2015年12月

☆ 訪問大学おおきなきのひととき ☆
Nさんの前回の授業こちら

さん
盲ろう(視覚障害と聴覚障害)の障がいがあります。
意思のしっかりした、笑顔のかわいいNさんです。
地域のセンターで学習しています。

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~講師のある日の記録より~

今日はクリスマスプレゼントお買い物の本番。
センターの喫茶室で落ち着いてしまうと、切り替えが難しくなって
しまうかもしれないので、あえて駐車場の車からのスタートとした。
車で待つNさんに挨拶をすると、にやっと笑う。
「今日はクリスマスプレゼントを買いに行きましょう。
歩いて△△のお店にいこうね」と誘うと、元気よく
「はい!」

二人で手をつないで歩く。
ゆっくりとした歩調。表情も良い。
踏み切りの手前で立ち止まり、
「踏み切り。電車が来ないので踏み切りをわたるよ」
歩くことが目的ではない。
目的地に行くことが目的である。
だから、Nさんが今どこを歩いているのかを知ることが
大切である。

3回目となるとNさんも大まかな方向をつかめるのだと思う。
踏切を渡って、少し左にそれるとちょっと足取りが速くなり、
ファストフード店の前で止まると、店内に向かって
一歩進もうとする。

ファストフード店ではアイスティー、フライドポテト、アボカド
コロッケを注文。
今までとは違うレイアウトの席に座る。
女子会と作戦会議。
「これから2階に行って、パパとママのクリスマスプレゼントを
買いに行きましょう。
何を買うか、12月8日に決めましたね。パパは?」
「タオル」
「ママは?」
「てぶくろ」
確認をしてから出発。

エスカレーターで2階に行き、「まずは、パパのタオルを買いましょう」
Nさんはふっとお店のある右に向きを変える。
紳士用品店の奥にあるタオルコーナー。
「3枚選びます。」
2枚をNさんに示すとそのうちの1枚をずっと握りしめている。
嬉しそうな表情で優しく力を入れながら持ち続けている。
「お店のお姉さんにタオルを渡してね」
Nさんは前方に手をのばして、タオルから手を離す。
「Nさんとお父さんが散歩をするときに、お父さんのポケットに
いれてもらおうね」
Nさんの顔が上がる。
「お父さんのタオルを素敵な袋に入れてくれています」
レジ前での待ち時間が長くなりそうだったので、状況を
Nさんに説明をする。
お財布からお札を出すと、Nさんが店員にそっと手渡す
ことができた。
プレゼントを持参した布袋にいれる。

次はエスカレーターを挟んで反対側にあるお店へ向かう。
「手袋には厚い手袋とやわらかい手袋があるね」
手袋コーナーの前で品定め。
両手にそれぞれ異なる感触の手袋を持ち、Nさんはにやにやと
笑っている。
両方を私に戻し、左手を出す。
そうだよね。両手がふさがっていたら、お話ができないものね。

「ママは厚い手袋と、やわらかい手袋とどちらがいいかな」
もう一度両手にそれぞれの手袋を触ってもらう。
「ヤワ・・」
とNさんが指文字で話す。
やわらかい手袋をNさんと一緒に持ち、レジに並ぶ。
「プレゼント用のレースの袋に入れてくれます」
包装の間、落ち着いて待っているNさん。
レジでの代金の支払いもスムーズ。

Nさんの左腕に布の袋をかけて、Nさんの左手と私の右手をつないで
1階のファストフード店に戻る。
そして、また歩いてセンターの駐車場に。
「クリスマスプレゼントはクリスマスに渡します。
パパとママに渡すまで車の中に隠しておこうか」
と伝え、プレゼントを足元に置くと、Nさんは2度
手を伸ばして確認していた。

今日の学習内容も点字で後日郵送することを約束する。

講師メモ:
お母さんにはファストフード店で待っていてもらい、
Nさんと私の二人で買い物に。
Nさんは袋もずっと持ち歩き、とても落ち着いていた。
内容(買い物)と場所を納得するために、何回もゆっくりと時間をかけて
積み重ねることができた。
Nさんの満足そうなドヤ顔が、とてつもなく嬉しかった。
家族でプレゼント交換をするらしい。
良いクリスマスを!




☆☆☆    ☆☆☆    ☆☆☆
 
訪問大学『おおきなき』とは・・・
障がいや病気のために、通所施設などに毎日通うのが
難しい方のご自宅を講師が訪問して、生涯学習を支援します。
自分の思いが伝わる喜びを感じながら、
 自分に合った方法で学ぶ機会を持ち続けてほしいと
思っています。
そして、
 自己実現に向かって進みながら、社会とのつながりを
深めていってほしいと願っています。
詳しくはおおきなきHPの訪問大学のページをご覧ください。

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Nさんの前回の授業こちら

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意思のしっかりした、笑顔のかわいいNさんです。
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~講師のある日の記録より~

