archives/cat004/q015.html
Q:子供も大人も日本人は体格が小さいから、アメリカでの通常の接種量では過量になるのではないかと心配です。
A:これはあまり心配ありません。この国での標準的な量の投与でまず問題はありません。アメリカには体格的に小さい東洋系の方もおられますが、通常通り接種を受けています。生ワクチンは、接種量の違いは問題になりません(数倍多くても、数分の一でも効果や副作用には関係しません)。一方、不活化ワクチン(トキソイドを含む)では、接種量が少ないと抗体価の上昇が少なく有効とならない可能性があり、逆に接種量が多いと接種部位の腫脹等の局所的な副反応が増強する可能性があります。この不活化ワクチンによる局所の副反応の強さは個人差によるものが大きく、もし接種部位の腫脹などが著しいようでしたら、次回から投与量を減量してもらうとよいでしょう。
はしかーこの国の報道を見て行動する国民(患者)の意識
最近変に真面目でいけませんね。。。さて。はしかの生徒が出たので大学が休校になりクラブ活動も禁止となったので、近くの公園でクラブ部員みんな集まって体を鍛える有名大学運動部員だとか、実習でうつるといけない... [続きを読む]
posted from 女医^^遊佐奈子のお気楽! 2007.06.02 21:59
コメント一覧
taichan先生、日米の予防接種事情の違いについての詳しい説明嬉しい限りです!ありがとうございます。
娘は一度に何本もの注射を左右の腿に看護士が2人で一、二の三で打つのは凄い迫力でございます。
日本脳炎とBCGは接種をしていませんがどうなんでしょう?
それから予防接種前には問診と検診(体重、身長測定など)ありました!
先生の前の記事にあったように患者さんに対する態度、治療法などは平等であるのが当たり前のはずなのにクリニック、ドクターによっては違いがあるのが現実なようです。。。
お恥かしながら私も娘の小児科を選ぶ時に一番最初にアポを取る時に聞いた質問はメディケイドを取りますか?でした。。。pug
~pug先生、コメントありがとうございます。私も問診と検診を受けた後接種でした。同時接種は痛そうです。先生が日本に娘さんを連れて帰られる時、BCGと日本脳炎は考えましょうか。現時点ではアメリカの流儀に従うだけでいいでしょう。私も最初は小児科を予約しました。保険所の時は70%黒、20%ヒスパニックでした。Taichan
written by pug / 2007.05.28 16:26
2007.05.26 07:25 | 肥満.健診.予防接種.禁煙 | Tai-chan | 推薦数 : 10
麻疹輸出国の汚名返上!
麻疹輸出国日本を海外から見て感染症専門家の五味先生はLancetに2004年下記の投稿をされています。
日本はUNICEFの麻疹撲滅運動に財政面で多大な貢献をしている日本。乳児死亡率が世界一低い日本。それなのにどうして日本で麻疹が流行るのでしょうか?
報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
最後の一文が印象的です。日本政府に向けての熱いメッセージを送られています。これがLancetに掲載されていることも驚きです。
今回の麻疹騒動は明らかに行政の失態です。アメリカの医学部では麻疹はもはや輸入される感染症であり、その中で先進国日本が輸出していることを教えています。日本人として本当に恥ずかしいです。でもきっと今回の件で国民全体が麻疹撲滅、予防接種徹底を見直すいい機会になってくれると信じています。今こそ麻疹輸出国の汚名を晴らすチャンスです!
原文は下記の通り。
Why is measles still endemic in Japan?
Gomi H, Takahashi H.
Lancet. 2004 Jul 24-30;364(9431):328-9.
Japan has been confronting the problems of uncontrolled measles for more than a decade now, and WHO has taken the initiative to eliminate measles worldwide.
Despite these global efforts, however, measles is still endemic in Japan: there were an estimated 200 000 cases and 88 deaths (mainly in children) in 2000.[1 and 2] But measles is not only a domestic problem. The US Centers for Disease Control and Prevention has reported that Japan is the country that exports measles to the USA most frequently. [3]
Japan has contributed a great deal financially to the global movement to eliminate measles through the United Nation Children's Fund (UNICEF), and infant mortality in Japan is among the lowest in the world. Nevertheless, many Japanese children still die from a vaccine-preventable disease. Why is that?
