~『エレベーターの中から見える風景(1)』によせて~
エレベーターの中のできごと、
車いすの私も、外出するたびにある、といえば大げさですが、
いつでも、そういう場面になりそうだな…という
緊張を感じることがあります。
とても長ーーい数秒間。
episode4のママは、その場から逃れたい一心だったのでしょう。
そして、逃れたあとは、どうしたらよかったか、というのは考えない、
または、考えたとしても、答えを得るのは難しかったことと思います。
最近エレベーターの中で、こんなことがありました。
やはり子どもが私をじっと見ていたのですが、
その周りのご家族が、「こんにちは~」と声をかけてくれたのです。
そして私も「(お子さんのことを)かわいいですね~」
と会話ができ、最後はバイバイして別れるという、
和やかな雰囲気になりました。
そんなときは、心からホッとして気もちがあたたかくなります。
episode4のようなことがあると、心と体が固まります。
社会の中では距離感が取れるのですが、その距離感が
偶然なくなってしまうエレベーターの中では、
「子どもは、ごく自然な疑問をぶつける。
大人は、それまでの距離感を保とうとする。」
そういうことが起きてしまうことは、よくあるできごとです。
この、episode4のエレベーターの中のできごとで、
今の「社会」が目の当たりに見えてくるのではないでしょうか。
私は、おおきなきの中で、社会の中で作られている
このような距離を縮めていくための試みを
積み重ねていきたいと思っています。
執筆者:T(おおきなき事務局)