センターのフリースペースでコンサートをやっていたため、
喫茶コーナーがいっぱい。
人もたくさんいてざわついていたので、今日はセンターには入らず、
駐車場からそのまま△△のお店に向かうことにする。
駐車場の車の中で待つNさんに状況を説明すると、
すぐに車から降りて歩き出す。
踏切前で通過する電車を見送り、踏切を渡って△△へ。
ファストフード店でもレジで注文をし、お札をそっと持って、レジで支払いをする。
先週と同じ席に座り、早くも女子会スタート。
Nさんと成人のお祝いのこと等、話をしていると、熱々のポテト登場。

「パパとママにお話をしましたか?」「はい!」
「パパとママはクリスマスプレゼントに何がほしいと言っていましたか?」
Nさんは正面に座っているお母さんの左手に指文字を出し始めた。
左手は私を握っていたので、Nさんが右手で出す指文字と同じ指文字を
私がNさんの左手にフィードバックしてみた。
『ママは手袋。パパはタオル』
「Nさんが出す指文字はNさんが指文字を出しているママ以外の、
私にもちゃんと伝わっているんだよ。」
が伝えたくて。
さらに具体的な話をしようと思っていたら、Nさんが「トイレ!」
話を中断し、2階のトイレに直行する。
トイレ前の授乳室。ベンチがあり、ゆったりしたスペースだったので
そこで作戦会議続行。
「手袋とタオルを探しに行きましょう。いくらか、代金も調べましょう」

雑貨屋さんで手袋を見る。
「指が5本の手袋。二つに分かれているのはミトンといいます」
Nさんの掌に手袋を載せて、右手をガイドしながらその形を確認する。
「手首まである長い手袋もあるね」
4個目からは「ちょっともういいかな」のNさんだったが、
一つ一つを丁寧に触り、確かめる。
「手袋は2000円」

「タオルを見に行きましょう」
紳士服売り場にあった3枚990円のハンカチとミニタオルコーナー。
「タオルは1000円」
「22日にはお財布を持ってきてね。手袋が2000円。タオルが1000円。
合わせていくら?」「3000!」

△△のお店から駅改札を通り抜け、センターの駐車場まで戻る。
車内で今日の内容を振り返る。
14日に福祉園で行う健康診断での採血の練習も車内で行う。
腕にゴムを巻き、昨年の方法を再確認する。
1年過ぎたのだな、と思う。

今日の内容と宿題は点字郵送で。

講師メモ:
雑貨屋さんの店内で右手がディスプレイに触れて動かしてしまった。
が、そのことを気にする様子のないNさん。
手にふれたものは放り投げることが多いNさんだが、Nさんの周りには
いろいろなものがあるけれど、
あなたに危害を加えるものではないんだよ。
削除しなくていいんだよ。

☆☆☆    ☆☆☆    ☆☆☆
 
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障がいや病気のために、通所施設などに毎日通うのが
難しい方のご自宅を講師が訪問して、生涯学習を支援します。
自分の思いが伝わる喜びを感じながら、
 自分に合った方法で学ぶ機会を持ち続けてほしいと
思っています。
そして、
 自己実現に向かって進みながら、社会とのつながりを
深めていってほしいと願っています。
詳しくはおおきなきHPの訪問大学のページをご覧ください。

 トックンのアート館72 

『  ありが10匹 

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絵:トックン
  
トックンのイラストが絵はがきになりました
ご注文方法はこちらになります

♪ トックン ♪
べッドの上で、左手でトラックボール(☆)
右手でスイッチを使い、描いています。
Windowsのアクセサリの中の「ペイント」
というソフトを使っています。
インターネットで見つけた素材を参考にしたり、
オリジナルキャラクターを考え出したりしながら、
時間をかけて一つの作品を仕上げていきます。

パソコンのマウスの役割のものが土台に乗った球状になっており、
その土台の上で球を転がすと、その方向にカーソルが
動くようになっています。

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~講師のある日の記録より~

先週、私の忘れ物をNさんが郵送してくれた。
お母さんから連絡があり、今日手渡すか、事前に郵送するか、
とのことだったので、
「郵送する場合にはNさんと一緒に投函してほしい。Nさんと一緒に
封筒にいれて、封筒になんでもいいから点字を打つか、触って分かる
シールなどを貼ってほしい」
とお願い。
我が家に届けられた、Nさんの名前が点字で打たれた封筒を持参する。

センターで先週の振り返りと、宿題の答えあわせ。
「Nさんがスーパーのポストにいれてくれた封筒が私の家に届いたよ」
Nさんの左手を誘導して封筒の点字を触ると、力を入れることなく、
ふっと触っていた。
自分から手を伸ばすこともあった。

「今日は駅の近くにある△△というお店に行きましょう。センターから
歩いていきます」
Nさんはすっと立ち上がり、私の手を引っ張って歩き出す。
右側に線路を見ながら進み、
「踏切を渡ります。電車が通過するので待ちます」
遮断機の前で
「右から電車が来るよ。電車が駅にとまるよ」と状況説明。