The measles vaccine was first introduced in Japan in 1966, and the measles, mumps, and rubella (MMR) vaccine followed in 1989. Subsequently, in 1993, the MMR vaccine used in Japan was withdrawn owing to unexpectedly high rates of aseptic meningitis associated with the mumps Urabe AM 9 strain.[4] In 1994, major changes were made to the country's immunisation law, such that all childhood immunisations were no longer mandatory. Individuals would be given “strong recommendations” to get the vaccine, but ultimately it would be their choice.
Since 1994, the Japanese government has played a very passive part in the formulation of vaccine policies, mainly because of strong public opposition to the reinforcement of mandatory vaccination. As a consequence, the general public has not been well educated on vaccine-preventable diseases and is not aware of the significance of those diseases. Measles vaccine coverage rates are lower than in other countries such as the USA, where domestic measles has been almost eliminated. Moreover, even though many countries have already implemented a two-dose regimen of measles vaccine, Japan has not. Until January, 2004, administration of measles vaccine was recommended between 12 and 24 months of age, instead of between 12 and 15 months when children have the greatest risk of contracting measles. There is no established system to check vaccination status on entry to the school systems.
Strong political and social desire has to be inspired, and vigorous educational campaigns for policy makers and the general public are required. If there are clear strategies and prioritisation on vaccine policies, and a strong will to combat the disease, measles in Japan can be controlled. The great success of near elimination of measles on the American continents is strong encouragement.[5] It is time for the Japanese government to regain leadership on this issue.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=15276387&query_hl=1&itool=pubmed_docsum
五味晴美先生 Springfield, Illinois (IL)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2331dir/n2331_13.htm
参考文献:A septic meningitis caused by measles-mumps-rubella vaccine in Japan. Ueda K, et al. Lancet 346:701-2, 1995
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Surgeon General
決して米国の医療システムがよいといっているのではありませんが、確か米国にはSurgeon GeneralというPublic Healthの専門職のポストがありましたね。医師として、政府や国民を啓蒙する... [続きを読む]
posted from 「野戦病院」の研究室 2007.05.28 08:55
コメント一覧
お疲れさまです。
先生の記事で、いろいろ勉強させてもらっています。
麻疹輸出国の話、ほんとに気になります。
恥ずかしい限りだと思います。
それにしても、ワクチンが問屋に頼んでも入手できなくなり
(麻疹ワクチンだけでなくMRも難しい)
抗体検査も、HI法のキットは検査会社でも枯渇し、
あとはEIA法(3倍高い)が頼り...
やっぱり輸出大国への道でしょうか....?Dr Takechan
~Takechan先生、コメントありがとうございます。抗体検査が出来ない、出来ても高価なEIA法しかないと大変な状況なのですね。先生の記事を拝見しまして事情が理解出来ました。麻疹がここまで猛威をふるうとは予想出来ませんでした。少し日本人は(医師も含めて)甘く見ていたのかもしれません。Taichan
written by Doctor Takechan / 2007.05.26 10:14
写真が気になっていましたが、真相が分かり♪ おふたりとも良い表情 電話機もレトロっぽくてグー おのま
〜おのまさん、恐れ入ります。時にはブロガーも遊んでみたくなりまして。Taichan
written by おのま / 2007.05.26 12:57
今回の日本での麻疹騒動でMMRをまだ接種してない8ヶ月の娘を連れての帰国断念しました。
小児科医によると12ヶ月未満でMMR接種をした場合、12ヶ月になったらもう一度やらないといけないと言う事でした。
と言う事で母に顔みせになんと2泊で日本に行ってきました!(お陰様で母親は元気で小休止を保っています)
それでも空のスーツケース一杯に日本から本、食べ物、おまけにベビーフードまで買い込んで来た珍道中でした。税関で短い旅なのに荷物多いと笑われました。pug
~Pug先生、2泊の強行スケジュールお疲れ様でした。お母様がお元気そうで何よりです。私はMMR何と過去3回受けています。さて、8ヶ月のお子さん、東京に連れて行かれなかったのは正解だったかもしれませんね。日本のベビーフードはいいのですか?日本からの帰り、税関でよく引っ掛かります。ちまき、カマボコがシカゴで検査されました。Taichan
written by pug / 2007.05.26 15:45
Tai-chan先生こんにちは。
>報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
本当におっしゃるとおりですね!
