☆ 訪問大学おおきなきのひととき ☆
Aさんの前回の授業はこちらです

重いてんかんを持つ生徒さん。
気管切開をしているので声を出しての会話に不自由がありますが、
明るくてチャーミングなAさんです。
~講師のある日の記録より~
朝からしっかりと覚醒をしていないようで、酸素をあてていた。
ベッドサイドに行くと、私のネックレスを指差し、
「きれいね」
「お友達が作ってくれたの。Aさんも同じネックレスを持っていると思うよ」
…「あっ、スエーデンのお友達!」
そう言って、窓辺にかけられたネックレスを指差す。
「Aさんと私でネックレスのお店を作って、みんなに買ってもらおうか?
社長さんになっちゃう?」
で、二人で大笑い。
「ルーマニアの写真、持ってきた?」
と、よく覚えていてくれる。
ベッドから身体を起こすことを望まなかったので、
タブレットを見える位置に置きながら、写真を見る。
風景や食事、街中の様子などを1枚ずつ説明しながら、
次への写真に移る操作はAさんが担当。
「この写真でちょっと不思議なところがあります。何だと思う?」

Aさんはじっくりと写真をみながら、考えている。
「車があって…、なんだろう。わからない」
としっかりと答える。
正解は、歩道の真ん中に駐車している車。
「それは危ないよね。おまわりさんに言わなきゃ」
「そうなの。パトカーも止まっていたよ」
で、Aさん大笑い。
途中、昨日テレビで放映されていた映画「ハリーポッター」の
ストーリーが入ることもあったが、1時間以上も集中して
写真の説明を聞き、疑問点を投げかけてくる。
「ハリーポッター」も全く脈略がないわけではなく、
ルーマニア=ドラキュラ伯爵=幽霊やお化けを見たことはあるか
=魔法使い=ハリーポッター…へと、つながっている。
オーストリア航空の車椅子対応や移動の際のリフト車、
街中で利用したポータブルスロープの話なども興味を持って
聞いていた。
つばを飲み込んだので、
「喉渇いたね。お茶にしようか」と誘うと、
「なんでわかったの?」と不思議がっていた。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
訪問大学『おおきなき』とは・・・
障がいや病気のために、通所施設などに毎日通うのが
難しい方のご自宅を講師が訪問して、生涯学習を支援します。
自分の思いが伝わる喜びを感じながら、
自分に合った方法で学ぶ機会を持ち続けてほしいと
思っています。
そして、
自己実現に向かって進みながら、社会とのつながりを
深めていってほしいと願っています。
詳しくはおおきなきHPの訪問大学のページをご覧ください。