△△の1階にあるファストフード店に入り、レジ前で注文。
ポテト、チキン、オニオンリングを注文。
「このお店は注文を受けてから、料理をするので、先に座って
待っていましょう」と席に着く。
店内の様子を伝える指文字をじっとNさんは聞き入っていた。
熱々のポテトをほおばりながら、ここでも女子会。
「学校帰りの買い食いだね」

△△の店内に入り、エスカレーターで2階へ。
「今日はお買い物はしません。どんなお店があるのかを調べましょう。
ウインドーショッピングといいます。」
雑貨屋さん、文房具、紳士服、・・・。一軒ずつ歩いては立ち止まって
お店の説明をする。
Nさんは落ちついてその説明を聞いている。

「歩いてセンターに戻りましょう。」
先に、△△のお店の2階から駅が直結していることも説明していたので、
それも確認。
改札口を通り越し、線路を左手に見ながらセンターへと戻る。
途中、踏切で立ち止まり、お店とセンターと駅の位置を確認。

センターに戻り、今日の振り返り。活動内容は点字で郵送。
「パパとママにクリスマスプレゼントに何がほしいかを聞いてくること」
それが今週のNさんの宿題。
そして、次回は△△のお店で買うものを決めて、22日に買いに行き、
24日に手渡す…という長期企画。

講師メモ:
私の自宅ポストにNさんからのお手紙。「N」と打たれた点字に
Nさんとお母さんの奮闘を想像する。
「パーキンス(点字タイプ)を前において何度か洋服を脱ごうとするのを、
いや、打ちます!!と頑張ったわよ」とお母さん。
それがあったからこそ、Nさんが封筒の「N」を実感をもって確認することが
できるのです。
「そう、これ、これ!!」とNさんが思ってくれたら、うれしいです。


☆☆☆    ☆☆☆    ☆☆☆
 
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そして、
 自己実現に向かって進みながら、社会とのつながりを
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~講師のある日の記録より~

今日もセンターでアイスティーを飲みながらの作戦会議。
宿題の答えはなかなか言おうとしない。
それでも「今日もスーパーでお買い物をしますか?」
の問いには間髪入れずに「はい!」
Nさんは、よくわかっているのです。

「1回目のお買い物ではプチトマトを買いました。
先週、2回目のお買い物では洋服を買いましたね。
さて、今日は何を買いましょう?」
Nさんが購入したものをNさん自身が実感できるものがいい
と考え、Nさんからお母さんに晩御飯のメニューを聞いてもらう。
Nさんはくるりと向きを変えて、お母さんに両手を差し出す。
今夜の夕飯はすでに支度を終えているとのことなので、
明日の朝食に鮭を買うことにする。

スーパーまで車で行き、駐車場から地下1階を通り抜け、
エスカレーターを上がって1階に…。
Nさんは自信を持ってとても良い表情で
私を引っ張って歩いている。
スーパー内のおおまかな方向をとらえている
空間認知力はすごいな、と感心させられる。

Nさんに連れてきてもらった(!?)ファストフード店で
またまた女子会。
レジ前での注文、支払い、商品の受け取り、二人がけの
ベンチの奥までずれること…。
まるで、五郎丸選手のルーティンのようだ。

地下1階にあるお母さんのお友達が働いているお店へ。
「Aさん:あら、Nちゃん。大きくなったね。今日はお勉強?
お勉強好きだものね」
と、Aさんの発言をそのままNさんに通訳。
Nさんはにこっとした表情で聞き入っている。
鮭を6切れ購入し、Aさんにお金を払う。
布製の袋に買った鮭を入れて、まずNさんの左手にもってもらう。
その左手と私の右手をつないで歩く。
Nさんの左手の肘が曲がるように、袋が体にぶつからないように
調整しながら、Nさんは購入した商品をしっかりと
車まで運ぶことができた。
やはり、右手は大切な情報源。ほかのことには使いたくないよね。

車の中で次週以降の内容についての確認。
「来週から12月です。来週は○○ではなく、
駅近くの△△というお店に行きましょう。
そして、12月22日にはパパとママにクリスマスプレゼントを
買いに行きましょう。
△△にはポテトを食べることができるお店もあります」
これ、大事な情報!!
手に汗もかかずに、余裕の表情のNさんでした。
今日の内容と宿題は後日点字で郵送。

講師メモ:
継続の大切さを感じる。
初めてのことは誰だって緊張する。これから何が始まるのか、
これから自分は何をするのかがわからないのだから。
見えて、聞こえていれば、実際に自分がやる前に、
遠くからでもこれから何が起こるのかを知ることができる。
でも、盲ろうのNさんにはそれができない。
実際にやらなければ、実感できない。
でも、この実際にやるというのが大変なのだ。
慣れれば平気…とよく言うけれど、慣れるまでは慣れていない。
でも、どんなことでも初めがあるから次がある。
ちょっとだけ勇気を出して、初めてを乗り越えよう、一緒に。

☆☆☆    ☆☆☆    ☆☆☆
 
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思っています。
そして、
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