報道は本当に恐ろしいです。ゆうあいクリニック理事長
〜片山先生、コメントありがとうございます。報道する側からすれば報道する必要性はあったのでしょうが、しかし予防接種は必要なのですよ!と専門家、厚生労働省が出てきて国民に訴えるべきで弱腰の方針をとった為に今回の騒動です。
日本人は優秀な民族ですから、この騒動からきっと予防接種の大切さを学ぶはずです。Taichan
written by ゆうあいクリニック理事長日記 / 2007.05.26 18:23
・私も五味先生のこの記事は読んどりましたが、そのときは、「ああ、そうか」という感じでした。しかし、現在爆弾が周りに落ちつつあります。この1週間以内に、職員にたいしてワクチンをうつ段取りを整える予定ですが、「泥縄」だなと、反省しています。
・現在当院では、外注の検査はHI法はできず、EIAは今のところ出来るが結果が出るのに10から20日、いつ試薬がなくなってできなくなるかわからない。麻疹単独のワクチンは入手できず、代わりにMRをうたなければならない状況です。ミチバ
〜ミチバ先生、コメントありがとうございます。日本の大変な現状が理解できました。早く麻疹の混乱が収まってくれることを願いますが、喉もと過ぎれば熱さを忘れるということにならないように、政府、国民にこの機会に予防接種について再考する機会になることを祈っています。Taichan
written by ミチバ / 2007.05.26 21:22
男前ですね、先生。
残念ながら、僕はまだしばらく匿名ちゃんでいようかと思います。Murajun
~Murajun先生、オバサンからKeep smile!と言われながら無理やり撮られた1枚です。恥ずかしいので、もうすぐしたら別の写真に替えます(汗)。Taichan
written by murajun / 2007.05.26 22:56
そんなことおっしゃらずに先生の写真、しばらく残してくださいよ。murajun先生のおっしゃる通り、凛々しくて男前ですね。ブロガーのお顔がわかると親近感が持てます。
>報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
同感です。春野ことり
〜本当は1日だけ掲載してその後はブッシュシリーズにしようと考えていましたが、春野先生もそう書いて頂いているようですからしばらく残してみます。そうですね、顔の見えないブログですからブロガーの顔くらい出した方が親近感が持てるかもしれませんね。ありがとうございました。Taichan
written by 春野ことり / 2007.05.27 07:10
今回の「麻疹大流行」に驚いてます。慌てて子供達の母子手帳を探しました。といっても、ワクチンが無いから無駄なんですが、麻疹ワクチンは一度の接種で、生涯免疫がつくと聞いたんですが、今になって、違うことを言うのは何故なんでしょうか?
この機会に、国家行政には、予防接種の制度見なおしをお願いしたいです。
マスコミには「副作用の怖さばかり強調して報道しないでほしい」と、強く希望します。正確な判断ができなくなって困ります。はるる
〜はるる様、コメントありがとうございます。本当におっしゃる通りです。予防接種の件は考え直す時期と思います。Taichan
written by はるる / 2007.05.27 12:15
生後まもなくして渡米3年間住んでいたためなのか、
両親に聞いてみましたが忘却のかなた、
母子手帳なんてものも残っておらず、
自分が何の予防接種を受けているのかさっぱりわかりません。
僕も予防接種の体制は見直してほしいと考えます。
勉強になる記事をありがとうございました。脳外科見習い
〜脳外科見習い先生、州によっては予防接種記録をカードにして渡してくれるんですが、先生がいらっしゃった時はなかったのか?紛失されたか?でしょう。多分アメリカですとBCG以外は全てやっているはずです。アメリカの予防接種について、今度記事にしてみます。こちらこそ、いい点を指摘して頂きありがとうございました。Taichan
written by 脳外科見習い / 2007.05.27 18:27
米国の予防接種事情
米国の予防接種に関して以下の1から3の記事を紹介します(2は私が書いています)。麻疹の流行で日本の予防接種も再考の時期に来ています。少し長くなりますが、読んで頂ければ幸いです。
アメリカ政府はバイオテロ対策の一環で予防接種は重要視しています。保険所で受ければ無料の州が多いと思います。ただBCGがありません。これは移民の国であるのに矛盾しているかな?といつも思います。ツ反陽性が当たり前の外国人には昔から悩ましい問題です。
