今日はリサイタルで演奏するソロ曲の続きです。


前回、ソルの作品について書きましたが、その他に演奏するのは、ナポレオン・コスト「ノルマの主題による幻想曲」とフリアン・アルカス「椿姫の主題による幻想曲」です。


コストは、いろいろな形のギターを作らせたことで有名ですね。
 220px-Napoleon_Coste
これです。形が違うだけでなく、弦も多いですね!そのせいで、コストの曲には今の6弦ギターでは弾けないものも。


「ノルマ幻想曲」はベッリーニのオペラをもとにしていますが、楽譜には「ベッリーニ」「コスト」と部分的に名前が書いてあります。ここはベッリーニのメロディ、ここは自分が書いたということだと思いますが、1ヶ所だけベッリーニと書かれているのに、オペラにその旋律が、私には見つけられていません。2つは見つかりました。「ああ、あの愛がもどれば」と「そう、残る命を」です。
幻想曲では冒頭にコストによって前奏曲的なものが書かれ、「ああ、あの愛がもどれば」と続き、またコストの旋律。と、ベッリーニとコストのメロディがまるで対話するように交互に書かれています。



フリアン・アルカスはタレガが師事したとして知られています。が、師事していた期間はとても短かったようです。


「椿姫幻想曲」はヴェルディのオペラ椿姫のさまざまなモチーフをつなぎ合わせています。
前奏曲(2幕でヴィオレッタがアルフレードに別れを告げるメロディのところ)から始まり、3幕で死に瀕してなおアルフレードを想うヴィオレッタの儚げなメロディが続き、最後は1幕にもどって「花から花へ」で華やかに終わります。
こうしてストーリーを追って見てみると、最後の「花から花へ」はまるで死の間際に見る、華やかだったころの思い出にも思えます。


この「椿姫幻想曲」は後にタレガが手直ししています。そちらの方が演奏されることが多いかもしれませんね。
でも今回演奏するのはアルカス版です。


いかがでしょうか。ソルとはまた違ったオペラのモチーフとしての使い方。ご興味を持っていただけたら、ぜひ会場に足をお運びくださいませ。

尾野桂子ギターリサイタル〜ギターで奏でるオペラ〜
3月29日(日)午後2時30分開場 午後3時開演
洗足  サロン・フェリーチェ
一般:3000円 学生:1500円