アメリカ国内で予防接種を受けていないのはアーミッシュの子くらいだと言われましたが、現在州によってアーミッシュも現代の医療の恩恵を受ける傾向にありますから、以前と事情は変わってきています。
1.シアトル子育てネットワーク 日米子育て事情の違いより
http://www.junglecity.com/kids/column/difference/4.htm
■ 日本の事情
日本で子供を対象に接種が義務付けられているのは下記のとおりです。
BCG、ポリオ、三種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア)
麻疹、風疹、日本脳炎
その他に任意で接種できるものは次のとおりです。
水疱瘡、おたふく、インフルエンザ
■ アメリカ・ワシントン州の事情
アメリカは州によって決まりが異なりますので、ここでは便宜上ワシントン州についてお話します。現在接種が行われているのは、下記のとおりです。
HepB(B型肝炎)
DTaP(三種混合)
Hib(インフルエンザ桿菌タイプBワクチン。Flu ショットとはまったく別)
IPV(ポリオ)
MMR(麻疹・おたふく・風疹混合)
Varicella (水疱瘡)
PCV (肺炎球菌ワクチン)
HepA(A型肝炎)
Influenza (インフルエンザ)
日本にないものがいくつかありますね。
ちなみに、上記のうちキンダーに入学する際に必要とされているのは、HepB、DTaP、IVP、MMRです。それより以前のデイケアなどでは、この他にHibも要求されます。キンダーの入学申し込みの際に予防接種証明フォームの提出が州法により義務付けられています。
日本では綿密に予防接種のスケジュールが組まれ、1回につき1つの接種というのは大前提です。そこで日本人が一番驚くのが、アメリカの複数同時接種。一度に3本も4本も接種することもあります。子供にしてみれば、痛いのがどっと一度に来る方がいいのでしょうが・・・。
また、接種前の問診も検温もなし。一度は看護婦さんが「念のためにね〜」と接種前にタイレノール(痛み止め薬)を飲ませようとしましたが、なんだか無茶苦茶のような気がして、もちろんお断りしました。
また、日本では2回のポリオがアメリカでは3〜4回(ポリオに関しては接種方法も異なります)、麻疹も2回と、接種回数が異なるため、日本の事情を知っていると混乱します。就学に予防接種証明を必要とするのはとてもアメリカらしいと思うのですが、署名をすれば接種しないことを認めてくれるのもまたアメリカらしい一面ですね。(2004年3月)
2.マイアミ大学日本人会childcare Vaccination予防接種より
2歳10ヶ月の娘のプレスクール入園前に近くの小児科医を受診しました。予防接種は3種(polio、MMR、hepatitis B)を大腿に筋注されました。母子手帳のコピー、日本の小児科医の診断書を持参していったため、これに追加しての接種でした。驚いたのは鉛中毒についてしつこく問診されたことです。小児科医からは2才の娘に予防接種をしないと学校に行けないことをよく説明するように言われましたが、泣き叫ぶ子供に説明しても納得できるはずがありません。結局4人でベッドに押さえつけて接種してもらいました。診察室を出る時に、泣きながら先生にthank you と言って娘が皆を和ませてくれました。
日本の専門家に聞いてみました。以下
ポリオは通常どおりにやっていれば日本では既に終了です(3ヶ月と10ヶ月前後)。アメリカでもOPV(経口生ワクチン)とIPV(不活化ワクチン)を使っていた時期がありましたが、OPVによるポリオ発生のリスクが、OPVを使うメリットを上回るとの理由で、現在はIPVのみ4回の接種に変わっています。
今までに受けられたのが日本でのOPV2回のみであれば、IPVを1〜2回追加されるのは普通だと思います(アメリカでの基準からは)。
MMRも、国際的には日本で問題になった無菌性髄膜炎のインパクトは大きくありません。measlesは日本では1歳、WHO勧告は9ヶ月です。特に、日本の子供が米国に持ち込むということで警戒されています。
B型肝炎は日本、英国、北欧の数カ国を除いてはuiniversal vaccination(特に母親がハイリスクでなくても全児接種)の方向です。中には「危険を承知なら打たなくても入学を認める」学校、州もありますが、これは打っておいて損のないワクチンですので3回打ってよいと思います。chicken poxも検討していいのではないでしょうか?
小児科クリニックでは有料になりますが保険所では無料です。なお日本での予防接種歴は英訳してもっていけば黄色のVaccination Recordに記載してくれます。私は医学キャンパスに近いHealth Centerへ子供を連れていきました。あ?両大腿、腕にもか?痛そう、でも子供の為。http://wiki.livedoor.jp/univ_miami/d/Childcare (2005年3月)
3.こばやしクリニックのHPより
http://www.kobayashi-naika.com/archives/cat004/q015.html
Q:子供も大人も日本人は体格が小さいから、アメリカでの通常の接種量では過量になるのではないかと心配です。
A:これはあまり心配ありません。この国での標準的な量の投与でまず問題はありません。アメリカには体格的に小さい東洋系の方もおられますが、通常通り接種を受けています。生ワクチンは、接種量の違いは問題になりません(数倍多くても、数分の一でも効果や副作用には関係しません)。一方、不活化ワクチン(トキソイドを含む)では、接種量が少ないと抗体価の上昇が少なく有効とならない可能性があり、逆に接種量が多いと接種部位の腫脹等の局所的な副反応が増強する可能性があります。この不活化ワクチンによる局所の副反応の強さは個人差によるものが大きく、もし接種部位の腫脹などが著しいようでしたら、次回から投与量を減量してもらうとよいでしょう。
はしかーこの国の報道を見て行動する国民(患者)の意識
最近変に真面目でいけませんね。。。さて。はしかの生徒が出たので大学が休校になりクラブ活動も禁止となったので、近くの公園でクラブ部員みんな集まって体を鍛える有名大学運動部員だとか、実習でうつるといけない... [続きを読む]
posted from 女医^^遊佐奈子のお気楽! 2007.06.02 21:59
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taichan先生、日米の予防接種事情の違いについての詳しい説明嬉しい限りです!ありがとうございます。
娘は一度に何本もの注射を左右の腿に看護士が2人で一、二の三で打つのは凄い迫力でございます。
日本脳炎とBCGは接種をしていませんがどうなんでしょう?
それから予防接種前には問診と検診(体重、身長測定など)ありました!
先生の前の記事にあったように患者さんに対する態度、治療法などは平等であるのが当たり前のはずなのにクリニック、ドクターによっては違いがあるのが現実なようです。。。
お恥かしながら私も娘の小児科を選ぶ時に一番最初にアポを取る時に聞いた質問はメディケイドを取りますか?でした。。。pug
~pug先生、コメントありがとうございます。私も問診と検診を受けた後接種でした。同時接種は痛そうです。先生が日本に娘さんを連れて帰られる時、BCGと日本脳炎は考えましょうか。現時点ではアメリカの流儀に従うだけでいいでしょう。私も最初は小児科を予約しました。保険所の時は70%黒、20%ヒスパニックでした。Taichan
written by pug / 2007.05.28 16:26
2007.05.26 07:25 | 肥満.健診.予防接種.禁煙 | Tai-chan | 推薦数 : 10
麻疹輸出国の汚名返上!
麻疹輸出国日本を海外から見て感染症専門家の五味先生はLancetに2004年下記の投稿をされています。
日本はUNICEFの麻疹撲滅運動に財政面で多大な貢献をしている日本。乳児死亡率が世界一低い日本。それなのにどうして日本で麻疹が流行るのでしょうか?
報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
最後の一文が印象的です。日本政府に向けての熱いメッセージを送られています。これがLancetに掲載されていることも驚きです。
今回の麻疹騒動は明らかに行政の失態です。アメリカの医学部では麻疹はもはや輸入される感染症であり、その中で先進国日本が輸出していることを教えています。日本人として本当に恥ずかしいです。でもきっと今回の件で国民全体が麻疹撲滅、予防接種徹底を見直すいい機会になってくれると信じています。今こそ麻疹輸出国の汚名を晴らすチャンスです!
原文は下記の通り。
Why is measles still endemic in Japan?
Gomi H, Takahashi H.
Lancet. 2004 Jul 24-30;364(9431):328-9.
Japan has been confronting the problems of uncontrolled measles for more than a decade now, and WHO has taken the initiative to eliminate measles worldwide.
Despite these global efforts, however, measles is still endemic in Japan: there were an estimated 200 000 cases and 88 deaths (mainly in children) in 2000.[1 and 2] But measles is not only a domestic problem. The US Centers for Disease Control and Prevention has reported that Japan is the country that exports measles to the USA most frequently. [3]
Japan has contributed a great deal financially to the global movement to eliminate measles through the United Nation Children's Fund (UNICEF), and infant mortality in Japan is among the lowest in the world. Nevertheless, many Japanese children still die from a vaccine-preventable disease. Why is that?
The measles vaccine was first introduced in Japan in 1966, and the measles, mumps, and rubella (MMR) vaccine followed in 1989. Subsequently, in 1993, the MMR vaccine used in Japan was withdrawn owing to unexpectedly high rates of aseptic meningitis associated with the mumps Urabe AM 9 strain.[4] In 1994, major changes were made to the country's immunisation law, such that all childhood immunisations were no longer mandatory. Individuals would be given “strong recommendations” to get the vaccine, but ultimately it would be their choice.
Since 1994, the Japanese government has played a very passive part in the formulation of vaccine policies, mainly because of strong public opposition to the reinforcement of mandatory vaccination. As a consequence, the general public has not been well educated on vaccine-preventable diseases and is not aware of the significance of those diseases. Measles vaccine coverage rates are lower than in other countries such as the USA, where domestic measles has been almost eliminated. Moreover, even though many countries have already implemented a two-dose regimen of measles vaccine, Japan has not. Until January, 2004, administration of measles vaccine was recommended between 12 and 24 months of age, instead of between 12 and 15 months when children have the greatest risk of contracting measles. There is no established system to check vaccination status on entry to the school systems.
Strong political and social desire has to be inspired, and vigorous educational campaigns for policy makers and the general public are required. If there are clear strategies and prioritisation on vaccine policies, and a strong will to combat the disease, measles in Japan can be controlled. The great success of near elimination of measles on the American continents is strong encouragement.[5] It is time for the Japanese government to regain leadership on this issue.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=15276387&query_hl=1&itool=pubmed_docsum
五味晴美先生 Springfield, Illinois (IL)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2331dir/n2331_13.htm
参考文献:A septic meningitis caused by measles-mumps-rubella vaccine in Japan. Ueda K, et al. Lancet 346:701-2, 1995
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Surgeon General
決して米国の医療システムがよいといっているのではありませんが、確か米国にはSurgeon GeneralというPublic Healthの専門職のポストがありましたね。医師として、政府や国民を啓蒙する... [続きを読む]
posted from 「野戦病院」の研究室 2007.05.28 08:55
コメント一覧
お疲れさまです。
先生の記事で、いろいろ勉強させてもらっています。
麻疹輸出国の話、ほんとに気になります。
恥ずかしい限りだと思います。
それにしても、ワクチンが問屋に頼んでも入手できなくなり
(麻疹ワクチンだけでなくMRも難しい)
抗体検査も、HI法のキットは検査会社でも枯渇し、
あとはEIA法(3倍高い)が頼り...
やっぱり輸出大国への道でしょうか....?Dr Takechan
~Takechan先生、コメントありがとうございます。抗体検査が出来ない、出来ても高価なEIA法しかないと大変な状況なのですね。先生の記事を拝見しまして事情が理解出来ました。麻疹がここまで猛威をふるうとは予想出来ませんでした。少し日本人は(医師も含めて)甘く見ていたのかもしれません。Taichan
written by Doctor Takechan / 2007.05.26 10:14
写真が気になっていましたが、真相が分かり♪ おふたりとも良い表情 電話機もレトロっぽくてグー おのま
〜おのまさん、恐れ入ります。時にはブロガーも遊んでみたくなりまして。Taichan
written by おのま / 2007.05.26 12:57
今回の日本での麻疹騒動でMMRをまだ接種してない8ヶ月の娘を連れての帰国断念しました。
小児科医によると12ヶ月未満でMMR接種をした場合、12ヶ月になったらもう一度やらないといけないと言う事でした。
と言う事で母に顔みせになんと2泊で日本に行ってきました!(お陰様で母親は元気で小休止を保っています)
それでも空のスーツケース一杯に日本から本、食べ物、おまけにベビーフードまで買い込んで来た珍道中でした。税関で短い旅なのに荷物多いと笑われました。pug
~Pug先生、2泊の強行スケジュールお疲れ様でした。お母様がお元気そうで何よりです。私はMMR何と過去3回受けています。さて、8ヶ月のお子さん、東京に連れて行かれなかったのは正解だったかもしれませんね。日本のベビーフードはいいのですか?日本からの帰り、税関でよく引っ掛かります。ちまき、カマボコがシカゴで検査されました。Taichan
written by pug / 2007.05.26 15:45
Tai-chan先生こんにちは。
>報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
本当におっしゃるとおりですね!
報道は本当に恐ろしいです。ゆうあいクリニック理事長
〜片山先生、コメントありがとうございます。報道する側からすれば報道する必要性はあったのでしょうが、しかし予防接種は必要なのですよ!と専門家、厚生労働省が出てきて国民に訴えるべきで弱腰の方針をとった為に今回の騒動です。
日本人は優秀な民族ですから、この騒動からきっと予防接種の大切さを学ぶはずです。Taichan
written by ゆうあいクリニック理事長日記 / 2007.05.26 18:23
・私も五味先生のこの記事は読んどりましたが、そのときは、「ああ、そうか」という感じでした。しかし、現在爆弾が周りに落ちつつあります。この1週間以内に、職員にたいしてワクチンをうつ段取りを整える予定ですが、「泥縄」だなと、反省しています。
・現在当院では、外注の検査はHI法はできず、EIAは今のところ出来るが結果が出るのに10から20日、いつ試薬がなくなってできなくなるかわからない。麻疹単独のワクチンは入手できず、代わりにMRをうたなければならない状況です。ミチバ
〜ミチバ先生、コメントありがとうございます。日本の大変な現状が理解できました。早く麻疹の混乱が収まってくれることを願いますが、喉もと過ぎれば熱さを忘れるということにならないように、政府、国民にこの機会に予防接種について再考する機会になることを祈っています。Taichan
written by ミチバ / 2007.05.26 21:22
男前ですね、先生。
残念ながら、僕はまだしばらく匿名ちゃんでいようかと思います。Murajun
~Murajun先生、オバサンからKeep smile!と言われながら無理やり撮られた1枚です。恥ずかしいので、もうすぐしたら別の写真に替えます(汗)。Taichan
written by murajun / 2007.05.26 22:56
そんなことおっしゃらずに先生の写真、しばらく残してくださいよ。murajun先生のおっしゃる通り、凛々しくて男前ですね。ブロガーのお顔がわかると親近感が持てます。
>報道によりワクチンの副作用を強調されたばかりに予防接種に及び腰になってしまった祖国、日本を憂う気持ちを感じます。
同感です。春野ことり
〜本当は1日だけ掲載してその後はブッシュシリーズにしようと考えていましたが、春野先生もそう書いて頂いているようですからしばらく残してみます。そうですね、顔の見えないブログですからブロガーの顔くらい出した方が親近感が持てるかもしれませんね。ありがとうございました。Taichan
written by 春野ことり / 2007.05.27 07:10
今回の「麻疹大流行」に驚いてます。慌てて子供達の母子手帳を探しました。といっても、ワクチンが無いから無駄なんですが、麻疹ワクチンは一度の接種で、生涯免疫がつくと聞いたんですが、今になって、違うことを言うのは何故なんでしょうか?
この機会に、国家行政には、予防接種の制度見なおしをお願いしたいです。
マスコミには「副作用の怖さばかり強調して報道しないでほしい」と、強く希望します。正確な判断ができなくなって困ります。はるる
〜はるる様、コメントありがとうございます。本当におっしゃる通りです。予防接種の件は考え直す時期と思います。Taichan
written by はるる / 2007.05.27 12:15
生後まもなくして渡米3年間住んでいたためなのか、
両親に聞いてみましたが忘却のかなた、
母子手帳なんてものも残っておらず、
自分が何の予防接種を受けているのかさっぱりわかりません。
僕も予防接種の体制は見直してほしいと考えます。
勉強になる記事をありがとうございました。脳外科見習い
〜脳外科見習い先生、州によっては予防接種記録をカードにして渡してくれるんですが、先生がいらっしゃった時はなかったのか?紛失されたか?でしょう。多分アメリカですとBCG以外は全てやっているはずです。アメリカの予防接種について、今度記事にしてみます。こちらこそ、いい点を指摘して頂きありがとうございました。Taichan
written by 脳外科見習い / 2007.05.27 18:27